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第39話 姫様の命令

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「フィー、あなたもたまにはドレスの苦しみを味わいなさい!

これは命令よ!」

ジュリアが両手を腰に当ててさも偉そうに言った。

「ゲロゲロ( ´_ゝ`)

自分がやられて嫌なことは、

人にはしちゃいけないって教わらなかった??( ´_ゝ`)??」

フィーはジュリアにあっかんべーをした。

フィーの辞書の『不敬』という言葉は、

ただ今旅に出ている。

「人に沼色のドレスを着せようとしている人間に言われたくないわよ!!

いいからたまにはドレスを着なさいよ!!」

ジュリアは自分を守るためにフィーが男装するようになったのをわかっていた。

しかしフィーは女の子なのだ。

ジュリアはフィーに男装を強いているのは、

自分のせいだと思っていた。

だからたまにはフィーにも女の子らしい格好をしてほしかったのだが、

そんなことを素直に言えるわけもなく、

命令だといって、

フィーに無理矢理ドレスを着せようとしていた。

ジュリアとマリアはげんなりするフィーを無視して、

サンプルのドレスの中からフィーに着せるドレスを選び始めた。

「ゲロゲロ( ´_ゝ`)」

フィーは逆らうのもめんどくさがったので、

げんなりしながらそのさまを見つめていた。

ジュリアとマリアが選んだドレスはピンク色で白いフリルがついた可愛らしいドレスだった。

二人はぐったり寝ていたフィーを無理矢理起こして、

フィーに無理矢理ドレスを着せた。















「ふ、フィーさま、よくお似合いですよ。」

「そ、そうね。。」















ジュリアとマリアはフィーに言ったが、

フィーはげんなりしながら言った。

「ふたりとも、

あからさまな嘘は、

時に残酷な真実より人を傷つけるよ( ´_ゝ`)キリ!!」





特に傷ついてはいないフィーはあくびをしながら、





「ま。これに懲りたら変な気を起こさないようにねー( ´_ゝ`)」

と言って、

フィーはご機嫌に鼻唄を歌いながら、

ピンク色のドレスを速攻で脱いで、

動きにくい侍女のお仕着せではなく、

動きやすい男装に着替え始めた。

何がどうとは言えないが、

フィーにはピンク色のドレスは恐ろしいほど似合わなかった。

ジュリアとマリアは何だか負けた気がして仲良くうなだれた。
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