(第2章連載中)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。

水無月あん

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第一章

ついに到着

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そして、混沌としたまま馬車が到着。

ついに王宮に到着しました! うん、まさに別世界。

みんな、思いっきりドレスアップしていて、きらきらしている!

前世、庶民の私は、思わず、ホールに入るのを気おくれしていると、さっとラルフが手を取ってくれた。
流れるように、自然な動きだ。

おやおや、慣れてる? 

思わず、ムフという目で見ると、冷たいまなざしが返ってきた。

「どうせ、バカなこと考えてんだろ。さっさと行くぞ」

はい、すみませんね。

ということで、いざ、観察場へ入場! 
テンションあがってしまうけど、落ち着かないと。

早速、痛いほどの視線を感じる。
はー、ラルフ。目立つもんね。

令嬢たちがハンターのような目でねらってる。
見た目は、きれいな人たちだけれど、私としては、ああいうタイプは、溺愛のヒロインとしては萌えない。
やはり、可憐で、守ってしまいたくなるような、天使みたいなヒロインが好みなのだ!

ということで、観察対象からは外させていただきます。

会場に入ると、婚約者ではない二人は、一緒にまわる必要もないので、知り合いを見つけて談笑したりする。

ということで、ラルフもお友達のところにどうぞ。
私は、お待ちかねの溺愛観察に入ります!

「じゃ、ラルフ。ここらで自由行動にしようかね?」
というやいなや、ひらりと手をふり、前のめりで移動しようとすると、ラルフに手をつかまれた。

「こら、待て。一人でうろちょろするなって、さっき、言ったばかりだろ。ほんと、記憶力がないな」
と、冷ややかな目で見られた。

おっと、まずい! 私たち、めちゃくちゃ見られてない?

腕つかまれてるから、更に目立ってるよね…。
深い意味はないですよーという意味をこめ、とりあえず笑顔をはりつける。 

が、令嬢たちの視線が痛い。痛すぎる…。

「ラルフ! ちょっと、手、離してよ」
と、笑顔のまま、手をふりほどこうとするが、ふりほどけない。

この馬鹿力め!

「ダメだ。どうせ、溺愛を見たいとかって、ふらふらとどっかへ行くんだろ。安心できる奴がくるまでは、ここにいろ」

「えー! そんなこと言ったって、私の友人は、数人しかいないんだよ? しかも、ラルフも含まれてるんだよ? このパーティーで、ラルフの安心できる奴に会う確率はどのくらい? ほぼ、ないじゃない?!」
と、笑顔をはりつけたまま、小声で猛然とまくしたてた。

「じゃ、俺といるしかないな。ここから、その観察とやらをすればいいだろ?」

いやいや、ラルフといたら、観察するどころ、観察されるじゃない?!

あれ、こちらを見て手をふってる男の人がいる。
そういえば、以前、ラルフと一緒にいたところを見たような気もするわ…。

「あの人、ラルフのお友達じゃない? ほら、呼んでるよ。行って来て。私はここで待ってるから」

とにかく、ラルフと離れないと! 観察ができない!
どこでもいいから、早くどっかへ行け! と、念を送る。

「いや、全く必要ない。というか、リリーは、いつ、あいつのことを知ったんだ? 俺は紹介してないが」
そう言って、その男性をにらみつけた。

ちょっと、友達じゃないの?! 

もう、どうにかして、と思ったとき、
「リリー、久しぶりね」
と、背後から凛とした声がした。

うわあ、奇跡が起きました! 私の数少ない友人であるアイシャだ!! 









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