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貴方からの愛を守るため
しおりを挟む私カトリーヌは、周囲が言うには所謂悪役令嬢というものらしいです。
私の実家は新興貴族で、元はただの商家でした。
私が発案し開発した独創的な商品が当たりに当たった結果、国王陛下から伯爵の位を賜ったと同時に王子殿下との婚約を打診されました。
この国の第二王子であり、名誉ある王国騎士団を率いる騎士団長ダミアン様が私の婚約者です。
それなのに、先般異世界から召喚してきた聖女麻里はその立場を利用して、ダミアン様を籠絡しようとしています。
「ダミアン様……またカトリーヌが私のことを階段から突き飛ばそうとしたのです。それで手を痛めてしまったので今日は結界を張ることができないのです」
「なに? カトリーヌ、それは本当なのか?」
「私はそのように愚かなこと、していません」
「そんな……でも本当に……!」
麻里はそれ以上口を開きませんでした。
ここは城の庭園の一角で、人気のないところ。
私は麻里を連れてここに来ました。
「よくもあんなことダミアン様の前で言ったわね!」
「でも、本当のことです」
「何よ! 貴女なんかいなくなれば良いのに!」
「それではこの国が困ります」
「はっ! 私が貴女の役割をもらってあげるわ!」
――バシャーン……!
「何事ですか!」
麻里が人工池に落ちた音で衛兵たちが集まってきてしまいました。
「助けてください! カトリーヌに殺されます!」
「聖女様! 今お助けしますから!」
私は聖女である麻里を殺そうとした罪で投獄されました。
のちにこの国で一番重い罪の斬首刑に処せられるそうです。
私はダミアン様のことを愛していました。
あの高潔なお方は正義感が強く、世の中で何よりも悪を憎んでいました。
そのようなお姿に私は惹かれたのです。
ダミアン様は一度だけ牢に会いに来てくださいました。
この方はこういう方なのです。
国王陛下の決めた婚約者である私のことをまだ婚約者として扱ってくださっているのでしょう。
「カトリーヌ、何故だ。何故聖女を殺めようとした?」
「あの方は私の愛する貴方を奪おうとしたのです」
「私は悪を何より嫌う。お前は知っていると思っていたが。残念だ」
最後までダミアン様は私の知っているダミアン様で、何よりも悪を嫌う高潔な方。
麻里に出会っても、ダミアン様の本質が変わっていないことは私にとって僥倖でした。
「罪人、カトリーヌをここへ!」
とうとう私の斬首刑が執行されるのです。
聖女を殺そうとした大罪を犯した私は公開処刑されることになりました。
ダミアン様もこちらを見ています。
隣には不安げな顔でその腕に掴まる麻里が見えます。
「では、執行せよ!」
国王陛下の声が響きました。
「お待ちください! 私はカトリーヌの父でございます!」
ああ、お父様ありがとう。
間に合ったのですね。
――ザンッ……!
私の開発した映像石が大きく光って動画を再生します。
~そこは城の庭園の一角で、人気のないところ。
私は麻里を連れてあえてここに来ました。
「よくもあんなことダミアン様の前で言ったわね!」
麻里が私に怒鳴りつけます。
「でも、本当のことです」
私はあの時も真実しか述べていません。
「何よ! 貴女なんかいなくなれば良いのに!」
麻里はダミアン様の婚約者である私が邪魔なのです。
「それではこの国が困ります」
この国の国防には私の発案する物たちが必要なのです。
ダミアン様たち騎士団の危険を減らす為に開発した武器は、麻里と前世の私の故国である日本でも使われていたものです。
「はっ! 私が貴女の役割をもらってあげるわ!」
麻里が自分から池に飛び込みました。
――バシャーン……!~
映像石が映し出したものは先日の真実です。
この映像石は城の庭園の池のそばに生えた木に仕掛けてあり、私に何かあれば回収するよう前もってお父様にお手紙を書いておりました。
次々に映し出される映像は、どれも麻里が今まで訴えていたことと違った内容でした。
今まで、皆に私が悪役令嬢だと広めたのは麻里でした。
麻里は前世の私を同じように虐めていました。
私はそれを苦に自殺したのです。
そしてここで再会した私に、彼女は同じことを繰り返したのです。
「カトリーヌ! おい! 誰か聖女を捕えろ! カトリーヌ! すまない! ああ、なんて事だ」
ああ、ダミアン様。
やはり貴方は高潔な方。
私の為に泣いてくれるのですね。
『斬首されたのちもしばらくは意識がある』と知ったのは前世日本で見たインターネットでしたわ。
本当に首だけでもこんなに生きていられると体現できました。
私が貴方の腕に抱かれるのは初めてですね。
貴方は悪を何よりも嫌うから、私を殺した麻里のことを愛することはないでしょう。
そして貴方は私を信じられなかった自分を悪だと思うでしょう。
これからずっと生きている限りは、信じられずに見殺しにしてしまった私のことを絶対に忘れないでしょうね。
ダミアン様、心の底から愛しています。
ずっと私のことを考えてくださいませね。
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ユラさん\(//∇//)\ありがとうございます!
短編で2000字、それで書いてあとはそれが読者さんの想像とか捉え方で若干変わったりするんだろうなあってお話にしてみました。
その醍醐味を分かってもらえて嬉しいです(=´∀`)人(´∀`=)
ザマアは殺すだけではないのですw
麻里の狙うダミアンの心を一生奪うのもざまあの一つです。
ダミアンに対するザマアでもあるのです。
ありがとうございました(^ν^)
椿様、感想ありがとうございます❀.(*´◡`*)❀.
仄暗い雰囲気の作品を書きたくて書いてみました。
このように短い短編は初めてだったのですが、楽しかったのでまた書くかもしれません(⌒▽⌒)
またその時は読んでいただけると嬉しいです(*´╰╯`๓)♬