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第三章 秋
第四話
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「でも、手紙には元気にしているとたくさん書きました」
「うん。そう聞いてはいたけど、手紙には何とでも書けるからね。特にノエルはがんばり屋さんだから、辛くても私たちに心配をかけまいとするんじゃないかと」
エドガーはノエルが九歳でオルグレン家に引き取られたときのことを知っている。
「ご主人さま」から助け出されたばかりのあの頃のノエルは、何とか「日常」に戻ろうと必死だった。昼間は平気なふりをして、夜になると闇が怖くて、寝室が怖くて半狂乱で泣き叫んでいた。そのたびにセドリックやエドガーが朝まで一緒にいてくれた。
だからこそ、彼らの中でノエルは「庇護」の対象であり、いつまでたっても心配で仕方がないのだろう。
「特にセドリックは、ブラッドフォード中尉に会ったこともないから、すごく心配だったんじゃないかな」
昔を思い出すように、エドガーが少し遠くを見つめた。
今日、エドガーはきっとこの話をするためにブラッドフォード邸を訪ねたのだろう。
ヴィンセントにお茶を頼んだのもそのためで、本当はノエルとふたりきりになりたかったのだ。彼に聞かれていては出来ない話をするために。
エドガーを始めとしたオルグレン家の人々はとても優しい。血の繋がらないノエルのために、こんなにも心を砕いてくれる。
この人たちに引き取られて、本当によかったとノエルは思った。同時に、今の自分がどれほど幸せなのかとちゃんと伝えたいとも思う。
これ以上、ノエルのことを心配しなくてもいいように。もう大丈夫なのだと伝えたい。
「さっきも言いましだけど、俺は今、とても幸せです。ヴィンスさんはすごく優しいし、マーサとロバートもいい人です」
「うん」
「お仕事が忙しくて帰りが遅かったりしますけど、お休みの日は色んなところに連れて行ってくれるし、美味しいものを食べさせてくれます」
「うん」
「お医者さまにもちゃんと行ってます」
「そうだね」
「ヒートも来たし」
「うん、とても幸せそうで安心したよ」
よしよし、とエドガーがノエルの頭を撫でる。硬い手のひらは温かく、懐かしい気持ちになる。エドガーは昔からよく、こうして頭を撫でてくれた。
そのとき、ふいにノエルは気がついた。先ほど、エドガーと手を繋いだ時に覚えた違和感。それはきっと彼の手がヴィンセントのものよりも少しだけ小さいからだ。加えて、指が細くて、手のひらが薄い。
ノエルの中で温かく大きな手は、もうすっかりヴィンセントのものになっていた。
だから、何となく「違うな」と思ってしまったのだ。
「もう、大丈夫ですよ」
「ああ、うん。そうだね。ノエルもとても大きくなった。あの頃はこんなに小さかったのに」
そう言って、エドガーが自らの腰のあたりに手のひらを持っていった。引き取られたばかりのノエルが、これくらいの背丈だったと言いたいのだろう。
「そんなに小さくなかったです」
「そうかな。これくらいだったよ」
ノエルが口を尖らせると、エドガーが声を上げて笑った。
楽しそうなエドガーの様子を見て、ノエルもまたほっと息を吐いた。
これでエドガーは安心して帝都に帰ってくれる。オルグレン家のみんなに「ノエルは大丈夫だった」と言ってくれるはずだ。
「あの、エドガーさま」
「なんだい」
「ようやくヒートが来たのに、どうしてヴィンスさんと番になってはいけないんでしょうか」
エドガーからの心配が消えたのを見て、ノエルはここ数日、悩んでいた疑問を口にした。
「俺は、とても幸せなのに」
番になりたいのに、と呟くと、エドガーは意外そうに眉を上げた。
「番になりたいのかい? ノエルが?」
「はい。でも、旦那さまやセドリックさまからの手紙には『番にはならないように』と書いてあって……。ヴィンスさんも噛んでくれませんし」
ノエルは依然付けたままになっている首輪に手を伸ばした。
前回のヒートのとき、項を噛んでもらえるものだと思っていたノエルは、首輪を外そうとした。けれど、それを止めたのはヴィンセントだ。
「ノエルは、番になれなくて残念だったんだね」
「そうなんでしょうか」
残念だったのだろうか、とノエルは思案する。
確かに、がっかりはした。けれど、どうして番にしてもらえなかったのだろう、という気持ちの方が強かったように思う。
何か、自分に足りないところがあったのだろうか。東部に来てからノエルが遊んでばかりであまり働いていないからいけないのかもしれない。あまり役に立てないから、いらないのだろうか。「ご主人さま」はそう言って、よくノエルを鞭で打っていた。
そんな風に考えて、いや、と首を横に振る。
ヴィンセントは絶対にそんな風には思わない。それだけは断言出来る。だから、きっと他に理由があるのだ。
オルグレン家の面々が、口を揃えて「番にはならないように」と言うように。
「ブラッドフォード中尉は、ノエルのことが大切なんだと思うよ」
言い聞かせるようにエドガーが言う。けれど、ノエルにはその言葉の意味が分からなくて首を傾げる。
「大切? だったら、番になりたいと思いませんか?」
「なりたいと思うことと、実際になろうとすることは、また違うんじゃないかな。特にオメガにとっては」
「どういうことですか」
「ノエルはオメガが、一生にたったひとりしか『番』を作れないことは知っているだろう?」
「はい」
生涯に複数の番を持てるアルファとは違い、オメガはひとりとしか番えない。
番を成立させるためのボンドバイトもアルファが行うものだし、番の解消もアルファの意思だけで可能だ。
「番になってしまうと、取り返しがつかないんだよ」
番とは幸せな関係ばかりではないのだ、とエドガーは言う。
項を噛まれれば、どれほど相手がひどいアルファであってもオメガは逃げられない。
「だからこそ、オメガを――ノエルを大切に思うのであれば、番になるのは慎重に行わなけれはいけないんだ。ブラッドフォード中尉はそれをちゃんと分かっているんだね」
オルグレン家のみんなが、揃って番になることを止める理由もそこにあるのだろう。ノエルが嫌だと思ったら、すぐに逃げられるように。まだ番になっていないうちに助けられるように、ということなのだ。
「でも、ヴィンスさんはひどいアルファじゃないです」
「それでも、彼自身がもう少し様子を見たいと思ってるんじゃないかな」
「俺がヴィンスさんのことを嫌になるなんて、ありえないのに……」
肩を落とすノエルの背中を、エドガーが慰めるように撫でてくれる。
「私としては、ノエルが『なりたい』というのであれば、問題ないと思うんだけれど。だって、ノエルが自分からしたいと言うのは初めてのことだよね」
「……そうでしょうか?」
エドガーに言われて、ノエルは目を瞠った。
ノエルが、やりたいこと。
刺繍も庭の手入れも、マーサの手伝いも、全部ノエル自身がやりたいと望んだことのはずだ。
楽しく、毎日自由に過ごさせてもらっている。そう訴えても、エドガーはただ優しく微笑むだけだった。
「戻ろうか、ノエル。あまり待たせるとブラッドフォード中尉が心配するよ。お茶も冷えてしまうだろうし」
「あ、そうですね」
すっかりエドガーと話し込んでしまった。
振り返って露台の方を見ると、テーブルに座ってこちらの様子を窺っていたヴィンセントと目が合った。彼の前には新しい菓子が置かれており、お茶の準備も済んでいる。
「番の件は、ブラッドフォード中尉とふたりでよく話し合ってごらん。セドリックや父さんたちの忠告はこの際無視していいように思うよ。ブラッドフォード中尉であれば、悪いようにはしないだろうし」
手を引かれて、ノエルはエドガーと一緒に露台へと戻った。
ヴィンセントがいつもと変わらない穏やかさで、「おかえり」と言ってお茶を入れてくれた。
温かいお茶を一口飲むと、ほっと溜め息が出た。どうやら、秋の風に身体がすっかり冷えていたようだった。
「うん。そう聞いてはいたけど、手紙には何とでも書けるからね。特にノエルはがんばり屋さんだから、辛くても私たちに心配をかけまいとするんじゃないかと」
エドガーはノエルが九歳でオルグレン家に引き取られたときのことを知っている。
「ご主人さま」から助け出されたばかりのあの頃のノエルは、何とか「日常」に戻ろうと必死だった。昼間は平気なふりをして、夜になると闇が怖くて、寝室が怖くて半狂乱で泣き叫んでいた。そのたびにセドリックやエドガーが朝まで一緒にいてくれた。
だからこそ、彼らの中でノエルは「庇護」の対象であり、いつまでたっても心配で仕方がないのだろう。
「特にセドリックは、ブラッドフォード中尉に会ったこともないから、すごく心配だったんじゃないかな」
昔を思い出すように、エドガーが少し遠くを見つめた。
今日、エドガーはきっとこの話をするためにブラッドフォード邸を訪ねたのだろう。
ヴィンセントにお茶を頼んだのもそのためで、本当はノエルとふたりきりになりたかったのだ。彼に聞かれていては出来ない話をするために。
エドガーを始めとしたオルグレン家の人々はとても優しい。血の繋がらないノエルのために、こんなにも心を砕いてくれる。
この人たちに引き取られて、本当によかったとノエルは思った。同時に、今の自分がどれほど幸せなのかとちゃんと伝えたいとも思う。
これ以上、ノエルのことを心配しなくてもいいように。もう大丈夫なのだと伝えたい。
「さっきも言いましだけど、俺は今、とても幸せです。ヴィンスさんはすごく優しいし、マーサとロバートもいい人です」
「うん」
「お仕事が忙しくて帰りが遅かったりしますけど、お休みの日は色んなところに連れて行ってくれるし、美味しいものを食べさせてくれます」
「うん」
「お医者さまにもちゃんと行ってます」
「そうだね」
「ヒートも来たし」
「うん、とても幸せそうで安心したよ」
よしよし、とエドガーがノエルの頭を撫でる。硬い手のひらは温かく、懐かしい気持ちになる。エドガーは昔からよく、こうして頭を撫でてくれた。
そのとき、ふいにノエルは気がついた。先ほど、エドガーと手を繋いだ時に覚えた違和感。それはきっと彼の手がヴィンセントのものよりも少しだけ小さいからだ。加えて、指が細くて、手のひらが薄い。
ノエルの中で温かく大きな手は、もうすっかりヴィンセントのものになっていた。
だから、何となく「違うな」と思ってしまったのだ。
「もう、大丈夫ですよ」
「ああ、うん。そうだね。ノエルもとても大きくなった。あの頃はこんなに小さかったのに」
そう言って、エドガーが自らの腰のあたりに手のひらを持っていった。引き取られたばかりのノエルが、これくらいの背丈だったと言いたいのだろう。
「そんなに小さくなかったです」
「そうかな。これくらいだったよ」
ノエルが口を尖らせると、エドガーが声を上げて笑った。
楽しそうなエドガーの様子を見て、ノエルもまたほっと息を吐いた。
これでエドガーは安心して帝都に帰ってくれる。オルグレン家のみんなに「ノエルは大丈夫だった」と言ってくれるはずだ。
「あの、エドガーさま」
「なんだい」
「ようやくヒートが来たのに、どうしてヴィンスさんと番になってはいけないんでしょうか」
エドガーからの心配が消えたのを見て、ノエルはここ数日、悩んでいた疑問を口にした。
「俺は、とても幸せなのに」
番になりたいのに、と呟くと、エドガーは意外そうに眉を上げた。
「番になりたいのかい? ノエルが?」
「はい。でも、旦那さまやセドリックさまからの手紙には『番にはならないように』と書いてあって……。ヴィンスさんも噛んでくれませんし」
ノエルは依然付けたままになっている首輪に手を伸ばした。
前回のヒートのとき、項を噛んでもらえるものだと思っていたノエルは、首輪を外そうとした。けれど、それを止めたのはヴィンセントだ。
「ノエルは、番になれなくて残念だったんだね」
「そうなんでしょうか」
残念だったのだろうか、とノエルは思案する。
確かに、がっかりはした。けれど、どうして番にしてもらえなかったのだろう、という気持ちの方が強かったように思う。
何か、自分に足りないところがあったのだろうか。東部に来てからノエルが遊んでばかりであまり働いていないからいけないのかもしれない。あまり役に立てないから、いらないのだろうか。「ご主人さま」はそう言って、よくノエルを鞭で打っていた。
そんな風に考えて、いや、と首を横に振る。
ヴィンセントは絶対にそんな風には思わない。それだけは断言出来る。だから、きっと他に理由があるのだ。
オルグレン家の面々が、口を揃えて「番にはならないように」と言うように。
「ブラッドフォード中尉は、ノエルのことが大切なんだと思うよ」
言い聞かせるようにエドガーが言う。けれど、ノエルにはその言葉の意味が分からなくて首を傾げる。
「大切? だったら、番になりたいと思いませんか?」
「なりたいと思うことと、実際になろうとすることは、また違うんじゃないかな。特にオメガにとっては」
「どういうことですか」
「ノエルはオメガが、一生にたったひとりしか『番』を作れないことは知っているだろう?」
「はい」
生涯に複数の番を持てるアルファとは違い、オメガはひとりとしか番えない。
番を成立させるためのボンドバイトもアルファが行うものだし、番の解消もアルファの意思だけで可能だ。
「番になってしまうと、取り返しがつかないんだよ」
番とは幸せな関係ばかりではないのだ、とエドガーは言う。
項を噛まれれば、どれほど相手がひどいアルファであってもオメガは逃げられない。
「だからこそ、オメガを――ノエルを大切に思うのであれば、番になるのは慎重に行わなけれはいけないんだ。ブラッドフォード中尉はそれをちゃんと分かっているんだね」
オルグレン家のみんなが、揃って番になることを止める理由もそこにあるのだろう。ノエルが嫌だと思ったら、すぐに逃げられるように。まだ番になっていないうちに助けられるように、ということなのだ。
「でも、ヴィンスさんはひどいアルファじゃないです」
「それでも、彼自身がもう少し様子を見たいと思ってるんじゃないかな」
「俺がヴィンスさんのことを嫌になるなんて、ありえないのに……」
肩を落とすノエルの背中を、エドガーが慰めるように撫でてくれる。
「私としては、ノエルが『なりたい』というのであれば、問題ないと思うんだけれど。だって、ノエルが自分からしたいと言うのは初めてのことだよね」
「……そうでしょうか?」
エドガーに言われて、ノエルは目を瞠った。
ノエルが、やりたいこと。
刺繍も庭の手入れも、マーサの手伝いも、全部ノエル自身がやりたいと望んだことのはずだ。
楽しく、毎日自由に過ごさせてもらっている。そう訴えても、エドガーはただ優しく微笑むだけだった。
「戻ろうか、ノエル。あまり待たせるとブラッドフォード中尉が心配するよ。お茶も冷えてしまうだろうし」
「あ、そうですね」
すっかりエドガーと話し込んでしまった。
振り返って露台の方を見ると、テーブルに座ってこちらの様子を窺っていたヴィンセントと目が合った。彼の前には新しい菓子が置かれており、お茶の準備も済んでいる。
「番の件は、ブラッドフォード中尉とふたりでよく話し合ってごらん。セドリックや父さんたちの忠告はこの際無視していいように思うよ。ブラッドフォード中尉であれば、悪いようにはしないだろうし」
手を引かれて、ノエルはエドガーと一緒に露台へと戻った。
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