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5.カレン様と展示会
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***
翌日、私は早速レナード様をロナ・ミラーの展示会に誘ってみた。
「レナード様、よろしければ今度一緒にロナ・ミラーという方の展示会へ行きませんか?」
「展示会? ロナ・ミラーの?」
レナード様はきょとんとした顔をする。
私は説明した。
「新作ドレスの展示会を行うらしいです! その招待状をもらったので、レナード様も一緒に行かれないかと思って」
「へぇ、そんなのやるんだ。メイベルさんもロナ・ミラーの新作ドレスとか興味あるんだね」
「いえ、今までブランド自体あまり興味はなかったですね……。でも、せっかく招待状をもらったので行ってみたいと思って。レナード様、一緒に行っていただけますか?」
「うん、もちろん! メイベルさんが誘ってくれるなら喜んで」
レナード様は笑顔で言う。私はほっとして、レナード様に招待状を手渡した。
「よかったです! それでは、レナード様。こちらが招待状です」
「ありがとう」
「この招待状、実はカレン様がくれたんですよ。レナード様をお誘いしてくれないかって」
「え?」
笑顔だったレナード様の表情が途端に引きつる。レナード様は戸惑い顔で尋ねてきた。
「この招待状、カレン様にもらったの……?」
「はい。カレン様がお父様のご友人経由でいただいたそうで」
「それをメイベルさんに? しかも僕を誘うようにって? なんだかすごく怪しくないかな……。大体、カレン様にはメイベルさんにはもう近づかないよう言っておいたのに……」
レナード様は強張った表情で言う。
私は慌てて言った。
「カレン様、レナード様に迷惑をかけてしまったと気にしてらっしゃる様子でした!」
「うーん、でも……」
「それにカレン様、レナード様のことは諦めるつもりだともおっしゃっていましたよ。今までのことを謝りたいのだそうです。一度会ってみてはどうですか?」
私がそう言うと、レナード様は迷うような顔をする。
「……そうだね。区切りをつけるにはいいかもしれないね」
「参加してくださいますか?」
「うん。参加するよ」
レナード様がちょっと困った顔をしながらもそう言ってくれたので、私は笑顔でお礼を言った。
しかし、承諾してはくれたものの、レナード様の表情にはまだ疑念が残っている気がした。
***
そして数日後。ロナ・ミラー展示会の日がやって来た。
カレン様からは、有名デザイナーのパーティーと言っても格式ばったものではないから、あまり気負わなくていいと言われている。
ただ、女性客が新作展示会に参加する場合、そのブランドのドレスを着用することがマナーになっているらしい。
ドレスのブランドに詳しくない私は、そんなマナーがあるなんて全く知らなかった。
カレン様は私がドレス選びに困らないようにと、親切にもカタログを持ってきておすすめのドレスをいくつか教えてくれた。私はカレン様に勧められるまま、飾り気のないシンプルなドレスを注文した。
カタログにある商品の中では値段も張らないし、奇抜なデザインではないから着やすそうだった。
お礼を言う私に、カレン様はなぜか過剰なくらいにこにこしながら首を横に振っていた。
翌日、私は早速レナード様をロナ・ミラーの展示会に誘ってみた。
「レナード様、よろしければ今度一緒にロナ・ミラーという方の展示会へ行きませんか?」
「展示会? ロナ・ミラーの?」
レナード様はきょとんとした顔をする。
私は説明した。
「新作ドレスの展示会を行うらしいです! その招待状をもらったので、レナード様も一緒に行かれないかと思って」
「へぇ、そんなのやるんだ。メイベルさんもロナ・ミラーの新作ドレスとか興味あるんだね」
「いえ、今までブランド自体あまり興味はなかったですね……。でも、せっかく招待状をもらったので行ってみたいと思って。レナード様、一緒に行っていただけますか?」
「うん、もちろん! メイベルさんが誘ってくれるなら喜んで」
レナード様は笑顔で言う。私はほっとして、レナード様に招待状を手渡した。
「よかったです! それでは、レナード様。こちらが招待状です」
「ありがとう」
「この招待状、実はカレン様がくれたんですよ。レナード様をお誘いしてくれないかって」
「え?」
笑顔だったレナード様の表情が途端に引きつる。レナード様は戸惑い顔で尋ねてきた。
「この招待状、カレン様にもらったの……?」
「はい。カレン様がお父様のご友人経由でいただいたそうで」
「それをメイベルさんに? しかも僕を誘うようにって? なんだかすごく怪しくないかな……。大体、カレン様にはメイベルさんにはもう近づかないよう言っておいたのに……」
レナード様は強張った表情で言う。
私は慌てて言った。
「カレン様、レナード様に迷惑をかけてしまったと気にしてらっしゃる様子でした!」
「うーん、でも……」
「それにカレン様、レナード様のことは諦めるつもりだともおっしゃっていましたよ。今までのことを謝りたいのだそうです。一度会ってみてはどうですか?」
私がそう言うと、レナード様は迷うような顔をする。
「……そうだね。区切りをつけるにはいいかもしれないね」
「参加してくださいますか?」
「うん。参加するよ」
レナード様がちょっと困った顔をしながらもそう言ってくれたので、私は笑顔でお礼を言った。
しかし、承諾してはくれたものの、レナード様の表情にはまだ疑念が残っている気がした。
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そして数日後。ロナ・ミラー展示会の日がやって来た。
カレン様からは、有名デザイナーのパーティーと言っても格式ばったものではないから、あまり気負わなくていいと言われている。
ただ、女性客が新作展示会に参加する場合、そのブランドのドレスを着用することがマナーになっているらしい。
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お礼を言う私に、カレン様はなぜか過剰なくらいにこにこしながら首を横に振っていた。
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