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色々、変じゃない!?
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※ 久々の更新になりますが、よろしくお願いします。
いぶかしげに私を見始めたヒロイン。
可憐な笑顔との落差がなんだか怖い……。
なんて失礼なことを思っていたら、王子がぷっと噴き出した。
その途端、ヒロインは王子にむかって甘やかな声をだした。
「もう、シャルったら、なんで笑うの?」
おお! もう、可憐な笑顔に戻ってる……。
その変わり身の早さに若干ひいていると、王子が笑いながら答えた。
「いや、シャノン嬢がおもしろくてね……」
え、おもしろい?
いや、おもしろいことは何も言っていないはずだけど……。
あ、顔か……!
この顔がおもしろいとか!?
あわてて、顔をおさえると、また、王子が噴き出した。
「シャノン、色々、顔にもれだしてるわよ」
と、マリアンヌが微笑みながら教えてくれた。
「エリック、楽しい婚約者でよかったな」
笑いながら、王子がそう言うと、エリックがうなずいた。
「ええ、自慢の婚約者です」
え、自慢の婚約者……!? 私が!?
思わず、エリックを見た。
エリックが、まぶしいほどの笑みを浮かべて私を見返してきた。
どきっ!
ダメだ……。
心臓が、ときめきすぎてやられる……。
自慢の婚約者だなんて、私の婚約者としての立場を考えて言ってくれた言葉なんだろうに、間に受けてしまいそうになったわ……。
そう、私はエリックの幸せを見届ける保護者のような立場なんだからね。
エリックが本当に好きな人ができたら、さーっと婚約を解消して、あたたかく応援できる自分でありたい。
だから、うっかり好きにならないよう、気をひきしめてないと。
その時だ。
王子にお付きの方らしき人がよってきて、何かを耳打ちした。
王子は小さくうなずくと、私たちに向かって言った。
「外で少し騒ぎがおきているらしい。ちょっと様子を見てくるよ」
「は!? シャルル王子が見に行ってどうするんですか!? そんなところに近寄るのは危険なので、やめてください……っていうか、すぐに首をつっこんで騒動が大きくなって、王太子様によく怒られてますよね?」
エリックがあきれたように王子を見た。
え? そうなの……?
なんだか、自由な王子なんだ……。
リッキーのマンガではそんな情報は一切なく、ただ、婚約者であるヒロインに一途なことしか書かれていたいなかったけれど、やっぱり、王子もマンガとは全然違っていそう。
そもそも、幼馴染としか聞いていないから、ヒロインと王子が婚約しているかどうかもわからないし。
エリックの忠告を軽やかに聞き流し、王子は手をひらひらとふった。
「大丈夫、大丈夫。ほら、近くには護衛もいるし。王子ってばれないようにするから。ロザリンナはここで彼女たちと一緒に待ってて」
そう言うと、王子はさっさと外に向かって歩いて行った。
「シャルル王子が無茶しないよう、行ってくる」
エリックはそう言うと、王子を追いかけていった。
取り残された私たちとヒロイン。
微妙な静けさが一瞬あって、ヒロインが楽しそうな声をあげた。
「じゃあ、私はエリックの席に座ってシャルを待ってましょう」
私をちらりと見ながら、エリックが座っていた椅子にすわったヒロイン。
テーブルには並べられたばかりのデザートの栗のケーキとコーヒーがある。
当然、それはエリックが食べるはずのもの。
「うわあ、美味しそうなケーキ! いただいちゃおうかしら」
そう言うと、ヒロインは栗のケーキを食べ始めた。
愛らしい美少女が、美味しそうにケーキを食べている様子はとても愛らしい……って、そうじゃないよね!?
どう考えても、なんか変だよね!?
確かに、王子はヒロインに向かって私たちと一緒に待ってて、と言った。
だから、同じテーブルにつくのはなんの問題もない。
でも、エリックの座っていた椅子にわざわざ座らなくても、空いている椅子は他にもある。
そもそも、ケーキとコーヒーだっておかれているんだし。
しかも、それを何の躊躇もなく、勝手に食べ始めるとは!
他人の頼んだものだよ!?
いくら、並べられたばかりで手をつけていなかったとしても、いくら、すごく食べたいケーキだったとしても、いくら、おなかがすいていたとしても、しないよね!?
一般的に考えて、礼儀として、小さい子どもでもない令嬢が外でそんなことをする?
しかも、ヒロインは王太子の幼馴染で、生粋の上位貴族である公爵家の令嬢なんだよ?
前世を思い出してから、普通の貴族令嬢ではなくなった私ですらそう思うんだけど。
それとも、勝手に食べてもおかしくないくらいエリックとは仲良しということなんだろうか……。
いやいや、ちょっと待って。それってどんな関係よ!?
混乱してきた私は、思わず、マリアンヌを見た。
すると、マリアンヌは厳しい表情で鋭い視線をヒロインに向けていた。
まあ、そんな顔をしても、マリアンヌはものすごくかわいいんだけどね。
どんな表情も本当にかわわいいわ。
うん、うちの天使、最高。
摩訶不思議なヒロインに翻弄されていた気持ちが、一瞬にして、癒される……なんて考えていると、
「エリック様はシャノンの婚約者です。婚約者を前にして、エリック様のケーキを勝手に食べるなど、いくらなんでも失礼ではないですか?」
天使マリアンヌが、きっぱりとした声で言った。
※ リアルが忙しく、長らく更新をお休みしていましたが、ぼちぼちと再開したいと思います。
この作品はあまり長くならない予定ですので、完結は来月末を目指しています。(予定ですが……💦)
どうぞよろしくお願いいたします!
いぶかしげに私を見始めたヒロイン。
可憐な笑顔との落差がなんだか怖い……。
なんて失礼なことを思っていたら、王子がぷっと噴き出した。
その途端、ヒロインは王子にむかって甘やかな声をだした。
「もう、シャルったら、なんで笑うの?」
おお! もう、可憐な笑顔に戻ってる……。
その変わり身の早さに若干ひいていると、王子が笑いながら答えた。
「いや、シャノン嬢がおもしろくてね……」
え、おもしろい?
いや、おもしろいことは何も言っていないはずだけど……。
あ、顔か……!
この顔がおもしろいとか!?
あわてて、顔をおさえると、また、王子が噴き出した。
「シャノン、色々、顔にもれだしてるわよ」
と、マリアンヌが微笑みながら教えてくれた。
「エリック、楽しい婚約者でよかったな」
笑いながら、王子がそう言うと、エリックがうなずいた。
「ええ、自慢の婚約者です」
え、自慢の婚約者……!? 私が!?
思わず、エリックを見た。
エリックが、まぶしいほどの笑みを浮かべて私を見返してきた。
どきっ!
ダメだ……。
心臓が、ときめきすぎてやられる……。
自慢の婚約者だなんて、私の婚約者としての立場を考えて言ってくれた言葉なんだろうに、間に受けてしまいそうになったわ……。
そう、私はエリックの幸せを見届ける保護者のような立場なんだからね。
エリックが本当に好きな人ができたら、さーっと婚約を解消して、あたたかく応援できる自分でありたい。
だから、うっかり好きにならないよう、気をひきしめてないと。
その時だ。
王子にお付きの方らしき人がよってきて、何かを耳打ちした。
王子は小さくうなずくと、私たちに向かって言った。
「外で少し騒ぎがおきているらしい。ちょっと様子を見てくるよ」
「は!? シャルル王子が見に行ってどうするんですか!? そんなところに近寄るのは危険なので、やめてください……っていうか、すぐに首をつっこんで騒動が大きくなって、王太子様によく怒られてますよね?」
エリックがあきれたように王子を見た。
え? そうなの……?
なんだか、自由な王子なんだ……。
リッキーのマンガではそんな情報は一切なく、ただ、婚約者であるヒロインに一途なことしか書かれていたいなかったけれど、やっぱり、王子もマンガとは全然違っていそう。
そもそも、幼馴染としか聞いていないから、ヒロインと王子が婚約しているかどうかもわからないし。
エリックの忠告を軽やかに聞き流し、王子は手をひらひらとふった。
「大丈夫、大丈夫。ほら、近くには護衛もいるし。王子ってばれないようにするから。ロザリンナはここで彼女たちと一緒に待ってて」
そう言うと、王子はさっさと外に向かって歩いて行った。
「シャルル王子が無茶しないよう、行ってくる」
エリックはそう言うと、王子を追いかけていった。
取り残された私たちとヒロイン。
微妙な静けさが一瞬あって、ヒロインが楽しそうな声をあげた。
「じゃあ、私はエリックの席に座ってシャルを待ってましょう」
私をちらりと見ながら、エリックが座っていた椅子にすわったヒロイン。
テーブルには並べられたばかりのデザートの栗のケーキとコーヒーがある。
当然、それはエリックが食べるはずのもの。
「うわあ、美味しそうなケーキ! いただいちゃおうかしら」
そう言うと、ヒロインは栗のケーキを食べ始めた。
愛らしい美少女が、美味しそうにケーキを食べている様子はとても愛らしい……って、そうじゃないよね!?
どう考えても、なんか変だよね!?
確かに、王子はヒロインに向かって私たちと一緒に待ってて、と言った。
だから、同じテーブルにつくのはなんの問題もない。
でも、エリックの座っていた椅子にわざわざ座らなくても、空いている椅子は他にもある。
そもそも、ケーキとコーヒーだっておかれているんだし。
しかも、それを何の躊躇もなく、勝手に食べ始めるとは!
他人の頼んだものだよ!?
いくら、並べられたばかりで手をつけていなかったとしても、いくら、すごく食べたいケーキだったとしても、いくら、おなかがすいていたとしても、しないよね!?
一般的に考えて、礼儀として、小さい子どもでもない令嬢が外でそんなことをする?
しかも、ヒロインは王太子の幼馴染で、生粋の上位貴族である公爵家の令嬢なんだよ?
前世を思い出してから、普通の貴族令嬢ではなくなった私ですらそう思うんだけど。
それとも、勝手に食べてもおかしくないくらいエリックとは仲良しということなんだろうか……。
いやいや、ちょっと待って。それってどんな関係よ!?
混乱してきた私は、思わず、マリアンヌを見た。
すると、マリアンヌは厳しい表情で鋭い視線をヒロインに向けていた。
まあ、そんな顔をしても、マリアンヌはものすごくかわいいんだけどね。
どんな表情も本当にかわわいいわ。
うん、うちの天使、最高。
摩訶不思議なヒロインに翻弄されていた気持ちが、一瞬にして、癒される……なんて考えていると、
「エリック様はシャノンの婚約者です。婚約者を前にして、エリック様のケーキを勝手に食べるなど、いくらなんでも失礼ではないですか?」
天使マリアンヌが、きっぱりとした声で言った。
※ リアルが忙しく、長らく更新をお休みしていましたが、ぼちぼちと再開したいと思います。
この作品はあまり長くならない予定ですので、完結は来月末を目指しています。(予定ですが……💦)
どうぞよろしくお願いいたします!
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