22 / 108
第一章
奇妙な行動
しおりを挟む
おすすめの本をジャンさんに説明したり、されたりしながら、本棚をまわっていく。
やはり、好きな本を話し合うのは楽しいよね!
が、そんな楽しい中、ずーっと背中に圧を感じている。
というのも、ラルフがはりついたままだからだ。
「ちょっと、離れてよ。変だよ?! ほら、ラルフも本を見て!」
私が振り返って言うと、
「見なくていい。リリーが決めた本を読む」
本屋にきて、本を見ないとは! 本好きとしては、信じられん…。
しかも、私が決めた本って…。課題図書じゃないんだよ?
ふと、本棚の高いところに目をやると、ジャンさんに進めたい1冊を見つけた。
「この赤い装丁の本。素敵な恋愛もので、おすすめなんだよね」
と言いながら手を伸ばすと、背後から、にょきっと長い手がのびてきた。
もちろん、ラルフだ。
ラルフは、私にその本を手渡してくれた。
「ありがとう」
そして、その本を、私は、ジャンさんに見せようと、
「ジャンさん、この本、知ってる? 是非読んでほしいんだけど」
そう言いながら、ジャンさんの方に、本を手渡そうとすると、さっと本が取り上げられた。
えっ? 何がおこったの?
と思ったら、ラルフが、私の手から素早く本を取り、ジャンさんに手渡した。
なんと、流れるような早業!
と、感心したものの、その後も、そんなことが何度か続く。
ジャンさんが私に手渡そうとしたときも、同じだ。私より先に受け取って、私に渡す。
なんだ、これ? 変だよね?
ラルフは、私の手のかわりをしているんだろうか?
過保護が爆発しすぎて、介護みたいになってしまっているのだろうか?
ラルフの意図はわからないけど、とにかく恥ずかしいから、やめていただきたい!
ジャンさんも、なんとも言えない顔をしている。
それに、本屋では、すでにラルフのあとをついてくる女性もちらほら。その方たちが、ラルフの奇妙な行動に、ざわついている。
これは、止めないと!
私は小声で注意した。
「ちょっと、やめてよ、ラルフ! 私は手が使えるからね」
「そんなこと、わかってる」
と、あきれはてたような目で私を見る。
カッチーン。
変な行動を注意したら、こっちが変みたいなその態度は、なにかね?!
「じゃあ、なんで、さっきから、そんな行動するの?」
「やりたいから、やってる。リリーは気にするな」
いやいや、気になるわ。
そこで、クスッと、ジャンさんが小さく笑い、
「ラルフ、余裕がないんだね」
と、挑戦的な口調で言った。
「あ?!」
ラルフが、一気に野獣と化す。
が、私としては、それどころではない。
今のジャンさん、普段とは、ちょっと違ってた。
もしや、これが、腹黒属性!!
完璧な好青年なのに、ちょっと、垣間見える腹黒。
すごく、いいんじゃない?!
目の前の殺伐とした空気もなんのその。私の妄想がとまらないわ!
やはり、好きな本を話し合うのは楽しいよね!
が、そんな楽しい中、ずーっと背中に圧を感じている。
というのも、ラルフがはりついたままだからだ。
「ちょっと、離れてよ。変だよ?! ほら、ラルフも本を見て!」
私が振り返って言うと、
「見なくていい。リリーが決めた本を読む」
本屋にきて、本を見ないとは! 本好きとしては、信じられん…。
しかも、私が決めた本って…。課題図書じゃないんだよ?
ふと、本棚の高いところに目をやると、ジャンさんに進めたい1冊を見つけた。
「この赤い装丁の本。素敵な恋愛もので、おすすめなんだよね」
と言いながら手を伸ばすと、背後から、にょきっと長い手がのびてきた。
もちろん、ラルフだ。
ラルフは、私にその本を手渡してくれた。
「ありがとう」
そして、その本を、私は、ジャンさんに見せようと、
「ジャンさん、この本、知ってる? 是非読んでほしいんだけど」
そう言いながら、ジャンさんの方に、本を手渡そうとすると、さっと本が取り上げられた。
えっ? 何がおこったの?
と思ったら、ラルフが、私の手から素早く本を取り、ジャンさんに手渡した。
なんと、流れるような早業!
と、感心したものの、その後も、そんなことが何度か続く。
ジャンさんが私に手渡そうとしたときも、同じだ。私より先に受け取って、私に渡す。
なんだ、これ? 変だよね?
ラルフは、私の手のかわりをしているんだろうか?
過保護が爆発しすぎて、介護みたいになってしまっているのだろうか?
ラルフの意図はわからないけど、とにかく恥ずかしいから、やめていただきたい!
ジャンさんも、なんとも言えない顔をしている。
それに、本屋では、すでにラルフのあとをついてくる女性もちらほら。その方たちが、ラルフの奇妙な行動に、ざわついている。
これは、止めないと!
私は小声で注意した。
「ちょっと、やめてよ、ラルフ! 私は手が使えるからね」
「そんなこと、わかってる」
と、あきれはてたような目で私を見る。
カッチーン。
変な行動を注意したら、こっちが変みたいなその態度は、なにかね?!
「じゃあ、なんで、さっきから、そんな行動するの?」
「やりたいから、やってる。リリーは気にするな」
いやいや、気になるわ。
そこで、クスッと、ジャンさんが小さく笑い、
「ラルフ、余裕がないんだね」
と、挑戦的な口調で言った。
「あ?!」
ラルフが、一気に野獣と化す。
が、私としては、それどころではない。
今のジャンさん、普段とは、ちょっと違ってた。
もしや、これが、腹黒属性!!
完璧な好青年なのに、ちょっと、垣間見える腹黒。
すごく、いいんじゃない?!
目の前の殺伐とした空気もなんのその。私の妄想がとまらないわ!
37
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。
ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる