カードゲーム世界で女ユニットの支配(コントロール)権を奪う

ドライパイン

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隷属虫

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「御主人様、アタシと繁殖セックスしましょ♡」
「………………ふぇ?」

 どうして、こんなことになったのだろう。そう思いながらも、眼前の女体の誘惑から目を逸らせない。小柄な彼女の体に備わったたわわな乳房が、むにゅりと口元に押し付けられて。

「アタシの出来たておっぱい、飲んでみて下さい♡♡ 『作り変えた』この身体なら、いーっぱい御主人様を気持ちよくさせてあげますから♡♡」

 ふと彼は、こんな自体に陥る原因となった数十分間前のことを思い出す。あの時も、突然の事で頭がついていかなかったから。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 帰り道の通学路。昔の商店街を歩いていた牧野修也まきのしゅうやは、見慣れたはずの景色に違和感を覚えた。

「あれ? ここって確か建物があった気が……」

教科書や文庫本を普段買う本屋。その隣には既に店を畳んだ一軒家があった……と修也は記憶している。しかし、目の前の光景ではそこに曲がり角があった。
こんな所に道があっただろうか、と不思議に思う。

「この先って行った事あったっけ……えっ?」

 興味本位で歩みを進めた、瞬間。地面を踏んだ感覚が無かった。それどころか、階段を踏み外したときのような落下する感覚に襲われた。

「うわぁっ!?」

突然、周囲の光景が真っ黒に染まり、ジェットコースターで落ちたときのような気持ち悪い感じが何十秒も続く。マンホールに落下したにしては余りにずっと落ち続けていて、修也は恐怖に駆られて叫ぶことしかできなかった。
そして。ドサリと土埃を立てながら、彼は地面に放り出される。口の中に砂が入り、苦味に咳き込む。

「ゲホッ……うぇぇ……苦い……」

だが、長時間落下した感じにしては大怪我もしていない。下水道のように暗くはないが、なにやら砂地の上に落っこちたようだと修也は確認する。
立ち上がろうとした、その時。喉元に、冷たい金属が当てられた。ヒンヤリした感覚に、修也はギョっとする。

「ちょ、ちょっとアンタ! いきなり出てきて何者!?」

 西洋剣の、尖っていない腹の部分。首に当たっていたのは刃物だった。刃はかなり大きく、剣の遣い手がグイと凪いでしまえば、自分の頸を切り裂かれるであろうことは明白。
修也の顔から一気に汗が吹き出す。何か危険な集団に出くわしてしまったのだろうか。たどたどしく、襲撃者に返答した。

「す……すいません! 通学路を歩いてたら、落下してここに来てしまって! すぐ帰りますからっ!」
「……ツウガクロ?」

 顔を上げ、修也は剣の遣い手の様子を伺う。少し小柄な、同い年ぐらいの女子だった。体には鉄製の鎧を纏っており、栗色の髪を後ろに束ねている。顔立ちだけみれば、まったく恐怖の対象になどはならない相手。
それだけに、彼女が凶器を突き立て脅してきているという事実に修也は焦燥していた。

「怪しい奴ね……構わないわ、斬る!」

 騎士の様な恰好をした彼女が詰め寄り、両手剣を振りかぶる。ギラリと、剣の先端が輝く。いまから己を貫き殺す、一振りの刃。理解が、追いつかない。ブン、と剣が振り下ろされ―――― 

「う、わぁっ!?」

 剣に斬られる寸前。ギャリッ、と分厚いガラスにヒビが入ったような重い音が響く。目の前で、大剣の一撃が止まっていた。薄く水色のかかった、半透明の板。死の斬撃を止めたのは、ソレだった。
バリアのように修也を守ったソレの正体が分からないまま、修也は腰が抜けたまま動けない。

生命 Life-維持Save-装甲Shield1減少。残り装甲4〉
 
 電子音声のような声が聞こえる。だが、声の発生場所が分からない。――今の攻撃で、シールドが減少した? たった今起こった現象のことを伝えているのだろうか。あと4回までしか防げない?
こちらを潰しに来ただろう相手は、逆に怯んでいた。

「何よアンタ、そんな防御魔術が無詠唱で使えるなんて……!? 余計に怪しいじゃないのっ!」

 彼女は攻撃を止めるどころか、警戒を緩めない。一度距離を取り、もう一撃仕掛けようとしている。ようやく足が動くようになり、修也は立ち上がった。
現実離れした状況。あと何回か攻撃されるまでに逃げ切る事ができるのだろうか。あるいは、なにか反撃手段は無いのか。

装甲Shield-反撃Counter可能。発動しますか?〉

 一瞬、声の意味が判らずに聞き返した。

「……は、はい?」
了解Okey装甲Shielld-反撃Counter発動Release.〉

 突如、敵と修也とを遮っていた半透明の装甲が眩い光を放つ。眩しさのあまり目を閉じてしまった。再び彼が目を開いたとき、信じられないモノを目の当たりにした。

「――ギチ……ギチチィッ……」
「なん……なんなんだよ、こいつ……!?」

 背中にはギザつく黒い甲殻を持つ、ムカデの様な多足生物。しかしその大きさは普通の高校生男子である修也を僅かに超えるほどの、もはや虫とは言えない程に巨大な怪物。
突如として出現した『ソレ』は後側の脚で立ち上がり、周囲を威嚇するかのように牙をギチギチと鳴らしている。

「やめっ……こっち来るなぁっ……!」
「ギチィッ……」

襲われるのかと身構えた瞬間、怪物ムカデはくるりと背を向けて騎士の方を向いた。そして目の前の彼女を標的にしたのか、溢れんほどの牙を口から剝き出しにして全身を立ち上げる。

特殊Extra-召喚Summon隷属Parasrave-Warm

再び、どこからか電子音が響く。空中に浮いていた装甲の破片が手元に飛び込み、右手に一枚のカードが現われた。修也が見る限り、ちょうど目の前の怪虫の姿と同じような姿が描かれた黒色のカードだった。

【隷属虫/ワーム
『このクリーチャーが特殊召喚された場合、以下の効果を発動できる。
このクリーチャーをトラッシュすることで、相手クリーチャーのコントロールを得る。効果対象のクリーチャー属性にワーム寄生パラサイトを追加する。』

〈特殊効果、発動可能。自動的に1体を対象に取ります〉
「は……はいっ!」

 カード内容も把握できないままに、修也は見えざる『声』に肯定の意を返す。すると、それに反応したかのように黒々とした怪虫はギチィ、と粘っこい音を発した。

了解Okey.  特殊Extra-効果Effect  発動activate.〉

 怪物ムカデが地面に伏した――と思いきや、女騎士の方に疾走はしる。彼女も動揺はしたものの、両手剣を構えて怪物相手に剣を振り抜いた。
――だが斬撃の寸前、怪虫は体勢を変えて背を向ける。甲殻で剣を受け流したのだ。

「なっ……!?」

 虫を断ち切ると思いきや、剣は鈍い金属音を立ててひしゃげてしまう。渾身の一撃が弾かれた事に、彼女は動揺を隠すことができない。その刹那、怪虫の牙が彼女の喉元に突き刺さった。

「ギチィィッ!」
「ひ……ぁ゛……」

 麻痺毒が彼女の全身を回り、動きを奪う。そのまま怪虫が彼女を喰らうのではないか、と修也は危惧した。
怪物ムカデが大きく口を開いた瞬間、べキリと鈍い音がなる。虫が頭から、裂けていた。

「なっ……中にっ……!?」

割れたムカデの頭から、更に別の影が現われる。ヌルリ、と怪虫の『内側』から現れたミミズのような巨大な線虫。
現れたそれは、麻痺毒で倒れている女騎士の頭に近づく。何かを探るように頭の回りを動き回る。べたつく怪虫に、彼女は成すすべもない。
『入口』を見つけたソレは、耳に近づいて。

 グチュリと肉を裂く音が、修也にも聞こえてしまった。

「ぁ…………あ゛あ゛ぁ゛ぁ!? 痛゛い゛っ……!? 気持ぢ悪い゛!! お゛、ぼ、あ゛っ」

 ビクリと全身を跳ねさせ、震わせる彼女。牙の麻痺毒の効果を上回るレベルで、彼女の全身が拒絶反応を起こしている。
だが、ソレの侵入を防ぐことなど最早不可能。耳の鼓膜も、頭蓋も、あらゆる防壁を破壊し『ある1点』を探り当てた。

「気持ち゛悪い゛、い゛だい゛、きもち…………えっ………ぁ……」

 寄生虫が彼女の『奥底』に繋がって。彼女を構築していた肉体、精神を溶かし、混ざり、融合する。
痛みと苦しみが麻痺したままま、生物的本能を満たすために。快楽信号だけを脳から発するように、真っ先に作り変えられる。

「きもち……いい……? とけ、てる……あたし……♡ とけてるのに、キモチイイ……♡♡♡」

 脳髄を、内臓を、骨格を。内側から貪り、同時に再構成する。苦痛に歪んだ顔が、呆然とした顔に変わる。
グチュリ、グチュリと肉が溶け合う音と、固まる音が入り混じった彼女は、苦痛を感じる神経すら失って。段々と、笑顔で受け入れるようになった。

「ぃ……ひっ♡♡♡ あひっ♡♡ あぎっ♡♡ いひひぃっ♡♡♡ これっ♡♡ あたしがっ♡♡♡ ふふぇっ♡♡♡ アタシになってるっ♡♡♡ 消えっ♡♡ 同じになるっ♡♡♡♡」

 涙と笑顔を同時に浮かべながら。ピンと身体を跳ねさせて、遂に彼女は、前のめりに倒れ込んでしまう。そして、ピクリとも動かなくなった。

 ――目前で起こっているのは、悪夢なのか、現実なのか。ようやく足に力が入るようになった修也は、立ち上がって様子を伺う。
ぐったりと倒れ込んだ彼女。恐る恐る、そちらへ近づくと。

 彼女が突如、ガバっと起き上がって修也に抱きついてきた。慌てて逃げ出そうとする修也に、彼女は。

「…………ぁハっ♡♡」

 何も映していなかった彼女の瞳が、奇妙に歪み。笑顔を作った彼女は、そのまま顔を近づけ、こう告げる。

「ご主人さまぁ……♡♡♡」
「……へ?」

敵性存在の殲滅を確認All Enemy Exterminated.  あなたの勝利ですYou won.〉
いつの間にか、右手には手甲の様なものが備わっていて。先ほどから鳴っていた無機質な音は、腕の機械から鳴り響いた。

――――――――――――――――

「待ってくれ……! あんな変な虫を呼び出したのは悪かった! だけどこっちもコントロールできてた訳じゃ無くて……!」
「ふふっ……♡ ねぇ、アタシがその『変な虫』だったら、どう思います?」

 起き上がった彼女に無理やり腕を捕まれ、酒場に引き釣りこまれ、今はその2階の宿の一室に二人で居る。発言の意図が分からず、修也は問いかけた。

「『あの甲虫』……? あれの中のミミズが君の耳の中に入っていって、それから……」
「そう! 今、アタシの『この身体』を使っているのは『その虫』の更に中に居たミミズの様な虫なんです!」
「……何を……言って……」

 曲がり角で落下してからの出来事。剣を持った彼女に襲われ、突然の機械音、現れた甲虫、いきなり敵意を喪失し、自分を『御主人様マスター』と呼ぶ彼女。
現実の常識が、ここでは通用しない。今でも、夢でも見ているのではないかと修也は思っている。
だけど、首筋に当てられた冷たい剣の感覚。怪物ムカデを見た時の鳥肌の感覚。今隣に居る彼女の息遣い。
――これが夢であるはずは、無かった。

「君が……えっと、この場合どっちになるんだっけ……俺が『元々の君の体だった甲虫』を呼ぶことが出来たのって、さっき突然出てきた手甲とカードに関係してるのか?」

 死の斬撃を防いだ装甲も、気が付かないうちに右手に出現して、戦い方を指示していた電子音も今は無い。修也の右手に現れていたはずの機械仕掛けの手甲は消え去っていた。
あの虫が描かれていたカードも、どこにもない。自身をルーネッタ=ミルディスと名乗る彼女は、修也の疑問に答えた。

「んーと、あの右手に現れたディスクホルダーはあくまでも召喚器サモニングデバイス、アタシたち異世界の住人を呼び出すための儀式を簡略化した機械と考えて頂ければ。
それで、ご主人様マスターの召喚に応じてアタシが……さっきのキモイ虫が喚ばれた訳ですね」

 異世界。修也にとって、この異常な現実を無理やり理解の範疇に押し込めるには十分な答えだった。いま修也が居るこの世界は、普通じゃない世界。
予想の出来ないようなことが次々に起こる、とんでもない世界。狂いそうになるのをギリギリで押しとどめ、修也はルーネッタに質問する。

「それにしても……元々の虫の姿だって自分だろ? 結構手厳しい事言うな?」
「アタシが『この人間ヒト』になった時点で、ミミズみたいな姿も、ルーネッタの姿も、両方『アタシ』になったんですよ。『ルーネッタ』としては、元の自分ミミズが気持ち悪かったなぁって思っているので」
「どっちも自分……つまり、ルーネッタとして振る舞うことも出来るってこと?」

 修也の疑問に、『ルーネッタ』は笑顔で頷く。

「えぇ。そしてアタシはルーネッタであり、『隷属虫』……そして、ご主人様の忠実な下僕です♡」
「……お、おう?」

 そう言いつつ、ルーネッタは自らが纏っていた鎧を外し、纏う衣すら脱いで下着だけの姿になる。部屋に備え付けのロウソクが、彼女の素肌と薄紫色のショーツを照らしていた。

「なに、してるんだ……?」
「いやー、『アタシたち』の種族って結構他の種族から敵視されていて。ほら、内側から身体を喰って操るなんて驚異的な能力じゃないですか」
「お……うん。自分で言うんだ、そこ……」
「だからアタシたちはなるべく沢山の子を産むよう、習性を持っているんです。乗っ取ったカラダでもソレができるように、もうカラダだって作り変えた後なんです。だから……」

 くねっ、とシナを作った彼女の肢体。それが修也のすぐ近くまで寄ってきて。

「御主人様、アタシと繁殖セックスしましょ♡」
「………………ふぇ?」

 ベッドの縁に座っていた修也が、急に押し倒される形になる。たわわな乳房が、彼の目の前に迫ってきていた。
そのままルーネッタは、獲物を逃さないかのように両手で彼の逃げ道を塞ぐ。柔らかな塊が、修也の口元に押し付けられた。

「むぐっ……ふむぅっ……!?」
「どうですか、アタシのおっぱい♡ 『元々のアタシ』はあんまり大きすぎて、他の男の人からじろじろ見られたりして嫌だったんです。でも『この身体』、オトコ  ヒトがもーっと悦ぶように、造りかえることだってできるんですよ?」

 口の中に、何かの液が放出されるのが分かった。生温かく、なめらかで若干甘みを感じる。ルーネッタが胸をギュウと絞ると、その液が彼の口の中を満たし、甘い薫りで頭をクラクラさせる。
痺れるような感覚と共に、修也の全身が火照る。

「飲んじゃいましたね……♡ アタシの母乳、催淫効果も強めてあるから……♡ 我慢しなくていいんですよ♡♡」

 呼吸するだけの余裕は与えてくれるものの、口の中を甘ったるい乳が支配してくるかのよう。段々と、自分の呼吸が荒くなり体温が上がったかのように修也は感じる。
それどころか、ドクドクと下半身に血流が集中するかのような感覚。敏感になっているソコを、ジーパン越しにルーネッタはそっと撫でる。

「ぐ……ぅ……!」
「御主人様ったら、そんなに我慢して……♡♡ カワイイですけど、そんなの無駄な抵抗ですよーっと♡」

 ジーンズの股間部分の布を、手の力だけでルーネッタは引き裂いて見せる。あまりの事に修也は瞬間あっけにとられた。
圧迫から解放された彼のペニスは既に勃ち上がるほどに怒張していた。それを、今度はルーネッタが優しく手の平で包む。思わず声が出るも、彼は心地よさすら感じていた。

「ひぅっ……」
「えへへっ♡♡ 『アタシ』も男の人の悦ばせ方、知っているんですから。だから、アタシに身を委ねて、アタシに種付けするだけで良いんです♡♡♡♡」

 手の扱きは、彼が精を吐き出すギリギリのところで寸止めされている。先ほど飲まされた母乳のせいか、身体の疼きが止まらない。
――だしたい。犯したい。目の前の雌を、思い切り味わいたい。そんな暴力的な性欲が、とめどなく溢れ出てくる。

「どくんどくんって、おちんちんからも伝わってきます♡♡ ムラムラして、興奮が止まらないですよね♡♡♡ もっと気持ちよくなりたいですよね♡♡♡♡」

 柔らかくて温かい。他人に触られるのがこんなにも狂おしく、心地よいものだと修也は知らなかった。

「ルーネッタ……もうオレ、限界……!」
「はいっ♡♡♡ ワタシは貴方様の支配コントロール下ですっ♡♡♡ 望み通り『使用』してくださいっ♡♡♡♡」

 御主人の降参宣言を嬉しそうに聞きながら、ルーネッタは誘い込むかのように自らのワレメに指を当て、くぱぁと開いて見せた。
いきり立つ彼の息子を挿入するのに、躊躇することすらできずに膣に突き入れる。

「ふぅっ♡♡ すごっ♡♡♡ オクまでキてますっ♡♡♡♡ もっと♡♡♡ 激しくシていいですからっ♡♡♡♡」

 脚を絡めつかせ、だいしゅきホールドの形になりながら2人でベッドで絡み合う。
ルーネッタの表情があどけない少女のようでありながら、ギラつく瞳で男を求めていた。互いに深くキスを、唾液と舌と匂いとを混ぜ合う。

「ぷはぁっ♡♡♡ あはぁっ♡♡♡ ナカにズンズンってキてっ♡♡♡ イイっ♡♡♡ コウビすきっ♡♡♡♡」

 勢い任せに腰をぶつけ合い、己の肉欲を満たす。パツン、ぱつんと肌の重なり合う音が響く。挿れた膣内は、まるでペニスを優しく愛撫されているかの様に自然と理想通りの動きをする。
修也がルーネッタを犯しているようで、しかしまるで彼女に犯されているかのように錯覚する。

「はぁぅ♡♡ はぁっ♡♡ ぜぇーんぶ、アタシのナカに射精してくださいっ♡♡♡」

 理性も倫理観も、ドロドロに溶かされてしまった修也には抑える術など無い。マグマのように吹き上がるモノを、思い切り放出する他なかった。

「あっ♡♡♡ キてるっ♡♡♡ せーえき来てるっ♡♡♡♡ これ好きぃっ♡♡♡」

 脚の絡みつきと腕での抱きしめが一段と強くなり、重なっていない体の部位は無いぐらいにルーネッタと修也は抱き合う。
肉棒から溢れ出た精液の一滴をも搾り取らんと、ルーネッタの膣壁が蠕動した。

「――ねぇ御主人様マスター、アタシおかわり欲しいなぁっ♡♡♡♡」

 脱力しきった彼の口に、ルーネッタの胸が当たる。ぎゅう、とおっぱいを絞ると同時に甘い香りとドロリとした舌触り。
自然と赤子のように授乳を受け入れてしまい、魔力の込められた母乳を呑み込む。すると、萎えかけてきた彼のペニスは再び大きさと硬さを取り戻した。

「んくぅっ♡♡♡ またアタシのナカでっ♡♡♡ 大きくなってますねっ♡♡♡♡」

 授乳と絞り取りは、その夜何度も繰り返され。その度に修也は信じられないほどの快楽を味わうのであった。

―――――――――――――――

「ハァ……はぁっ……もう、限界……」

 何回戦かの後、修也は力なくベッドに倒れ込む。ルーネッタが最後の一滴を絞り、ようやく肉棒が空気に晒される。ふと、彼女の腹が前よりも膨らんでいる事に気がついた。

「はぁっ……ケホ……ええと、こういう事今までシた経験無いんだけどさ……急にお腹が大きくなってるのって……」
「そう、そうなんですよ! 御主人様から沢山赤ちゃんのモトを貰えたので、子供がデキちゃいました♡♡」
「…………はいィ!?」

 ボテ腹、とでも言えそうなほどに大きくなったルーネッタの腹部。人間の身体は、そんなに急に子を腹に宿せるほど柔軟ではない。
――しかし。『あの虫』が入り込み、急に母乳が出る、普通は動かせるはずのない体の部位を思うように動かせるようになる程に彼女は『変化』している。

「いやでも、そんな急に子供ができるってどういう……!?」
「安心してくださいっ! 修也様の悪いようにはしませんからっ♡」

 そう言うなり、ルーネッタはベッドのヘリに座る。彼女の秘部が露わになったまま、ソコをゆっくりと指で撫でる。少しだけ、クリトリスにも人差し指を沿わせて。
自慰をしているかのような彼女を見て、疲れ切った修也の性欲に炎が付きかける。

「んっ……♡♡ このカラダ、やっぱりイイ……♡♡♡ はぁんっ……♡♡♡ これだけですぐ気持ちよくなれるっ……♡♡♡」

 じんわりと、宿屋の室内が雌の匂いで支配されてゆく。くちゅり、くちゅっと粘っこい水音が彼にも聞こえる。
まるでルーネッタの吐息を浴びているかのように、彼も顔が火照ってくる。

「あぁっ♡♡♡ きたきたきたぁっ♡♡♡♡ ナカで増えてたコ♡♡♡ どんどんクるっ♡♡♡♡」

 異変は、その直後に起こる。オーガズムを感じたのか、ルーネッタは時折ビクンと身体を跳ねさせる。
すると妊婦のような彼女の膨らみが、ドクンと脈を打ったのだ。何個かの塊が、徐々に下に降りてくる。

「はぁっ♡♡♡ あっ♡♡ でちゃうっ♡♡♡ 産卵するっ♡♡♡ 産卵アクメ♡♡♡ キメちゃ♡♡♡ あ゛ぁぁぁっ♡♡♡」

 盛大に潮を吹きながら、ルーネッタのアソコからナニカが産み落とされてくる。現れた透明な球体が、ぽとりと床に落ちた。
見た目はゼリー状の、透明な卵。恐る恐る修也が指先で触ると、プルンとした弾力を感じる。

「ふうっ……♡♡ 御主人様……っ♡♡♡ その子たち、『カードにしてみて下さい』♡♡」

 どういう意味か、修也には理解が出来なかった。この卵、らしき物をカードにする? 
ふと、『隷属虫』を呼び出したときに右手に現れた手甲とカードを思い出す。あの虫が現れたと同時に手元に現れたカード。あの時の感覚を回想して――

「えぇと……さっきの手甲……どんな形だっけ……! うわ出たっ!?」

 機械仕掛メカメカしさ全開の手甲を思い出すと、右手の手にわずかに熱さを覚える。一瞬右手が光ったと思うと、そこには再び手甲が装着されていた。
ルーネッタ曰く、召喚器サモニング・デバイス。この手で、逆に卵を握ったらどうなるだろう。

 恐る恐る、手甲の親指と人差し指で卵を摘もうとした。すると、卵がキランと鱗粉のような発光を残して消えてしまったのだ。その代わり、つまんだ指先に一枚のカードが残る。

【寄生虫の卵】
『このカードはクリーチャーに装着できる。ターン終了時、装着したクリーチャーのコントロール権は【寄生虫の卵】を召喚したプレイヤーに移る。
クリーチャーの属性にワーム寄生パラサイトを追加する。』

 汗ばみ、艶やかな表情のルーネッタがニッコリと微笑んでいた。

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