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第1章 目覚め
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しおりを挟む「ポーターなら収納空間を持っとるよな?」
オウグがカウンターに紐が通された鞄を置く。
「試作品じゃ。背負い型や斜め掛け型じゃなく、腰に巻く鞄じゃ。これから物を出し入れするようにすれば、ポーターだと判りにくく、要らぬ争いに巻き込まれんかもしれんからのぉ」
紐を抜き、通しにベルトを通すと、ちょうど良い感じになった。
「ありがとうございます」
「あとは服だな。冒険者として生活するんだから、汚れるから何着か買ってやるよ」
服屋に移動することになった。
オウグさんに改めて礼を言い、エヴァンと一緒に店を後にする。
服屋で数着のシャツとズボンを購入し、外套も1着購入。
シャツとズボンは収納空間に納めて、外套は羽織っておく。
収納空間のリストにはシャツ3枚とズボン3枚、解体用と採取用のナイフが新たに記載され残り95個となっていた。
どうやら同じ用途であればまとまるようだ。
「今日はもう宿に帰りな。明日からの依頼を見繕っとくから、朝イチに受付に来な」
ギルドマスターのエヴァンは忙しいため、仕事に戻るとの事。
訓練は仕事の合間を作って見てくれるとの事だ。
お礼を言って宿屋に戻る。
「あら、もう帰ってきたのかい?」
「えぇ。用事が済みましたので、部屋で本を読もうと思います」
食堂で夕飯の準備をしていたと思われるマルサが声をかけてきた。
「夕飯の準備ができたら、メルに声かけるように言っとくわ。それまでゆっくりしてて」
誰の事かと一瞬思ったが、水桶を持ってきた子かと思い出す。
部屋に戻り、シオンさんに渡された魔法の教本を読む。
魔法を使うには体内に宿る魔力を媒介を通して体外へ放出しなくてはいけない。
媒介に使われているのは杖と魔導書に指輪。
杖は魔力伝導率が良く、加工がしやすいので手に入れやすい。
魔導書は特定の属性しか使えないが、魔力を込めて文字を書いておくことで消費魔力を抑えて発動できる。
指輪は出回っている物が安価なため耐久力が低く、攻撃魔法を使うとすぐ壊れてしまう。
魔法の属性は火と水、風と土、氷と雷、闇と光の8種類が確認されている。
適正属性の確認は水晶に魔力を込めて、出てきた色で判別できる。
「生活魔法は生活するのに便利な魔法か……」
生活魔法は魔力消費が少ないが、名の通り、攻撃魔法ではない。
火属性の加熱、氷属性の冷却、水属性の飲料水、風属性の送風、土属性の穴堀、光属性の清掃、雷属性の電灯が発見されている魔法だ。
清掃は体を綺麗にする魔法なので唱えてみる。
体が淡く光り、清潔になった……ような気がする。
「やっぱり風呂に入らないと落ち着かないな……」
魔法を発動させる媒介はガントレットでも代用できたようだ。
夕飯の準備ができたとメルが呼びに来てくれたので、装備を外し買ってもらった服を着て食堂に降りる。
黒いパンに謎の肉が入ったスープとサラダ。
黒いパンはかなり硬かったが、スープに浸けて柔らかくして口に運ぶ。
ほどよい塩味がパンに移り、柔らかくなったパンは美味しかった。
謎の肉も柔らかく美味しかった。
美味しかったですとマルサさんに伝えて、部屋に戻りベッドに身を沈めた。
翌朝、水桶に入っている水で顔を洗い、食堂で朝食をとる。
黒いパンとサラダ、白い液体に謎肉ステーキ、付け合わせはじゃがいも?とニンジン?のソテー。
白い液体は牛乳に似た味で少し甘味が強い。
ソテーもそれぞれ似た味だった。
朝からステーキは重いかなっと思ったが、脂身が少ないのに柔らかくペロリだった。
部屋に戻り、警備服に着替え、装備を着ける。
宿を出て、目の前にある建物、ギルドの戸をくぐる。
早朝とあって受付は冒険者でいっぱいだ。
どんな依頼があるか気にはなるが、空いている列に並ぶ。
10分ほどで自分の番となったので、受付の女性にエヴァンの紹介で依頼を受けることになっていると伝えた。
「貴方が期待の新人マモルさんですね。……私はサブマスターのルフルです。ギルマスから話は伺っています」
透き通る水色の髪が綺麗な女性はギルドサブマスターのルフルさんとの事。
「今日の依頼は薬草採取です。5株1セットで4Gです。これを5セット納入で20Gの報酬です。薬草の群生地は此処です」
王都周辺の地図を取り出し、西側にある森の浅瀬を指で指すルフルさん。
「森の浅瀬なので魔物は居ないと思いますが、魔獣は居るので気を付けてください」
「分かりました。1つ質問なのですが、5セット以上納入しても良いですか?」
「構いません。ただ、群生地の薬草を根こそぎ採取しないでください。薬草はまとまって生えているので、2株は残すようにしてください」
薬草を2株残すことで群生地を確保しているそうだ。
王都周辺の薬草採取の依頼は新人が行うものなので、ギルドが薬草を管理して新人依頼として出すそうだ。
王都内部の簡易な地図と周辺地図を受け取ってギルドを後にした。
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