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第五章
ダンジョンの中で
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中は総石造りで、ずっと奥まで石畳が続いている。左右に時々小部屋があり、ガラクタが積まれている。それらは副葬品だろうと思ったが、ここはある程度発かれている墓なので、こんなところにあるものに価値のあるものはないと断言できる。なので、漁らずに先にどんどん進んだ。
途中で昨夜の残りなのか、アンデッドが現れたが、当然相手になりはしない。
最奥まで来ると、本来行き止まりだった壁が崩されて、下へ行く階段がむき出しになっていた。
壁が崩されたのは何年も前の事のようで、既に多くの者が出入りをした跡がある。
躊躇なく奥へ進む3人。
階段は螺旋状となって、下に延びていた。やがて地下2階に到着すると、そこは広いホールになっていて、石棺が規律よく並んで置かれていた。しかし、石棺の蓋は開けられて、中にある筈の遺体は既に無かった。この部屋から放射状に5つの通路があり、ラウル達は一番右の通路に向かった。後方から入り口に屯していた冒険者の一団がやって来ていたのを感じたので、考えることなく直感で進んだのだ。この通路は右手にいくつもの小部屋があり、その中にも開けられた石棺、副葬品だったガラクタが積んであった。
「これはもう何も無いんじゃないのか」
「そうかもね。お師匠様も居ない感じがする」
「なんかつまらないダンジョンね。ちょっと先を見てくる」
ベルが通路の先に飛んで行ってしまった。
「おい、危ないぞベル」
後を追いかけるラウルとルパルナ。
すると、先の方で「キャッ」とベルの悲鳴が聞こえた
「ベル!!」
そこは行き止まりの部屋になっていた。そこは石棺はなく、副葬品が積まれていて、中央には大きな単眼と目玉の付いた無数の触手を持つ奇妙な姿の魔物がいて、ベルが床に倒れていた。
「あ・・あ・・・」
何やら喋ろうとしているようだが、ベルは喋ることができないようだ。
(なんだ・・・?麻痺か呪いか?とにかく危険だ、油断しないようにしないと)
「ルパルナ!ベルを頼む」
「任せて!」
ラウルは火焔魔鎧を発動し、魔物の注意を自身に向けさせてルパルナの行動を助ける。
すると魔物は無数の触手から魔法を発動。それぞれ低レベルの魔法だったが、触手の一本一本から放たれるので、驚くに値した。
(くっ・・・さすがに少しはダメージがある。魔法というだけでラウルの物理攻撃耐性の祝福が無効だからな。)
「こうなったら一気に焔嵐で全て千切り焼き尽くす!ルパルナ、避けろ!」
ベルを抱きかかてルパルナが跳ぶ。
「焔嵐!!」
振りかざした大剣が炎を発すると、それは剣先から離れるごとに大きな渦を巻きモンスターを襲う。
すると魔物は聞くに堪えがたい叫びを上げながら燃え尽きたのだった。
「ベルはどうだ?」
「麻痺してるみたい」
「そうか・・・。こんな時に治療師がいればな」
「少しここで待ってみましょう。麻痺が収まるかも」
「そうだな。とりあえずこの部屋を探ってみる」
壁を背にルパルナとベルを待たせて、ラウルはこの部屋を探ってみた。
副葬品・・・荷車の残骸、割れたツボ、朽ちた木箱そんなものだらけで、全部どかしても特になにも見つからなかった。
「この部屋はハズレだな。あの魔物がどこから来たのかわからないが、他の4つの通路のどこかに更に奥に行く道があるのだろう」
「麻痺の回復薬など、もっとバリエーションを増やしておいた方がよかったな。油断した」
「どうする?この先、さっきの魔物より強いのがいたら危険かも」
「そうだな。戻るとするか。行けなくはないが、油断して準備を怠った時点で負けている。ベルが身をもって教えてくれた」
「うんうん」
ラウル達はベルが回復するのを待って、戻ることにした。
途中で昨夜の残りなのか、アンデッドが現れたが、当然相手になりはしない。
最奥まで来ると、本来行き止まりだった壁が崩されて、下へ行く階段がむき出しになっていた。
壁が崩されたのは何年も前の事のようで、既に多くの者が出入りをした跡がある。
躊躇なく奥へ進む3人。
階段は螺旋状となって、下に延びていた。やがて地下2階に到着すると、そこは広いホールになっていて、石棺が規律よく並んで置かれていた。しかし、石棺の蓋は開けられて、中にある筈の遺体は既に無かった。この部屋から放射状に5つの通路があり、ラウル達は一番右の通路に向かった。後方から入り口に屯していた冒険者の一団がやって来ていたのを感じたので、考えることなく直感で進んだのだ。この通路は右手にいくつもの小部屋があり、その中にも開けられた石棺、副葬品だったガラクタが積んであった。
「これはもう何も無いんじゃないのか」
「そうかもね。お師匠様も居ない感じがする」
「なんかつまらないダンジョンね。ちょっと先を見てくる」
ベルが通路の先に飛んで行ってしまった。
「おい、危ないぞベル」
後を追いかけるラウルとルパルナ。
すると、先の方で「キャッ」とベルの悲鳴が聞こえた
「ベル!!」
そこは行き止まりの部屋になっていた。そこは石棺はなく、副葬品が積まれていて、中央には大きな単眼と目玉の付いた無数の触手を持つ奇妙な姿の魔物がいて、ベルが床に倒れていた。
「あ・・あ・・・」
何やら喋ろうとしているようだが、ベルは喋ることができないようだ。
(なんだ・・・?麻痺か呪いか?とにかく危険だ、油断しないようにしないと)
「ルパルナ!ベルを頼む」
「任せて!」
ラウルは火焔魔鎧を発動し、魔物の注意を自身に向けさせてルパルナの行動を助ける。
すると魔物は無数の触手から魔法を発動。それぞれ低レベルの魔法だったが、触手の一本一本から放たれるので、驚くに値した。
(くっ・・・さすがに少しはダメージがある。魔法というだけでラウルの物理攻撃耐性の祝福が無効だからな。)
「こうなったら一気に焔嵐で全て千切り焼き尽くす!ルパルナ、避けろ!」
ベルを抱きかかてルパルナが跳ぶ。
「焔嵐!!」
振りかざした大剣が炎を発すると、それは剣先から離れるごとに大きな渦を巻きモンスターを襲う。
すると魔物は聞くに堪えがたい叫びを上げながら燃え尽きたのだった。
「ベルはどうだ?」
「麻痺してるみたい」
「そうか・・・。こんな時に治療師がいればな」
「少しここで待ってみましょう。麻痺が収まるかも」
「そうだな。とりあえずこの部屋を探ってみる」
壁を背にルパルナとベルを待たせて、ラウルはこの部屋を探ってみた。
副葬品・・・荷車の残骸、割れたツボ、朽ちた木箱そんなものだらけで、全部どかしても特になにも見つからなかった。
「この部屋はハズレだな。あの魔物がどこから来たのかわからないが、他の4つの通路のどこかに更に奥に行く道があるのだろう」
「麻痺の回復薬など、もっとバリエーションを増やしておいた方がよかったな。油断した」
「どうする?この先、さっきの魔物より強いのがいたら危険かも」
「そうだな。戻るとするか。行けなくはないが、油断して準備を怠った時点で負けている。ベルが身をもって教えてくれた」
「うんうん」
ラウル達はベルが回復するのを待って、戻ることにした。
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