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第一王女カレナ
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残念ながら、私とユーリは、去年、正式に婚約した。
その時の状況を少し説明したいと思う。
もちろん、嫌だ嫌だと、散々言ったが、だれもが本気にしなかった。
「アデルは恥ずかしがってるんです。わかるよ。そういう年頃だからね」
ユーリがそう言うと、みんな納得し、私に生暖かい笑顔をむけてきた。
いやいや、本当に嫌なんだから!
が、姉で、第一王女のカレナ姉様だけは、なにか、ユーリの裏を感じ取ったよう。
完璧すぎて、うさんくさい。
アデルを見る目が気に入らない。
と、言い始めた。
カレナ姉様は、見た目は、はかなげな美人で、完璧な王女を演じているが、中身は、野性味あふれ、直感で生きている。
うん、ギャップがすごい。
私は婚約を解消するために、カレナ姉様に協力を求めた。
「大丈夫よ、アデル。すべて、このお姉さまにまかせておきなさい!」
そう言って、まず、兄である王太子、ルイ兄様にかけあってくれた。
「アデルが嫌なら、きっとすぐに動いてくれるわよ」
が、結果は…。
「アデルがお嫁にいくのは、ぼくも嫌だよ。でもね、悔しいけれど、ユーリほど優秀な男は、なかなかいないんだ。かわいいアデルを託すなら、やはり、ユーリぐらいじゃないと、ぼくも安心できなくてね」
そう、ルイ兄様は、すでに、ユーリにとりこまれていた。
語学にたけたユーリは、外交問題など、王太子に的確なアドバイスをし、今や、ゆるぎない参謀の座を得ていた。
あの男にぬかりなし。
もちろん、王も王妃もユーリを絶賛している。
「大丈夫よ、アデル。ユーリの化けの皮をはいで、アデルを守ってあげるからね」
そう言って、カレナ姉様は、自分の胸をポーンと力強くたたいてみせた。
なんて、頼もしい! 持つべきものは、野性味あふれる姉だわ。
…が、そのわずか一週間後。
カレナ姉様は、シンガロ国への輿入れが決まった。
そのニュースを聞くやいなや、部屋に突撃した私に、カレナ姉様はこう言った。
「あのね、アデル。よく考えたんだけど、ユーリもそう悪くはないと思うのよね」
はい? 何を言ってるんですか?
「だって、今回のことでは、すごく動いてくれたみたい。おかげで、ようやく、ミカル様と結婚できるようになったもの」
そう言って、甘ったるい笑みをうかべた。
そう、カレナ姉様は、シンガロ国の王太子である婚約者のミカル様にベタボレなのだ。
だが、シンガロ国のごたごたで、婚姻がのびにのびて、暗礁にのりあげていた。
が、ユーリの働きで、急遽、決まったらしい。
におう。やっぱり、におうよね。
「だから、ユーリとちゃんとむきあってみなさい。私はいいと思うわよ」
カレナ姉様、敗れたり。
こうして、カレナ姉様は、早々に、シンガロ国へと旅立っていった。
まあ、この前みたいに、シンガロ国の人気の本を、沢山おくってきてくれるから、いいんだけどね…。
ということで、婚約を解消するためには、自分でどうにかするしかない。
魔王に支配されないため、のびのび、だらだら、本を読む生活をおくるため、がんばろう、私!
その時の状況を少し説明したいと思う。
もちろん、嫌だ嫌だと、散々言ったが、だれもが本気にしなかった。
「アデルは恥ずかしがってるんです。わかるよ。そういう年頃だからね」
ユーリがそう言うと、みんな納得し、私に生暖かい笑顔をむけてきた。
いやいや、本当に嫌なんだから!
が、姉で、第一王女のカレナ姉様だけは、なにか、ユーリの裏を感じ取ったよう。
完璧すぎて、うさんくさい。
アデルを見る目が気に入らない。
と、言い始めた。
カレナ姉様は、見た目は、はかなげな美人で、完璧な王女を演じているが、中身は、野性味あふれ、直感で生きている。
うん、ギャップがすごい。
私は婚約を解消するために、カレナ姉様に協力を求めた。
「大丈夫よ、アデル。すべて、このお姉さまにまかせておきなさい!」
そう言って、まず、兄である王太子、ルイ兄様にかけあってくれた。
「アデルが嫌なら、きっとすぐに動いてくれるわよ」
が、結果は…。
「アデルがお嫁にいくのは、ぼくも嫌だよ。でもね、悔しいけれど、ユーリほど優秀な男は、なかなかいないんだ。かわいいアデルを託すなら、やはり、ユーリぐらいじゃないと、ぼくも安心できなくてね」
そう、ルイ兄様は、すでに、ユーリにとりこまれていた。
語学にたけたユーリは、外交問題など、王太子に的確なアドバイスをし、今や、ゆるぎない参謀の座を得ていた。
あの男にぬかりなし。
もちろん、王も王妃もユーリを絶賛している。
「大丈夫よ、アデル。ユーリの化けの皮をはいで、アデルを守ってあげるからね」
そう言って、カレナ姉様は、自分の胸をポーンと力強くたたいてみせた。
なんて、頼もしい! 持つべきものは、野性味あふれる姉だわ。
…が、そのわずか一週間後。
カレナ姉様は、シンガロ国への輿入れが決まった。
そのニュースを聞くやいなや、部屋に突撃した私に、カレナ姉様はこう言った。
「あのね、アデル。よく考えたんだけど、ユーリもそう悪くはないと思うのよね」
はい? 何を言ってるんですか?
「だって、今回のことでは、すごく動いてくれたみたい。おかげで、ようやく、ミカル様と結婚できるようになったもの」
そう言って、甘ったるい笑みをうかべた。
そう、カレナ姉様は、シンガロ国の王太子である婚約者のミカル様にベタボレなのだ。
だが、シンガロ国のごたごたで、婚姻がのびにのびて、暗礁にのりあげていた。
が、ユーリの働きで、急遽、決まったらしい。
におう。やっぱり、におうよね。
「だから、ユーリとちゃんとむきあってみなさい。私はいいと思うわよ」
カレナ姉様、敗れたり。
こうして、カレナ姉様は、早々に、シンガロ国へと旅立っていった。
まあ、この前みたいに、シンガロ国の人気の本を、沢山おくってきてくれるから、いいんだけどね…。
ということで、婚約を解消するためには、自分でどうにかするしかない。
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