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2章 アルバイト開始
城に向かう時間です
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テイラー様との座学は、真面目な話をしてくれるのかと思っていたら、いろいろな人の失敗談を聞かされただけだった。
ただ、最初は何も出来ないのはわかっているから「いらっしゃいませ」などの挨拶を笑顔でして欲しいと言われたくらいだ。令嬢としての笑みしか浮かべることが出来ないかもしれないと心配していると「出来る限りしてくれればいい」と、言われたのでホッとする。
昼食時間になり、父に昼食を届けなくてはいけないという契約内容を思い出した頃にグレン様が現われ、着替えるように言われたので素直に従い着替える。
目立たない服で来ていたこともあり、とてもグレアム家の令嬢には見えないだろうと思っている。そんな私に、見知らぬ厨房担当の人が「伯爵様の昼食だからくれぐれも注意して渡すように」と言ってくるが、私と父との関係を知らないから仕方がない。貴族と爵位のない人たちでは、どちらが偉いのかと言えばまだこの国は貴族の方が要職についている方が偉い認識だ。でも、私からすれば労働している全ての人がすごいと思っている。
爵位のある父が城で何をしているのか私にはわっかっていないからかもしれないが。
持たされた袋と一緒に馬車に乗り込むと、グレン様と向かい合わせになった。
「では、出してください」
グレン様の一声で、馬車が出発するが無言の空間が辛い。親しい間柄ではないのと、ユーゴと親族以外男性と一緒に馬車に乗るとは思わなかった。気を遣って貰っているのか、窓は全開に開けられて、風で紙が飛ばされそうになりながら本に目を落としている。
城に着けば、馬車から降りる際に手を貸してもらったので、周りをキョロキョロと見渡してしまう。婚約者がいるのにも関わらず、他の男性の手を借りただなんて知れ渡ったら、お茶会のネタにされるに違いない。
案内された部屋の前に父の名前が彫られたプレートが掲げられていた。
個室を与えられていると、それなりの役職についているらしいが何をしているのだろう。聞いたところで理解はできなさそうなので、聞かないことにするが。
ノックをすれば「誰だ」と不愛想な塊のような返事をされる。娘に見せる姿とここでの姿はどうやら違うらしい。
「アンジュです」
「アンだと!!今すぐに開けるから待っていなさい」
バタバタとした音が聞こえる中、すぐに扉が開く。
開いた瞬間に、破顔した父に抱き締められるので、持っている昼食が潰れるのではと心配になった。
「ああ、可愛いアンジュ。お前と一緒に昼食が取れるなんて嬉しいよ」
食べ物に気を取られている私と、私を抱き締めている父というどうしようもない組み合わせの中、空気となりかけていたグレン様が「ごほん、グレアム卿。私もいることをお忘れなく」と、背後から呆れながら告げてくる。
「ああ。グレンくんは仕事に戻っていいよ。私はアンジュとふたりだけでいたいのだからね。それに本日はこのままアンジュは上がりだろう」
「ええ、そうですよ」
馬車に乗せてもらい、案内をしてくれたのに存在を忘れかけていたこを心の中で謝りながらも、今日はもう上がっていいということを聞いて驚いた。
父が迎えに来ると言っていたので、父の仕事が終わるまでグラッチェにいるものだと思っていたから。
「なら、親子ふたりで昼食を取っても問題ないだろう」
「いいえ。問題はそこではありません。昼食休憩後、また会議が本日はあったはずです。その間、私がアンジュ嬢の様子をみています。ここにはシルビア殿下は来ませんが、万が一ということもあります。理由もわかっているはずです」
シルビア王女の名前が出されて、肩が震える。
ここまで来るのに、よくシルビア王女の取り巻きと呼ばれている令嬢たちに会わなかったと思う。もしかして、グレン様が配慮してくれていたのか。そう考えると、存在を忘れかけていたことを、直接謝りたくなった。
ただ、最初は何も出来ないのはわかっているから「いらっしゃいませ」などの挨拶を笑顔でして欲しいと言われたくらいだ。令嬢としての笑みしか浮かべることが出来ないかもしれないと心配していると「出来る限りしてくれればいい」と、言われたのでホッとする。
昼食時間になり、父に昼食を届けなくてはいけないという契約内容を思い出した頃にグレン様が現われ、着替えるように言われたので素直に従い着替える。
目立たない服で来ていたこともあり、とてもグレアム家の令嬢には見えないだろうと思っている。そんな私に、見知らぬ厨房担当の人が「伯爵様の昼食だからくれぐれも注意して渡すように」と言ってくるが、私と父との関係を知らないから仕方がない。貴族と爵位のない人たちでは、どちらが偉いのかと言えばまだこの国は貴族の方が要職についている方が偉い認識だ。でも、私からすれば労働している全ての人がすごいと思っている。
爵位のある父が城で何をしているのか私にはわっかっていないからかもしれないが。
持たされた袋と一緒に馬車に乗り込むと、グレン様と向かい合わせになった。
「では、出してください」
グレン様の一声で、馬車が出発するが無言の空間が辛い。親しい間柄ではないのと、ユーゴと親族以外男性と一緒に馬車に乗るとは思わなかった。気を遣って貰っているのか、窓は全開に開けられて、風で紙が飛ばされそうになりながら本に目を落としている。
城に着けば、馬車から降りる際に手を貸してもらったので、周りをキョロキョロと見渡してしまう。婚約者がいるのにも関わらず、他の男性の手を借りただなんて知れ渡ったら、お茶会のネタにされるに違いない。
案内された部屋の前に父の名前が彫られたプレートが掲げられていた。
個室を与えられていると、それなりの役職についているらしいが何をしているのだろう。聞いたところで理解はできなさそうなので、聞かないことにするが。
ノックをすれば「誰だ」と不愛想な塊のような返事をされる。娘に見せる姿とここでの姿はどうやら違うらしい。
「アンジュです」
「アンだと!!今すぐに開けるから待っていなさい」
バタバタとした音が聞こえる中、すぐに扉が開く。
開いた瞬間に、破顔した父に抱き締められるので、持っている昼食が潰れるのではと心配になった。
「ああ、可愛いアンジュ。お前と一緒に昼食が取れるなんて嬉しいよ」
食べ物に気を取られている私と、私を抱き締めている父というどうしようもない組み合わせの中、空気となりかけていたグレン様が「ごほん、グレアム卿。私もいることをお忘れなく」と、背後から呆れながら告げてくる。
「ああ。グレンくんは仕事に戻っていいよ。私はアンジュとふたりだけでいたいのだからね。それに本日はこのままアンジュは上がりだろう」
「ええ、そうですよ」
馬車に乗せてもらい、案内をしてくれたのに存在を忘れかけていたこを心の中で謝りながらも、今日はもう上がっていいということを聞いて驚いた。
父が迎えに来ると言っていたので、父の仕事が終わるまでグラッチェにいるものだと思っていたから。
「なら、親子ふたりで昼食を取っても問題ないだろう」
「いいえ。問題はそこではありません。昼食休憩後、また会議が本日はあったはずです。その間、私がアンジュ嬢の様子をみています。ここにはシルビア殿下は来ませんが、万が一ということもあります。理由もわかっているはずです」
シルビア王女の名前が出されて、肩が震える。
ここまで来るのに、よくシルビア王女の取り巻きと呼ばれている令嬢たちに会わなかったと思う。もしかして、グレン様が配慮してくれていたのか。そう考えると、存在を忘れかけていたことを、直接謝りたくなった。
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