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2章 アルバイト開始
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気にしないで欲しいと伝えたが、心配そうに見つめられる。
「休んだ方がいいわよ」
「大丈夫です。それに、挨拶の練習ですよね?」
「ええ。本当に辛くなったら無理しないで言ってね」
「わかりました」
きちんと笑えただろうか。心配そうに見つめられると、どうしても迷惑をかけているのではないかという気持ちになってしまう。あの出来事は克服しなくてはいけない過去なのだから。
「ごめんなさい。練習する時間がなくなってしまって」
そう言われてから突然大きな声で「これから、開店します。今日も1日頑張りましょう」と、言われ入口の前に立っていた人が扉を開けた。
お店の前には数名の人がいた。扉が開いてから、その人たちが続々と入店してくる。
「いらっしゃいませ」
扉を開いた人から店内にいた給仕の人たちが同じ言葉を発している。
先程練習が出来なかったので、どうすればいいかと戸惑っている私は隣のアイリーン様に倣い「いらっしゃいませ」と声を発してみるが、やっと出たのは小さな声だ。
凛とした声を真横から発せられると、私もそのように発したいと欲がでる。
まだ、少し淑女として抵抗があるのかもしれない。
続々入店してくるお客様に向かい発してみるが、うまく声が出ない。
「さあ、これで一組目のお迎えは終了よ。あの方たちは、会議でこの店を使いたいと言っていたから奥に通しているの。次に、来るお客さまからはいらっしゃいませ、何名様ですか?って、聞いてみて」
そう言われるが、次のお客さんが来るまで何をしていればいいのだろう。
迷っていると、入口にある花瓶に目が行く。
何だか、飾ってある花に元気がないようにもみえる。
「あの、この花たちなのですが…」
「ああ、数日前にオリヴィア様が活けられたのだけど、あの人以外にこういったセンスいい人いないからな」
「よろしければ、私にやらせてください。オリヴィア様みたいにはうまくできるかはわからないですが」
自信はないが母や侍女長に活け方を習ったので、出来るはずだ。未来の女主人として恥ずかしくないようにと、みっちり叩き込まれた。私のセンスは壊滅的だったらしいが、どうにか人に見せられるまでには腕をあげたと誉められたから、きっと出来るだろう。迷惑をかけてしまったのだから、それくらいはしようと意気込んでいると「いらっしゃいませ」と声を掛けて入口の人物を見ると、そこにいたのは
────兄だ
「何名様ですか?」と空かさず、アイリーン様が声出ししてくれた。兄の姿をみて、落ち着かない。しかも、令嬢のエスコートしていることに驚いてしまう。
兄が私以外にエスコートした人物は、元婚約者だけだった。
「ほら、きちんと私のことエスコートなさってくれるのでしょ」
「わかりました。では、どうぞ腕にお捕まり下さい」
腕を自然に絡めさせていいるが、待って、兄に婚約者が出来たなんて聞いていない。
声だけでもわかるが、顔をみると家で浮かべたことがないような表情をしている兄がいる。
何故、ここにいる?
しかも、誰?
聞きたいことはいろいろあるが、いつも屋敷内で、そんな丁寧な言葉遣いで話しているところなど見たことない。それに、その表情。本当に兄なのだろうか。
目を見開きすぎて、何だか自然と涙が出てくる。悔しくて出ているわけではない。あんなに、優しくエスコートしてもらえるなんて、羨ましいなんて、思ってないんだから。
慣れない眼鏡で耳がいたいだけなのだろう。そう思っておこう。
それにしても、何故兄はジェーン様と一緒にいるのだ?
その場から動けないでいる私に近付き「あら、可愛い子。でも、あなたその眼鏡似合っていなくてよ」と、クスリと笑われた気がする。
いや、きっと笑っただろう。
兄の顔を見ようとするが、先程の胡散臭い王子笑顔を浮かべていると思うと見たくもない。
「休んだ方がいいわよ」
「大丈夫です。それに、挨拶の練習ですよね?」
「ええ。本当に辛くなったら無理しないで言ってね」
「わかりました」
きちんと笑えただろうか。心配そうに見つめられると、どうしても迷惑をかけているのではないかという気持ちになってしまう。あの出来事は克服しなくてはいけない過去なのだから。
「ごめんなさい。練習する時間がなくなってしまって」
そう言われてから突然大きな声で「これから、開店します。今日も1日頑張りましょう」と、言われ入口の前に立っていた人が扉を開けた。
お店の前には数名の人がいた。扉が開いてから、その人たちが続々と入店してくる。
「いらっしゃいませ」
扉を開いた人から店内にいた給仕の人たちが同じ言葉を発している。
先程練習が出来なかったので、どうすればいいかと戸惑っている私は隣のアイリーン様に倣い「いらっしゃいませ」と声を発してみるが、やっと出たのは小さな声だ。
凛とした声を真横から発せられると、私もそのように発したいと欲がでる。
まだ、少し淑女として抵抗があるのかもしれない。
続々入店してくるお客様に向かい発してみるが、うまく声が出ない。
「さあ、これで一組目のお迎えは終了よ。あの方たちは、会議でこの店を使いたいと言っていたから奥に通しているの。次に、来るお客さまからはいらっしゃいませ、何名様ですか?って、聞いてみて」
そう言われるが、次のお客さんが来るまで何をしていればいいのだろう。
迷っていると、入口にある花瓶に目が行く。
何だか、飾ってある花に元気がないようにもみえる。
「あの、この花たちなのですが…」
「ああ、数日前にオリヴィア様が活けられたのだけど、あの人以外にこういったセンスいい人いないからな」
「よろしければ、私にやらせてください。オリヴィア様みたいにはうまくできるかはわからないですが」
自信はないが母や侍女長に活け方を習ったので、出来るはずだ。未来の女主人として恥ずかしくないようにと、みっちり叩き込まれた。私のセンスは壊滅的だったらしいが、どうにか人に見せられるまでには腕をあげたと誉められたから、きっと出来るだろう。迷惑をかけてしまったのだから、それくらいはしようと意気込んでいると「いらっしゃいませ」と声を掛けて入口の人物を見ると、そこにいたのは
────兄だ
「何名様ですか?」と空かさず、アイリーン様が声出ししてくれた。兄の姿をみて、落ち着かない。しかも、令嬢のエスコートしていることに驚いてしまう。
兄が私以外にエスコートした人物は、元婚約者だけだった。
「ほら、きちんと私のことエスコートなさってくれるのでしょ」
「わかりました。では、どうぞ腕にお捕まり下さい」
腕を自然に絡めさせていいるが、待って、兄に婚約者が出来たなんて聞いていない。
声だけでもわかるが、顔をみると家で浮かべたことがないような表情をしている兄がいる。
何故、ここにいる?
しかも、誰?
聞きたいことはいろいろあるが、いつも屋敷内で、そんな丁寧な言葉遣いで話しているところなど見たことない。それに、その表情。本当に兄なのだろうか。
目を見開きすぎて、何だか自然と涙が出てくる。悔しくて出ているわけではない。あんなに、優しくエスコートしてもらえるなんて、羨ましいなんて、思ってないんだから。
慣れない眼鏡で耳がいたいだけなのだろう。そう思っておこう。
それにしても、何故兄はジェーン様と一緒にいるのだ?
その場から動けないでいる私に近付き「あら、可愛い子。でも、あなたその眼鏡似合っていなくてよ」と、クスリと笑われた気がする。
いや、きっと笑っただろう。
兄の顔を見ようとするが、先程の胡散臭い王子笑顔を浮かべていると思うと見たくもない。
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