23 / 39
からまった!
しおりを挟む
適当に歩きだしたものの、当然、道は知らない。
すぐに、ふたてにわかれた道にでた。
(わしやま様へとつづく道は簡単じゃ。わしやま様のところへ行くと念じれば、道はつながる)
ケヤキの妖精が言っていたことを思い出す。
頭の中で(わしやま様のところに行く!)と考えてみる。
が、変化はない。
なので、今度は、(わしやま様のところに行く!)と思いながら、鷲に似たこの山の姿を想像してみた。
すると、ふたてにわかれている道のかたほうの道が、急に日の光があたって輝きだした。
まるで教えてくれたみたいに。
その後も道がわからないと思ったら、同じようにしてみる。
すると、手招きするように道の入り口に咲く花がゆれたり、風に背中をおされたり、見えなかった道が見えてきたりと、進む道を教えてくれる。
これなら迷うことはない。
ほっとした私は、少し休むことにした。
慣れない山道を歩いて、疲れてしまったから。
木かげにすわろうとした時、やぶの奥から何か聞こえてきた。
なんだか子どもの声みたい。
でも、こんなところに子ども?
「いるはずないよね」
口に出して言ってみたものの、やっぱり気になる。
私は、声の聞こえてくる方へ近づいていく。
声がどんどん大きくなってきた。
やっぱり、子どもが泣いているみたい。
私は、枝と枝がかさなったすきまからのぞいてみた。
黒くて長い髪の毛が見える。まだ小さい女の子みたい。
さすがに無視して通り過ぎることもできない。
私はその女の子に向かって、「どうしたの?」と、声をかけた。
でも、何も答えない。
しゃがみこんだまま、泣き続けている。
心配になった私は、枝の間をすりぬけ、草をかきわけ、女の子に近づいていこうとした。
「うわあ!」
何かが足にまきついて、私は、うしろむけにひっくりかえった。
おきあがろうと手をのばすと、手にも何かが、まきついてきた。
「えっ、なに、なに、なにっ!?」
叫んだ拍子に、自分の体がブワーンと跳ね上がった。
足が地面につかない。手も動かない。
目には見えないけれど、ロープでしばられたみたいに、がっちりとした何かにからまっているのは間違いない。
(どうしよう! なんとかしないと!)
宙に浮いた状態で、体をゆらしてみた。
「あ、痛いっ!」
ますます、何かが、きつくからみついてきた。
(そうだ。あの女の子!)
私は泣いている女の子に向かって、声をはりあげた。
「悪いけど、ちょっと手伝ってくれない? 何かが、からまって動けないの!」
女の子がやっと顔をあげた。
大きな黒いふたつの目からは、涙がいっぱいあふれだしている。
私はびくっとした。
涙を流している目が、一瞬、笑っているように見えたから。
(ここでは見た目で安易に判断するな。いくらでも偽れる外側ほど不確かなものはないからな)
ひとみがひとつの言葉が警告音のように頭にひびく。
女の子は涙をふくと、私のほうへよってきた。
心配そうな顔をしている。
「くもの糸にからまったのね」
「くも? まさか……」
とっさに、自分の体をみおろした。
何にからまっているかはわからないけれど、私のからだは完全に宙にういている。
言われてみれば、くもの巣にひっかかった獲物みたい……。
すぐに、ふたてにわかれた道にでた。
(わしやま様へとつづく道は簡単じゃ。わしやま様のところへ行くと念じれば、道はつながる)
ケヤキの妖精が言っていたことを思い出す。
頭の中で(わしやま様のところに行く!)と考えてみる。
が、変化はない。
なので、今度は、(わしやま様のところに行く!)と思いながら、鷲に似たこの山の姿を想像してみた。
すると、ふたてにわかれている道のかたほうの道が、急に日の光があたって輝きだした。
まるで教えてくれたみたいに。
その後も道がわからないと思ったら、同じようにしてみる。
すると、手招きするように道の入り口に咲く花がゆれたり、風に背中をおされたり、見えなかった道が見えてきたりと、進む道を教えてくれる。
これなら迷うことはない。
ほっとした私は、少し休むことにした。
慣れない山道を歩いて、疲れてしまったから。
木かげにすわろうとした時、やぶの奥から何か聞こえてきた。
なんだか子どもの声みたい。
でも、こんなところに子ども?
「いるはずないよね」
口に出して言ってみたものの、やっぱり気になる。
私は、声の聞こえてくる方へ近づいていく。
声がどんどん大きくなってきた。
やっぱり、子どもが泣いているみたい。
私は、枝と枝がかさなったすきまからのぞいてみた。
黒くて長い髪の毛が見える。まだ小さい女の子みたい。
さすがに無視して通り過ぎることもできない。
私はその女の子に向かって、「どうしたの?」と、声をかけた。
でも、何も答えない。
しゃがみこんだまま、泣き続けている。
心配になった私は、枝の間をすりぬけ、草をかきわけ、女の子に近づいていこうとした。
「うわあ!」
何かが足にまきついて、私は、うしろむけにひっくりかえった。
おきあがろうと手をのばすと、手にも何かが、まきついてきた。
「えっ、なに、なに、なにっ!?」
叫んだ拍子に、自分の体がブワーンと跳ね上がった。
足が地面につかない。手も動かない。
目には見えないけれど、ロープでしばられたみたいに、がっちりとした何かにからまっているのは間違いない。
(どうしよう! なんとかしないと!)
宙に浮いた状態で、体をゆらしてみた。
「あ、痛いっ!」
ますます、何かが、きつくからみついてきた。
(そうだ。あの女の子!)
私は泣いている女の子に向かって、声をはりあげた。
「悪いけど、ちょっと手伝ってくれない? 何かが、からまって動けないの!」
女の子がやっと顔をあげた。
大きな黒いふたつの目からは、涙がいっぱいあふれだしている。
私はびくっとした。
涙を流している目が、一瞬、笑っているように見えたから。
(ここでは見た目で安易に判断するな。いくらでも偽れる外側ほど不確かなものはないからな)
ひとみがひとつの言葉が警告音のように頭にひびく。
女の子は涙をふくと、私のほうへよってきた。
心配そうな顔をしている。
「くもの糸にからまったのね」
「くも? まさか……」
とっさに、自分の体をみおろした。
何にからまっているかはわからないけれど、私のからだは完全に宙にういている。
言われてみれば、くもの巣にひっかかった獲物みたい……。
1
あなたにおすすめの小説
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
【完結】アシュリンと魔法の絵本
秋月一花
児童書・童話
田舎でくらしていたアシュリンは、家の掃除の手伝いをしている最中、なにかに呼ばれた気がして、使い魔の黒猫ノワールと一緒に地下へ向かう。
地下にはいろいろなものが置いてあり、アシュリンのもとにビュンっとなにかが飛んできた。
ぶつかることはなく、おそるおそる目を開けるとそこには本がぷかぷかと浮いていた。
「ほ、本がかってにうごいてるー!」
『ああ、やっと私のご主人さまにあえた! さぁあぁ、私とともに旅立とうではありませんか!』
と、アシュリンを旅に誘う。
どういうこと? とノワールに聞くと「説明するから、家族のもとにいこうか」と彼女をリビングにつれていった。
魔法の絵本を手に入れたアシュリンは、フォーサイス家の掟で旅立つことに。
アシュリンの夢と希望の冒険が、いま始まる!
※ほのぼの~ほんわかしたファンタジーです。
※この小説は7万字完結予定の中編です。
※表紙はあさぎ かな先生にいただいたファンアートです。
理想の王妃様
青空一夏
児童書・童話
公爵令嬢イライザはフィリップ第一王子とうまれたときから婚約している。
王子は幼いときから、面倒なことはイザベルにやらせていた。
王になっても、それは変わらず‥‥側妃とわがまま遊び放題!
で、そんな二人がどーなったか?
ざまぁ?ありです。
お気楽にお読みください。
かつて聖女は悪女と呼ばれていた
朔雲みう (さくもみう)
児童書・童話
「別に計算していたわけではないのよ」
この聖女、悪女よりもタチが悪い!?
悪魔の力で聖女に成り代わった悪女は、思い知ることになる。聖女がいかに優秀であったのかを――!!
聖女が華麗にざまぁします♪
※ エブリスタさんの妄コン『変身』にて、大賞をいただきました……!!✨
※ 悪女視点と聖女視点があります。
※ 表紙絵は親友の朝美智晴さまに描いていただきました♪
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる