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第45話 白い豚

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「アレキサンダー!!」

アーノルドは馬場にいたアレキサンダーに駆け寄った。





「アレキサンダー!

こいつがシャルロットだ!!

なあ!!

アレキサンダーかっこいいだろ!?」





アーノルドはさっきまでの憂鬱そうな顔が嘘のように、

ニカッと笑って自慢げにシャルロットに言った。





「!!(-_-)!!

凄く凄く綺麗です!!(-_-)!!」




シャルロットもさっきまでの憂鬱が嘘のように、

キラキラした目でアレキサンダーを見て言ったが、

顔は無表情のままだった。






アレキサンダーは

『そうだろうそうだろう。

お前結構分かってるな』

とでも言うように、

ぶるぶると鼻をならして、

えっへんと偉そうにしていた。




「だろ?

今朝はものすごく手入れ頑張ったからな!!」

アーノルドは自慢げに言った。






「!!(-_-)!!

アーノルド様が自ら手入れを!?(-_-)!?」





「そうだ!!

アレキサンダーの手入れは出来る限り自分でするようにしてるんだ!!

アレキサンダーのおかげで、

僕は乗馬だけは得意なんだ!」





アーノルドはアレキサンダーを愛おしい撫でながら自慢げに言った。





「正妃様の宮の侍女には

『白豚が黒馬に乗っている』とか陰口叩かれているけどな!!」

アーノルドが苦笑しながらそう言うと、

シャルロットは首をかしげて言った。



「白豚??」






「僕のことだ!

僕が色白で、

豚みたいに太っているから、

僕のことを陰で『白豚』って言ってバカにしてるんだよ!」





アーノルドは陰で自分のことを『白豚』と呼ばれていることを知っても、事実だし、

言いたいやつには言わせておけば良いと気にしていなかった。

しかしシャルロットと知り合って、

ジョージアのことを考えると、

何だか自分が太っていることが酷く惨めで、

珍しく自虐的なことを言った。
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