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番外編
妹 ミリー・アンガス 3
聖女のお披露目のパーティーがある3日前、お父様が国王様に呼ばれて、王宮に行った。
そして、帰って来たお父様は、私とお母様に向かって衝撃的な話をしはじめた。
「異世界からこられた聖女様の力は未知数だが王家が管理したい、と国王様はおっしゃった。そのため、王太子様と聖女様を婚姻させることを決められた。クリスティーヌがいるから迷われたらしいが、王太子様と聖女様が承諾したらしい。お二人は、すでに思いあっておられる。クリスティーヌには申し訳なかった、と国王様から謝罪があった」
「そんな、謝罪されても…! 今になって、クリスティーヌが王太子妃になれないなんて…! アンガス公爵家はどうなるの?!」
お母様が抗議の声をあげた。
「まあ、落ち着け。国王様はな、我がアンガス公爵家へ償いをしたい、何か希望はないか、と問われた。だから、私は聖女様の後ろ盾にならせていただきたいと申し出た」
「後ろ盾? あなた、それは、どういうことなの…?」
「聖女様を養女とする。そうすれば、我がアンガス公爵家の娘が王太子妃になることに変わりはないからな」
「あ…、そうよね…! それなら、今までと変わらない。良かったわ…」
と、お母様がほっとしたように言った。
「変わらないって、なんで? お姉様じゃない聖女が婚約者になるんだから、全く違うわ」
「そんなことはない。実の娘だろうが、養女だろうが構わん。アンガス公爵家から王太子妃がでたという事実さえあればな」
お父様がしたり顔で言った。
実の娘としては、お父様の言い方に、なんだかむっとする…。
「このこと、お姉様は知ってるの?」
「いや、知らない。国王様からは、父親の私から、クリスティーヌに伝えて欲しいと言われた。そして、必ず、パーティーには出席させるようにと命じられた。聖女様の披露目のパーティーで、王太子様と聖女様の婚約を皆に報告する。その時、クリスティーヌも祝っているという印象を与えたいからだそうだ。…が、私は、クリスティーヌには伝えないことにした」
「え? さすがに言ったほうがいいんじゃないの、お父様?」
「政略の婚約だが、クリスティーヌは王太子様のことを慕っている」
そうね…。
お姉様は、ムルダー様からもらった物だけは、私に絶対にくれないもの。
「クリスティーヌに婚約解消を伝えたら、おそらく、パーティーには行けないだろう。3日後のパーティーまでに、王太子様をあきらめられるとは思わん。ならば、だまっておいたほうがいい。その場で知れば、ショックを受けるだろうが、王太子妃教育を長年受けてきたクリスティーヌだ。沢山の人の前で取り乱すことはない。後で存分に泣けばいい」
お母様がうなずいた。
「それもそうね。部屋にこもられでもしたら、パーティーに連れて行くことは難しいものね」
「さすがに、それは、お姉様がかわいそうじゃない?」
「仕方ないだろう。国王様がもっと早く言ってくださっていれば、前もって、クリスティーヌを説得することもできたんだがな。パーティーまで時間がない。…そんなことより、ミリー。アンガス公爵家が聖女様を歓迎して迎え入れることを周知させるため、聖女様の前では、にこやかにな」
「そうよ、ミリー。神官様の病を治した聖女様のことは、今、社交界でも話題だもの。仲良くしておけば、ライアン様と婚約するのにも有利になるわ」
「わかったわ」
と、私はうなずいた。
そして、帰って来たお父様は、私とお母様に向かって衝撃的な話をしはじめた。
「異世界からこられた聖女様の力は未知数だが王家が管理したい、と国王様はおっしゃった。そのため、王太子様と聖女様を婚姻させることを決められた。クリスティーヌがいるから迷われたらしいが、王太子様と聖女様が承諾したらしい。お二人は、すでに思いあっておられる。クリスティーヌには申し訳なかった、と国王様から謝罪があった」
「そんな、謝罪されても…! 今になって、クリスティーヌが王太子妃になれないなんて…! アンガス公爵家はどうなるの?!」
お母様が抗議の声をあげた。
「まあ、落ち着け。国王様はな、我がアンガス公爵家へ償いをしたい、何か希望はないか、と問われた。だから、私は聖女様の後ろ盾にならせていただきたいと申し出た」
「後ろ盾? あなた、それは、どういうことなの…?」
「聖女様を養女とする。そうすれば、我がアンガス公爵家の娘が王太子妃になることに変わりはないからな」
「あ…、そうよね…! それなら、今までと変わらない。良かったわ…」
と、お母様がほっとしたように言った。
「変わらないって、なんで? お姉様じゃない聖女が婚約者になるんだから、全く違うわ」
「そんなことはない。実の娘だろうが、養女だろうが構わん。アンガス公爵家から王太子妃がでたという事実さえあればな」
お父様がしたり顔で言った。
実の娘としては、お父様の言い方に、なんだかむっとする…。
「このこと、お姉様は知ってるの?」
「いや、知らない。国王様からは、父親の私から、クリスティーヌに伝えて欲しいと言われた。そして、必ず、パーティーには出席させるようにと命じられた。聖女様の披露目のパーティーで、王太子様と聖女様の婚約を皆に報告する。その時、クリスティーヌも祝っているという印象を与えたいからだそうだ。…が、私は、クリスティーヌには伝えないことにした」
「え? さすがに言ったほうがいいんじゃないの、お父様?」
「政略の婚約だが、クリスティーヌは王太子様のことを慕っている」
そうね…。
お姉様は、ムルダー様からもらった物だけは、私に絶対にくれないもの。
「クリスティーヌに婚約解消を伝えたら、おそらく、パーティーには行けないだろう。3日後のパーティーまでに、王太子様をあきらめられるとは思わん。ならば、だまっておいたほうがいい。その場で知れば、ショックを受けるだろうが、王太子妃教育を長年受けてきたクリスティーヌだ。沢山の人の前で取り乱すことはない。後で存分に泣けばいい」
お母様がうなずいた。
「それもそうね。部屋にこもられでもしたら、パーティーに連れて行くことは難しいものね」
「さすがに、それは、お姉様がかわいそうじゃない?」
「仕方ないだろう。国王様がもっと早く言ってくださっていれば、前もって、クリスティーヌを説得することもできたんだがな。パーティーまで時間がない。…そんなことより、ミリー。アンガス公爵家が聖女様を歓迎して迎え入れることを周知させるため、聖女様の前では、にこやかにな」
「そうよ、ミリー。神官様の病を治した聖女様のことは、今、社交界でも話題だもの。仲良くしておけば、ライアン様と婚約するのにも有利になるわ」
「わかったわ」
と、私はうなずいた。
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