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48. ニンニクパワーは大丈夫なのかの回
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もう赤面するしか無かった。当の賢太郎だって赤面してるし、その間にアヒージョの準備は万端なのにまだ食べられる気がしない。グツグツと煮立ってるオリーブオイルの中では、美味しそうに具材が踊っていた。
だけど、ふとあることに気付く。
「あれ? でもそれ、こないだ部屋に行った時には無かったぞ」
「隠したに決まってるだろ! あのヘンテコな写真立てだけでも恥ずかしいけど、小さい頃のヒカルを見て『可愛いなぁ』とか思ってるって知られたくないだろうが!」
「可愛い……。ああ、確かにあの頃はフリフリのワンピースを着て頭にはリボンを結んでたもんな」
どう見ても俺が女の子だったあの頃の写真を、この賢太郎がずっと見てたなんてちょっとだけ……いや、かなり意外で嬉しいじゃないか。
「俺は、いつか絶対迎えに行くって思ってたから……」
少し拗ねたようにしてそう告げる賢太郎の横顔を、めちゃくちゃ可愛いと思ってしまうのは仕方あるまい。まだ周囲は少し明るいから出来ないけど、ぎゅうっと抱きしめたくなった。
「うん。ありがと、賢太郎。あとでぎゅってしていいか?」
「は……ッ⁉︎」
「なんか、ぎゅってしたくなったから。あとでする」
そう宣言して、とりあえず出来上がったアヒージョを食べ始める。キャンプで食べてるからなのか、それとも近くで聞こえる波音と潮の香りが新鮮だからかとても美味しい。
「それで? ごめんな、脱線したけど相川が何かあるのか?」
「ああ、悠也は山岳部を辞めた俺のこと怒ってるみたいで。終業式の日から連絡取ってないんだよな。家も近いけど、会ったとしても走って逃げるし」
「走って……逃げる……」
「俺のこと、避けてるみたいだ」
何故相川が賢太郎の事を避けるのか、全然検討もつかないけれど。でも確かに相川は俺のことを恨んでいるような感じがする。きっと仲良しの賢太郎を取ったと思っているからだろうけど。
「相川は、俺が賢太郎を取ったと思ってやきもちやいてるんじゃないのか?」
「いや、アイツはヒカルのことを知らないから。俺がヒカルの事で退部した事も知らないんだよ」
「……そうか」
賢太郎はそう言うけど、相川は俺のせいで賢太郎が部活を辞めたって知ってる。だけど賢太郎は相川が俺に接触しているのは知らないって事だ。
「相川と仲直りしたいのか?」
「……まあな、アイツは俺にとって大事な友達だから」
賢太郎がそう思っているなら、なんとかして相川と仲直りさせてやりたい。俺のせいで拗れてしまった二人の関係は、きっとこのままでいいわけはないんだ。
(だけど俺に出来ることなんか何かあるのか?)
そんな事をまたいつの間にか真剣に考えていた俺の事を、別の意味に勘違いしたのか賢太郎は慌てたように弁解する。
「いや、でもいくらアイツが大切な友達だからって、ヒカルとはまた違う次元っていうか! ヒカルは俺にとって唯一だから、比べられない存在で!」
「賢太郎、俺は別に何とも思ってないよ」
「……本当か? えらく不機嫌な顔になってたからてっきり……」
嫉妬されてないと分かって少しがっかりしたようにも見えるけど、そんな風にまるでいつもの俺みたいに慌てる賢太郎はレアだからちょっと嬉しくなった。
「嘘、ちょっとはヤキモチ妬いたりしてるかも」
そう言って笑うと、賢太郎は真剣な顔になってこっちを見つめてくる。俺の好きな切長の目には、チラチラと揺らめく炎が映っていた。
「俺の好きなのはヒカルだけだから。それはこれからもずっと変わらない」
「うん、知ってる。だってマカロニの写真立て飾っちゃうくらいだもんな!」
「う……! それを言うなって!」
二人で笑いながらアヒージョを食べて、最後はパスタを入れてペペロンチーノにした。食べて思ったけど、すごくたくさんのニンニクとハーブはこれから夜に向けて大丈夫なのかと心配になる。
(二人とも食べた物は一緒だから、まぁいいか)
だけど、ふとあることに気付く。
「あれ? でもそれ、こないだ部屋に行った時には無かったぞ」
「隠したに決まってるだろ! あのヘンテコな写真立てだけでも恥ずかしいけど、小さい頃のヒカルを見て『可愛いなぁ』とか思ってるって知られたくないだろうが!」
「可愛い……。ああ、確かにあの頃はフリフリのワンピースを着て頭にはリボンを結んでたもんな」
どう見ても俺が女の子だったあの頃の写真を、この賢太郎がずっと見てたなんてちょっとだけ……いや、かなり意外で嬉しいじゃないか。
「俺は、いつか絶対迎えに行くって思ってたから……」
少し拗ねたようにしてそう告げる賢太郎の横顔を、めちゃくちゃ可愛いと思ってしまうのは仕方あるまい。まだ周囲は少し明るいから出来ないけど、ぎゅうっと抱きしめたくなった。
「うん。ありがと、賢太郎。あとでぎゅってしていいか?」
「は……ッ⁉︎」
「なんか、ぎゅってしたくなったから。あとでする」
そう宣言して、とりあえず出来上がったアヒージョを食べ始める。キャンプで食べてるからなのか、それとも近くで聞こえる波音と潮の香りが新鮮だからかとても美味しい。
「それで? ごめんな、脱線したけど相川が何かあるのか?」
「ああ、悠也は山岳部を辞めた俺のこと怒ってるみたいで。終業式の日から連絡取ってないんだよな。家も近いけど、会ったとしても走って逃げるし」
「走って……逃げる……」
「俺のこと、避けてるみたいだ」
何故相川が賢太郎の事を避けるのか、全然検討もつかないけれど。でも確かに相川は俺のことを恨んでいるような感じがする。きっと仲良しの賢太郎を取ったと思っているからだろうけど。
「相川は、俺が賢太郎を取ったと思ってやきもちやいてるんじゃないのか?」
「いや、アイツはヒカルのことを知らないから。俺がヒカルの事で退部した事も知らないんだよ」
「……そうか」
賢太郎はそう言うけど、相川は俺のせいで賢太郎が部活を辞めたって知ってる。だけど賢太郎は相川が俺に接触しているのは知らないって事だ。
「相川と仲直りしたいのか?」
「……まあな、アイツは俺にとって大事な友達だから」
賢太郎がそう思っているなら、なんとかして相川と仲直りさせてやりたい。俺のせいで拗れてしまった二人の関係は、きっとこのままでいいわけはないんだ。
(だけど俺に出来ることなんか何かあるのか?)
そんな事をまたいつの間にか真剣に考えていた俺の事を、別の意味に勘違いしたのか賢太郎は慌てたように弁解する。
「いや、でもいくらアイツが大切な友達だからって、ヒカルとはまた違う次元っていうか! ヒカルは俺にとって唯一だから、比べられない存在で!」
「賢太郎、俺は別に何とも思ってないよ」
「……本当か? えらく不機嫌な顔になってたからてっきり……」
嫉妬されてないと分かって少しがっかりしたようにも見えるけど、そんな風にまるでいつもの俺みたいに慌てる賢太郎はレアだからちょっと嬉しくなった。
「嘘、ちょっとはヤキモチ妬いたりしてるかも」
そう言って笑うと、賢太郎は真剣な顔になってこっちを見つめてくる。俺の好きな切長の目には、チラチラと揺らめく炎が映っていた。
「俺の好きなのはヒカルだけだから。それはこれからもずっと変わらない」
「うん、知ってる。だってマカロニの写真立て飾っちゃうくらいだもんな!」
「う……! それを言うなって!」
二人で笑いながらアヒージョを食べて、最後はパスタを入れてペペロンチーノにした。食べて思ったけど、すごくたくさんのニンニクとハーブはこれから夜に向けて大丈夫なのかと心配になる。
(二人とも食べた物は一緒だから、まぁいいか)
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