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第4章 闇との戦い
4-6 渓谷の決戦
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夜明けと共に、王都は緊張感に包まれていた。街路には重装備の兵士たちが行き交い、市民たちは不安な面持ちで窓から外を覗いていた。エリーナたちは早朝から王城の作戦室に集合し、最後の打ち合わせを行っていた。
リュシアンが大きな地図を広げ、作戦の確認を始めた。彼の表情は昨夜の柔らかさとは打って変わって厳しく、声には鋼のような強さが宿っていた。
「魔物の大軍は、北東の山岳地帯から進軍してくる。我々は第一防衛線として、この渓谷で迎え撃つ」
カイルが頷きながら言った。
「狭い地形を利用すれば、数の不利を少しは補えるな」
「その通りだ、アリア、君の闇魔法で敵の視界を遮り、混乱させてくれ。その隙にカイルとエリーナが突撃する」
「了解しました。私の魔法で、敵の動きを鈍らせます」
「メイリン、君は後方でサポートに回ってくれ。味方の回復と、魔力の補給を頼む」
「はい、みんなが長時間戦えるよう、全力でサポートします」
「ダミアン、君には敵陣に潜入して情報収集をお願いしたい。敵の司令部の位置や、増援の動きを探ってくれ」
「任せてください。影に紛れて、必要な情報を集めてきます」
エリーナは皆の顔を見回しながら、自分の役割を確認した。
「私は、リュシアンさんと共に前線で戦います。私の魔法で、できるだけ多くの敵を一掃します」
リュシアンはエリーナを見つめ、静かに頷いた。昨夜の告白以来、二人の間には新たな絆が生まれていたが、今はそれを表に出す時ではなかった。
「よし、では作戦開始だ。全員、油断するな。互いの命を預け合う戦いになる」
全員が頷いて作戦室を出ていき、各々の準備に取り掛かった。
武器の手入れ、防具の確認、魔法の詠唱の最終チェック。誰もが緊張感を漂わせながらも、冷静さを失わないよう努めていた。
城門を出る頃には、太陽が高く昇っていた。街路に並んだ市民たちが、彼らに声援を送る。
「頼むぞ、若者たち!」
「王国の未来は君たちにかかっている!」
「無事に帰ってきてくれ!」
エリーナたちは市民の声に応えるように、強く頷いた。彼らの背中には、王国全体の期待が背負われていた。
王都を後にし、北東へと向かう道中、誰もが黙々と歩を進めた。
時折、遠くに鳥の鳴き声が聞こえる以外は、静寂が支配しており、エリーナは昨夜のリュシアンとの会話を思い出した。胸が高鳴るのを感じたが、今はそれに浸っている場合ではないと首を軽く振って前を向いて歩を進めた。
数時間後、彼らは作戦の舞台となる渓谷に到着した。そこには既に王国軍の一部が陣を敷いており、堅固な防衛線が築かれていた。兵士たちは緊張した面持ちで、到着したエリーナたちを見つめていた。
リュシアンは指揮官と簡単な打ち合わせを行い、エリーナたちの位置を決定した。
「敵の前衛が、まもなくこの渓谷に到達する。準備はいいか?」
指揮官の言葉に全員が頷き、それぞれの持ち場に着いた。エリーナは渓谷の中央、もっとも激しい戦いが予想される場所に立った。リュシアンが彼女の隣に立ち、静かに声をかけた。
「エリーナ、無理はするな。危険を感じたらすぐに後退しろ」
「大丈夫です。私たちの力を信じています」
その時、遠くから地響きのような音が聞こえ始めた。それは次第に大きくなり、やがて地面まで震わせるほどになった。兵士たちの間に動揺が走る。
「来たぞ!」
誰かが叫んだ。渓谷の向こうに、黒い影の群れが見えた。それは膨大な数の魔物たちだった。大きさも形も様々だが、どれも恐ろしい形相をしている。その数は、まさに目を覆いたくなるほどだった。
エリーナは深呼吸し、魔力を集中させた。周囲の空気が少し歪み、神秘的な光が彼女の周りに漂い始めた。彼女は目を閉じ、古の言葉を静かに唱え始めた。
「古の守護者よ、我が呼びかけに応えたまえ。この地を、この人々を守護せよ」
エリーナの言葉が終わると同時に、彼女の周りに神秘的な光の霧が現れ始めた。それは淡い青白い色をしており、まるで生き物のように揺らめいていた。
リュシアンは驚きの表情でエリーナを見つめた。
「これが、君の力か」
光の霧は次第に広がり、エリーナたちの周りを包み込んでいった。それは単なる光ではなく、まるで意思を持っているかのように動き、軍の周りに巨大な半透明の壁を形成していった。
兵士たちの間から驚きの声が上がった。
「これは一体⋯⋯」
「なんという力だ⋯⋯」
しかし、魔物の大軍はその光の壁に気づかず、猛烈な勢いで接近してきていた。その数は予想を遥かに上回り、渓谷の入り口を完全に埋め尽くしていた。
リュシアンが叫んだ。
「全軍、備えよ!」
アリアが前に出て、両手を広げた。
「私の番ですね」
彼女の周りに暗い霧が立ち込め始め、それが渓谷を覆っていく。
魔物の大軍が光の壁に到達すると、まるで目に見えない障害物にぶつかったかのように、その動きが鈍った。同時に、アリアの暗い霧が魔物たちを包み込み、彼らの視界を奪った。
「よし、俺たちの番だ!」
カイルは大剣を構え、魔物たちに向かって突進した。エリーナの光の守護によって守られ、カイルは恐れることなく敵陣に切り込んでいった。彼の剣は、まるで光を纏ったかのように輝き、一振りで複数の魔物を両断していく。
エリーナも魔法の詠唱を始めた。彼女の周りに風が渦巻き、光の粒子が舞い始める。
「光よ、我が敵を打ち砕け!」
彼女の言葉と共に、眩い光の矢が無数に放たれ、魔物たちを貫いていった。光に打たれた魔物たちは、悲鳴を上げて倒れていく。
リュシアンは剣を振るいながら、エリーナたちの近くで戦っていた。彼の剣さばきは華麗で、どんな魔物も彼の前では無力だった。
「このまま押し切るぞ!」
リュシアンの声が響いた。しかし、魔物の数があまりにも多く、倒しても倒しても次々と押し寄せてくる。エリーナたちの魔力も、少しずつ消耗していっていた。
その時、ダミアンが影から現れた。
「リュシアン様、敵の増援が来ています。このままでは包囲される可能性があります」
「くそっ、想定より早いな」
エリーナは息を整えながら言った。
「私たちだけでは、この数を押し返すのは難しいかもしれません」
その時、遠くから角笛の音が聞こえてきた。皆が音のする方向を見ると、丘の上に騎士団の旗が見えた。
「援軍が到着したぞ!」
騎士団が丘を駆け下り、魔物の側面に突撃していく。その勢いは圧倒的で、魔物たちの隊形が乱れ始めた。
エリーナは新たな力を得たかのように、再び魔法を詠唱し始めた。今度は、彼女の周りに光の精霊たちが現れ、魔物たちに襲いかかっていく。
「みんな、これが勝機です!」
エリーナの叫びにカイルは大声で応じた。
「よし、最後の一押しだ!」
アリアも闇の力を最大限に引き出し、魔物たちの動きを完全に封じ込めていく。メイリンは懸命に仲間たちの回復を続け、彼らの傷を治癒していった。
リュシアンは剣を高く掲げ、叫んだ。
「全軍、突撃せよ!」
王国軍は一斉に突撃を開始した。エリーナの光の守護に守られ、アリアの闇の力で混乱した敵を、カイルとリュシアンが先頭に立って切り崩していく。
戦いは激しさを増していったが、次第に魔物たちの数が減っていくのが分かった。エリーナたちの力と、援軍の活躍により、戦況は確実に王国軍に傾いていった。
そして、日が沈み始める頃、ついに最後の魔物が討ち取られた。
戦場に静寂が訪れ、それから歓声が沸き起こった。兵士たちは互いの健闘を称え合い、勝利の喜びに沸いていた。
エリーナはその場に膝をつき、深い安堵のため息をついた。リュシアンが彼女の側に駆け寄り、優しく肩を抱いた。
「やったな、エリーナ。君の力のおかげだ」
「いいえ、みんなの力です」
カイルが大声で言った。
「よっしゃー! 俺たちの勝ちだ!」
皆でお互いの健闘を称えあっている中、リュシアンの表情はまだ緊張を解いていなかった。
「グレゴリーはこれで諦めるような男ではない」
リュシアンの手を取り立ち上がると、エリーナは気を引き締め、リュシアンの言葉に頷いた。
リュシアンが大きな地図を広げ、作戦の確認を始めた。彼の表情は昨夜の柔らかさとは打って変わって厳しく、声には鋼のような強さが宿っていた。
「魔物の大軍は、北東の山岳地帯から進軍してくる。我々は第一防衛線として、この渓谷で迎え撃つ」
カイルが頷きながら言った。
「狭い地形を利用すれば、数の不利を少しは補えるな」
「その通りだ、アリア、君の闇魔法で敵の視界を遮り、混乱させてくれ。その隙にカイルとエリーナが突撃する」
「了解しました。私の魔法で、敵の動きを鈍らせます」
「メイリン、君は後方でサポートに回ってくれ。味方の回復と、魔力の補給を頼む」
「はい、みんなが長時間戦えるよう、全力でサポートします」
「ダミアン、君には敵陣に潜入して情報収集をお願いしたい。敵の司令部の位置や、増援の動きを探ってくれ」
「任せてください。影に紛れて、必要な情報を集めてきます」
エリーナは皆の顔を見回しながら、自分の役割を確認した。
「私は、リュシアンさんと共に前線で戦います。私の魔法で、できるだけ多くの敵を一掃します」
リュシアンはエリーナを見つめ、静かに頷いた。昨夜の告白以来、二人の間には新たな絆が生まれていたが、今はそれを表に出す時ではなかった。
「よし、では作戦開始だ。全員、油断するな。互いの命を預け合う戦いになる」
全員が頷いて作戦室を出ていき、各々の準備に取り掛かった。
武器の手入れ、防具の確認、魔法の詠唱の最終チェック。誰もが緊張感を漂わせながらも、冷静さを失わないよう努めていた。
城門を出る頃には、太陽が高く昇っていた。街路に並んだ市民たちが、彼らに声援を送る。
「頼むぞ、若者たち!」
「王国の未来は君たちにかかっている!」
「無事に帰ってきてくれ!」
エリーナたちは市民の声に応えるように、強く頷いた。彼らの背中には、王国全体の期待が背負われていた。
王都を後にし、北東へと向かう道中、誰もが黙々と歩を進めた。
時折、遠くに鳥の鳴き声が聞こえる以外は、静寂が支配しており、エリーナは昨夜のリュシアンとの会話を思い出した。胸が高鳴るのを感じたが、今はそれに浸っている場合ではないと首を軽く振って前を向いて歩を進めた。
数時間後、彼らは作戦の舞台となる渓谷に到着した。そこには既に王国軍の一部が陣を敷いており、堅固な防衛線が築かれていた。兵士たちは緊張した面持ちで、到着したエリーナたちを見つめていた。
リュシアンは指揮官と簡単な打ち合わせを行い、エリーナたちの位置を決定した。
「敵の前衛が、まもなくこの渓谷に到達する。準備はいいか?」
指揮官の言葉に全員が頷き、それぞれの持ち場に着いた。エリーナは渓谷の中央、もっとも激しい戦いが予想される場所に立った。リュシアンが彼女の隣に立ち、静かに声をかけた。
「エリーナ、無理はするな。危険を感じたらすぐに後退しろ」
「大丈夫です。私たちの力を信じています」
その時、遠くから地響きのような音が聞こえ始めた。それは次第に大きくなり、やがて地面まで震わせるほどになった。兵士たちの間に動揺が走る。
「来たぞ!」
誰かが叫んだ。渓谷の向こうに、黒い影の群れが見えた。それは膨大な数の魔物たちだった。大きさも形も様々だが、どれも恐ろしい形相をしている。その数は、まさに目を覆いたくなるほどだった。
エリーナは深呼吸し、魔力を集中させた。周囲の空気が少し歪み、神秘的な光が彼女の周りに漂い始めた。彼女は目を閉じ、古の言葉を静かに唱え始めた。
「古の守護者よ、我が呼びかけに応えたまえ。この地を、この人々を守護せよ」
エリーナの言葉が終わると同時に、彼女の周りに神秘的な光の霧が現れ始めた。それは淡い青白い色をしており、まるで生き物のように揺らめいていた。
リュシアンは驚きの表情でエリーナを見つめた。
「これが、君の力か」
光の霧は次第に広がり、エリーナたちの周りを包み込んでいった。それは単なる光ではなく、まるで意思を持っているかのように動き、軍の周りに巨大な半透明の壁を形成していった。
兵士たちの間から驚きの声が上がった。
「これは一体⋯⋯」
「なんという力だ⋯⋯」
しかし、魔物の大軍はその光の壁に気づかず、猛烈な勢いで接近してきていた。その数は予想を遥かに上回り、渓谷の入り口を完全に埋め尽くしていた。
リュシアンが叫んだ。
「全軍、備えよ!」
アリアが前に出て、両手を広げた。
「私の番ですね」
彼女の周りに暗い霧が立ち込め始め、それが渓谷を覆っていく。
魔物の大軍が光の壁に到達すると、まるで目に見えない障害物にぶつかったかのように、その動きが鈍った。同時に、アリアの暗い霧が魔物たちを包み込み、彼らの視界を奪った。
「よし、俺たちの番だ!」
カイルは大剣を構え、魔物たちに向かって突進した。エリーナの光の守護によって守られ、カイルは恐れることなく敵陣に切り込んでいった。彼の剣は、まるで光を纏ったかのように輝き、一振りで複数の魔物を両断していく。
エリーナも魔法の詠唱を始めた。彼女の周りに風が渦巻き、光の粒子が舞い始める。
「光よ、我が敵を打ち砕け!」
彼女の言葉と共に、眩い光の矢が無数に放たれ、魔物たちを貫いていった。光に打たれた魔物たちは、悲鳴を上げて倒れていく。
リュシアンは剣を振るいながら、エリーナたちの近くで戦っていた。彼の剣さばきは華麗で、どんな魔物も彼の前では無力だった。
「このまま押し切るぞ!」
リュシアンの声が響いた。しかし、魔物の数があまりにも多く、倒しても倒しても次々と押し寄せてくる。エリーナたちの魔力も、少しずつ消耗していっていた。
その時、ダミアンが影から現れた。
「リュシアン様、敵の増援が来ています。このままでは包囲される可能性があります」
「くそっ、想定より早いな」
エリーナは息を整えながら言った。
「私たちだけでは、この数を押し返すのは難しいかもしれません」
その時、遠くから角笛の音が聞こえてきた。皆が音のする方向を見ると、丘の上に騎士団の旗が見えた。
「援軍が到着したぞ!」
騎士団が丘を駆け下り、魔物の側面に突撃していく。その勢いは圧倒的で、魔物たちの隊形が乱れ始めた。
エリーナは新たな力を得たかのように、再び魔法を詠唱し始めた。今度は、彼女の周りに光の精霊たちが現れ、魔物たちに襲いかかっていく。
「みんな、これが勝機です!」
エリーナの叫びにカイルは大声で応じた。
「よし、最後の一押しだ!」
アリアも闇の力を最大限に引き出し、魔物たちの動きを完全に封じ込めていく。メイリンは懸命に仲間たちの回復を続け、彼らの傷を治癒していった。
リュシアンは剣を高く掲げ、叫んだ。
「全軍、突撃せよ!」
王国軍は一斉に突撃を開始した。エリーナの光の守護に守られ、アリアの闇の力で混乱した敵を、カイルとリュシアンが先頭に立って切り崩していく。
戦いは激しさを増していったが、次第に魔物たちの数が減っていくのが分かった。エリーナたちの力と、援軍の活躍により、戦況は確実に王国軍に傾いていった。
そして、日が沈み始める頃、ついに最後の魔物が討ち取られた。
戦場に静寂が訪れ、それから歓声が沸き起こった。兵士たちは互いの健闘を称え合い、勝利の喜びに沸いていた。
エリーナはその場に膝をつき、深い安堵のため息をついた。リュシアンが彼女の側に駆け寄り、優しく肩を抱いた。
「やったな、エリーナ。君の力のおかげだ」
「いいえ、みんなの力です」
カイルが大声で言った。
「よっしゃー! 俺たちの勝ちだ!」
皆でお互いの健闘を称えあっている中、リュシアンの表情はまだ緊張を解いていなかった。
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