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企んでる
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苦々しい顔で控えていた側近の方が、しびれをきらしたように王太子様に声をかけた。
「いつまで、たらたら遊んでるんですか? 王妃様のところにいきますよ。一緒に挨拶しないといけないのに……」
「いや、でも、まだはっきりしてないよね。ちゃんと調べないと」
「は? 何を調べるんだ? そもそも、令嬢が飲み物をかけられたからって、王太子が首をつっこむことではないだろ? が、どうしても、犯人を知りたいというのなら、証拠なんてなくてもわかる。どう考えても、その泣きまねをしている伯爵令嬢が犯人だ。以上。ほら、行くぞ!」
すっかり荒れた口調で言いきった側近の方。
「ひどいわっ! 私じゃない! マチルダさんなのに! 王太子様、助けてください!」
ロザンヌが、うるうるした目で王太子様を見上げる。
すると、王太子様は、ロザンヌに黒すぎる笑顔でうなずいた。
こわっ……!
絶対、何か企んでる笑顔だよね。
なのに、ロザンヌは王太子様が味方だと思ったのか、勝ち誇ったような顔で側近の方を見た。
「ウルス。簡単に決めつけたらダメだよ。ほら、本人も否定している。せっかくだから、ちゃーんと終わらせないとね」
と、やけに楽しそうな王太子様。
「せっかくって、なんだ? 何を企んでる?」
あ、やっぱり、側近の方も企んでると思ってるんだね。
なんて恐ろしい王太子様!
ルドがおびえるのも納得よね……。
「あの……、すみません」
ルドが涙をためた目で、王太子様に声をかけた。
「君はだれ?」
王太子様が聞いたとたん、ルドが「ひっ」と小さく声をあげた。
あわてて、ルドのかわりに、私が答える。
「王太子様、申し訳ありません。彼は人見知りで……。私の従者で、ルド・シュバイツと申します」
「シュバイツって言えば、この辺境の地で一番大きな商会、シュバイツ商会があったよね。関係があるの?」
「はい、会長が父です」
ルドが、かぼそい声で答えた。
「ということは、モーラの親戚? モーラの姉がシュバイツ商会の会長に嫁いでいると記憶にあるんだけど」
ルドは驚いたように目を見開いた。そして、答えた。
「はい、モーラの姉が、ぼくの母になります」
「あいかわらず、すごい記憶力だな……」
と、側近の方。
確かに……。
「ぼくはね、身近におく人間の身内は全て把握してるんだ。で、モーラの甥のルド・シュバイツ君。何か言いたいことがあるの?」
ルドは震える声で言った。
「証拠を持っています」
「証拠を持ってるの? 君が?」
驚いたように聞き返す王太子様。
「はい、これです」
そう言うと、ルドは胸ポケットからペンをはずして、王太子様にさしだした。
あっ!
そう言えば、ずーっと私を記録していると言ってたよね。
そのルドが改良した魔石のついたペンで!
王太子様はそのペンを見たとたん、真顔になった。
興味深そうにペンを見ている。
「もしかして、これ魔石?」
「はい、そうです。記録用の魔石を、ぼくがペン型に改良しました」
王太子様だけでなく、側近の方も近づいてきて、驚いたようにペン型の魔石をのぞきこむ。
「すごいな。宝石のついたペンにしか見えない。この小さな石で、記録できるなんて信じられない。いつから撮っている?」
「お城に到着してから、ずっとマチルダ様を記録しています……」
「ずっと?」
「はい。常にマチルダ様に焦点が合うように設定していますから……」
「マチルダの従者で、しかも平民にそんなことができるわけがないわ!」
馬鹿にした口調で言うロザンヌ。
ちょっと、ロザンヌ! ルドをばかにするなんて、許せない!
「ルドはね、私の従者にはもったいなくらい、ものすごく頭がよくて、なんでもできるんだからね! シュバイツ商会で大人気の魔石付きバッグもルドが作ったし、計算はものすごく早いし、ボタンもきれいにつけてくれるし、ケガの手当ても手慣れているし、今日の私の髪だってルドが結ってくれたんだよ! ほら、すごいでしょ?」
と、思わず、大声で反論してしまった私。
私の隣で、ルドが真っ赤になっている。
そんな私とルドを見て、プッとふきだした王太子様。
ええと、何か変だったでしょうか……?
「いつまで、たらたら遊んでるんですか? 王妃様のところにいきますよ。一緒に挨拶しないといけないのに……」
「いや、でも、まだはっきりしてないよね。ちゃんと調べないと」
「は? 何を調べるんだ? そもそも、令嬢が飲み物をかけられたからって、王太子が首をつっこむことではないだろ? が、どうしても、犯人を知りたいというのなら、証拠なんてなくてもわかる。どう考えても、その泣きまねをしている伯爵令嬢が犯人だ。以上。ほら、行くぞ!」
すっかり荒れた口調で言いきった側近の方。
「ひどいわっ! 私じゃない! マチルダさんなのに! 王太子様、助けてください!」
ロザンヌが、うるうるした目で王太子様を見上げる。
すると、王太子様は、ロザンヌに黒すぎる笑顔でうなずいた。
こわっ……!
絶対、何か企んでる笑顔だよね。
なのに、ロザンヌは王太子様が味方だと思ったのか、勝ち誇ったような顔で側近の方を見た。
「ウルス。簡単に決めつけたらダメだよ。ほら、本人も否定している。せっかくだから、ちゃーんと終わらせないとね」
と、やけに楽しそうな王太子様。
「せっかくって、なんだ? 何を企んでる?」
あ、やっぱり、側近の方も企んでると思ってるんだね。
なんて恐ろしい王太子様!
ルドがおびえるのも納得よね……。
「あの……、すみません」
ルドが涙をためた目で、王太子様に声をかけた。
「君はだれ?」
王太子様が聞いたとたん、ルドが「ひっ」と小さく声をあげた。
あわてて、ルドのかわりに、私が答える。
「王太子様、申し訳ありません。彼は人見知りで……。私の従者で、ルド・シュバイツと申します」
「シュバイツって言えば、この辺境の地で一番大きな商会、シュバイツ商会があったよね。関係があるの?」
「はい、会長が父です」
ルドが、かぼそい声で答えた。
「ということは、モーラの親戚? モーラの姉がシュバイツ商会の会長に嫁いでいると記憶にあるんだけど」
ルドは驚いたように目を見開いた。そして、答えた。
「はい、モーラの姉が、ぼくの母になります」
「あいかわらず、すごい記憶力だな……」
と、側近の方。
確かに……。
「ぼくはね、身近におく人間の身内は全て把握してるんだ。で、モーラの甥のルド・シュバイツ君。何か言いたいことがあるの?」
ルドは震える声で言った。
「証拠を持っています」
「証拠を持ってるの? 君が?」
驚いたように聞き返す王太子様。
「はい、これです」
そう言うと、ルドは胸ポケットからペンをはずして、王太子様にさしだした。
あっ!
そう言えば、ずーっと私を記録していると言ってたよね。
そのルドが改良した魔石のついたペンで!
王太子様はそのペンを見たとたん、真顔になった。
興味深そうにペンを見ている。
「もしかして、これ魔石?」
「はい、そうです。記録用の魔石を、ぼくがペン型に改良しました」
王太子様だけでなく、側近の方も近づいてきて、驚いたようにペン型の魔石をのぞきこむ。
「すごいな。宝石のついたペンにしか見えない。この小さな石で、記録できるなんて信じられない。いつから撮っている?」
「お城に到着してから、ずっとマチルダ様を記録しています……」
「ずっと?」
「はい。常にマチルダ様に焦点が合うように設定していますから……」
「マチルダの従者で、しかも平民にそんなことができるわけがないわ!」
馬鹿にした口調で言うロザンヌ。
ちょっと、ロザンヌ! ルドをばかにするなんて、許せない!
「ルドはね、私の従者にはもったいなくらい、ものすごく頭がよくて、なんでもできるんだからね! シュバイツ商会で大人気の魔石付きバッグもルドが作ったし、計算はものすごく早いし、ボタンもきれいにつけてくれるし、ケガの手当ても手慣れているし、今日の私の髪だってルドが結ってくれたんだよ! ほら、すごいでしょ?」
と、思わず、大声で反論してしまった私。
私の隣で、ルドが真っ赤になっている。
そんな私とルドを見て、プッとふきだした王太子様。
ええと、何か変だったでしょうか……?
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