憑依した女の子の嗜好を歪める話

ドライパイン

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憑依した女の子の嗜好を歪める話

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「うぅ……なんだか寒気がする……」

 宮代凛は、学校から帰宅後早々に呟く。残念ながら両親は働いていて、家には他に誰も居ない。
 日中過ごしている時は全然問題なかったのに。急に風邪でもひいたのだろうか、頭がぼーっとして少し寒気がする。家の救急箱から感冒薬を取り出し、ごくりと飲み込む。自分の部屋に入り、さっさと横になろう。
 そう考えて部屋のドアを開いた。
 
「……あたしの部屋だ」

 机には友達と一緒にデコったプリクラ写真、教科順に並べられた教科書。薄い桃色の掛け布団とベッド。枕の近くには、大好きなキャラのぬい。
 下着を入れたタンスの上には、家族写真も並べている。そして、いつも外に出るときにはきちんと身だしなみを整えるための姿見。──いつもの宮代凛アタシの部屋。なのに……どこか、初めて見るような感覚。新鮮で、ドキドキする。これも風邪の症状だろうか。
 
「はぁ……いやいや、早く制服脱いで横になろっと……」

【制服を脱ぐ】。その言葉をアタシが言った瞬間。何故か、ドクンと脈が早くなる感覚。呼吸もどうしてか、荒くなっている。何のことはない。ただいつも通り服を脱ぐだけ。それなのに──ドキドキしている自分が居る。

(制服がシワにならないように、姿見で自分を見ながら脱がなきゃ)

 ──そんな考えが、頭によぎる。確かにそうだ。乱雑に脱ぎ捨ててシワになったら、明日登校するときにまたアイロンを掛けるのが面倒だし。
 姿見に向き合って、宮代凛アタシの姿がそこに映る。
 少しだけウェーブの掛かった黒髪ミドル、少し伏し目がちな瞳。影をほんの少し帯びた──おっぱいの大きな女の子。
 
「……ぇ?」

 なんでアタシは。制服の下から主張する、邪魔な胸の膨らみを凝視していたのだろうか?
 いっつも男子たちの下衆た視線を受ける、面倒なだけのモノに。
 
(制服を着ててもこんなに張ってるんだから、脱いだらもっと凄いのかな)
「……そうだ、制服脱ぐんだった」

 本当に今日は変な感覚だ。自分の部屋が新鮮に見えたり、おっぱいの大きさに改めて驚いたり。
 相当悪い風邪にかかってしまったのかも知れない。そう思いながら、ブレザーのボタンを外してハンガーに掛けようとする。
 ──ブレザーが、アタシの手から落ちた。
 
(うっわ、ヤバ……ワイシャツがくっきりおっぱいの形になってる……凄え……)
「──凄い、アタシのおっぱい……」

 まじまじと。アタシの視線は、鏡の向こうのアタシのおっぱいに吸い寄せられる。
 わざと大きめのブレザーを着ていたけど、ワイシャツはそうもいかず。アタシの大きな膨らみがくっきりと露わになる。ぱっつんぱっつんの胸を凝視していたアタシ。
────!?
 
「な、なにしてるのアタシ……!?」

 まるで。まるで、いつも男子たちがアタシに向ける、舐め回すような視線。それを、自分が自分自身に対してぶつけていたことに。驚きと恐怖が入り混じって。
 
(──こんなにおっきなおっぱいなんだから、見つめたくなるのも当然だよね)
「──────そうか、そう、だよね……見つめちゃっても、変じゃ、ないよね……」

 変だ。なんでこんなにおっきなおっぱいがあったのに、アタシは忌避感を持っていたのだろう。
 むしろ、これを目に納めないのは失礼というものだ。軽くピョン、と跳ねると。ゆさりと重さのある揺れが胸に伝わる。驚きとともに、鏡のアタシに色っぽさを感じてしまって────
 
「い、いやいやいや!? な、何なのアタシ!? こんな事して──」
(鏡の凛ちゃん、おっぱいがユサユサ揺れててエッチだなぁ……)
「──そう、だよね……こんなにエッチな身体してたら、自分を見て興奮もしちゃう、よね……♡♡」

 目を見開くと、くりんと丸い瞳。まつ毛も綺麗で。ワイシャツの布一枚、ボタンを外してしまえば。
 そこに大きなおっぱいがあるんだと思うと、ドキドキが止まらなくなって。思わず手が伸びそうになり──
 
「……なんで……アタシ、自分のおっぱいを揉もうとしてるんだっけ……」
(だって、おっきなおっぱいを揉みたくなるのは当たり前でしょ。凛ちゃんのカラダがエロいのが悪いんだよ)
「──そっか……アタシのカラダがエロいんだから、しょうがないよ、ね……」

 ぷち、ぷち、と。アタシはワイシャツのボタンを外す。後の方は、もうワイシャツを破いてしまうんじゃないかというほど乱暴に。邪魔な白い布を放り投げて──アタシは、鏡に向き合う。
 
「うっわ……♡」
(エッロ……)

 白いレースのブラジャー。綺麗な形の重力を感じるおっぱいが、ブラジャーのカップでぎゅっと締め付けられて。
 ゴクリ、とアタシはツバを飲む。綺麗なのに、エロい。触りたい。柔らかさを直に感じたい。
 両手を自分のおっぱいに当て。そして、揉む。
 
「柔らかいっ……♡♡」
(やばっ……凛ちゃんが、自分でおっぱい揉んで、オナってる……)
「あは……♡♡ ヤバ……♡♡♡ 今、エロい顔してる、アタシ……っ♡♡♡」

 顔を火照らせながら、自分の胸を弄る少女。ぞくぞくした快楽が背筋を伝って、アタシのだらしない表情に現れる。
 揉むことで直接気持ちよくなっているというよりは──鏡の向こうの美少女アタシが誘うように自分の胸を揉んでいることに、ドキリとする。
 いつも男子たちがアタシの胸に向けてくる視線の意味が……少し分かる気がして。
 
(ブレザーから分かるぐらいエッロいおっぱいしてたら見られるのも当然だよね)
「望海ちゃんも……アタシと同じぐらいおっきかったなぁ♡♡ ──やば♡ 着替えの時思い出したら……♡♡♡」

 宮代凛アタシの口から出たのは、クラスメイトの笹部望海ささべのぞみの事。あの子は私よりも高身長のモデル体型。
 でもおっぱいはアタシよりもおっきいという、女性的魅力に溢れるギャルで。
 当然、アタシも望海ちゃんも、今までは男子から向けられてくる厭らしい視線に辟易する、という話題で盛り上がっていた友人。
 
「体育の授業でっ……着替えてる望海ちゃんの格好っ……♡♡♡ あ、あはは……ちょっとココ、完全にキてるかも……♡♡♡」

 さっきまで冷えていた背筋や全身だったが。今はむしろ興奮で熱く、ドクドクと心臓が脈打つ。鏡で見た凛ちゃんアタシがエロかったから?
 それとも、アタシの友人で、友達の間柄では無防備な望海ちゃんの事を思い出したから?
 ──どちらにしても、アタシの乳首は興奮に敏感で。ピンとブラの内側で漲ってくる。乳腺にクる。
 
「ああもう、じれったい、なぁっ……♡♡」

 白色のブラジャーを外す。一瞬だけ手がもつれるが、ブラの外し方なんていつもしていることだから。簡単に外れて。ポイ、とワイシャツと同じところに放り投げる。──予想した通り。綺麗なピンク色の乳首だ。いつも見ているのに。
 
「わぁ……綺麗……♡♡」

 ビンと勃った乳首と対象的に、乳輪は淡い桃色で。全然弄っていないそこに、アタシ自身の事なのに昂りが抑えられなくて。何のためらいも無かった。片方は乳首をこりこりと弄り、もう片方はおっぱいを『むぎゅぅぅ♡♡♡』と強く握る。
 
っ……♡ あっ……♡♡ 痛いけど、気持ちいいっ……♡♡♡」

 予想以上に指先にチカラが入って、一瞬痛みが走ったけど。それでも、のぼせたカラダにはこれぐらいが刺激的で。思い出す。今日の授業で見た、他の女子生徒たちの着替え。アタシの友達同士でシた、無防備な間接キスや、下着だけで抱きつくようなおちゃらけた行為。
 なんでも無かったはずのそれが……今日は、すごくエロい事のように思えてしまって。
 
「でも……でもっ……♡♡ 足り、ないっ……♡♡♡♡」

 アタシのおっぱいを揉みながらも、妄想するのは──望海ちゃんのおっぱいを揉みしだく光景。
 前は望海ちゃんがおふざけでアタシのおっぱいを揉んだけど。
 あの時よりも激しく、もっと柔らかいだろうあのおっぱいを揉みたい。
 もっと……刺激的な事が、シたい。
 
「アレ、使おう……」

 普段は異物感がすごくて、あまり使わないモノ。興味本位で両親に内緒で買ったけど、結局1回先端を腟内に挿入れるので止めてしまったディルド。
 机の鍵付き部分に隠したソレを取り出して、ベッドに寝転んだアタシは。知らぬ間にぐっしょりと湿っているショーツを破けそうな勢いで脱いで。
 
(うぁ……凛ちゃん、意外とエグいの持ってる……ギャップが凄くて、また興奮する……)
「改めて見ると……イボ付きディルドなんて、アタシらしくなくて逆に良いよね……♡」

 流石に膣奥まで全部挿入れるつもりはないけど。姿見でM字開脚をして、チンコを模したディルドを挿入れようとするアタシを見てしまって──
 
(凛ちゃん、挿入れるよっ──)
「挿入れる──よ゛っっ♡♡」

 異物感。ぴっちりと閉じていたおまんこが無理やり開かれる。少しの動きで膣壁が擦れて。ぞくぞくが、とまらない。くち、くちゅ♡♡ とディルドの先端だけを前後させる。今にもイきそうな顔で、宮代凛アタシが自分の身体を犯していた。
 ────酷く、興奮した。
 
『もっとっ……♡ もっと、気持ちよくっ♡♡♡ くちゅくちゅって♡♡♡♡ シたいっ♡♡♡♡』

 熱に浮かされたように。アタシはオナニーを止められず。『全部自分の意志で、エッチな事をシてしまっていて』。そんなアタシが『自分なのにエロく見えて仕方なくて』。それがすごく嬉しくて。
 
「凛、ちゃん゛っ♡♡ イくっ♡♡♡ 凛ちゃんのカラダでイくっ♡♡♡♡♡」

 アタシを他人のように呼ぶ方がしっくり来て。
 この女体を味わいたくて。
 こいつをイかせたくて。
 このカラダでイきたくて。
 
「あ、あああ゛っ♡♡♡♡ ひゃぁああん゛っ♡♡♡♡♡」

 視界がチカチカとして。全部が真っ白になって────
 
 
■■■

 夕刻も過ぎ、日の沈みかけた夕方5時過ぎ。ベッドに横たわっていた男は──ムクリと起き上がる。そして、ため息を一つ。

「なんだか凄い夢を見ていた気がしたけど……気のせいだよなぁ、やっぱり」

 彼の手には水色の硝子玉が握られていた。昨日の会社帰りの道すがら、怪しげな屋台を引く青年に声を掛けられた。土地勘が分からないから、と語る青年。彼を駅まで案内すると、幾つかの硝子玉を渡された。その時に言われたのは。
 
「『心を通わせたい人物』を思い浮かべて、この硝子玉の1つを握り、少し早めに眠ってください。きっと面白いことが起きますよ」

 好青年という感じの、ひょっとしたらベンチャー企業でも立ち上げているのだろうかという印象を与える彼だったが。その言葉を発したときだけは──口元に妙な笑みが浮かんでいた事を思い出す。
 
「──まぁ、結局は何も起こらなかったわけだが」

 今日は別の用事もあり有給休暇を申請していて、早くからやることもなく。試しに硝子玉を握って眠ってみたものだが。まぁ、何かを損した訳ではないので大した怒りも無い。夕食を作ろうと、ベッドから立ち上がった──その時。
 スマホの画面にメールの通知。差出人は知らないアドレス。だが、スパムメールではないらしい。
 中を開くと。
 
『もうすぐ着くよ』

 ──何のことだ。熟考する猶予もなく、玄関のチャイムが鳴る。来訪者をインターホンで見ると。
 
「…………嘘だろ」

 つい先程まで見ていた夢。『宮代凛』になり、淫らなことをする夢。その彼女が、自分のアパートの前に立っている。
 訳が分からない。彼女は近くのアパートに住んでいるだけで、全く接点がない。だが……彼女が2度目のチャイムを鳴らしたため、仕方なくドアを開く。
 ドアを開いた瞬間。彼女は俺の部屋に入り込み、玄関の鍵をガチャンと締めた後。靴を乱暴に脱ぎ捨てながら、俺に詰め寄る。
 
「貴方だったんですね! アタシの事を狙っていたのは! このデカパイを好きにしたいって見てたんでしょう!?」

 穏やかそうな彼女が声を荒げながら、上目遣いで怒ったように俺にくっつく。俺は慌てて否定の言葉を上げようとしたが──
 
「ほら! こうやってアタシがおっぱいを当てただけで、そのチンコが勃起しちゃってるんでしょう!」

 宮代凛は怒った表情を見せながら──俺の肉棒をジーンズ越しに擦る。彼女の身体の柔らかさと、陰茎に与えられる刺激で、頭が混乱してしまう。
 
「まぁ──こんなエロい身体してるアタシが悪いんですよね? 狙われちゃっても仕方ない、ですよね♡♡」

 サス、サスと弄られるだけで。硬いジーンズの下で痛いぐらいに勃起してしまう。彼女は何を言っているのか……その時。
 先程の夢、握っていた硝子玉。それらの情報が頭で繋がった気がした。
 余りにオカルトじみていて信じがたい。でも、信じる他無い。
 
「例えば──このおっきなおっぱいで、パイズリなんかされたら。どうなっちゃうんでしょう、ね♡♡」

■■■

 どたぷん、と自分の股間に柔らかくて重たい肉が被さる。
 下着や服は汚れるとマズイから、という理由で。眼の前の『凛ちゃん』は生まれたままの姿で。
 
「それじゃ、イきますよ♡♡♡ えいっ♡♡♡♡」

 むぎゅぅぅ♡♡ と乳圧でペニスがしごかれる。マシュマロみたいに柔らかく、肉感のある重みが上下するたびに。
 自分の肉棒が恐ろしいほどの快楽に襲われる。
 
「ヤッバ……♡♡♡ パイズリでガチガチになってるチンポ、面白っ……♡♡♡ え~い♡♡」

 ぱっちゅん、ぱっちゅん。初めて会話する彼女と、あっという間にこんな事をする関係になって。
 やっぱり、やっぱり。あの硝子玉は、タダの置物なんかじゃなくて。
 
「射精そう? もう3回ぐらいかなぁ? それ、さ~ん♡ に~ぃ♡♡ い~~ちっ♡♡」

 数字とともに乳房が上がり、下がり。乳オナホに刺激された肉棒は、もう吹き出す寸前で。
 
「──ぜろっ♡♡♡」

 囁かれた声に呼応するように。肉棒から天井に突き刺さりそうなほど勢いよく射精してしまって。

「……うっわ~♡♡♡♡ 『自分のこと』ながらビックリしちゃった♡♡♡」

『宮代凛』はそう語る。
────やはり、アレは。夢ではなかった。
絶頂の余韻のまま、彼女は俺に囁く。

「ねぇねぇ。まだあの硝子玉には余りがあるでしょ。ちょうど『俺』が好きそうな娘、『宮代凛アタシ』は知ってるんだ。アタシの友達で……アタシよりも可愛くておっぱいの大きな娘♡♡♡」

 精液にまみれた乳の中で。俺の肉棒が、再び硬さと熱さを取り戻す。
 
笹部望海ささべのぞみちゃんって言うんだ……今度アタシが自分の部屋に誘うから、『俺』は準備して、ね♡♡♡ おっぱい同士を重ね合うレズエッチもしてみたいし♡♡♡」

 今日、初めて会話した俺と『凛ちゃんオレの一部』は──お互いに似たような笑みを浮かべていた。
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