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第7章:地獄のテスト期間、恋も勉強も赤点確定!?
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気が重い中、たっぷりと時間をかけて階段を下りる。
食卓に座ると、母さんが呆れたように言った。
「アンタが寝坊するから、皆もう食べ終わっちゃったわよ」
母さんの言葉通り、食卓には俺の朝食しか並べられていない。
父さんはとっくに仕事に出た後だし、姉ちゃんも友達と約束があるとかで出て行ったらしい。
吉沢は弟に捕まって、リビングでゲームに付き合わされている。昨晩に引き続きで申し訳ないとは思うが、今は吉沢と顔を突き合わせての朝食にならなかったことに感謝する。
「吉沢くん、お昼前にはもう帰っちゃうんですって」
「え? あ、そうなのか……」
気まずさに怯えながらも、吉沢が帰りたがっていると知った瞬間、ショックだった。きっと俺はこの期に及んでまだ、今日一日は吉沢と一緒に過ごせるんじゃないかって、どこかで期待してたんだ。
馬鹿じゃねぇの。
吉沢にとってはもう、俺と過ごす時間に意味なんてなくなったんだと思う。そりゃそうだよな。自分を信じてない奴と、これ以上何が出来るって言うんだ。
「また近いうち遊びに来てもらいなさいね。次は母さんもっとおもてなし頑張っちゃうから!」
「うん……」
そんな日が来るとは思えないが、ここで俺が認めちまえば、本当に二度と吉沢がうちに来ることは無いような気がして、無理矢理に頷いた。
思い返してみれば、俺と吉沢の関係って全部吉沢頼りなんだよな。
ただ拒絶するだけの俺を、吉沢が理解しようと歩み寄ってくれて、俺を受け入れてくれていたから成り立っていただけ。
自分から動いたことなんて、全然ない。
唯一勇気を出したのは、コラボカフェに誘った時くらいだ。
けどそれも、吉沢と常日頃から接している内に、コイツなら無下に断ったりしないって分かっていてやった。
要するに俺は、傷つかない保証がなきゃ一歩も踏み出せないチキン野郎ってことだ。どんな俺でも、吉沢なら諦めずに受け止めてくれる――そんな甘えがあったんだ。だから、嘘ついてたってことも、榛名との過去も、俺は話す気になった。
吉沢はアイツみたいに俺を裏切ったりしない。
それを分かっていて、また吉沢を試すみたいな言い方をしてしまった。
自分は一ミリだって傷つきたくないくせに、吉沢から「俺と榛名は違う」ってハッキリ言って欲しくて、吉沢を傷つける言い方を選んだんだ。
(……最低だ)
意気地のなさも、ここまでくると笑える。
自分のことしか考えてない俺に、吉沢が失望するのは当然だ。
(今、俺から動かないでどうする)
このまま吉沢を帰らせてしまったら、今度こそ終わっちまう気がする。
吉沢任せの関係に終止符を打って、俺から手を伸ばさなきゃ意味がない。
ふと吉沢の方を見れば、弟にコントローラーを握らされてはいるものの、上手く集中出来てはいないようだ。
「もー! そこさっきと同じミスじゃん! ちゃんと集中してるー?」
「悪い……寝不足のせいかもしれないな」
弟に叱られ苦笑いを浮かべている吉沢は、明らかに気落ちしている。
昨日の夜はあんなに楽しそうに笑ってたのに。
俺があの笑顔を奪ったんだと、突きつけられてるみたいで胸が痛んだ。
どうにか吉沢を引き留められないかと、二人っきりになるチャンスを探っていたけれど、結局その時が訪れないまま、吉沢を玄関で見送る時が来てしまった。
「また来てね……うちを第二の実家だと思って」
「いやだよぉ!もっと遊ぼうよぉ。いち兄より、うるう兄ちゃんの方がいいー!!」
俺を差し置いて、盛大に見送りする母さんと弟の勢いに押されて、俺はまたしても後ろに追いやられていた。
「はい、また是非」
吉沢は困ったような笑みを浮かべながら、しゃがみこんで泣き喚く弟の頭を撫でた。そうして、何か言いたげに佇むしか出来ていない俺の方を見る。
「一也も……またな」
「……」
名前――また、呼んでもらったとか喜んでる場合じゃねえ。
行くな、って言わなきゃいけない。
またな、って言われたなら、次の約束をしなきゃいけない。
頭ではそう思うのに、俺の口が追いつかなかった。
「あの、……よ、吉沢……ッ!」
ドアが閉まった後にようやく声が出て、虚しく空気に溶ける。
「もう、うるう兄ちゃん行っちゃったよー?」
弟の至極真っ当な指摘に「だよな」と力なく笑う。
「――ほんとアンタは煮え切らない子だね」
呆れた声と共に、放たれた母さんの一撃がバシンと腕に響き、いつまでもジンジンと残った。
食卓に座ると、母さんが呆れたように言った。
「アンタが寝坊するから、皆もう食べ終わっちゃったわよ」
母さんの言葉通り、食卓には俺の朝食しか並べられていない。
父さんはとっくに仕事に出た後だし、姉ちゃんも友達と約束があるとかで出て行ったらしい。
吉沢は弟に捕まって、リビングでゲームに付き合わされている。昨晩に引き続きで申し訳ないとは思うが、今は吉沢と顔を突き合わせての朝食にならなかったことに感謝する。
「吉沢くん、お昼前にはもう帰っちゃうんですって」
「え? あ、そうなのか……」
気まずさに怯えながらも、吉沢が帰りたがっていると知った瞬間、ショックだった。きっと俺はこの期に及んでまだ、今日一日は吉沢と一緒に過ごせるんじゃないかって、どこかで期待してたんだ。
馬鹿じゃねぇの。
吉沢にとってはもう、俺と過ごす時間に意味なんてなくなったんだと思う。そりゃそうだよな。自分を信じてない奴と、これ以上何が出来るって言うんだ。
「また近いうち遊びに来てもらいなさいね。次は母さんもっとおもてなし頑張っちゃうから!」
「うん……」
そんな日が来るとは思えないが、ここで俺が認めちまえば、本当に二度と吉沢がうちに来ることは無いような気がして、無理矢理に頷いた。
思い返してみれば、俺と吉沢の関係って全部吉沢頼りなんだよな。
ただ拒絶するだけの俺を、吉沢が理解しようと歩み寄ってくれて、俺を受け入れてくれていたから成り立っていただけ。
自分から動いたことなんて、全然ない。
唯一勇気を出したのは、コラボカフェに誘った時くらいだ。
けどそれも、吉沢と常日頃から接している内に、コイツなら無下に断ったりしないって分かっていてやった。
要するに俺は、傷つかない保証がなきゃ一歩も踏み出せないチキン野郎ってことだ。どんな俺でも、吉沢なら諦めずに受け止めてくれる――そんな甘えがあったんだ。だから、嘘ついてたってことも、榛名との過去も、俺は話す気になった。
吉沢はアイツみたいに俺を裏切ったりしない。
それを分かっていて、また吉沢を試すみたいな言い方をしてしまった。
自分は一ミリだって傷つきたくないくせに、吉沢から「俺と榛名は違う」ってハッキリ言って欲しくて、吉沢を傷つける言い方を選んだんだ。
(……最低だ)
意気地のなさも、ここまでくると笑える。
自分のことしか考えてない俺に、吉沢が失望するのは当然だ。
(今、俺から動かないでどうする)
このまま吉沢を帰らせてしまったら、今度こそ終わっちまう気がする。
吉沢任せの関係に終止符を打って、俺から手を伸ばさなきゃ意味がない。
ふと吉沢の方を見れば、弟にコントローラーを握らされてはいるものの、上手く集中出来てはいないようだ。
「もー! そこさっきと同じミスじゃん! ちゃんと集中してるー?」
「悪い……寝不足のせいかもしれないな」
弟に叱られ苦笑いを浮かべている吉沢は、明らかに気落ちしている。
昨日の夜はあんなに楽しそうに笑ってたのに。
俺があの笑顔を奪ったんだと、突きつけられてるみたいで胸が痛んだ。
どうにか吉沢を引き留められないかと、二人っきりになるチャンスを探っていたけれど、結局その時が訪れないまま、吉沢を玄関で見送る時が来てしまった。
「また来てね……うちを第二の実家だと思って」
「いやだよぉ!もっと遊ぼうよぉ。いち兄より、うるう兄ちゃんの方がいいー!!」
俺を差し置いて、盛大に見送りする母さんと弟の勢いに押されて、俺はまたしても後ろに追いやられていた。
「はい、また是非」
吉沢は困ったような笑みを浮かべながら、しゃがみこんで泣き喚く弟の頭を撫でた。そうして、何か言いたげに佇むしか出来ていない俺の方を見る。
「一也も……またな」
「……」
名前――また、呼んでもらったとか喜んでる場合じゃねえ。
行くな、って言わなきゃいけない。
またな、って言われたなら、次の約束をしなきゃいけない。
頭ではそう思うのに、俺の口が追いつかなかった。
「あの、……よ、吉沢……ッ!」
ドアが閉まった後にようやく声が出て、虚しく空気に溶ける。
「もう、うるう兄ちゃん行っちゃったよー?」
弟の至極真っ当な指摘に「だよな」と力なく笑う。
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