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俺は取り戻す(ガイガー視点)
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※ 今回もガイガー視点です。
番という本能が薄れてきていることに気づいた頃、俺の目を覆っていた布がとれたように、俺をとりまく状況が見え始めた。
王宮に行った時に皆が俺を見る目。
影でささやく声。
肌で感じるその空気。
嫌でもわかった。
俺はもう、王子として、なにも期待されていないということを。
国王である父上にさえも。
そのことに気づいた瞬間、俺は焦った。
それもこれも、全部、ミナリアではなくアンヌを選んだせいだ。
やはり、番は呪いだった。
そんな俺の状況をより悪くしていたのは、ルーファスの存在だ。
この前の会議で、父上が俺に意見を求めた。
とっさに思いつかなかったら、父上は同じ質問をルーファスにした。
あいつは、俺がわからなかったのをあざ笑うように、しゃあしゃあと答えた。
父上はそんなあいつを手放しで褒めた。
俺が番に捕らわれている間、狡猾なルーファスは、そうやって、父上にとりいってきたんだろう。
父上があいつを見る目は、実の息子の俺にむける目とはまるで違って期待に満ちていた。
だが、どれだけ期待しようが、ルーファスは王子ではない。
たかが公爵の息子だ。
立場をわきまえず、えらそうに……。
テーブルをはさんだ向こうにいるルーファスを見た。
マイリ侯爵令嬢を守るようにひっついて座り、時折、俺やラジュ王女に向かって、威嚇するようににらんでくるルーファスは、いつものとりすましたルーファスではない。
全く余裕がないルーファス。
誰よりも、マイリ侯爵令嬢が大事なんだな。
それほど大事なマイリ侯爵令嬢と離れることになったのなら、一体、おまえはどうなってしまうんだ?
正気でいられるか? いられないだろうな。
番を得て俺が正気を失ったように、おまえは大切な者と引き離されて正気を失ってみればいい。
ルーファスは、常に俺の視線を意識して隠すように、マイリ侯爵令嬢に身をよせていたが、マイリ侯爵令嬢が少し体を動かしたため、ミナリアに似たその愛らしい顔がはっきりと見えた。
大きな目を更に大きくして、ラジュ王女を探るように見ているマイリ侯爵令嬢。
青く輝く瞳が、晴れた空を思いおこさせる。
幼い頃、王宮の庭で、ミナリアと過ごした楽しかったあの時の空を……。
あの頃を取り戻したい。
ミナリア……。
だが、あれから11年もたったんだ。
ライナ国に住んで、子どももいるミナリアは俺の記憶とは違ってしまっているだろう。
ならば、かわりにマイリ侯爵令嬢を手に入れればいい。
マイリ侯爵令嬢がそばにいれば、ミナリアと歩めなかった幸せな未来を取り戻せる。
俺はそう確信した。
だが、マイリ侯爵令嬢を手に入れるためには、番の本能が邪魔だ。
アンヌに対して愛はなくても、番としての本能が残っているため、別れることを想像しただけで、心ではなく体が引き裂かれるような錯覚がおこる。
やはり、完全に番を忘れなければ。
そのためには、ラジュ王女の条件をのむしかない。
ラジュ王女……。
一度会ったことがあっただけのラジュ王女から内々に俺に連絡がきたのは、少し前のことだ。
託された手紙には、ラジュ王女が我が国に視察にくることが決まったと書いてあった。
それは国王である父上からも聞いていた。
純血の獣人しかいないジャナ国の王女が、将来を見据えて、獣人と人が共に暮らす我が国を視察にくることになったと。
その時、父上からはラジュ王女に会ったことがある俺が、視察の間、ラジュ王女の案内役をするように命じられた。
俺にとって、ラジュ王女の印象といえば、なんといっても首の鱗だ。
竜の鱗が体にあるということは、相当、竜の力が強いだろうことは一目でわかる。
実際、態度は大きく、えらそうで、気の強そうな女だった。
そんなことくらいしか認識がなかったので、父上に面倒なことを押し付けられたと思った。
そんな王女から何故、俺に手紙が? と不思議に思いつつ読んでみたら、ラジュ王女の目的は他にあった。
それは伴侶を探すこと。
ラジュ王女は竜の獣人。この国の王族も竜の獣人だ。
ラジュ王女の希望としては、伴侶として、竜の獣人を望んでいるらしく、しかも、将来、立派な王配になれるくらいの能力と力を持つ者がいいそうだ。
王配……? いや、王太女は姉の王女に決まったはず。
まあ、でも、ラジュ王女の気の強さから言って、王位を継ぐことをあきらめてはいないんだろうと納得した。
そんなラジュ王女は手紙に、俺が信用できると思い頼んでいること。
もし、うまくいけば、俺の望みを叶えるよう協力すると書いてあった。
すぐにルーファスが思い浮かんだ。
忌々しいことに、ルーファスは王家の血が濃く、竜の獣人の力が強いと父上が嬉しそうに言っていたのを覚えている。
更に女たちに騒がれる容姿だ。
ラジュ王女の望む相手だろう。
それに、もし、ラジュ王女がルーファスとうまくいけば、目障りなルーファスはいなくなる。
俺はすぐさま、ちょうどいい相手が王族にいる。
うまくいくよう協力を惜しまないと返事をした。
俺は早速、ラジュ王女の視察の案内を変えてくれるよう父上に願い出た。
理由は、番であるアンヌが他の女性を案内することを嫌がるからだと言った。
実際は、アンヌにはラジュ王女がくることさえ言っていなかったが、父上も竜の獣人。
番といえば無理も簡単に通る。
案の定、視察は目前だったが、俺は案内役から無事外された。
俺は、かわりに、ルーファスをすすめた。
ラジュ王女にしたら、年が近いほうが気楽でいいんじゃないか、というもっともらしい理由を言うと、結果そうなった。
そして、俺の思惑どおり、ラジュ王女はルーファスをすぐに気に入った。
俺の好みではないが、ラジュ王女も見た目は美しい。
あれだけ、あからさまに、ラジュ王女から好意を押し付けられたら、ルーファスだって満更ではないだろう。
さっさとひっついて、この国から出て行ってくれ。
そう思っていたのに、ルーファスは淡々と役目だけをこなし、必要以上にはラジュ王女に近づかない。
王宮のパーティーで、その原因がマイリ侯爵令嬢だと先に気づいたのは、ラジュ王女だった。
ラジュ王女はこの茶会で何かを仕掛けるらしい。
何を仕掛けるかその計画は聞かされていないが、ルーファスを得るためにできることをするとラジュ王女は自信ありげな顔で言っていた。
ルーファスがいなくなるのなら、俺はラジュ王女に全面的に協力する。
そう、俺の望みはルーファスがこの国からいなくなることだ。
ラジュ王女に交換条件をつきつけられて躊躇したが、ルーファスをジャナ国に連れていってもらうために、俺はすでに、協力体制にあるんだ。
それならば、王女が望めば動くと前もって約束したところで、同じことなのではないのか?
迷うほどのことじゃない。
そう思った時、
「ガイガー王子、まだ悩んでいるの? 私の望むときにいつでも動くと約束するだけよ? それも、ガイガー王子を傷つけることも、財産を使わせることもしない簡単なお願いなのに。私によくしてくださるガイガー王子だから特別に、貴重な物を渡す口実として、交換条件をひねりだしたのだけれど……。まあ、私が信用ならないのなら断ってくださっても全然かまわないわ」
と、ラジュ王女が強い口調で言った。
「いや、俺はラジュ王女を信用している。わかった、約束しよう。俺はラジュ王女が望めば動く!」
ラジュ王女に向かって、そう言い放つと、すかっとした。
これで番の呪いから俺は完全に逃れ、アンヌときっぱり別れられる。
邪魔なルーファスもいなくなる。
邪魔なルーファスが消えれば、俺はマイリ侯爵令嬢を手に入れることだってできる。
俺は取り戻すんだ。
手に入れるはずだった幸せな未来を。
※ 読んでくださっている方々、本当にありがとうございます!
いいね、エール、投票をしてくださった方々も本当にありがとうございます。
とても嬉しく、励みになっております!
今回でガイガー視点は終わりとなり、次からはララベル視点に戻ります。
どうぞよろしくお願いします。
番という本能が薄れてきていることに気づいた頃、俺の目を覆っていた布がとれたように、俺をとりまく状況が見え始めた。
王宮に行った時に皆が俺を見る目。
影でささやく声。
肌で感じるその空気。
嫌でもわかった。
俺はもう、王子として、なにも期待されていないということを。
国王である父上にさえも。
そのことに気づいた瞬間、俺は焦った。
それもこれも、全部、ミナリアではなくアンヌを選んだせいだ。
やはり、番は呪いだった。
そんな俺の状況をより悪くしていたのは、ルーファスの存在だ。
この前の会議で、父上が俺に意見を求めた。
とっさに思いつかなかったら、父上は同じ質問をルーファスにした。
あいつは、俺がわからなかったのをあざ笑うように、しゃあしゃあと答えた。
父上はそんなあいつを手放しで褒めた。
俺が番に捕らわれている間、狡猾なルーファスは、そうやって、父上にとりいってきたんだろう。
父上があいつを見る目は、実の息子の俺にむける目とはまるで違って期待に満ちていた。
だが、どれだけ期待しようが、ルーファスは王子ではない。
たかが公爵の息子だ。
立場をわきまえず、えらそうに……。
テーブルをはさんだ向こうにいるルーファスを見た。
マイリ侯爵令嬢を守るようにひっついて座り、時折、俺やラジュ王女に向かって、威嚇するようににらんでくるルーファスは、いつものとりすましたルーファスではない。
全く余裕がないルーファス。
誰よりも、マイリ侯爵令嬢が大事なんだな。
それほど大事なマイリ侯爵令嬢と離れることになったのなら、一体、おまえはどうなってしまうんだ?
正気でいられるか? いられないだろうな。
番を得て俺が正気を失ったように、おまえは大切な者と引き離されて正気を失ってみればいい。
ルーファスは、常に俺の視線を意識して隠すように、マイリ侯爵令嬢に身をよせていたが、マイリ侯爵令嬢が少し体を動かしたため、ミナリアに似たその愛らしい顔がはっきりと見えた。
大きな目を更に大きくして、ラジュ王女を探るように見ているマイリ侯爵令嬢。
青く輝く瞳が、晴れた空を思いおこさせる。
幼い頃、王宮の庭で、ミナリアと過ごした楽しかったあの時の空を……。
あの頃を取り戻したい。
ミナリア……。
だが、あれから11年もたったんだ。
ライナ国に住んで、子どももいるミナリアは俺の記憶とは違ってしまっているだろう。
ならば、かわりにマイリ侯爵令嬢を手に入れればいい。
マイリ侯爵令嬢がそばにいれば、ミナリアと歩めなかった幸せな未来を取り戻せる。
俺はそう確信した。
だが、マイリ侯爵令嬢を手に入れるためには、番の本能が邪魔だ。
アンヌに対して愛はなくても、番としての本能が残っているため、別れることを想像しただけで、心ではなく体が引き裂かれるような錯覚がおこる。
やはり、完全に番を忘れなければ。
そのためには、ラジュ王女の条件をのむしかない。
ラジュ王女……。
一度会ったことがあっただけのラジュ王女から内々に俺に連絡がきたのは、少し前のことだ。
託された手紙には、ラジュ王女が我が国に視察にくることが決まったと書いてあった。
それは国王である父上からも聞いていた。
純血の獣人しかいないジャナ国の王女が、将来を見据えて、獣人と人が共に暮らす我が国を視察にくることになったと。
その時、父上からはラジュ王女に会ったことがある俺が、視察の間、ラジュ王女の案内役をするように命じられた。
俺にとって、ラジュ王女の印象といえば、なんといっても首の鱗だ。
竜の鱗が体にあるということは、相当、竜の力が強いだろうことは一目でわかる。
実際、態度は大きく、えらそうで、気の強そうな女だった。
そんなことくらいしか認識がなかったので、父上に面倒なことを押し付けられたと思った。
そんな王女から何故、俺に手紙が? と不思議に思いつつ読んでみたら、ラジュ王女の目的は他にあった。
それは伴侶を探すこと。
ラジュ王女は竜の獣人。この国の王族も竜の獣人だ。
ラジュ王女の希望としては、伴侶として、竜の獣人を望んでいるらしく、しかも、将来、立派な王配になれるくらいの能力と力を持つ者がいいそうだ。
王配……? いや、王太女は姉の王女に決まったはず。
まあ、でも、ラジュ王女の気の強さから言って、王位を継ぐことをあきらめてはいないんだろうと納得した。
そんなラジュ王女は手紙に、俺が信用できると思い頼んでいること。
もし、うまくいけば、俺の望みを叶えるよう協力すると書いてあった。
すぐにルーファスが思い浮かんだ。
忌々しいことに、ルーファスは王家の血が濃く、竜の獣人の力が強いと父上が嬉しそうに言っていたのを覚えている。
更に女たちに騒がれる容姿だ。
ラジュ王女の望む相手だろう。
それに、もし、ラジュ王女がルーファスとうまくいけば、目障りなルーファスはいなくなる。
俺はすぐさま、ちょうどいい相手が王族にいる。
うまくいくよう協力を惜しまないと返事をした。
俺は早速、ラジュ王女の視察の案内を変えてくれるよう父上に願い出た。
理由は、番であるアンヌが他の女性を案内することを嫌がるからだと言った。
実際は、アンヌにはラジュ王女がくることさえ言っていなかったが、父上も竜の獣人。
番といえば無理も簡単に通る。
案の定、視察は目前だったが、俺は案内役から無事外された。
俺は、かわりに、ルーファスをすすめた。
ラジュ王女にしたら、年が近いほうが気楽でいいんじゃないか、というもっともらしい理由を言うと、結果そうなった。
そして、俺の思惑どおり、ラジュ王女はルーファスをすぐに気に入った。
俺の好みではないが、ラジュ王女も見た目は美しい。
あれだけ、あからさまに、ラジュ王女から好意を押し付けられたら、ルーファスだって満更ではないだろう。
さっさとひっついて、この国から出て行ってくれ。
そう思っていたのに、ルーファスは淡々と役目だけをこなし、必要以上にはラジュ王女に近づかない。
王宮のパーティーで、その原因がマイリ侯爵令嬢だと先に気づいたのは、ラジュ王女だった。
ラジュ王女はこの茶会で何かを仕掛けるらしい。
何を仕掛けるかその計画は聞かされていないが、ルーファスを得るためにできることをするとラジュ王女は自信ありげな顔で言っていた。
ルーファスがいなくなるのなら、俺はラジュ王女に全面的に協力する。
そう、俺の望みはルーファスがこの国からいなくなることだ。
ラジュ王女に交換条件をつきつけられて躊躇したが、ルーファスをジャナ国に連れていってもらうために、俺はすでに、協力体制にあるんだ。
それならば、王女が望めば動くと前もって約束したところで、同じことなのではないのか?
迷うほどのことじゃない。
そう思った時、
「ガイガー王子、まだ悩んでいるの? 私の望むときにいつでも動くと約束するだけよ? それも、ガイガー王子を傷つけることも、財産を使わせることもしない簡単なお願いなのに。私によくしてくださるガイガー王子だから特別に、貴重な物を渡す口実として、交換条件をひねりだしたのだけれど……。まあ、私が信用ならないのなら断ってくださっても全然かまわないわ」
と、ラジュ王女が強い口調で言った。
「いや、俺はラジュ王女を信用している。わかった、約束しよう。俺はラジュ王女が望めば動く!」
ラジュ王女に向かって、そう言い放つと、すかっとした。
これで番の呪いから俺は完全に逃れ、アンヌときっぱり別れられる。
邪魔なルーファスもいなくなる。
邪魔なルーファスが消えれば、俺はマイリ侯爵令嬢を手に入れることだってできる。
俺は取り戻すんだ。
手に入れるはずだった幸せな未来を。
※ 読んでくださっている方々、本当にありがとうございます!
いいね、エール、投票をしてくださった方々も本当にありがとうございます。
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今回でガイガー視点は終わりとなり、次からはララベル視点に戻ります。
どうぞよろしくお願いします。
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