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3.元婚約者が転入してきました
③
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「ブラッド様、なぜラネル魔術院に……?」
「決まってるだろ? メイベルに会いにきたんだよ」
ブラッド様はそう言いながら私の手を取る。それから両手でぎゅっと握りしめた。
「あ、あの……?」
「メイベル。俺たちまたやり直そう。少しすれ違ってしまっただけで、俺たちは元々仲のいい婚約者同士だったじゃないか。婚約し直したらきっとうまくいくはずだ」
ブラッド様は私の目をまっすぐ見つめて言う。
仲のいい婚約者同士だったっけ……? と私は困惑してしまった。婚約者だった頃のブラッド様は、私といても大抵つまらなそうな顔をしていた気がするんだけれど……。
私がブラッド様に手を握られたまま戸惑っていると、突然その手を引きはがされた。顔を上げると、そこにはにっこり微笑むレナード様がいた。
「お久しぶりです、ブラッド殿。メイベルさんとは正式に婚約解消なさったのではありませんでしたっけ? 一度解消した婚約を結び直そうなんて、気軽におっしゃらないほうがいいですよ」
「あっ! お前はパーティーでメイベルと一緒にいた……!」
「レナード・ラスウェルと申します。メイベルさんとは魔術院で仲良くさせてもらってます」
レナード様はにこやかに言う。
ブラッド様は苛立たしげにレナード様を睨んだ。
「気安くメイベルに近づくなよ。メイベルはすぐにまた俺の婚約者に戻るんだからな」
「本人が承諾してくれればいいですね」
レナード様とブラッド様は、ぴりぴりした空気で睨み合っている。
その時、夜間クラスの先生が教室に入ってきた。
「ブラッド・カーク君。なぜこの教室にいるんだ。放課後に魔術院について説明をすると伝えておいただろう」
「すみません、先生。魔術院に知り合いがいるもので、どこにいるのか気になってしまって……。すぐに戻ります」
ブラッド様は先生に向かって爽やかな笑みで言い、教室を後にする。
去り際、彼は振り返って私のほうを見た。
「メイベル、また来るよ。君がまた婚約してくれると言うまで諦めないからな」
「え、ちょっと、ブラッド様……」
私の返事も聞かず、ブラッド様は行ってしまった。
レナード様が横で、なんなんだあの人と怒っている。
嵐は過ぎ去ったけれど、教室中はまだざわめいていた。みんな興味津々な様子で私を見ている。
私はもうブラッド様と関わりたくないのに……。
突然の事態に、私は途方に暮れてしまった。
***
翌日から、何かとブラッド様は私の前に現れるようになった。
休み時間に放課後、果ては帰り道にまで現れる。一週間が経つ頃には、私はすっかり疲れ果てていた。
「疲れた……ブラッド様、一体どういうつもりなのかしら……」
私は訓練場の壁際で思わずへたり込む。
「決まってるだろ? メイベルに会いにきたんだよ」
ブラッド様はそう言いながら私の手を取る。それから両手でぎゅっと握りしめた。
「あ、あの……?」
「メイベル。俺たちまたやり直そう。少しすれ違ってしまっただけで、俺たちは元々仲のいい婚約者同士だったじゃないか。婚約し直したらきっとうまくいくはずだ」
ブラッド様は私の目をまっすぐ見つめて言う。
仲のいい婚約者同士だったっけ……? と私は困惑してしまった。婚約者だった頃のブラッド様は、私といても大抵つまらなそうな顔をしていた気がするんだけれど……。
私がブラッド様に手を握られたまま戸惑っていると、突然その手を引きはがされた。顔を上げると、そこにはにっこり微笑むレナード様がいた。
「お久しぶりです、ブラッド殿。メイベルさんとは正式に婚約解消なさったのではありませんでしたっけ? 一度解消した婚約を結び直そうなんて、気軽におっしゃらないほうがいいですよ」
「あっ! お前はパーティーでメイベルと一緒にいた……!」
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レナード様はにこやかに言う。
ブラッド様は苛立たしげにレナード様を睨んだ。
「気安くメイベルに近づくなよ。メイベルはすぐにまた俺の婚約者に戻るんだからな」
「本人が承諾してくれればいいですね」
レナード様とブラッド様は、ぴりぴりした空気で睨み合っている。
その時、夜間クラスの先生が教室に入ってきた。
「ブラッド・カーク君。なぜこの教室にいるんだ。放課後に魔術院について説明をすると伝えておいただろう」
「すみません、先生。魔術院に知り合いがいるもので、どこにいるのか気になってしまって……。すぐに戻ります」
ブラッド様は先生に向かって爽やかな笑みで言い、教室を後にする。
去り際、彼は振り返って私のほうを見た。
「メイベル、また来るよ。君がまた婚約してくれると言うまで諦めないからな」
「え、ちょっと、ブラッド様……」
私の返事も聞かず、ブラッド様は行ってしまった。
レナード様が横で、なんなんだあの人と怒っている。
嵐は過ぎ去ったけれど、教室中はまだざわめいていた。みんな興味津々な様子で私を見ている。
私はもうブラッド様と関わりたくないのに……。
突然の事態に、私は途方に暮れてしまった。
***
翌日から、何かとブラッド様は私の前に現れるようになった。
休み時間に放課後、果ては帰り道にまで現れる。一週間が経つ頃には、私はすっかり疲れ果てていた。
「疲れた……ブラッド様、一体どういうつもりなのかしら……」
私は訓練場の壁際で思わずへたり込む。
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