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【3.双魔将によるドッペルゲンガー取り込みセックス】

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 察知するのに遅れた。テレポーター罠を踏んで、分断されてから、もう数十匹もの魔物と戦い続けている。骸骨戦士アーマードスケルトンの頭蓋をメイスで砕く。──周囲に他の魔物が居ないことを確認し、深呼吸。

「分断されてしまいましたか……一度外に脱出して合流しないと」

 魔導士ニールは危機的な状況にあることを再確認する。少なくとも他の仲間たちが簡単に倒されるなどとは思っていない。しかし、ここは魔族の頭目が潜む魔王城。何が出てきてもおかしくはない。焦りは禁物、だが。

──強大な魔力の雰囲気。ニールの背筋に悪寒が走る。アダマンタイトのメイスを構えた。何が来ようとも、己の魔術で祓ってみせると。しかし。

「……ふふっ……そんなに怖い顔しないでほしいな」

 城の闇から現れた一人の人物。その『顔』は。自分ニールと同じ緑の髪、銀の瞳──全く同じ顔をした自分そっくりの存在。。しかし、着ている服が妙に違う。魔導士のローブをタイトに着こなして、胸元になにか膨らみがあって。そしてミニのスカート化のように短いローブの下半分からは、すらりとした脚が伸びていて。中性的なニールの顔は、『少女』の体にはボーイッシュな雰囲気を纏っていて。自分の顔をした少女が、鏡映しのように現れる。

「……写し身の邪法か。僕の姿を真似るには不自然な所があるけれども」
「この姿こそが『君の望む』姿だと『ボク』は思うけどね」

 理知的な顔を不敵にほほ笑ませて、『少女』は自らこそが真の自分であると語る。ニールはメイスを強く握って。

「半端に真似する程度なら、実力真似る事は出来ないだろう? ──『加速軌道スピードギア』ッ!」

 肉体を強化し、武器メイスに魔力を込めて殴りぬく。単独での戦いは不向きであるニールだが、こんな事は初めてではない。後衛職でありながら、たった一人でも戦い抜く機転と実力をもつ彼だからこそ出来る戦術。素早いニールの一撃は、魔物ドッペルゲンガーの頭を貫く──はずだった。

 バギャ、と重い金属音。腕に痺れる感覚。メイスによる攻撃が、同じ武器で防がれた。得物も同じ、顔も同じ──身体だけ女のような、不自然な模倣コピーをした自分ニール。こんな奴に、負けてたまるものか。炎をメイスに宿らせ、今度は重い一撃を振りぬく。

「なにっ……!? くっ、『炎気一閃ブレイズブレイド』っ!」
「──クスッ」

 だが。『魔物』は僅かに笑った後、ニールと全く同じ動きでメイスを振りぬく。炎と炎がぶつかり合い、やがて制御できずに2人の身体は後退した。勇者パーティではいつも冷静に振舞っていたニールだったが、この状況には流石に焦りが生じて。

「ぐぅっ……何故、僕の技すら模倣しているっ……記憶を読む魔物など、聞いたことも……」
「『僕』らしくない事を考えるなぁ。『ボク』は『ニール』そのもの……同じ実力同士がぶつかったなら、消耗している方が負けるのは自明だ」

 その可能性には、ニールも思い至っていた。自分を『全く同じ』ように模倣した存在なら、余裕のある方が勝つのは必然。──だが、それは完全に同じ人物同士が戦った場合のみ。姿かたちをコピーする魔物は、経験上その素体よりも性能が劣化する事をニールは知っている。

「だったら……僕の出せる全力で『偽者』を撃つッ!」

 ニールがこれまでの冒険で編み出した『奥義』。自分の周囲を覆う障壁バリアを生成、その表面に無数の『刃』を作り出す。無数の魔力の刃で編み込まれたニールは、自身の動きを高速化させ、敵に向けて突っ込んだ。

「このバリアは何をも通さない……お前ニセモノが倒れるまで、何度も切り刻むだけだッ!」

 肉体を強化し、自分自身を武器そのものとして。ニールはバリアごと、偽者に接近する。

「……『呼気遮断ラストブレス』」
「何を──────か、はう゛っ……!」
「その技は強力だ、外側からの攻撃はモノともしない。だが、内側からは? それが考えられれば簡単に止められる」
「げ、ほっ……それを、知っているのはボク、だけなのにっ……!」

 ニールの居るバリア内側の空気を一瞬で薄めてしまう。詠唱し続けなければならないニールにとって、それは致命的な弱点。今まで見破られることのなかった、ニール一人が技の使い手であるが故に知っていた短所。倒れ伏したニールの身体に、ドッペルゲンガーは近づいて──彼を押し倒し、馬乗りになる。魔力も体力も消耗しきったニールは、『彼女』に抵抗する事が出来ない。
 
「ぜぇっ……はぁっ……何、を……!?」

 『少女』は。着ていたローブの上半身を消し去り、たゆん、と実った両の果実を曝け出した。自分と同じ顔をした女が、胸を口元に押し付けて。どろっとした液が口の中を満たす。

「む、ぐっ……!? がぼっ……! ごほっ、ごぼっ……!」
「さあ召し上がれ、ボクの母乳だ……♡♡ 口に入れただけで、飲みたくて堪らなくなるだろう?」

 甘ったるく濃厚な匂いが、一瞬でニールの呼吸を支配する。息も絶え絶えだった彼は、僅かにそれを吞み込んでしまった。強い酒を飲んだ時のごとく、頭をガツンと殴られたかのような感覚、そして酩酊。自分の感覚がふわふわして覚束なくなる。魔力で強化していた肉体も、一気に元の状態に戻ってしまって。──美味しい。呑み込んではいけないものだと分かっているのに、その味をもう少しだけでも味わいたいと思う自分が居る。

「ガマンしなくても良いんだよ……♡♡ たくさん、甘えてくれていいんだからね♡♡ だって『ボク』は『キミ』なんだからさ……♡♡♡」

 身体から力が抜ける。喉が動いてしまう。そのくせ──身体は熱っぽくなって。自分の股間の逸物にどんどんと血流が増し、大きくなってしまうのが自分でもわかる。そこの布を、容易く少女は破いて。空気にさらされたペニスに一瞬肌寒い感覚。硬さを増したソレを見て、少女はにんまりと笑う。

「ふふっ……♡♡ 理性では抗っても、本能には逆らえないといったところかな……♡♡ キミのソレ、随分と勢いづいているじゃないか♡♡♡ んしょっ……♡♡♡ 『膣内こっち』で受け止めさせてもらうよっ……
♡♡♡」

 ミニスカートの内側に何も穿いていない少女ドッペルゲンガーは、ゆっくりと腰を下ろしていって。ぬるりと生暖かくキツイ感覚が、ニールのペニスを締め付ける。

「どうっ……♡♡♡ だいっ……♡♡♡♡ 僕キミの肉棒の形だって識っているんだっ……♡♡♡ 相性の合う膣内カタチをしているだろうっ♡♡♡」

 たった一瞬挿入れただけなのに、的確に男として気持ちいいように締め付け、きゅぅぅと包み込む。口元を母乳で満たされ、下半身は蕩けるような快楽に麻痺させられて。

「分かるよ、君のおちんちんから精子がどんどんとせり上がりそうなのが……♡♡♡ それこそがボクの望み……君の経験、肉体、そして大切に蓄えてきた智慧──その全てを溶かして変換させて、『キミ』のおちんちんから抜き出してしまおうって♡♡♡」
「はぐぅっ……やめっ……」
「やめないよぉっ♡♡♡」

 とん、とんっ、と少女ドッペルの腰が動く。膣壁がニールの男根を扱いて。たゆん、と揺れるおっぱい、すべすべとした肌。自分を真似ているはずの少女が、妙に蠱惑的に見えて。気が付いた時には、抑えていたモノがあっさりと放出されてしまう。

「くっ……うぅうっ……!」
「──ああ゛っ♡♡♡ キてりゅっ♡♡♡♡ 『ホンモノ』がボクにせーえき、びゅぅぅってだしてるっ♡♡♡」

 膣奥まで一気に届くほど、激しい射精。互いの身体がピンと跳ね、しばらく絶頂の感覚から戻ってこれなくなる。くらくらした頭で、何も思考できないニールに対して。──先に話しかけてきたのは、『少女ニセモノ』の方だった。
 
「ずっと知ることを望んでいた、魔の力、人間が扱うことのできない不可思議なチカラ……それを追うために、勇者たちと共に歩むことを決めたんだ」

 それは、ニールが勇者たちと冒険を共にしたキッカケ。魔導院にて魔術の研究をしていた彼だったが、理論だけで魔術に対する研究を進めることに断念。力のある勇者たちと冒険を共にすることで、魔術をより効率的に扱う存在──魔族たちに対する理解を深めようとした。その事を、偽者ドッペルゲンガーが知っている。

「やがて、ボクは気がついたんだ。闇の力──魔の力をこの身に取り込めば、より『識る』ことができるって!」
「……そんなことなど、頭に過ぎったことすらないッ!」
「違うね……ボクは「ニール」なのだから。君と同じ思考と結論に至ることは必然だ」

 だが、心のどこかで。偽者ドッペルの語るような事を、一度や二度考えたことはあった。己の肉体に魔族の魔力を宿し、魔族そのものになる。そうやって、魔術をこの身で操作できるようになればと思った事はあった。だが。

「魔将が1つ、『双魔将』──ボクは『きみ』と一つになる。魔王様に絶対忠誠を誓う、それこそが『ボク』の幸せになるんだ♡♡」
「……僕が、殉ずるのは……知恵のみだ……ッ」

 そう強がりを吐くニール。だが、何か違和感を覚える。先ほどまで同じぐらいの身長だった『少女ニセモノ』が、自分より大きくなっているように見えて。──違う。自分が小さくなっている。

「ま、待てッ……これはっ……!」
「そう、だよっ……♡♡♡ 『キミ』が射精するたびに、どんどんと君は弱く、小さくなってゆく♡♡♡ 全部をボクに差し出してねっ♡♡♡ ほら、身体の抑えもどんどん利かなくなって来ただろう……♡♡♡」
「っ……うぁああ゛っ……!」
 
 悲痛な叫びを他所に。少女は無情にも腰を振り、彼のペニスから搾り取ろうとする。そして────

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「ぁ……ぁう……『おねぇさん』……なんだかおちんちんがきゅってして、あついんだ……」
「安心してっ……♡♡ それは身体をリラックスさせて、びゅるるってボクの中に射精していいんだよっ♡♡♡♡」
「そう、なの……? あぅぅっ……!」
「んくぅうっ♡♡♡ 小さくなっても、たくさん射精すねっ♡♡♡ 立派だぞっ♡♡♡♡」
「──んぎゃぁ、おぎゃぁっ」

 もはや幼児のようになってしまったニールに対して、少女は絶えず性的快楽を与え続け。ついには、赤子のようになってしまった。ペニスの存在すらわからないような『彼』の頭を優しく抱えた彼女は。自分のワレメに挿入してゆく。

「ん゛っ……♡♡♡♡ はぁっ……♡♡♡♡ 『僕』が、はいって来るぅ゛っ……♡♡♡♡」

 産道を逆戻りするように、すっかり小さくなってしまったニールの身体が、少女のワレメを通って。膣内は彼を迎え入れるように蠕動し、そして子宮の奥に元の彼の身体が収まってしまう。

──そうして。その場に残ったのは、膨らんだ子宮を愛おしそうになでる少女の姿の双魔将。

「──これでボクは、完全に『ニール』になれたっ……♡♡♡♡ 僕こそが、『双魔将ノイエル』……♡♡♡♡ 魔導を求め、魔をこの身に宿し、そして魔に従うシモベっ……♡♡♡♡」

 緑の瞳、整った顔を悦楽に歪めて。少女は、ただ一人笑った。
    
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