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11話
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気づけばもうすっかり、日は落ちていて。
民家の屋根の辺りから月がこちらを覗いている。
昼過ぎに来たとはいえ、随分と話し込んだなぁ…。
商店街では灯篭の灯火がキラキラと輝いており、僕たちに夢を見せているようだった。
「フレイ、寒そうだな。今日は冷えるから、風邪ひくとまずい。ちゃんと宿取ってるか?送ってくよ。」
ぼーっと辺りを見つめる僕に、シヴァン先輩は優しく声をかけてくれる。
微かに寒さで震えていた手を先輩は見逃さなかったようだ。
「宿はとってあります!1階が食堂になっている宿屋なんですけど…確かここから近いはずです。」
「あぁ、あそこか。あそこの食堂は人気だからな、結構有名だ。じゃあそこまで行こうか。」
屋台の並ぶ中央広場を抜け、飲み屋街にやってきた。
王城に近い近郊の街だからか、比較的治安が良く、客層もそこまで悪い感じはしなかった。
「…一応聞いとくけど。フレイはちゃんと成人してるんだよな?」
「もちろんですよ!ちゃんと18歳になりましたから。」
本当か~?なんて先輩は疑って来たので、ちゃんと学生証で生年月日を見せてあげた。
これなら先輩だって信じざるを得ないだろう。
「本当だ、ちゃーんと成人してんだな。最初フレイの顔みた時、『やべっ、未成年だったか?』って思っちゃったからな。まぁうちの生徒だったからあんまり驚かなかったけどね。」
「なっ!それって僕が幼く見えるって事ですか?」
めっちゃ失礼だな!僕だってもう大人だぞ!
「雰囲気が何かふわっとしてるからなぁ…。童顔ぽいし。まぁ成人したてなんてそんなものだろ?」
「…まぁ、そういうことにしといてあげますよ。」
なぁーんか丸め込まれた気もしないでもない。
不満な気持ちを先輩にぶつけるべく、僕は先輩の脇腹をポコスカ殴った。
微塵も効いてなさそうな先輩は柔らかく笑ってまたおちゃらけている。
「ここじゃないか?」
先輩が足を止め、街の一角に佇む店を指さした。
「名前は…合ってます!ここです。先輩ありがとうございました!」
寒いのにここまで送ってきてくれた先輩に感謝を述べた。
名残惜しい気持ちでいっぱいで、何か言おうとするけれど、言葉が見つからない。
この時間が楽しくて、終わってしまうのが少し悲しかった。
「そんな顔すんな。またすぐ学校で会えるから、な?」
店前のランプが僕たちを照らしていて。それすらもこの時間を惜しませている。
フッと、僕の顔に影が落ちた。
先輩の掌が僕の頬に添えられる。
ビクッと肩を揺らせば、先輩は少し笑って僕に目線を合わせてくる。
バクバクと心臓の音が鳴って、一気に顔が熱くなった。
「俺も今日は楽しかったよ。一緒に周ってくれて良かった。」
「ぁ…、こちらこそ、楽しかったです…。」
震える喉を抑えて何とか声を出す。
それは何より。というような顔をした先輩は満足気に笑う。
僕を散々からかって気が済んだのだろうか。
暖かくしてなよ、おやすみ。そう言って先輩は僕の頭を撫でて、街灯の灯る道を歩いていった。
残された僕は、先輩の温度と感触が残る左頬を擦りながら、先輩を見送る。
あぁ、良かった。先輩の影で隠れていて。
どうしようもないくらい真っ赤な顔、先輩に行って欲しくないって訴えているような顔でさっきまで先輩を、見つめていた。
「なんでこんな…。」
出会ってまだ一日も経っていない相手に、こんなにも心を奪われている自分に困惑もしている。
(本当、どうしちゃったんだろ。疲れてんのかな…)
この不安定な気持ちにはまだ名前はつかない。
民家の屋根の辺りから月がこちらを覗いている。
昼過ぎに来たとはいえ、随分と話し込んだなぁ…。
商店街では灯篭の灯火がキラキラと輝いており、僕たちに夢を見せているようだった。
「フレイ、寒そうだな。今日は冷えるから、風邪ひくとまずい。ちゃんと宿取ってるか?送ってくよ。」
ぼーっと辺りを見つめる僕に、シヴァン先輩は優しく声をかけてくれる。
微かに寒さで震えていた手を先輩は見逃さなかったようだ。
「宿はとってあります!1階が食堂になっている宿屋なんですけど…確かここから近いはずです。」
「あぁ、あそこか。あそこの食堂は人気だからな、結構有名だ。じゃあそこまで行こうか。」
屋台の並ぶ中央広場を抜け、飲み屋街にやってきた。
王城に近い近郊の街だからか、比較的治安が良く、客層もそこまで悪い感じはしなかった。
「…一応聞いとくけど。フレイはちゃんと成人してるんだよな?」
「もちろんですよ!ちゃんと18歳になりましたから。」
本当か~?なんて先輩は疑って来たので、ちゃんと学生証で生年月日を見せてあげた。
これなら先輩だって信じざるを得ないだろう。
「本当だ、ちゃーんと成人してんだな。最初フレイの顔みた時、『やべっ、未成年だったか?』って思っちゃったからな。まぁうちの生徒だったからあんまり驚かなかったけどね。」
「なっ!それって僕が幼く見えるって事ですか?」
めっちゃ失礼だな!僕だってもう大人だぞ!
「雰囲気が何かふわっとしてるからなぁ…。童顔ぽいし。まぁ成人したてなんてそんなものだろ?」
「…まぁ、そういうことにしといてあげますよ。」
なぁーんか丸め込まれた気もしないでもない。
不満な気持ちを先輩にぶつけるべく、僕は先輩の脇腹をポコスカ殴った。
微塵も効いてなさそうな先輩は柔らかく笑ってまたおちゃらけている。
「ここじゃないか?」
先輩が足を止め、街の一角に佇む店を指さした。
「名前は…合ってます!ここです。先輩ありがとうございました!」
寒いのにここまで送ってきてくれた先輩に感謝を述べた。
名残惜しい気持ちでいっぱいで、何か言おうとするけれど、言葉が見つからない。
この時間が楽しくて、終わってしまうのが少し悲しかった。
「そんな顔すんな。またすぐ学校で会えるから、な?」
店前のランプが僕たちを照らしていて。それすらもこの時間を惜しませている。
フッと、僕の顔に影が落ちた。
先輩の掌が僕の頬に添えられる。
ビクッと肩を揺らせば、先輩は少し笑って僕に目線を合わせてくる。
バクバクと心臓の音が鳴って、一気に顔が熱くなった。
「俺も今日は楽しかったよ。一緒に周ってくれて良かった。」
「ぁ…、こちらこそ、楽しかったです…。」
震える喉を抑えて何とか声を出す。
それは何より。というような顔をした先輩は満足気に笑う。
僕を散々からかって気が済んだのだろうか。
暖かくしてなよ、おやすみ。そう言って先輩は僕の頭を撫でて、街灯の灯る道を歩いていった。
残された僕は、先輩の温度と感触が残る左頬を擦りながら、先輩を見送る。
あぁ、良かった。先輩の影で隠れていて。
どうしようもないくらい真っ赤な顔、先輩に行って欲しくないって訴えているような顔でさっきまで先輩を、見つめていた。
「なんでこんな…。」
出会ってまだ一日も経っていない相手に、こんなにも心を奪われている自分に困惑もしている。
(本当、どうしちゃったんだろ。疲れてんのかな…)
この不安定な気持ちにはまだ名前はつかない。
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