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【番外編】同人誌買うのって勇気がいるけどどうしても欲しい。どうすればいいのか。
しおりを挟む「……あんたさぁ、"恭ちゃん"のおにーさん達にも会ったことあんでしょ?ずるいわー」
目の前で苦手らしいサンマの目玉と見つめ合いながら白ごはんを頬張ってる弟をジトっと睨む。
「恭ちゃんのおにーさん達、ちょー怖い。恭ちゃんのことになるとマジでバイオレンスだからね。…ねーちゃん、目玉食べて」
「イケメン兄弟ってだけでも十分なのに独占欲丸出しの腹黒とか神かよ。私よゆーでごはん3杯いけるわ。……自分で食べろ。」
渋々自分の口に目玉を押し込む弟を見つめる。
こいつもふつーにイケてる顔だと思うけど、そりゃあんなイケメンと一緒にいたら霞むわな。
それに泣き虫だし超絶寂しがり屋だし。
兎かよ。
中学生の時、"恭ちゃん"に嫌われたかもしれないとかなんとか、ぼろぼろと号泣しながら私の部屋来て一晩中泣いてた。
おかげさまでお気に入りだったクッションはパッサパサになったわ。
しかも私のベッドの上で私に見せつけるように泣きやがって。
家に帰ってきた時、真っ暗な部屋からなんかすすり泣きの音がするってパニクって友達に電話しちゃったわ。
涙と鼻水とかでぐっちょぐちょの顔で私に抱きついてきてさ。
いや可愛かったけども。
不覚にもきゅんとした私の中の母性みたいなものを見つけた気がするけども。
虐められたのかと柄にもなくちょっと心配してたら
『恭ちゃんに絶対嫌われたぁぁぁ』
とか言い出して。
よくよく話を聞いたら、腐男子バレして色々見られたらしい。
まぁ腐女子腐男子からしたら腐バレって結構な重大事件だからね。
分からなくもないけどさ。
でも失恋した女の子並みに号泣して、ハート型のクッションを抱えてる弟を見て一瞬私には妹がいたのかと疑ったわ。
結局"恭ちゃん"は偏見がなくてしかも逆に説教されたらしい。
『お前が好きなもんをなんで隠すんだよ。人の好き嫌いだろ。男同士の絡みが好きだからって誰も気持ち悪がらねーわ。むしろ隠してニヤニヤされるよりよっぽどマシだわ。』
とかなんとか教室でそこそこのラージボイスで説教されて私の弟はときめいたらしい。
いやぶっちゃけ私もときめいたわ。
クラスメイトに腐バレした智則のクラスには結構腐ってる奴がいたみたいで友達ができたとか喜んでた気がする。
いやもうほんと出来た人だよね。
恭ちゃんって何者?天女かよ。
そしてその後、智則に彼にはイケメンのおにーさんが2人いることを聞いて、さらにときめいたわけである。
まぁ、そんなこんなで私は現在机に向かって絵を描き殴っているのだった。
次の新刊出すまで後1ヶ月。
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