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アイラブユーで言ってくれ
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しおりを挟む「あ、でもお金の面では何も期待してないけど、エッチな方では期待してるから!」
「勿論、そこはまだ伸びしろあるので、頑張ります!」
俺の真面目な返しが面白かったのか、浬央さんはひとしきり笑ってから「期待してる」と、俺に促されるまま非常階段に足をかけた。
カンカンと音を立てて、鉄筋の螺旋階段をぐるぐると昇っていく。店が面している表通りは、カラオケ店などの深夜営業のネオンがちらほらあるが、住宅街が建ち並ぶ裏手に回ってしまえば、極端に明かりが減ってしまう。駅近くとは言えここは、都市部へと働きに出る人たちのベッドタウン的位置づけで、夜は静かなのだ。
「足元、踏み外さないように気を付けてくださいね」
「うっ……ちょっと怖いかも」
「大丈夫ですよ、ほら」
手を差し出すと、ほんのちょっと間があってから手を重ねられる。変なところで遠慮するんだから、と微笑ましく思いながら、俺は浬央さんを連れて屋上まで昇り切った。
「あー……疲れた」
「このくらいでヘタるとか、浬央さん運動不足なんじゃないです?」
「あのね、俺はここに仕事終わってから来てるの! もうへとへとなの。ダイチくんに一杯甘やかしてもらわないと困るの!」
浬央さんの会社はフレキシブル制を取っていて、浬央さんは朝の早い時間を空けて、基本的に昼過ぎから夜までに仕事を入れているそうだ。そのお陰で、俺のところに深夜に通えているのだと言う。
朝は比較的ゆっくり出来ているとは言え、無理をさせているなと思う。
「わかってますよ。だから俺は浬央さんのお願い、出来るだけ叶えてあげたいんです」
どうぞ、と。俺はポケットから取り出した鍵で、屋上への扉を開けると浬央さんを招き入れた。
「うわー、いい眺め。高いところはやっぱ風も気持ちいいなあ」
フェンスに駆け寄った浬央さんは、少しはしゃいだ様子で周囲を見渡す。
「階段のところは真っ暗だと思ったけど、月明かりって結構明るいんだね。ここだと視界に困らないや」
「うん。ね、ここって丁度いいと思いません?」
「え?」
俺は浬央さんの背中にひっそりと忍び寄ると、彼が羽織っているトレンチコートに手をかける。しゅるりとウエストのベルトを引き抜いて、プチプチとボタンを外す。
ここまで来れば、浬央さんも俺の意図が分かったようだ。
「なるほど。ここなら誰も入ってこれないね?」
「でも、周囲に人がいないってワケじゃないよ? あの家も、そこの家も。まばらだけど明かりのついてる部屋はあるし、向かいのビルはうちのより高いから、見下ろせば見えるかもしれない。浬央さんのエッチな裸――」
「ん♡」
”周囲の人”を意識させてやれば、それだけで浬央さんは期待に身体を震わせる。
「見せつけちゃいな」
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