召喚された世界でも役立たずな僕の恋の話

――こんなにも好きになるのだろうか、あれほど憎んでいた相手を。

騎士団副団長であるアーフェンは、召喚された聖者の真柴に敵意を剥き出しにしていた。
『魔獣』と対抗する存在である聖者は、騎士団存続の脅威でしかないからだ。
しかも真柴のひ弱で頼りない上に作った笑いばかり浮かべるのを見て嫌悪感を増していった。
だが最初の討伐の時に発動した『聖者の力』は、怪我の回復と『魔獣』が持つ属性の無効化だった。
アーフェンは騎士団のために真柴を最大限利用しようと考えた。

真柴も困っていた。聖者は『魔獣』を倒す力があると大司教に言われたが、そんな力なんて自分にあると思えない。
またかつてのように失敗しては人々から罵声を浴びるのではないかと。
日本に大勢いるサラリーマンの一人でしかなかった真柴に、恐ろしい魔獣を倒す力があるはずもないのに、期待が一身に寄せられ戸惑うしかなかった。
しかも度重なる討伐に身体は重くなり、記憶が曖昧になるくらい眠くなっては起き上がれなくなっていく。
どんなに食べても身体は痩せ細りと、ままならない状況となる。
自分が聖者の力を使っているのを知らないまま、真柴は衰弱しようとしていた。

その頃アーフェンは知るのだ、聖者の力は命と引き換えに出されるのだと。
そうなって初めて、自分がどれほどひどいことを真柴にしたかを思い知らされた。
同時にあれほど苛立ち蔑んだ真柴に、今まで誰にも感じたことのない感情を抱いていることにも。

騎士団を誰よりも大事にしていた副団長は、ある決意をするのだった……。


騎士団副団長×召喚された聖者の不器用な恋の話です。
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