2 / 5
漂流
しおりを挟む
漆黒を閉じ込めたような黒い大理石の部屋に長方形のこれまた黒い机があった、その左右には複数の席があるがそこには誰の姿もない、唯一それらを見下ろす位置にある椅子、いや椅子と言うよりはその豪華さは玉座だろうか、その玉座に長い黒髪の少女が小さな背に似合わない王錫を持って座っていた
私の大切にしていた世界の終わり、勝手知ったる仲間達との楽しい日々、それももうすぐ終わる、それがどれだけ不快でも未練があろうとも時間は止まらないし戻らない、何より自分の力ではそれをどうすることもできないのがもどかしかった、それに・・・
「結局誰も帰って来なかったなぁ」
分かりきっていたことだった、それでもこの最後の時にもしかすると会えるかもしれない、そんな淡い期待を抱いていたのも事実だ、それでも現実は残酷だった
分かっていたもう誰も帰って来ないこと、知っていたもう誰もこの場所に興味はないのだろうと、それでも・・・
銀色の玉座に真紅の瞳の少女が腰掛けていた、身体は小さく玉座に座ると足が床から浮いてしまう
(仕方ないこれは私のための玉座じゃない、本来の玉座の主はもうここにはいないのだし)
もうすぐ終わりの時を迎える、左腕に目をやれば数字は刻一刻と時間を刻んでいる
みんなで初めて顔を合わした日のこと、いろんなところを冒険した、時には意見を違えてケンカもした、でも最後は笑い合ったそんなくだらない、でも今となっては遠い、懐かしいだけれど輝かしいそんな思い出達だ
「最後に、みんなに会いたかったなぁ」
目を閉じる、時を刻む音だけが静寂の空間に響き渡る
不可逆のまま時は進み全ての終わりが訪れる、そのはずだった
「これは・・・どういうこと?」
左腕を見やる、おかしいもうとっくに予定の時間は過ぎているはずなのに、時間が狂っているはずはない、ならばこの状況はどうしたことか?
考えが纏まらぬままなんとか状況を確認しようとあらゆる手段を試す
[コール][テレフォン][メッセージ][テレパシー]どれにも反応がない、慌てて玉座から飛び下りて外へと向かう
(なにが起きているのかさっぱり分からない、外に出れば何か分かるかもしれない)
外へ飛び出し周りを見渡すと見慣れた辺り一面に咲き誇る黒い花畑がある、だが見慣れた風景はそれだけだ
目映る全てが変わっていた、まずこの拠点の周りは岩と砂だけの砂漠だったはず・・・近くにオアシスはあったが・・・こんなに草木は生い茂ってはいなかった
そして目の前にいる見知らぬ者達、恐らく種族は人間ではない・・・微妙なのもいるが・・・だろう、多分
一通り相手の自己紹介が終わり状況が分からないまま目の前の純白のボディースーツに身を包んだ、多分少女はおもむろに問いかけて来た
「さて一通り自己紹介も終わったことですし貴女のお名前もぜひ」
「私の名前は・・・」
なんと答えるべきなのだろう、勿論名前はある、ただここで迷っているのは一体"どちら"の名前を名乗るのが良いのかだ
「迷っています?ならば【氷結候】なんて如何です」
世界の終わりに、意図せず漂着したこの世界で、運命とも偶然ともつかない物語が始まろうとしていた
私の大切にしていた世界の終わり、勝手知ったる仲間達との楽しい日々、それももうすぐ終わる、それがどれだけ不快でも未練があろうとも時間は止まらないし戻らない、何より自分の力ではそれをどうすることもできないのがもどかしかった、それに・・・
「結局誰も帰って来なかったなぁ」
分かりきっていたことだった、それでもこの最後の時にもしかすると会えるかもしれない、そんな淡い期待を抱いていたのも事実だ、それでも現実は残酷だった
分かっていたもう誰も帰って来ないこと、知っていたもう誰もこの場所に興味はないのだろうと、それでも・・・
銀色の玉座に真紅の瞳の少女が腰掛けていた、身体は小さく玉座に座ると足が床から浮いてしまう
(仕方ないこれは私のための玉座じゃない、本来の玉座の主はもうここにはいないのだし)
もうすぐ終わりの時を迎える、左腕に目をやれば数字は刻一刻と時間を刻んでいる
みんなで初めて顔を合わした日のこと、いろんなところを冒険した、時には意見を違えてケンカもした、でも最後は笑い合ったそんなくだらない、でも今となっては遠い、懐かしいだけれど輝かしいそんな思い出達だ
「最後に、みんなに会いたかったなぁ」
目を閉じる、時を刻む音だけが静寂の空間に響き渡る
不可逆のまま時は進み全ての終わりが訪れる、そのはずだった
「これは・・・どういうこと?」
左腕を見やる、おかしいもうとっくに予定の時間は過ぎているはずなのに、時間が狂っているはずはない、ならばこの状況はどうしたことか?
考えが纏まらぬままなんとか状況を確認しようとあらゆる手段を試す
[コール][テレフォン][メッセージ][テレパシー]どれにも反応がない、慌てて玉座から飛び下りて外へと向かう
(なにが起きているのかさっぱり分からない、外に出れば何か分かるかもしれない)
外へ飛び出し周りを見渡すと見慣れた辺り一面に咲き誇る黒い花畑がある、だが見慣れた風景はそれだけだ
目映る全てが変わっていた、まずこの拠点の周りは岩と砂だけの砂漠だったはず・・・近くにオアシスはあったが・・・こんなに草木は生い茂ってはいなかった
そして目の前にいる見知らぬ者達、恐らく種族は人間ではない・・・微妙なのもいるが・・・だろう、多分
一通り相手の自己紹介が終わり状況が分からないまま目の前の純白のボディースーツに身を包んだ、多分少女はおもむろに問いかけて来た
「さて一通り自己紹介も終わったことですし貴女のお名前もぜひ」
「私の名前は・・・」
なんと答えるべきなのだろう、勿論名前はある、ただここで迷っているのは一体"どちら"の名前を名乗るのが良いのかだ
「迷っています?ならば【氷結候】なんて如何です」
世界の終わりに、意図せず漂着したこの世界で、運命とも偶然ともつかない物語が始まろうとしていた
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
勇者の様子がおかしい
しばたろう
ファンタジー
勇者は、少しおかしい。
そう思ったのは、王宮で出会ったその日からだった。
神に選ばれ、魔王討伐の旅に出た勇者マルク。
線の細い優男で、実力は確かだが、人と距離を取り、馴れ合いを嫌う奇妙な男。
だが、ある夜。
仲間のひとりは、決定的な違和感に気づいてしまう。
――勇者は、男ではなかった。
女であることを隠し、勇者として剣を振るうマルク。
そして、その秘密を知りながら「知らないふり」を選んだ仲間。
正体を隠す者と、真実を抱え込む者。
交わらぬはずの想いを抱えたまま、旅は続いていく。
これは、
「勇者であること」と
「自分であること」のあいだで揺れる物語。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる