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第一章
やっぱり、すごい
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「どう、王宮の図書室は? あまり、リリーの興味のある本はおいてないでしょ?」
アイシャが聞いてきた。
「物語の本のところに、まだたどり着いてないからわからないけど、でも、すごい図書室で、びっくりしたよ! 素敵なつくりだね」
と、私が答える。
すると、アイシャが、
「あのね、私が留学してるロジャン国の王宮の図書室は、ここの10倍くらいはあるのよ? しかも、許可をとれば、一般の人も入れるし、借りることもできるの。リリーを連れて行きたいなあ」
目を輝かせて言った。
「いいな。行ってみたい…」
「ほんと?!」
「うん。だって、ロジャン国は、他にも大きな図書館や、大きな本屋さんとかもあるんだよね? 住みやすそうだよね」
想像をめぐらしている私を見て、アイシャが満面の笑みをうかべた。
「どうする? 物語本が置いてあるところに行く?」
と、アイシャが言った。
私は、首を横にふった。
「ううん、もういいよ。雰囲気は十分堪能したし、今日は集中して読めない感じかも。なんか、見慣れない景色に圧倒されっちゃったみたい」
私がそう言うと、意味ありげに、アイシャが私を見た。
「リリーが本を集中して読めないなんて、珍しいわね。ま、物語の本は、少ししか置いてないから、あんまりおもしろくはないかも。じゃあ、このあと、うちに来ない? ロジャン国の本やら、写真を見せたいなあと思って」
と、アイシャが言った。
「行く! なんか、今、やたらとロジャン国に興味がわいてきたから行く!」
そこへ、
「リリー!」
と、私を呼ぶ声。ラルフが走ってやってきた。
「あら、ラルフいたの? 王女のお守りはどうしたのかしら?」
と、アイシャがいきなり言った。
ラルフの目が一気に鋭くなる。
「変な言い方するな。言葉を少し教えてるだけだろ」
アイシャが、目を細めて
「へえ、そうなの? 王女がラルフじゃないと嫌だってごねるから、ラルフがつきっきりだって、王宮じゃ噂になってるけど?」
「つきっきりなんだ」
私がぼそっとつぶやくと、ラルフが目を見開いた。
「そんなわけないだろ!」
ラルフが、アイシャをにらみつける。
「はたからはそう見えてるのよ。ラルフ、あなた、なにしてるの?」
と、アイシャが真顔でにらみ返した。
その時、
「ラルフー!」
と、声が響いた。
ロイさんと一緒に階段から降り立った王女様が、こっちを見て、ラルフを呼んでいる。
「やっぱり、一緒じゃない! ほら、呼ばれてるわよ。ほんと、こっちが招待したわけでもないのに、勝手に押しかけてきて、王宮に滞在して、ラルフに言葉を習ってる? いいご身分よね? 自国が大変で、交流のないこの国に無理やり交渉にこざるおえない状況なのに、遊びにきたのかしら?」
「言いすぎだぞ」
と、ラルフ。
アイシャは、
「私、ラルフを買いかぶってたみたいね。王族は、国が大変なとき、国民のために動くものでしょ? 非常時に、あの王女、なにしてるの? ラルフに言葉を習うひまがあったら、国民のために動け、でしょ。そして、それを助長させている、王太子、ロイ、そして、ラルフに私は失望してるの。甘いわよ」
と、アイシャが一息に言いきった。
そうだよね…。アイシャは、ロジャン国の王子に嫁ぐため、厳しいお妃教育を受けてるもんね。
ラルフは、アイシャに何も言い返せず、眉間にしわをよせている。
そんなラルフに、アイシャは、きれいな笑みを浮かべて言った。
「まあ、ラルフのおかげで、私にとっては、望み通りに転びそうでいいけど? じゃ、リリーは私が連れて行くから、ラルフは、どうぞ王女と仲良くねー。行きましょ、リリー」
ラルフは私を見た。が、私は、すぐに目をそらした。
今は、ここにいたくない…。
私は、アイシャと一緒に歩き出した。
それから、護衛騎士さんに先導され、王宮の外へでると、アイシャの家の馬車が待っていた。
馬車に乗せてもらった途端、
「リリー、大丈夫? 無理してたんでしょ?」
と、アイシャが声をかけてきた。
「え? なんで?」
驚いている私に、アイシャは、優しく微笑んだ。
「あのね。リリーと何年のつきあいだと思ってるの? 図書室で会った瞬間、様子がおかしいのは、わかってたわ。私には、泣きそうな顔をしてるように見えたわ」
はあーっと私はため息をついた。
「アイシャは、やっぱりすごいな…。私は、自分のことさえよくわからないのに…。そう、今日、なんか、アイシャの顔をみた瞬間、ほっとして泣きそうになったの」
アイシャは、穏やかにうなずいた。
私は、今日、見たこと、おこったこと、そして、思ったことを、ぽつぽつと話しはじめた。
アイシャが聞いてきた。
「物語の本のところに、まだたどり着いてないからわからないけど、でも、すごい図書室で、びっくりしたよ! 素敵なつくりだね」
と、私が答える。
すると、アイシャが、
「あのね、私が留学してるロジャン国の王宮の図書室は、ここの10倍くらいはあるのよ? しかも、許可をとれば、一般の人も入れるし、借りることもできるの。リリーを連れて行きたいなあ」
目を輝かせて言った。
「いいな。行ってみたい…」
「ほんと?!」
「うん。だって、ロジャン国は、他にも大きな図書館や、大きな本屋さんとかもあるんだよね? 住みやすそうだよね」
想像をめぐらしている私を見て、アイシャが満面の笑みをうかべた。
「どうする? 物語本が置いてあるところに行く?」
と、アイシャが言った。
私は、首を横にふった。
「ううん、もういいよ。雰囲気は十分堪能したし、今日は集中して読めない感じかも。なんか、見慣れない景色に圧倒されっちゃったみたい」
私がそう言うと、意味ありげに、アイシャが私を見た。
「リリーが本を集中して読めないなんて、珍しいわね。ま、物語の本は、少ししか置いてないから、あんまりおもしろくはないかも。じゃあ、このあと、うちに来ない? ロジャン国の本やら、写真を見せたいなあと思って」
と、アイシャが言った。
「行く! なんか、今、やたらとロジャン国に興味がわいてきたから行く!」
そこへ、
「リリー!」
と、私を呼ぶ声。ラルフが走ってやってきた。
「あら、ラルフいたの? 王女のお守りはどうしたのかしら?」
と、アイシャがいきなり言った。
ラルフの目が一気に鋭くなる。
「変な言い方するな。言葉を少し教えてるだけだろ」
アイシャが、目を細めて
「へえ、そうなの? 王女がラルフじゃないと嫌だってごねるから、ラルフがつきっきりだって、王宮じゃ噂になってるけど?」
「つきっきりなんだ」
私がぼそっとつぶやくと、ラルフが目を見開いた。
「そんなわけないだろ!」
ラルフが、アイシャをにらみつける。
「はたからはそう見えてるのよ。ラルフ、あなた、なにしてるの?」
と、アイシャが真顔でにらみ返した。
その時、
「ラルフー!」
と、声が響いた。
ロイさんと一緒に階段から降り立った王女様が、こっちを見て、ラルフを呼んでいる。
「やっぱり、一緒じゃない! ほら、呼ばれてるわよ。ほんと、こっちが招待したわけでもないのに、勝手に押しかけてきて、王宮に滞在して、ラルフに言葉を習ってる? いいご身分よね? 自国が大変で、交流のないこの国に無理やり交渉にこざるおえない状況なのに、遊びにきたのかしら?」
「言いすぎだぞ」
と、ラルフ。
アイシャは、
「私、ラルフを買いかぶってたみたいね。王族は、国が大変なとき、国民のために動くものでしょ? 非常時に、あの王女、なにしてるの? ラルフに言葉を習うひまがあったら、国民のために動け、でしょ。そして、それを助長させている、王太子、ロイ、そして、ラルフに私は失望してるの。甘いわよ」
と、アイシャが一息に言いきった。
そうだよね…。アイシャは、ロジャン国の王子に嫁ぐため、厳しいお妃教育を受けてるもんね。
ラルフは、アイシャに何も言い返せず、眉間にしわをよせている。
そんなラルフに、アイシャは、きれいな笑みを浮かべて言った。
「まあ、ラルフのおかげで、私にとっては、望み通りに転びそうでいいけど? じゃ、リリーは私が連れて行くから、ラルフは、どうぞ王女と仲良くねー。行きましょ、リリー」
ラルフは私を見た。が、私は、すぐに目をそらした。
今は、ここにいたくない…。
私は、アイシャと一緒に歩き出した。
それから、護衛騎士さんに先導され、王宮の外へでると、アイシャの家の馬車が待っていた。
馬車に乗せてもらった途端、
「リリー、大丈夫? 無理してたんでしょ?」
と、アイシャが声をかけてきた。
「え? なんで?」
驚いている私に、アイシャは、優しく微笑んだ。
「あのね。リリーと何年のつきあいだと思ってるの? 図書室で会った瞬間、様子がおかしいのは、わかってたわ。私には、泣きそうな顔をしてるように見えたわ」
はあーっと私はため息をついた。
「アイシャは、やっぱりすごいな…。私は、自分のことさえよくわからないのに…。そう、今日、なんか、アイシャの顔をみた瞬間、ほっとして泣きそうになったの」
アイシャは、穏やかにうなずいた。
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