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子ウサギ
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オハギの家は森の奥。まわりは、動物たちがいっぱい住んでいる。
でも、だれとも話したことはない。
だって、立派な魔女は、怖くて近寄れないからね。
大魔女のおばあちゃんがくれた本、「伝説の魔女物語」の魔女はそうだもの。
だから、私は、助手のオモチ以外は、だれとも仲良くしない。
私にだれもが近寄れないよう、近寄らないのが一番いい。
でも、今年の夏、乾燥オハギにならないようにするために、今だけ特別。
泣いている動物を探し出し、涙を集めないと。
いそがないと、夏がやってきちゃうから!
オハギが、長いワンピースをたくしあげながら、ずりずりと歩いていると、子ウサギがいた。
うつむいて、しょんぼりしている。
オハギは、フフっと笑って言った。
「泣きそうな子、みいーつけた」
上から下まで、真っ黒いオハギを見て、びっくりした子ウサギが、ふるえる声で聞いた。
「だれ?」
「わたしは、立派な魔女よ!」
オハギは、胸をはった。
「まじょ?」
子ウサギが、あとずさる。
その時、風がひゅるるっと吹いて、ふかーくかぶっていた、オハギの真っ黒なとんがり帽子が、するりんと落ちた。
まんまるい目が、まるみえだ。
「なーんだ、子どもか」
ほっとしたように、子ウサギが言った。
「子どもじゃなくて、魔女よ!」
「まじょの子どもってこと?」
「ちがーう! わたしが魔女なの。立派なね!」
「りっぱなまじょ? …それって、なにができるの?」
「なんでもできるわよ! 私は、りっぱな魔女だもの!」
プンプンしながら、オハギは言い返した。
「だったら、にんじんを探して」
今にも泣き出しそうな顔で頼んでくる子ウサギ。
「にんじん? にんじんなら、沢山あげるわ。涙をくれればね」
「ちがうよっ! ぼくが探してほしいのは、ぼくが土にうめた、にんじんなんだ」
「え? うめたの?!」
「だって、あんなに、ぴっかり光って、あまーい匂いのするにんじんなんて、見たことないもん。まるごと、ぜーんぶ、ひとりで食べたくて…。こっそり食べるつもりでうめたのに、見つからないんだもん!
だれかが見つけて、食べちゃったのかも! うわああああん!」
子ウサギの目から、ぽろぽろと涙がこぼれおちはじめた。
オハギは、あわてて、持っていたハンカチを子ウサギの顔におしつける。
そして、やっと、子ウサギが泣きやむと、ぺたんこだったハンカチが、ちょっと、ふんわり。
「うん、いい感じ! うまくいったわ!」
オハギは、にこにこしながら、ハンカチを真っ黒いワンピースのポケットにしまいこんだ。
「じゃあ、涙のお礼に探してみるわね」
「できるの?!」
「あったりまえよ! 立派な魔女は、鼻がきくの。みてなさい」
オハギは鼻を、ふふん、ふふふんと動かしはじめた。
「ふんふん、ふんふん…。あ、にんじんの匂いがするわ…。ほら、こっち」
そう言うと、子ウサギの手をひっぱって、におうところへ連れて行った。
そして、地面をゆびさし、自慢げにそりかえる。
「ここが、におうわ! さあ、泣き虫、子ウサギ。ほってみなさい!」
オハギの言葉に、あわてて、土をほりだした子ウサギ。
少しほると、子ウサギが叫んだ。
「あったー! ぼくのにんじんだ!」
でも、だれとも話したことはない。
だって、立派な魔女は、怖くて近寄れないからね。
大魔女のおばあちゃんがくれた本、「伝説の魔女物語」の魔女はそうだもの。
だから、私は、助手のオモチ以外は、だれとも仲良くしない。
私にだれもが近寄れないよう、近寄らないのが一番いい。
でも、今年の夏、乾燥オハギにならないようにするために、今だけ特別。
泣いている動物を探し出し、涙を集めないと。
いそがないと、夏がやってきちゃうから!
オハギが、長いワンピースをたくしあげながら、ずりずりと歩いていると、子ウサギがいた。
うつむいて、しょんぼりしている。
オハギは、フフっと笑って言った。
「泣きそうな子、みいーつけた」
上から下まで、真っ黒いオハギを見て、びっくりした子ウサギが、ふるえる声で聞いた。
「だれ?」
「わたしは、立派な魔女よ!」
オハギは、胸をはった。
「まじょ?」
子ウサギが、あとずさる。
その時、風がひゅるるっと吹いて、ふかーくかぶっていた、オハギの真っ黒なとんがり帽子が、するりんと落ちた。
まんまるい目が、まるみえだ。
「なーんだ、子どもか」
ほっとしたように、子ウサギが言った。
「子どもじゃなくて、魔女よ!」
「まじょの子どもってこと?」
「ちがーう! わたしが魔女なの。立派なね!」
「りっぱなまじょ? …それって、なにができるの?」
「なんでもできるわよ! 私は、りっぱな魔女だもの!」
プンプンしながら、オハギは言い返した。
「だったら、にんじんを探して」
今にも泣き出しそうな顔で頼んでくる子ウサギ。
「にんじん? にんじんなら、沢山あげるわ。涙をくれればね」
「ちがうよっ! ぼくが探してほしいのは、ぼくが土にうめた、にんじんなんだ」
「え? うめたの?!」
「だって、あんなに、ぴっかり光って、あまーい匂いのするにんじんなんて、見たことないもん。まるごと、ぜーんぶ、ひとりで食べたくて…。こっそり食べるつもりでうめたのに、見つからないんだもん!
だれかが見つけて、食べちゃったのかも! うわああああん!」
子ウサギの目から、ぽろぽろと涙がこぼれおちはじめた。
オハギは、あわてて、持っていたハンカチを子ウサギの顔におしつける。
そして、やっと、子ウサギが泣きやむと、ぺたんこだったハンカチが、ちょっと、ふんわり。
「うん、いい感じ! うまくいったわ!」
オハギは、にこにこしながら、ハンカチを真っ黒いワンピースのポケットにしまいこんだ。
「じゃあ、涙のお礼に探してみるわね」
「できるの?!」
「あったりまえよ! 立派な魔女は、鼻がきくの。みてなさい」
オハギは鼻を、ふふん、ふふふんと動かしはじめた。
「ふんふん、ふんふん…。あ、にんじんの匂いがするわ…。ほら、こっち」
そう言うと、子ウサギの手をひっぱって、におうところへ連れて行った。
そして、地面をゆびさし、自慢げにそりかえる。
「ここが、におうわ! さあ、泣き虫、子ウサギ。ほってみなさい!」
オハギの言葉に、あわてて、土をほりだした子ウサギ。
少しほると、子ウサギが叫んだ。
「あったー! ぼくのにんじんだ!」
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