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1章 開始までのあれこれ
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展開についていけなくなり、半分いじけていたら、ちょうど部屋にマカロンやビスケットなどのお菓子と紅茶が運ばれてきた。
それを見た瞬間に「単純で可愛いですよ」とユーゴに貶されたのか褒められたのか、わからない発言をされアヒル口になる。
可愛いと言ってくれたことは嬉しいけれど、ジェード殿下の前では恥ずかしい。
「何だ、その不細工な表情は。淑女なら、淑女らしくしなさい」
ジェード殿下に窘められた。ユーゴを見てみれば、笑っているだけなので助けにもならない。
「もう、ユーゴのバカ」
兄がいれば全てを兄にぶつけるが、そんな相手がいない。
拗ねたりすると、すぐにアヒル口になってしまうから外ではするなと注意されていたのになってしまった。しかもジェード殿下の前で。穴があったら入りたい。
ノックもなしに開けられた扉から入室してくる人物を睨むふたり。睨み方が似すぎて兄弟と言ってもいいのではないかと思う。
「やはり、あなたここにいたのね。私も気分が優れいのでここに来ましたの」
「シルビー」
私を窘めるときよりも厳しい声をだす。
「あら、お兄様。私、咎められるようなことは何もしてないのよ。あちらもクリスお兄様がいらっしゃるから大丈夫でしょ。それに、此方にはユーゴがいるのだもの」
「おまえというやつは…陛下がどうしてこのような茶会を開いたのか意味を理解しているのか」
ジェード殿下とシルビア王女が会話しているのに、勝手に紅茶やお菓子を勧めてくるユーゴは何処の大物だ。そんな中、小鳥に餌をあげるかのようにマカロンやクッキーを次々に口に運んでくるので、拒否できないでリスみたいになっている。
チラリと見れば、ばっちりシルビア王女と目が合う。勝ち誇ったような顔をしているのは気のせいだろう。
「ええ、していますわ。でも、私はユーゴが欲しいの。そこでリスみたいに頬袋一杯にマカロンを詰め込んで、テーブルマナーもなっていない醜いご令嬢と違って私は完璧なの。醜いあなたにユーゴは似合わなくてよ。だから、私にユーゴを返しなさい」
返す返さない前にユーゴは犬や猫ではない。
「シルビア王女に言っておきますが、この婚約は僕が望んだものだ。あなたが口出ししていいことではない」
「どうしてよ、ユーゴ。あなたには私だけいればいいのでしょ?あなたに声を掛ける令嬢なんていなかったはずよ」
「アンは、そのことを知らないですよ。僕はだからアンを選んだ。あなたに彼女を貶す資格はない」
「どうして、私の方が美しいは。そんな醜い女のどこがいいのよ」
「彼女の可愛らしさをあなたに理解して欲しいとは思いませんが、アンにアンジュに謝罪してください」
「そんなに、醜い女と一緒にいたいなんて。あとで後悔しても知らなわ」
「シルビア、おまえは王女としての自覚がなさすぎる。甘やかしすぎた結果がこれか」
喚き散らすように言っていたシルビア王女もジェード殿下のひとことでぴたりと止んだ。
私は何故こんなにも美しい姫に悪意ある言葉を向けられなくてはいけないのか。
この10分もしない間に「醜い」と何度も言われた。決して美しいとは思わないけれど、私の心には大きな傷を残す。
退出を促されても出ていく気配がないため、ジェード殿下が警備の者に連れて行くように指示している。
その姿をぼんやりと眺めている私を、そっと抱きしめ「ごめん、僕がいけなかったんだ」と泣きそうな顔をする私の婚約者様。
そんなに悲しい顔をしないで。私はあなたのことが好きだから。
「僕がアンを守るよ。絶対に君と結婚する」
泣きそうな私たちふたりをジェード殿下は何も言わずに見守ってくれた。
それがこのお茶会での唯一の救いだった。
もう2度とこの王宮に来ることは出来ない。きっと、シルビア王女と会えば罵倒されるから。
それを見た瞬間に「単純で可愛いですよ」とユーゴに貶されたのか褒められたのか、わからない発言をされアヒル口になる。
可愛いと言ってくれたことは嬉しいけれど、ジェード殿下の前では恥ずかしい。
「何だ、その不細工な表情は。淑女なら、淑女らしくしなさい」
ジェード殿下に窘められた。ユーゴを見てみれば、笑っているだけなので助けにもならない。
「もう、ユーゴのバカ」
兄がいれば全てを兄にぶつけるが、そんな相手がいない。
拗ねたりすると、すぐにアヒル口になってしまうから外ではするなと注意されていたのになってしまった。しかもジェード殿下の前で。穴があったら入りたい。
ノックもなしに開けられた扉から入室してくる人物を睨むふたり。睨み方が似すぎて兄弟と言ってもいいのではないかと思う。
「やはり、あなたここにいたのね。私も気分が優れいのでここに来ましたの」
「シルビー」
私を窘めるときよりも厳しい声をだす。
「あら、お兄様。私、咎められるようなことは何もしてないのよ。あちらもクリスお兄様がいらっしゃるから大丈夫でしょ。それに、此方にはユーゴがいるのだもの」
「おまえというやつは…陛下がどうしてこのような茶会を開いたのか意味を理解しているのか」
ジェード殿下とシルビア王女が会話しているのに、勝手に紅茶やお菓子を勧めてくるユーゴは何処の大物だ。そんな中、小鳥に餌をあげるかのようにマカロンやクッキーを次々に口に運んでくるので、拒否できないでリスみたいになっている。
チラリと見れば、ばっちりシルビア王女と目が合う。勝ち誇ったような顔をしているのは気のせいだろう。
「ええ、していますわ。でも、私はユーゴが欲しいの。そこでリスみたいに頬袋一杯にマカロンを詰め込んで、テーブルマナーもなっていない醜いご令嬢と違って私は完璧なの。醜いあなたにユーゴは似合わなくてよ。だから、私にユーゴを返しなさい」
返す返さない前にユーゴは犬や猫ではない。
「シルビア王女に言っておきますが、この婚約は僕が望んだものだ。あなたが口出ししていいことではない」
「どうしてよ、ユーゴ。あなたには私だけいればいいのでしょ?あなたに声を掛ける令嬢なんていなかったはずよ」
「アンは、そのことを知らないですよ。僕はだからアンを選んだ。あなたに彼女を貶す資格はない」
「どうして、私の方が美しいは。そんな醜い女のどこがいいのよ」
「彼女の可愛らしさをあなたに理解して欲しいとは思いませんが、アンにアンジュに謝罪してください」
「そんなに、醜い女と一緒にいたいなんて。あとで後悔しても知らなわ」
「シルビア、おまえは王女としての自覚がなさすぎる。甘やかしすぎた結果がこれか」
喚き散らすように言っていたシルビア王女もジェード殿下のひとことでぴたりと止んだ。
私は何故こんなにも美しい姫に悪意ある言葉を向けられなくてはいけないのか。
この10分もしない間に「醜い」と何度も言われた。決して美しいとは思わないけれど、私の心には大きな傷を残す。
退出を促されても出ていく気配がないため、ジェード殿下が警備の者に連れて行くように指示している。
その姿をぼんやりと眺めている私を、そっと抱きしめ「ごめん、僕がいけなかったんだ」と泣きそうな顔をする私の婚約者様。
そんなに悲しい顔をしないで。私はあなたのことが好きだから。
「僕がアンを守るよ。絶対に君と結婚する」
泣きそうな私たちふたりをジェード殿下は何も言わずに見守ってくれた。
それがこのお茶会での唯一の救いだった。
もう2度とこの王宮に来ることは出来ない。きっと、シルビア王女と会えば罵倒されるから。
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