かぼちゃと指と星達

PLMARTH

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始まり

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何も入っていない人形がおいてある。
いやそもそも中身が入っていない人形とはなにか?
綿やビーズが入っているだろう何もないわけではないだろう。嫌悪感が滲み出てきている。
気持ち悪い人形だ。壊したい切り裂きたい殺したい。
その人形に近づく。
鈍い痛みとともに目を覚ます。そこには相変わらず
汚い部屋とありふれた日常があった。
「今年から高校か」
普通の高校だ何も代わり映えしない家から近い高校
中学の頃と変わらない面子がいると思うと正直憂鬱だ
だが入学式に遅刻してしまっては大変だ。だが意識とは別に床に入る。
ここで小説だったら優しい母親やかわいい妹が起こしてくれるだろうだがこれは現実だ。入学式が始まる
8時頃に目を覚ました.
10分遅刻した。教師や周りの生徒から
冷ややかな視線が送られる。
「入学早々何やってんだよと。」
だがそんな、視線実際には向いていないそれに、
すぐに気付かされる。いわば自分の一番知っている
存在に恋焦がれている存在。
自分はその幼なじみが好きだ。そいつは頭が良くて
誰とでも話せて中学の頃孤立していた自分に唯一声をかけてくれた存在だ。どうして学校はこんなやつに
入学スピーチを任せたのか知らないが、スピーチの時に緊張で腹を壊したらしい。
「後で慰めにいこ」心のなかですこし安心した。
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