男女融合して完璧でえっちなJKにちぇ~んじ!

ドライパイン

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男女融合して完璧でえっちなJKにちぇ~んじ!

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 体育の授業が終わり、まだ残暑の熱が残り続けるなかで男子学生たちがぞろぞろと教室に戻って来る。体育の授業は男女別で、もちろん着替えも別。女子たちは更衣室で着替えており、汗臭い男子たちは一斉に体操服を脱ぎ、制汗剤とウエットティッシュで汗の処理をする。

「あ~っちぃ……いくら授業カリキュラムで決まってるからって、こんな猛暑日にテニスなんかさせるかね?」
「よく言うな飯野、お前は滅茶苦茶張り切ってただろ。テニス部のエースがこんなのでへばる訳ねーだろ。初心者相手とは言え1対2でダブルスやるぐらい元気なクセして、返せる球ばかり綺麗にラリーするんだから」
「そこは、まぁ。テニスの普及のためにはまずテニスを楽しんで貰う事からスタートだからな……いや、こんなクソ暑い日に楽しいもへったくれも無いんだが」

 体操服を脱がなくても分かる、激しい運動で鍛え上げられたしなやかな脚と腕の筋肉。テニス部に所属する飯野高吉いいのたかよしは、手慣れた様子でストレッチをする。2年生でありながら、夏に行われた高校県大会トーナメントでも上位に食い込み、来年にはインターハイ出場も夢ではないと噂されるほど。そんな彼だが。

「でもなぁ、男子連中に俺はプレゼンしたいんだよ……『女子テニス』の魅力をさぁ!」
「何で今の会話の流れで女子テニス?」
「考えてみろよ田中ぁ……テニスウェアとなれば半袖に、試合ともなればミニのスカート。スマッシュや素早い動きをすれば、当然スカートは大きく揺れて、太ももの危うい領域まで露わになって……!」
「ごくり……」
「それに、だ。俺が出場してた夏の大会でも居たんだよ。──『巨乳』の女子テニス選手が。その娘がサーブとかで強い動きをすれば、どうなると思う?」

 聴衆に語り掛けるように、飯野は声を張り上げる。次第にがやがやと騒ぎながら着替えていた他の男子連中も、彼の声に耳を傾けるようになり。

「──『揺れる』んだよ。サーブとスマッシュの腕の振り抜きで、おっぱいが。どうよ、合法でおっぱいが揺れる様が見れる! これだけでも女子テニスの試合を見る価値はあると思わないか!?」
「おおぉぉぉ……!」

 運動後の疲労した脳と、暑さでくらついている男子たちの脳に、猥談はモロに効いた。盛り上がる男子たちの会話。そこに、ガラガラと教室のドアが開く音。

「おーい男子連中。着替えが終わったならさっさと部屋開けてよねー」
「んげ、仲野……!」
「着替えが終わって暇だったから、壁越しに会話聞いちゃった。程々にしときなよ、あんたらも~」

 女子テニス部員という事もあり、飯野とも多少の関わり合いのある仲野絵里なかのえり。男女分け隔てなく接する彼女。クールな切れ目の印象もあり、一瞬冷たい人間のような印象を与えるが、男子の猥談をさらっと流すようなサバサバした性格もあり、結構周囲からの印象も良い。

「はぁっ……はぁっ……し、失礼します……!」

 一瞬遅れてやって来たのは、彼女より幾分か小さな少女。同じ学年でありながら、絵里とも対格差のあるほっそりしたボディ。先程の体育で疲れ切ったのか、まだ呼吸が荒い。胡桃沢風香くるみざわふうかは、とてとて、と自分の席に座り、ぐったりした様子で椅子の背に身体を預ける。そして、思い出したように声をあげる。

「あ、あの……女子テニスの大会っていつ頃あるんでしょうか……? いつか、運動してる人の絵を美術部で描いてみたいって思ってて……!」
「ん? ふふ~、クルミちゃんが応援してくれるならウチも嬉しいな、今度は11月! でも──」

 ジト目で絵里が飯野を差す。幼馴染であり小さく病弱な風香は、絵里にとって庇護心を掻き立てる存在であったため、『そういうこと』にならないよう常に男子を制している。

「エロ男子どもには気をつけなよ~。なにせおっぱい目当てで来るような奴らも居そうだし~?」
「ぐっ……そこまで聞こえてたのかよ……」
「はいはいこの話はおしまい! 飯野、アンタはテニスができても授業は寝てばっかりなんだから、ちゃっとしないと! 今度赤点取ったら試合にも出れないんやろ!」

 バシッ、と彼の背中を叩く。そんな様子を見て、風香はふと思う。

(おっぱい、かぁ……どうして私のはずっと、つるぺたでちんちくりんなんだろう……)

 そっと、誰にもばれないように自分の胸に手を当てる。ブラジャーはしているものの、AAサイズのバストを包む──というより、覆っているだけのブラ。高校2年生にもなって、周囲の女友達が女性として魅力的な姿に成長していく中、自分だけが女児のような体型で取り残されているのが嫌になっていた。夜な夜な、バストアップエクササイズに取り組んだりするも、効果が現れた試しがない。むしろ、そんなサイトを巡った結果女性用のえっちなサイトに目が行ってしまい、それでこっそり致してしまう事も多い。

(カラダは全然魅力が無いのに、オナニーしたらすぐイっちゃう娘なんて……)

 悶々とした思いで、少しだけ風香の顔が赤くなる。そんな様子を見て、飯野が声を掛けた。

「胡桃沢、熱中症か? 何か、顔が赤いみたいだけど……身体がだるかったりしないか?」
「ひゅいっ!? ──や、いや、なんでも、ないでひゅっ……!」
「こーら! くるみんに粉かけようとすんな、エロ男子!」
「いやそんなつもりは無かったって! この暑さだから何が起こるか分からないだろ!」

 胡桃沢風香は、一瞬想像する。飯野高吉のがっしりした腕、その脚。きっと着替え終わった白シャツの制服の下には、がっしりした胸板があるのだろう。──もしそんな、男の人に……昨日読んじゃった、漫画みたいに抱かれでもしたら。

「ぁ、ぁぅう……」
「胡桃沢、やっぱり調子悪いんじゃ……?」
「あー、違うね。これはちょっとオーバーヒートしちゃったみたいな感じ。くるみん、絵描きでしょ、たまに試合中のアンタみたいに『超集中フロー』に入っちゃったりして、凄い絵を描くのよ。反動でノックダウンするけど」
「いや、それとはちょっと様子が違う気が……でも、ふーん……今度見てみたいな、胡桃沢の絵」

 キュウ、と机に突っ伏した風香。彼女の頭は良からぬ妄想に支配されてしまっていた。授業のチャイムがなり、ようやく彼女が正気を取り戻す。

 ──運動後という事もあり。飯野は授業でバッチリ爆睡していた。

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「はぁぅ……階段、登るのも疲れちゃうなぁ……」

 美術部の備品、もとい普段使いの鉛筆を教室に忘れた胡桃沢風香は、気だるい身体を熱に蝕まれながらも、階段を上ってゆく。教室のドアを開くと、冷房の風が一気に吹き込んできた。教室には1人の男子生徒。

「……あれ、飯野くん?」
「あぁ、胡桃沢さんか。宿題やり忘れててさぁ、職員室に答え揃えて持って行かないと部活に参加させないって顧問に脅されて。こうして拘留されております」
「随分難しそう、ですね……?」

 彼が1人、席に座ってノートを開きつつ頭を抱えている様子だった。シャーペンが何か意味のある文字を書いている様子もなく、意味のないぐるぐる円が作られていたり。

「サインだかコサインだか、違法薬物みたいな名前の数学文字に苦しめられてて」
「cosでコカインを連想するのもどうなんですか……? でも、あともう少しですよね。この問題だけ、少しお手伝いできませんか……?」
「マジ!? ありがと、助かる!」

 大した時間もかからないだろう、と解答をすらすらとノートに書く。

「ここはこのページの加法定理を使って、こう分解して……」
「お、おぉ……」
「それで、こっちはa^3+b^3の対象式を使って……」
「えーと、それって何だっけ……」

 十数分かけて、ようやく飯野の宿題が終わる。筆跡で疑われないよう、ちゃんと彼自身の文字で書いて。

「終わっ……たぁ~! 胡桃沢さん、マジでありがとう! 凄い分かりやすかった! 流石偏差値70の才女」
「ううん、いいんです。……私、これぐらいしか出来ることないですし。それに偏差値っていっても、受験シーズンで一気に上がる人とかも居ますし。今が調子いいだけですよ?」
「いや……先生に捕まる前にさ、美術室に飾られてた胡桃沢さんの絵を見たけど。アレ凄いなって思ったし。俺はスポーツしか出来ない馬鹿だけど、胡桃沢さんは頭も良いし、綺麗な絵も描けるじゃん。今勉強できてるってことは、本気出したらもっとスゲーってことじゃん」

 頭を捻る飯野に、ぽつり、と風香がこぼす。

「昔っから私、病弱で。運動はおろか、人並みに活動できることが少なくって。だから、運動出来て活動的な人の事を尊敬してるし、羨ましいなって思っちゃったり…………ご、ごめんなさい、急に変な話しちゃって!」
「そういや胡桃沢さん、たまに体育見学とかしてるもんな……でも、さ。人間、得手不得手ってあるじゃん。俺がバカでもテニスできるみたいに、胡桃沢さんも体力がなくても頭と技術は優れてる。だから……えぇと……変に競う必要なんてないんじゃないか?」

 彼なりの励ましなのだろうか。そう、風香は受け取る事にした。

「ふふ……ありがとうございます。そう言ってもらえると、嬉しいです。……そうだ。部活風景だと難しいかもしれないですけど、今度試合とかを見させていただいてもいいですか? 静物画を描く事が多いんですけど、スポーツをしている人の躍動感を描くっていうのも、今度やってみたいんですよね」
「へぇ、そういうのもあるんだ……いいぜ、観客が増えるのは嬉しいものだからな」

 そう言って、彼は手を差し出す。

「んじゃ、約束の握手」
「──ふふっ、はいっ」

 飯野のザラザラしたごつい手のひらに、柔らかく細い風香の指が重なり、ぎゅ、と軽く握りしめられる。

 ──その時。『ドロリ』、と2人の握った右手が『溶ける』感触。油性絵具で混色を創るように、不可逆に2人の身体が混ざり合う感覚。

「な、にっ……!?」
「えっ……! い、いやっ……! はなれ、ないっ……!」

 それどころか。2人の身体が、磁石に鉄が引かれるように。徐々に、身体がずりずりと近づいてくる。

「マズイっ……! 胡桃沢さん、離れてっ……!」
「ごめっ……できないのっ……! どうしてっ……!」

 ついに2人の身体は触れ合い──そして。体格の大きい飯野の胴体に『溶け込むように』、風香の頭が、身体が混ざり合ってゆく。

「胡桃沢、さん……!? ぐっ……!?! 頭が、痛いッ……!」

 自分の中に入り込んでしまった胡桃沢風香。彼女の心配をするよりも先に、飯野の脳を割るような痛みが襲い掛かる。強烈な吐気に襲われ、床に足を着けていられず思わず倒れこんでしまう。

「ガ……ぁあ゛っ♡♡♡♡ 俺のなかにっ……私がっ……」

 そして。飯野はそのまま、意識を手放した。

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 2-Bの教室内。冷房の効いた部屋で、机に突っ伏していた1人の女子生徒が目を覚ます。寝ぼけまなこで、一瞬自分が何故ここに居るのかすら、分かっていないような状態だった。

「あれ、なんでアタシ、ここに……」

 ぼんやりとした頭で、彼女は自分自身の事を考える。確か、女子テニス部で使う、よりによってラケットを教室に忘れてしまったから教室に戻って、それで何故か教室が冷えてたから、思わず快眠してしまって──そう回想して、自分の名前が出てこない。

「アタシ、は……高宮胡桃たかみやくるみ、だよね……?」

 自分の名前が、一瞬出てこなかった。不自然な感じだが、『自分の名前』を呼んだ瞬間に、スッと自分というものを取り戻したような感覚がある。

「あー……机で突っ伏して寝てたからヨダレまででちゃって……おっぱいもぎゅむっ、て押しつぶされてたみたい……あ痛たた……」

 テニスをする上でちょっと邪魔になる、このたわわなおっぱい。しっかり対策しないと乳首が擦れて痛いし、形が崩れて将来困るのも嫌だ。

「でもぉ……こんな美乳で張ったおっぱいに、アタシは憧れてたんだよねぇ~……んっ……♡♡ あぁっ……♡♡♡ この感覚、すごっ……♡♡ 制服の白シャツの上から揉んだだけでもふわふわ、するっ……♡♡♡ ────えーと……?」

 『何か』が頭に引っ掛かる。自分の身体なのに、憧れていたという想いがある。しかも自分の乳房に欲情し、教室だというのに自慰まがいのことをしている。しかもそれを、『新鮮』なものとして感じている。──オナニーなんて、毎日夜になったら激しいのをシちゃって物足りなさを感じているのに。

「女子トイレ……そこで鍵を掛けてしまえば……この階に他に居る生徒なんて居ないし……うん、自分のカラダを好き勝手しても、誰も怒る人なんて居ないよね……だってコレは『アタシ』のカラダなんだから……」

 ここは学校。そんな事をして、他の生徒にバレでもしたら大変なことになるのは明白。それでも、『高宮胡桃』は、自分の身体を味わう事を止めることが出来なかった。理性よりも、肉欲の方が圧倒していて。こっそりと、忘れ物であったテニスラケットを持ち帰りながらも、足はグラウンドに向かわずに女子トイレへ。

 そして、トイレの洗面台にある鏡。ふと、そこに映る、『高宮胡桃じぶんじしん』に思わず目が行ってしまう。

「うわ、おっぱいでっか…………いやいや、何言ってんのアタシ。これはアタシであって……いや、でもこんなロリっ娘みたいな幼い顔つきで、この凶悪なおっぱいは反則でしょアタシ……♡♡」

 一瞬、周囲の様子、気配を探る。生徒の喋り声や、足音は聞こえない。──胡桃は、自分のワイシャツのボタンを上からぷち、ぷちと外していって。ぎゅう、と抑えつけられた乳房が、ぽよんとまろびでる。ギリギリスポーツブラに入れ込むことのできるEカップ。

「ふふっ、キミだけには見せてあげる、アタシのおっぱい♡♡ 色気の無いスポブラだけど、これを外したらも~っと凄いんだから……♡♡♡ っていやいやいや。何やってんのホントにアタシは。ナルシストにでもなったの? 大体こんなの毎日着てるし……いやでも、すっごいエロい……♡♡♡♡ あぁ……もうガマンなんてできないっ……♡♡♡♡」

 洋式トイレの個室にスポーツバッグとラケットを持ち込み、ガチャリとカギを掛ける。ちゃんとした公共設備のトイレなどではないから、擬音装置みたいに誤魔化す事は出来ない。──それでも、今彼女自身の内側から沸き立つ性欲を抑えつける事は出来なかった。

「あはは……もう、ムリかもっ……♡♡♡」

 自然と胡桃の鼻息が荒くなっていて。その表情は、『クラスでいつも綺麗でカワイイと噂され愛される』少女のモノではなく。初めて味わう快楽を心待ちにしている、ケモノのオスのようでもいて。ぷち、ぷちと更にしたのボタンまで外していって、ふぁさ、とスポーツバッグの上にワイシャツを掛ける。そして。

「スカート……っ♡ こんな、ちょっとでも急いで走ったりしたらすぐに下着が見えそうなの、アタシ着てたんだっ……♡♡ その気になる男がいたら、すぐにパンツも捲られちゃうような、ガードの緩いスカートっ……♡♡♡」

 彼女は洋式トイレに座って、すぐにスカートを脱ぐことはせずに。徐々に、徐々に自らそれをたくし上げてゆく。自分の鍛えてしゅっとした、日焼けで少し褐色になった肌。そして、更にその内側、日焼けしていない、太ももから股間にかけてのラインを、ゆっくりと自分自身を鑑賞する。

「っぁ……♡♡ アタシの太もも……っ♡♡♡ ちょうどここが日焼けのラインになってて、他の人からは絶対に見られない、アタシだけしか見れない所っ……♡♡♡ もうちょっとたくし上げちゃったら、アタシの大事なトコがぜ~んぶ丸見えになっちゃうっ……♡♡♡♡」

 自分のカラダだというのに。日焼けラインすら興奮の材料になってしまう。じゅん、と『アソコ』が濡れる感覚。股間が湿る不快感すら、今は昂ぶりを引き起こす。

「ゆっくり味わいたいケド……ずっと帰ってこないとテニス部の子らにも怪しまれちゃうし……」

 自らの痴態を中断するという選択肢は、胡桃にはない。ジジジ、とスカートのジッパーとホックを外して、ワイシャツ同様にスポーツバッグの上へ重ねる。下着だけになった彼女は、自分の股間をまじまじと見つめる。スポブラと同じように、デザイン性のない水色のショーツ。──少し、股間の部分は湿って影になっていたが。

「ヤバっ……♡♡ アタシの身体カラダ、もうこんなに期待しちゃってるじゃん……♡♡♡ まだおまんこも、クリトリスも弄ってない、前戯なしの状態だよぉ……♡♡♡♡」

 身体が疼く。いつも胡桃が夜にしているような、激しいオナニーがしたい。この熱っぽさを取るには、それしかない。指先だけじゃまんぞくできそうにないし、かと言って一応真っ当な学生なのだから、学校にバイブなんてもの持ってきているはずも無い。そこで、あるものに気が付いた。

「あるじゃん、そういえば……♡♡」

 自分のテニスバッグを乱暴に漁って、小物入れを取り出す。お化粧は学校では禁止されているけど、それは学校内だけでの話。部活が終わって、これから帰るって時に、ちょっと綺麗に自分を演出するのは何ら問題はない──はず。そんな暗黙の了解の上で、だいたいの女子はこっそりメイク道具を持ってきていたりする。胡桃が取り出したのは、メイク用のブラシだった。安価なモノだから、そんなに抵抗はない。

「はぁっ……♡♡ っはぁっ……♡♡♡ ちょうど柄の部分、挿入れたらぁっ……♡♡ この火照りも、収まるかもっ……♡♡♡」

 そんな事はないと、分かっている。一度挿入れてしまえば、もうおさまりがつかなくなって、行きつくトコまでイってしまうという事は。だけど、抗う事はできない。くぱぁ、と左手で自分のワレメを開いてみせる。濡れていたそこから香り立つ雌のニオイに、また頭がくらくらする。そっと、メイクブラシの柄を当てて。ゆっくりと、先に進めて。

「~~ッ♡♡♡♡♡ あ゛っ、はぁぁあ゛っ♡♡♡♡ アタシの膣内うちがわっ♡♡♡♡ こんなニセモノちんぽでよがってるっ……♡♡♡♡」

 ディルドでも、バイブでもない。ただの棒を挿入れただけなのに、胡桃の頭に突き刺さる快楽。その手が止まる事は当然無い。くち、くちゅ、と前後運動にシフトして。ドロドロと愛液が漏れ出す。

「い゛っ♡♡♡♡ ひぁっ♡♡♡♡♡ やばっ……♡♡♡♡ 大声だしちゃ、イケナイ、のにっ……♡♡♡♡」

 もし、生徒か先生が何かの用事で同じ階に来て。女子トイレから響く嬌声を聞けば。そして、その中で何が行われているのかを知ってしまえば。胡桃の学生生活は、一気に破滅に陥るだろう。学校のトイレでオナニーをしていた変態女子。その烙印は一生消えないだろう。──だというのに。彼女の手は止まらない。まるで、そうなってしまう事を期待するかのように。誰かにオナバレして、人生破滅する事を望んでいるかのように。それを想像する事すら、面白いと思ってしまう。

「声おさえるのムリっ♡♡♡♡ あははぁっ♡♡♡♡♡ ぐちゅぐちゅがとまんなぃっ♡♡♡♡♡♡ キモチイイのに足りないっ♡♡♡♡♡」

 自分がカースト最底辺に堕とされ、誰かの慰み者になる姿を想像しながら。乱暴に、体育倉庫のようなロマンの欠片もない部屋で、強姦レイプされることを想像する。最低で、劣悪だ。今の自分からはかけ離れた、絶対に味わいたくないセカイ。なのに──そうやって壊れてしまう事すら、楽しそうと思ってしまう。絶頂には、もう一つ足りない。右手でぐちょぐちょになったアソコを弄りながら、今度はおっぱいをワザと強くもみ、抓る。

「くぁぅっ♡♡♡♡ いたっ♡♡♡♡♡ そう、そのぐらいっ♡♡♡♡♡♡ いヒヒっ♡♡♡♡♡♡」

 想像してしまっている。完璧な才女、運動も勉強も、芸術もデキると称される胡桃が。一時の過ちで、全てを失いオナホ替わりに粗雑に犯されることを妄想してしまっている。きゅ、と乳首をつねると。頭にビリ、と痺れが走って。内側にこもっていた熱が、一気に発散した。

「──ぁああ゛っ♡♡♡♡ ん゛~~ッ♡♡♡♡♡♡ ぅううう゛っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 ぷしぃ、と彼女の潮吹き。トイレの白色タイルに、液体がぽたたた、と落ちる。ガクン、と彼女は洋式トイレに背を預けた。快楽の余韻が、まだ頭に響いている。──その時であった。身体の一部が、下半身が。ドクドクと脈打つ。胡桃の、クリトリスだったところが充血してどんどんと肥大してゆく。

「え、ぁ……なに、これ……?」

 肥大、どころではない。ムクムクと形を変えてゆくそれは、やがて茶色に色を変えて皮膚の表面が皺を作る。それと同時に、陰核クリトリスが何かに包まれたような感覚。──胡桃は。否、彼女は知っている。それは、自分のモノであると。

「あ、れ……俺の、チンポ……? 待て、そもそも俺は……私は……?」

 性欲が発散した事で、あるいは自分の身体に起こった異変で。『高宮胡桃』は自分自身を認識する。そもそも、彼女は1人ではない。『飯野高吉』と『胡桃沢風香』の2人が、何らかの怪奇現象によって『混ざって』しまったのだと。だが、不思議と自分の裸を見られたことに対する恥ずかしさや嫌悪感は、どちらも感じない。なにしろ、自分でしてしまった事なのだから。

「参ったなぁ……今の俺、どうなってんだ……? 元に戻る方法ってあるのか……? ど、どうでしょう……分かれたいって思っても分割できるものでもないですし……」

 一人芝居のように、二人はそれぞれ言葉を発する。そうしないと、また一つに混ざってしまいそうで。──しかし。かのじょの思考に、僅かばかりのノイズが走る。『別に元に戻る必要なんて、無いのではないか』と。

「でも……嫌だろ、胡桃沢さんも。俺なんかと混ざってしまって……いえ、私は別に構いませんけど……? そうか……? はい、この身体になって、少し元気が出てきたんです。健康な身体で居るってこんなに気持ちいい事なんだって……お、おう、そうか……うーん、どうしたものか」

 思考がごちゃ混ぜになりつつある2人。『高宮胡桃』の身体は、以前女性器と乳房がありながら、勃起を続けた肉棒がある、ふたなりの状態。収まらない勃起を見て、『風香』はふと思ってしまった。──『触りたい』と。

「え、嘘だろ……普通女子がこんなの見たらドン引きするものかと……え、ええ。普段の私ならそうなんですけど……どうしてでしょう。今は『アタシのチンポ』だから、そこにあるのが当たり前に思えて……でも、触るのは『初めて』なんですよね……そ、そっか……『俺』は止めないけどよぉ……」

 おずおずとした手つきで、『胡桃』は。ゆっくりと自分の肉棒に手を触れる。ずるり、と皮を剥いた瞬間。亀頭が開放され、ヒュンと空気に触れて。ぴくり、と身体が震える。親指と人差し指でそっとつまむように、肉棒に触れる。いつもシている、だけど『ハジメテ』の男のオナニー。きゅぅん、とおまんこが疼く時のように肉棒も同時に熱を持つ。同時に、ドクドクと海綿体が膨張して太くなっていって。

「んぅっ……♡♡ うわぁっ……ちょっと触っただけで、どんどんおっきくなってるっ……♡♡♡ そ、そりゃ、女子のスベスベした手で扱かれたら、こうもなるって……あはは、キレイな手って……こう、したらいいんですか……?」

 2本の指でつまんだまま、彼女は肉棒をゆっくりと愛撫する。不慣れな手つきで彼女は裏スジを、カリ首をなぞる。柔らかいが冷たい手のひらは、『胡桃』の身体の精嚢を刺激し、ドクドクと精子を溜めこみ放出の準備を始める。次第に指の動きが速くなってくるが──絶頂には至らない。

「っはぁっ……♡♡ どうしてっ……♡♡♡ こんなに切なくて気持ちいいのに、どうしてイけないのっ……♡♡♡♡ くっ……胡桃沢さん、少し、貸してくれっ……♡♡♡♡ こう、もうちょっと激しめにスるとっ……♡♡♡♡」

『胡桃』の手つきが、肉棒全体を包み込むような手慣れたものになる。そのまま、しゅ、しゅと少し乱暴気味に肉棒を扱く。摩擦だけで、自分の下半身に溜まっていた熱が暴発しそうで『風香』は動揺する。

「ぃひゃっ♡♡♡♡ こ、こんなに、キモチイイのっ♡♡♡♡♡ ずるいっ♡♡♡♡ 男の子オナニーずるいっ♡♡♡♡♡♡ あーっ、俺もガマン、できねぇっ♡♡♡♡♡♡」

 右手はペニスを乱暴に扱き。左手はぐちゅぐちゅと、マンコを弄り。お互いの性器をお互いに愛撫しいじめる。もう、声を抑える事なんて考えていない。元に戻る事さえも。今、この快楽をただ味わっていたい。その一心で、2人は同時に。

「あっ♡♡♡ ぁあ゛っ♡♡♡♡ キてるっ♡♡♡♡ キンタマから精子昇ってキてるっ♡♡♡♡♡ 思いっきり射精しちゃうっ♡♡♡♡♡♡ おまんこでイくっ♡♡♡♡♡♡ 2人分で同時にイっちゃうっ♡♡♡♡♡♡」

 臨界まで達した興奮を、躊躇うことなく。胡桃は、達した。

「ぁあ゛~~~~ッ♡♡♡♡♡♡♡ びゅるびゅるでてるぅっ♡♡♡♡♡♡ おまんこもびちょびちょにぃっ♡♡♡♡♡♡」

 天井に達するのではないかと思うほどの勢いの射精。白濁液が白いタイルに張り付き、粘り気を保ちながらゆっくり壁面を伝う。今度こそ脱力しきって、『高宮胡桃』はトイレに座り込む。

「──こんなにキモチイイの、止められるわけ、ないよね……♡♡♡♡」

 果たして、それはどちらの意思だったか。だが『1つ』になった彼女の意思は、もはや反発する事はない。ただ、時間は迫っていた。テニス部に戻らないと、流石にまずい。後始末と消臭スプレーをかけて、早くグラウンドに戻らないと。そうは思うが。──射精と潮吹きの余韻が、まだ胡桃の頭を支配していて。しばらく、彼女は動けないでいた。

─────────────────────────────────── 
「くるみんおはよー。いやしかし、この朝練ってシステムはどうにかならんかねぇ」
「おはよ、絵里ちゃん。練習時間を捻出するには仕方ないんだろうけど、この季節だと朝から暑いし辛いよねぇ」
「何より! 朝練すると眠くなるんよねぇ……おかげで授業もふらふら。勉強についていくのもやっとよ。まぁ、くるみんみたいに完璧天才美少女にはこの辛さは分からないやろうけど……」
「もー、そんな事言わないでよぉ。テスト前はちゃんと色々教えてアゲルから!」
「流石、賢い親友が居ると助かるわねぇ、アハハ」

 女子テニス部の部室、着替えロッカーにて。『高宮胡桃』と仲野絵里は話し込んでいた。旧知の友、幼馴染として。

 昨日、『飯野高吉』と『胡桃沢風香』が混ざり合った後。『高宮胡桃』として行動するようになった彼女。こんな素性の分からない存在を果たして誰が受け入れてくれるのだろうかと不安に思ったが──それは杞憂に終わった。『高宮胡桃』は思い出せる。自分の家族構成、学校での立ち振る舞い、今までの十数年の、少女としての生涯の記憶を。高宮家の長女として生まれ、妹と弟が1人ずつ居る。小さい頃から活発で、テニスが上手だと褒められて。気が付けば高校2年にしてインターハイに出場できるレベルにまで成長してしまった事。勉強も、それなりにはできるし、趣味の絵描きも時間があるときにネットに上げたりしてそこそこの評価を貰ったり。

 それらを全て『思い出し』て──2人は理解する。互いの良いとこどり、欠点を補完し合うような状態で、今の『高宮胡桃』は完成している。お互いが心の何処かで憧れていた存在と交わり、より完全な存在に変わる事ができたのだと。現状に問題があるとすれば、それは。

「──ん? どしたのくるみん。ウチのことジーッと見つめて」
「い、いやゴメン。ちょっと眠くてぼーっとしてた!」

 嘘だ。絵里が制服を脱ぎ、テニスウェアに着替えている様子に。胡桃は見惚れていた。『アタシ』と違って、少し切れ長の瞳。クールな表情ながらも、周りからの信頼も厚い。『アタシ』ほどじゃないけど、キレイな形のおっぱい。すらっと伸びた脚は、それだけジッと見つめているだけで、オカズになりかねない。

「早く着替えないと遅れちゃうよ! ウチは先に行くからね!」
「わ、分かった……!」

 そう言って部室を飛び出す絵里。今は自分以外に、テニス部のロッカーに他の部員は居ない。他はサボりか、もうグラウンドで練習してるかだ。ロッカーの蓋を開けると、扉の裏に姿見が映る。当然、映るのは自分の姿。カワイイ顔に、凶悪なほどのおっぱい。制服をゆっくり脱ぎ、ハンガーにかける。昨日と同じ、スポーツブラだけの姿になって。

「──ぁあ、だめ、流石にココでするのは駄目っ……そもそも昨日の夜も散々ヤったし、なんなら朝もシちゃったし……!」

 頭の中の煩悩を何とか振り払い、胡桃はテニスウェアを手に取り、なるべく目を閉じて着替える。『いつも着ている』のだから、慣れたものだ。着終えて、流石にずっと目を瞑る訳にはいかず。目を開く。

「あああぅ……テニスウェアの『アタシ』もそそるっ……♡♡」

 性欲旺盛な飯野と、隠れムッツリな風香が混ざった結果。『高宮胡桃』は、すぐに発情してしまう淫乱少女になってしまったのだ。その対象はもちろん、自分自身にも。テニスウェアを着た、際どい太もも。強調されるおっぱいの膨らみ。目に毒ですらある。──だけど。

「さっきの絵里ちゃんのほうが、もっとえっちだった、なぁ……♡♡♡♡」

 自分をオカズにするのに飽きたのか、はたまた自分にない要素のモノを求めてしまうのか。胡桃は、幼馴染で親友でもある絵里のテニスウェアをもう一度思い出す。頭に血がのぼり、ムラっとして──かぶりを振る。

「だ、ダメダメっ……! 練習! 練習しないとッ……!」

 なんとか理性が働き、彼女は部室から駆け出す。性欲を抑えるには、運動で解消するに限る。なんとか練習に参加してからは落ち着き始めたものの──時折、同じ部員のスマッシュやサーブ時にふわりと見えるスカートの揺れに、ドギマギする彼女だった。それでも。

(全力で身体を動かせるって、気持ちいいな……)

『風香』の望み、憧れ。今それが、この手にある。その幸福を、彼女は噛みしめていた。

───────────────────────────────────

 授業が開始され。小テストは余裕の満点、授業も完璧に分かる。今まで『飯野』が苦戦していたのが嘘みたいに、全てが分かってしまう。

(むぅ……なんでこんな簡単なのに手こずってたんだろ、『アタシ』)

 物事を覚えるのも、咀嚼して理解するのも早い。『風香』由来の頭の回転の速さ。文字通り、才能の違いを体感する。これだけ見えている世界が違えば、物事を解釈するのに個人差があるのも理解はできる。これを活かせば、テニスの戦略を練るのにも役立つかもしれない。

 そして授業後。夕方まで再び女子テニス部で練習に励んだ胡桃は、全力でラケットを振る。

(アハハ、今の『アタシ』、すっごい楽しいかも……)

 何でもできる全能感。もちろん、上には上が居る。自分よりテニスも勉強も優れている人間は居るだろうが──今まで出来なかったことを全力で楽しめる事が、こんなにも嬉しいものだとは『胡桃』は思ってもみなかった。気が付けば、時刻は6時半近くで。

「くるみん! サーブ練習に打ち込むのも良いけど、そろそろ片付けの時間~!」
「わわっ、ゴメン!」

 時間を忘れるほど部活を楽しんだ胡桃。片付けに参加し、球拾いとグラウンド整備を終えて。部室ロッカールームに戻った時には、ほとんどの生徒が着替え終わっていて帰り始めていた。

「あちゃ~……」
「くるみん、熱中しすぎ。インハイ行くぐらい凄いのは認めるけど、オーバーワークは身体に敵だってコーチも言ってたやろ?」

 絵里が汗だくのまま、ぺしっと胡桃の肩を優しく叩く。彼女の汗臭い──否。彼女から漂っている雌の匂いに、僅かに胡桃の『本能』が反応してしまった。

「──くるみん? またぼーっとしてる?」
「あっ、いや! なんでもないよっ!」

 悟られちゃだめだ、と着替えを始める。ついに、部室には絵里と胡桃の2人だけになってしまった。ロッカールームの中は冷房が効いているものの、制汗剤と、いくらかの香水の香りが混ざり合って甘い空気が漂っている。自分の汗臭さに気が付いて、慌てて胡桃は「普段通り」テニスウェアを脱ぎ、しっかりと全身の汗をウエットティッシュで拭ってから、制汗剤スプレーを浴びる。

「んぅぅ、全力で汗かくって楽しいなぁ……」
「ん~? くるみん、そんなキャラだっけ? 汗だくになったらいっつも『うへぇ~、こんなにぐっちょりぐっちょりだよ~』って言ってた記憶があるんやけど」
「そ、そう……かな? そうだっけ……?」

『風香』として初めて味わう感覚だが、『胡桃』としてはいつもの事。混ざり合った自我と、『高宮胡桃』という存在の歪みを取り除くかのように変わってしまった世界。それを知覚しているのは、2人──否、1人だけ。

「いやぁ、何だか今日は世界が変わって見えるっていうか。こうして絵里ちゃんと一緒に着替えるのも何だか特別な気分になるなぁって」
「なに色ボケカップルみたいな事言ってんのよ、ウチとアンタじゃ釣り合わへんでしょに」

 ケラケラと笑いながら、絵里が答える。──少し、胡桃は寂しくなった。『胡桃沢風香』だった時。スポーツが出来て、社交性のある仲野絵里は幼馴染でありながらも、憧れの存在だった。何があっても、元気があって明るい。根暗で何の取り柄もない『風香わたし』と違って。釣り合わない、などと言われるのは予想外だった。

 そして『飯野高吉』にとっても、絵里は憎からず思っている存在であった。こちらから下ネタを絡ませなければ、お互い真剣にテニスに打ち込んでいるだけあって、気概も合う。性差による肉体の違いはもちろんある、試合では飯野の方が勝つ割合が多かったが──彼女の技量は、間違いなく磨けば輝くものがあると思っていた。試合後に「おっぱいに見惚れてんじゃないわよ」とバシッと肩パンされるのは常だったが。──それが、すぐそばにある。

 どちらの思考が先だったか。どちらの意思が強かったのか、分からなかったが──『胡桃』は、冗談めかして。

「ほら、え~い♡♡ こうしてむぎゅってするのも久々で楽しいなぁっ♡♡♡」
「ちょちょ、くるみん!? そ、それはウチからやるものであって……!」

『今』は同じぐらいの体格だが、『風香』は絵里よりもずっと背が小さくて。ずっと、年の離れた姉妹ぐらいの身長差で抱きつかれていた。おっきな絵里ちゃんの身体に抱きしめられて、恥ずかしいけどあったかかった気持ちを思い出す。──今は、それに欲情しているのだけれども。

「もう、たまにはこうして『ワタシ』が積極的になってもいいじゃない♡♡」
「ちょ、やめっ……♡♡ 手つきが、イヤらしいってばっ……♡♡♡」

 右手で抱擁したまま。左手で、もうワイシャツに着替えてしまった絵里のおっぱいを揉む。『胡桃アタシ』のより少し、揉みごたえのあるおっぱい。おふざけなら、もう振りほどかれてもおかしくない。だけど絵里ちゃんは──少し顔を赤らめていて。心の何処かで、何かを期待しているかのように、胡桃にはそう見えた。だから。コリ、と乳首を抓ってあげる。

「んひゃぅっ♡♡♡ ちょっと、タンマ胡桃! これ以上されたら……」
「──これ以上、ワタシが絵里ちゃんに『イタズラ』したら?」

 その答えを、絵里が発する前に。胡桃は唇を奪う。ほんの少し、拒絶されるのではないかという恐れはあったが──胡桃が舌を、絵里の口の中に入れると。受け入れるように、絵里の舌も絡まる。

「ちゅぱぁっ……♡♡ あむぅっ……♡♡♡」
「れろっ……♡♡♡ んぅうっ……♡♡♡♡」

 絵里の手のひらが、おずおずと胡桃の顔に触れて。キスをもっと、もっと欲しいとせがむように顔を抱き寄せる。その間も、胡桃による乳房への攻めは止まらない。もみ、もみゅ、と。時折強く、時に優しく。『風香』が普段自分にするような、慣らし運転の手つき。

「っはぁっ……♡♡ 嬉しいなぁ、嬉しいなぁっ……♡♡♡♡ 絵里ちゃんは、こんなイビツなアタシを受け入れてくれるんだぁ……♡♡♡♡」
「……イビツって、何言ってんのよアンタっ……♡♡♡ 人のファーストキス、勝手に奪っておいて……っ♡♡♡♡ むちゅぅっ……♡♡♡♡」

 2人・・にとって意外な事に。絵里には、彼氏彼女といった経験は無いらしい。奥手な風香からしても、テニス部での活躍を知っている飯野からしても、予想していない反応。今度は絵里の方から、キスを。お互いに抱きつき、おっぱい同士がむにゅり、と潰れる。

「っはぁっ……♡♡♡♡ 絵里ちゃんの唾液が……♡♡♡ あったかい吐息が……♡♡♡♡ ワタシの中に……♡♡」
「ヘンタイみたいな、ことっ……言わないでよぅ……♡♡ 部室でこんなことやってて、今更だけどっ……♡♡♡♡」

 この感情は何だろう、と混ざり合った『胡桃』は考える。飯野オトコとして、絵里に欲情しているのもあるが。風香オンナとして、親愛の情を抱いても居る。相反しないが、別の感情。ひと混ぜになった今は──2人分の感情。言葉に落とし込むことが困難だが、溶け合った末の愛なのだろうか。

「えへへっ……♡♡ ね、絵里ちゃん……♡♡♡ こんな大胆な事、シちゃったからには……♡♡♡♡ もう、ヤるしかないでしょ……?」
「待って、まって……気持ちの整理、つけさせてよ……」
「や~だ♡ そんな事しなくても──『胡桃アタシ』は絵里ちゃんの事、こうしたいって……♡♡ 大好きだって、想ってるんだから……♡♡♡♡」

 壁ドンのように、ロッカーの壁面に絵里を優しく押し付けて。胡桃は左手を、絵里のスカートの内側に忍ばせる。突き飛ばされたりはしない。ただ絵里は顔を火照らせ目を潤ませながらも、『これからされる事』に期待を隠せていない。

「形のいいおっぱいも、スリムで引き締まったヒップも……全部すてき。でも、絵里ちゃんの女の子のところは、こうして『胡桃アタシ』に弄られる事を悦んじゃうヘンタイさんなんだねぇ……♡♡♡♡ ヘンタイ同士じゃん……♡♡♡♡」
「そん、なこと言われてもっ……♡♡♡ くるみんのおっぱいの方がおおきい、じゃんっ……♡♡♡♡」

 ほとんど同時に。絵里は胡桃のおっぱいを、胡桃は絵里のマンスジとクリトリスを。お互い、女体を悦ばせる方法は知っている。2人分の嬌声が重なって。

「あんっ♡♡」
「んひゃぁぅっ♡♡♡♡」

 絵里の方が、若干声を抑えられなかったか。じゅん、とショーツに湿り気が混ざる。優しく、胡桃は絵里のソコを愛撫し続けて。びく、びくんと。震えが、甘い喘ぎが時折ロッカールームに響く。

「絵里ちゃん……♡♡ いいよねっ……♡♡♡ こんな『胡桃アタシ』でも、受け入れてくれるよねっ……♡♡♡♡」
「んぁあっ♡♡♡♡ な、なし崩し的にシておきながらっ……♡♡♡ こんなのされたら、こっちもおさえられないじゃないっ……♡♡♡♡」

 互いのショーツに手を潜らせ、手淫を。さわさわと、お互いの様子を探り探りするゆっくりなモノ。だけど、2人とも顔を赤らめて、瞳を潤ませて『もっとシてほしい』と言わんばかりの表情をするものだから。次第にその動きは激しくなる。お互い、テニスという激しいスポーツで処女膜が自然と破れてしまった事は友人同士の秘密として知っている。だから、その手つきも遠慮がなくなってきた。

「く、ぁあ゛っ♡♡♡♡ はぅん゛っ♡♡♡♡ えりちゃんに……おまんこ、くちゅくちゅされるのしあわせ……♡♡♡♡♡ すごくいい……♡♡♡♡♡♡」
「そんな、うわついた言葉でっ……♡♡ ウチのが、そんなにええの……♡♡♡♡♡♡」
「うんっ……♡♡♡♡ えりちゃんだけだよ、こんなに一緒にいて心がぽわぽわするのは……♡♡♡♡♡♡」

 甘く蕩けた会話の反面。ぐちぐちゅと、指先による攻めは激しくなっていく。膣内のヒダをぐりぐりと刺激して。薬指を激しく出し入れして。ぐっ、と。クリトリスとGスポットを両面で押し付けるように。

「あ゛っ♡♡♡♡ きゅぁあ゛っ♡♡♡♡ くるみんっ♡♡♡ ウチ、キそうっ♡♡♡♡♡♡」
「嬉しいっ♡♡♡♡ アタシの前で、思いっきりイってっ♡♡♡♡♡♡」
「──っぁああ゛っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

 電撃を当てられた実験動物のように。絵里の上半身が思わず跳ねる。ただし、飼育された実験用マウスと違って、絵里の脳内には多幸感が溢れていた。押し倒されるような形で、あまりにも突然だったけど。胡桃からの愛の告白に悪い気分を抱いては居ない。──むしろ。それを悦んでいる自分が居た。彼女の大切な人に、選んでもらえたことに。

 ──だが。

(え、あ、ちょっと……! こ、これ! マズイんじゃ……!!? そうは言っても、俺も止め方が分からないっ……!)

『混ざった』胡桃のショーツを持ち上げ、飛び出すように現れたのは。『飯野高吉』のモノだった肉棒ペニス。当然、異性として意識している絵里と直前までレズえっちしていたものだから、かつてないほどにソレは硬さと昂りを誇っていた。今更、隠しようがない。ちらり、と絵里の視線がそこに向く。サァっと血の気が引く胡桃だったが。

「っぁ……♡♡♡ そっか、くるみん……♡♡♡♡ 『そっち』はまだ、満足できてないんやねぇ……♡♡♡♡」

 絵里は驚かない。むしろソレが当然である事のように、勃起したペニスの亀頭を優しくチロチロと舐めて。柔らかいリップで、カリ首まで包み込む。ちゅ、ちゅぅと、愛しいモノにするようなキス。

「ちゅぷっ……♡♡♡ むぅぅっ……♡♡ アハっ、まるでこの日のために溜めこんでたみたいにキンタマが重いねぇ……♡♡♡ それとも、ウチのカラダを味わってるうちに精子がたくさんできちゃったワケ?」

 そこで、『思い出す』。胡桃じぶんは、女性器と男性器両方を出し入れする事が可能で、誰もそれに違和感を持たないという事を。融合前の2人からすればあまりにも奇怪な事実だが、好都合でもあった。この異常を指摘する者は居ない。

「ぷはぁっ……♡♡♡ くるみんのチンポの味を見てたら、ウチのここもまた疼いてきたわ……♡♡♡♡ ここまで、キたんだから──♡♡♡♡♡♡」
「そうだねぇ……♡♡♡♡ たっぷり、絵里ちゃんの事を味わっちゃおうかなぁ♡♡♡♡♡♡」

 女子テニス部だというのに。部員の誰かが悪ふざけで持ち込んだコンドームの箱。男子だった『飯野』は、女子同士もエグイ下ネタをかますんだなと少し驚いたが。開かれた箱から一枚、ゴムを取り出す。時折水風船代わりに使われる『ジョークグッズ』だ。誰も数をカウントしていないし、減ったところで誰も咎めはしない。

「アタシたちさ……『まだ』学生どうしだから、さ……♡♡♡」
「何その言い方、まるで娶ってくれるみたいに言うやないの……♡♡♡♡ く、ぁあっ、ふ、ぅううっ……!」

 更衣室のベンチに寝そべった絵里。胡桃はゴムを着けて。絵里の蜜壺に、ギンギンにいきり立った肉棒をゆっくりと沈めてゆく。膣壁をずいと押しのけて。お互いが一番深いところまで結合した時には、絵里のおまんこは、ぴったり胡桃のペニスの形になっていた。

「あ、ははっ……♡♡♡♡ アタシと絵里ちゃん……こっちの相性もぴったりってことね……♡♡♡♡」
「は、ハジメテなんだからあんま激しくせんでよっ……あうぅう゛っ♡♡♡」

 その言葉と同時に。どちゅっ、と腰を動かして。我慢ならなかった胡桃。肉棒から与えられる、きゅうきゅうとして生暖かく包んでくる感覚。それをもっと味わいたいと、絵里の膣壁に擦りつける。

「あ、はう゛っ♡♡♡ ごめっ、絵里ちゃっ♡♡♡♡ これ、ガマンできない、かもっ♡♡♡♡♡♡ んぅう゛っ♡♡♡」
「ひぐぅっ♡♡♡♡♡♡ んふぅう゛っ♡♡♡♡♡♡ こ、ぉぁあっ♡♡♡♡♡♡」

 意味を為さない喘ぎ声を漏らしながらも。2人は雄と雌、互いに求め合っていた。絵里の足先は、胡桃を離すまいと背中に巻き付くだいしゅきホールドをしていて。胡桃も、乱暴なベロチューをしながら。絶頂が、すぐそこまで来ていた。

「ん、ぐっ──♡♡♡♡♡♡ あ、ぁあああ゛っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
「きゅ、ぁ♡♡♡♡♡♡ んぅお゛ぁっ──♡♡♡♡♡♡♡」

 ドクン、と絵里の膣内に粘性の液体が放たれる感覚。それはゴム越しの感触ではあったが──とても熱く、それが自分の中にある事実で、余計に顔が火照る。──いつか。いつか、これをゴム無しで。自分の膣内で受け止める日が来るとしたら。それはとても、幸せなのだろうと。そう、想った。

───────────────────────────────────

(あぅぅ……勢いに任せて絵里ちゃんを……抱いちゃった……っ……♡♡♡ ま、まぁ。やっちゃった事は仕方ないし、喧嘩別れになった訳じゃないからいいんじゃね? それに……お互い、仲良くやれそうじゃん? そ、そうじゃなくってぇ……!)

 互いの身体を抱き寄せながら、絶頂の余韻に浸りつつも。絵里は。

「──でも、さ。ダメよ、こんなんじゃ。ウチじゃ、アンタに……胡桃ちゃんに、釣り合わないって……」

 伏し目がちに。いつもの快活さは何処へやら、彼女は不安げに胡桃を見る。好きだけど、釣り合わない。スポーツも勉強も何でもできる、完璧超人。そんな胡桃に、絵里は相応しくない。そう、想っている。だが。それに反論を翻したのも胡桃だった。

「……イヤだ。絵里ちゃんは『風香わたし』の憧れでもあったんだからっ……! そんな弱気な顔、らしくないよっ! ほら、笑って。いつもの絵里ちゃんみたいにっ!」
「……えぇ? なんかウチ、くるみんに憧れられるようなトコ、あったっけ?」

 ぼんやりと、絵里の脳裏に記憶が蘇る。いつも病弱で、運動が苦手な彼女を励ましたり、一緒に練習に付き合ったり。時には彼女の絵の才能を褒めたたえたり、一緒に勉強したり。──だけどそれらの特徴は、今の『胡桃』とは整合しない。だけど、感情は残っている。

「──それでも、さ。くるみん。ウチとくるみんじゃ、どれだけ頑張っても追いつけない壁がある。くるみんが易々出来る事が、ウチじゃできない。そんな事ばっかりだったら──怖い。ウチが、くるみんに失望されちゃうのが」

 天才と、凡人の差。それを理由に、絵里は胡桃を別の人間として見ている。だが、それに対する答えを『胡桃2人』は持っている。誰にだって欠点は存在するのだという、単純な答え。2人分の素質を混ぜてなお、カバーできなかった欠点。

「じゃ、さ。無理やりでも、アタシが絵里ちゃんを連れてく。テニスでも、勉強でも、どっちでもいい。アタシと同じ場所に来てくれるまで──ずっと付き合うから」
「……どうして、そんな事?」
「それはアタシの欠点に由来するかな」
「……くるみんの、欠点?」

 クスリ、と胡桃は笑って。

胡桃アタシ、人間2人分の性欲があるんじゃないかってほどエッチだから♡♡♡」
「……ははっ、しょーもな。──じゃ、それをウチが受け止めたげる♡♡♡」

 2人の少女は、再び抱き合う。

───────────────────────────────────

0-0ラブ・オール、プレイ!』

 高校3年、最後の夏。女子ダブルス県大会の、決勝試合。この勝者が、全国大会インターハイへの出場切符を獲得する。コートに並ぶのは、高宮胡桃と仲野絵里。胡桃はかねてから強者として、個人でもインハイ出場を決めている。しかし仲野絵里は、彼女に喰いつくようにしてこの1年で急成長を遂げてきた。そして今、共に並ぶ仲間として立っている。

 サービス権は彼女たちに与えられた。コートの前後に並び、前に立つ胡桃が一瞬振り返る。

 ──無言のアイコンタクト。紡いできた絆は、無駄にはならない。たとえどんな結果になろうとも。互いを補完しあう形で成り立ってきた2人だから。

 トスを上げて。絵里は、勢いよくラケットを振りぬいた。
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