4 / 4
或る少女の困惑
しおりを挟む
「これ、本当に年齢制限なし?」
深雪はひたすら困惑していた。
画面では美女が、悪党に腰を捕まれ、今にも押し倒されそうだった。
悪党─ベルトルトが言う。
「気が強い女は嫌いではない…」
「私は、あなたみたいな男、タイプじゃないわ!」
そう言う彼女の頬は紅潮していて、もしかして好きなのかと勘繰ってしまいそうになる。
それほど、表情と言葉がチグハグだった。
「素直に、なれ」
男が妖しく笑う。
「い、や」
ヒロインは、嫌々と首を振ったが、ついには
ぽすっとソファに倒されてしまった。
「何するの!?」
「お前の期待に応えてやったまでだ…」
そうして、男は女の両手を頭の上で固定させ間近で瞳を覗き込む。
きゃーー
深雪は、あまりの急展開に内心叫んだ。
「─お前は、婚約者と手を切りたいのだろう?ならば、我と取引しないか?」
「─何が目的?」
「善意で…言っているとは思わないのか?」
「ありえないわね」
男はくくっと笑って、女に言った。
「…そこまで何かを差し出したいと言うのならいいだろう…お前の身体で手を打とう」
「…本気、なの?
飽きたら手酷く扱いそうなあなたに身を預けるなんて、できるはずもないわ」
「…ならば、どうする?」
「もちろん私自身の力で婚約は解消する。
元よりそのつもりだし、あなたの力など借りない!」
「…後悔することになるぞ?」
「それは脅し?」
両者の間に目に見えない火花が散る。
そんな中、突然ベルトルトが動いた。
女の口を掠めるように軽く口づける。
「な、な、なにを!」
「ようやく可愛らしくなったな…」
男の笑みを見て、女の顔はますます赤くなる。
「口を開けろ…」
男は抵抗する女の顎を掴んで、無理やり口づけ、固く閉ざされた唇を舐める。
「…!!」
思わず開いてしまった口に容易く侵入し、女の歯列をなぞり……
こうして深雪は、乙女ゲームの世界にどっぷりと浸かっていくのだった。
深雪はひたすら困惑していた。
画面では美女が、悪党に腰を捕まれ、今にも押し倒されそうだった。
悪党─ベルトルトが言う。
「気が強い女は嫌いではない…」
「私は、あなたみたいな男、タイプじゃないわ!」
そう言う彼女の頬は紅潮していて、もしかして好きなのかと勘繰ってしまいそうになる。
それほど、表情と言葉がチグハグだった。
「素直に、なれ」
男が妖しく笑う。
「い、や」
ヒロインは、嫌々と首を振ったが、ついには
ぽすっとソファに倒されてしまった。
「何するの!?」
「お前の期待に応えてやったまでだ…」
そうして、男は女の両手を頭の上で固定させ間近で瞳を覗き込む。
きゃーー
深雪は、あまりの急展開に内心叫んだ。
「─お前は、婚約者と手を切りたいのだろう?ならば、我と取引しないか?」
「─何が目的?」
「善意で…言っているとは思わないのか?」
「ありえないわね」
男はくくっと笑って、女に言った。
「…そこまで何かを差し出したいと言うのならいいだろう…お前の身体で手を打とう」
「…本気、なの?
飽きたら手酷く扱いそうなあなたに身を預けるなんて、できるはずもないわ」
「…ならば、どうする?」
「もちろん私自身の力で婚約は解消する。
元よりそのつもりだし、あなたの力など借りない!」
「…後悔することになるぞ?」
「それは脅し?」
両者の間に目に見えない火花が散る。
そんな中、突然ベルトルトが動いた。
女の口を掠めるように軽く口づける。
「な、な、なにを!」
「ようやく可愛らしくなったな…」
男の笑みを見て、女の顔はますます赤くなる。
「口を開けろ…」
男は抵抗する女の顎を掴んで、無理やり口づけ、固く閉ざされた唇を舐める。
「…!!」
思わず開いてしまった口に容易く侵入し、女の歯列をなぞり……
こうして深雪は、乙女ゲームの世界にどっぷりと浸かっていくのだった。
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この悪役令嬢には悪さは無理です!みんなで保護しましょう!
naturalsoft
恋愛
フレイムハート公爵家令嬢、シオン・クロス・フレイムハートは父に似て目付きが鋭くつり目で、金髪のサラサラヘアーのその見た目は、いかにもプライドの高そうな高飛車な令嬢だが、本当は気が弱く、すぐ涙目でアワアワする令嬢。
そのギャップ萌えでみんなを悶えさせるお話。
シオンの受難は続く。
ちょっと暇潰しに書いたのでサラッと読んで頂ければと思います。
あんまり悪役令嬢は関係ないです。見た目のみ想像して頂けたらと思います。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
お姉様、私がお助け致します!~かといって、騎士と魔術師がお姉様を狙う展開は見過ごせません~
ぴぴみ
恋愛
リスペクトし“お姉様”と慕う小説の中の悪女、アマーリアの取り巻きに転生したはいいものの…。
助けるどころか、状況は予想外な方向に。
「お姉様の力になりたいのに…攻略キャラの男どもがお姉様を性的に泣かせようとしてくる…前は、こんなことなかったのに。
なぜ?どちらにしろ許すまじ!」
無限ループ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる