寄生された女の子が脳みそ弄られながら良い『苗床』を探す話

ドライパイン

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寄生された女の子が脳みそ弄られながら良い『苗床』を探す話

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 午後の昼下がり。とある小学生たちは、教師引率のもと「生活」の学外活動を行っていた。
 
「みんな、虫かごにちゃんと虫は採れたかな~?」

 春先の温かい時期、ちょうちょや色々な虫が採れる時期。子供たちは虫取り網と虫かごを用意して、公園の色々な場所を走り回っている。
 既にテントウムシ、モンシロチョウなどいろいろな虫を捕まえている活発な子もいれば。
 
「うぅ……全然とれないよぉ……」

 牧野李緒。同学年の女子よりも更に小さく、俊敏な動きが出来ない。止まっている蝶を捕まえようにも、上手く虫取り網を振る事も出来ず
 逃がしてしまったり。網に入れる事が出来ても、カゴに入れる時に失敗してしまったり。
 
「このままじゃ、何もとれないままおわっちゃう……」

 少しでも虫の多そうな場所。公園の中の、植林地。少しだけ日差しが遮られて、仄暗い場所。
 もちろん、暗い所は怖い。だけど……虫を取れなくって、悲しい気分になるのはいやだ。意を決して、李緒は林の中に入り込む。
 
「うぅ……でも、やっぱり暗い……」

 小さな彼女の体躯を、更に縮こまらせて。彼女はおずおずと、周囲を確認する。花畑や草木の間はもう捕まえられなかった。
 何とか、自分以上にずっと背の高い大木を眺めながら──虫の姿を探す。
 
「ぁ……あった!」

 それは……虫というには、種族が違ったが。こげ茶色の木の幹、その低い位置に白い虫がいた。じっくり見ると、それはナメクジで。
 李緒は慌てた様子で虫取り網を持って──それを捕まえる。蝶のように、それが逃げる事は無く。
 
「や、やった! 捕まえた……」

 何も捕まえる事が出来ず、空っぽの虫かごを持って帰る必要はない。李緒は一安心して、虫かごにナメクジを入れようとした。
 ────その時。李緒の頭上に、ジトっと湿った何かが降って来る。ゾッとした彼女は。
 
「い、いやっ!? な、なにっ!?」

 慌てて彼女のボブヘアを手で触り、その正体を掴もうとした。──しかし。その時には、既に遅かった。
 李緒の頭上に振ってきた『何か』。それは、先程彼女が捕まえたナメクジと似たような姿をしていて。
 しかも、素早い動きで彼女の手を搔い潜り──彼女の耳に、入り込んだ。
 
「……い゛っ!? あ、ゔぅぅぅっ!! あ、あたまが……っ みみ、いたいっ……!!」

 開けた場所であれば。様子のおかしい李緒を見れば、すぐに駆け寄っただろう。ただ──不運な事に。林の内側に居た彼女の異変に、誰も気が付く事は無く。
 
「いた……ぃ…………ぁ、れ……いたく、なくなった……?」

 ──痛みが無くなったのは、寄生虫が無くなったからではない。寄生虫ナメクジは鼓膜の表面を薄く破り、更に内側に、内側に侵入していって。
 それと同時に、神経毒を流していった。麻酔の様に、痛みを感じなくなり。そして、思考を鈍くする毒。
 
「あ……れ……? なんだろう、あったかい……♡♡ ふわふわして……♡♡♡」

 李緒の耳に入り込んだ寄生虫。聴神経から脳幹を食い破りながら、それと同様の性質を持つ細胞を生成する。
 しかし、新しくできたものは『寄生虫』の細胞。ソレを繰り返しながら、寄生虫は李緒のある場所へと向かってゆく。
 
 ソレに『寄生虫』が接続した瞬間。李緒の思考は。
 
「──え。ぁ、ぁあっ。お、ぁあぅ? ぁ──ぁひっ♡♡♡ あ、ぁああ゛~~っ♡♡♡♡」

 幼い喉から、悦ぶ雌の鳴き声が響く。思考を司る脳、それを食い破られる。普通の寄生虫であれば、人間が耐えられるはずもない。
 しかし──侵食すると同時に、同じ期間を寄生虫が作り上げる。同じ機能を持つ細胞。だが、それは李緒のものではない、寄生虫のモノ。
 
「あ、あれっ♡♡♡ アタシっ♡♡ アタシのなかっ♡♡♡♡ べつのふわふわきてりゅぅ♡♡♡」

 ひっくり返って李緒は。ビクビクと身体を震わせ、初めての快楽に塗りつぶされてゆく。抵抗するという事は、頭から既に抜け落ちていて。
 代わりに、李緒の頭に『何か』が語り掛けてくる。

「アタシの頭に虫さんがっ♡♡♡ え、あっ♡♡♡ あっあっ♡♡♡♡ むしさんじゃなくて♡♡♡♡♡ もっとすごいひとっ♡♡♡♡」

 ひと、というのは李緒の表現であったが。彼女の身体を蝕む存在は、もはや李緒の存在を掌握し始めていて。

「ごしゅじんさま♡♡♡ りおのあたまでふえたいんだっ♡♡♡♡ はひっ♡♡♡♡ いっぱい、りおのなかでふえてください♡♡♡」

 ぐじゅ。ぐちゅり。頭の中で響いてはいけない音が、李緒の中で起こる。入り込んだ寄生虫は、彼女の身体の中で卵を産み。
 そしてそれが孵り、繁殖する。「李緒だったもの」が一気に食い尽くされ、代わりに置き換えられて行って。
 
「あ♡♡♡♡ あはははっ♡♡♡♡ あたしたべられてるっ♡♡♡♡♡ ごしゅじんさまがふえてるっ♡♡♡♡♡ うれしくてびくびくすりゅっ♡♡♡♡♡♡」

 最期まで──李緒は、恐怖を感じる事は無かった。初めて知る幸福の中で──李緒は。
 その全身が、『ごしゅじんさま』のものになってしまった。
 


「皆集合~! ちゃんと虫を捕まえられたかな?」
『は~い!』

 たくさんの子供たちが整列して座っている。当然のように、李緒はその中に並んでいた。
 虫かごの中には。
 
「李緒ちゃん、ナメクジなんて捕まえたの~?」
「へんなの~」

 周囲の子供たちも口々にそう言うが。李緒は不平に思う事も無く、ニコニコと笑顔だった。

(たくさん『なえどこ』がいる♡♡♡ ふやしたい♡♡♡ ふやしたい♡♡♡)

 ──内気な彼女は、最早いない。ただ、寄生虫に成り代わられてしまった少女がそこに居た。

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「ただいま~」
「お帰り~、お久しお久しの李緒ちゃんだぁ~」
「あっ、愛鳴あいなお姉ちゃん!」

 牧野李緒は、彼女が普段そうするように彼女の家に帰宅する。すると、高校生の従姉いとこである宮下愛鳴みやしたあいなが居た。
 従姉とは言いつつ、近所にいるお姉ちゃん。昔からの長い付き合いで、年の離れた姉妹の様にいつも仲良く過ごしていた。
 
「今日はどうしたの?」
「うちの母さんから、李緒ちゃんのママに渡すモノがあってね。だけど母さんは今日仕事でさ、代わりに来たってワケ」
「えー、じゃあ帰っちゃうの?」
「いやいや、帰ったら勉強しなきゃだし。ここは……李緒ちゃんと一緒にゲームでもしようかなって♪」
「わーい♡」

 合鍵を持っている程度には、この親戚の間柄は近い。そして、妹を可愛がるように愛鳴も接していた。
 李緒も、愛鳴の事を慕っていた。──それは、『ニンゲンだった時の李緒』に限ってだが。
 
「今日は外で虫取りしたの。それで喉が乾いちゃったから……お姉ちゃんと一緒にジュース飲みたいな、じゅんびするね!」
「おー。客人をもてなす事が出来るとは。まだまだ小さいのに偉いぞ~」

 勝手知ったる親戚の家。ゲーム機がどこにあるか、ケーブルの接続方法も知っている愛鳴は、先にゲームの準備をする。高校生と小学生という差もあり、対決ゲームではなく協力ゲームだ。
 そんな、「いつも通り」の行動をする愛鳴に対して。
 
「……っ♡」

 既に、脳も。身体中も、全てが『寄生虫ご主人様』に置き換わった李緒は。その思考の全てが、『繁殖する事』だけを目的としていた。
 コップに注いだオレンジジュースに、李緒は涎を垂らす。
 
「……ぁは♡♡」
 
 たった2滴。しかし──彼女の身体は、形こそ少女だが、人間のモノではない。
 そして。お盆にコップを2つ載せて、テーブルに運ぶ。
 
「はい、どうぞー」
「おぉ……李緒ちゃんからこんな歓迎が受けれるなんて、お姉ちゃん嬉しいよ~」

 なんの警戒心も抱かずに。愛鳴はコップのジュースを一気飲みした。
 その背後で──不自然な程に笑顔な李緒に、気が付く事も無く。
 
 ◆
 
「あ……あれ? また失敗しちゃった、ごめんね李緒ちゃん……」
「ううん、アタシお姉ちゃんと遊んでるだけで楽しいから!」

 愛鳴は違和感を覚えていた。普段と同じように遊んでいるはずなのに──どこか、頭がぼーっとする。ゲームのコントローラーを動かす指が上手く動かなかったり。
 上手く自分のキャラが……いや。自分が、上手く動かない。そんな感覚。
 
「ふぁ~ぁ……ぁ、ごめんね? なんだか眠気がして。おっかしいなぁ……」
「寝不足なの?」
「そんな事は無いはず、なんだけどなぁ……」

 欠伸を連発する程に、なんだか眠たい。柔らかいソファーで李緒ちゃんと一緒にゲームをしているのに、ふと気を抜くとそのソファーで眠ってしまいそうだ。
 
「ほんとうに眠そうだよ、お姉ちゃん。やっぱりちょっと休もう?」
「……ぃぃの? ごめん……ねぇ……」

 コントローラーを机に置くと、一気に身体が重くなる。慣れ親しんだ親戚の家とはいえ。高校生にもなったのだから、人様の家でだらしなく昼寝なんて。
 そんな思考とは裏腹に、身体はソファーに沈み込んで。頭にクッションが敷かれる。李緒ちゃんが置いてくれたのだろう。
 不思議で仕方が無いけど、眠気を我慢する事は出来ず。愛鳴の意識が沈んでいく────
 
 その最中。口元に、生暖かい感触。確かめるために重たい瞼を開くと……
 
「ちゅぅっ……♡♡ れろっ……♡♡♡ こぽっ♡♡♡」
「…………………!?」

 愛鳴が目を開くと。妹の様に思っていた李緒ちゃんが、目をトロんと蕩けさせて。顔を近づけて──キスしていた。
 顔を火照らせて、本当に愛しい人にするかのように。李緒ちゃんから伝わるキスの味が、不思議に青臭くて。
 
「……っ!? ど……どうしたの、李緒ちゃん!?」
「お姉ちゃんと……キス、したくって♡♡」
「ふぇ……? じゃ、じゃなくって! 李緒ちゃん、そんな急に、だめだよ……?」

 小学校で変な遊びでも流行っているのだろうか。それとも、何かの漫画かゲームかで変な事を知ったのだろうか。
 そんな事を安易に人にしてはいけない、と年上らしく注意しようと。愛鳴は、そう言おうとして──
 
「ッ……!?」

 『キスしたい』。愛鳴の思考に、突如湧き上がった言葉。李緒ちゃんの柔らかいくちびる。温かい体温。それを感じたい。
 李緒ちゃんの幼いリップを奪って、めちゃめちゃにしてあげたい。そんな──そんな考えが浮かんで。
 
「えへっ♡ 愛鳴お姉ちゃんも……おんなじ気持ちなんだぁ……♡♡♡ 嬉しい♡」
「だ……ッ、ダメったら、ダメ……!」

 それは。自分にキスをせがんでくる李緒ちゃんに対しての言葉だったのか。それとも、本能的に湧き上がった愛鳴自身の本能に対して
 自制する言葉なのか。愛鳴自身も分からない。だけど、自分よりもとても小さな李緒ちゃんに馬乗りになられて。
 愛鳴は、まるで拘束されたかのように身動きが取れない。興奮が、ドキドキが、愛鳴の身体を駆け巡る。
 
「ほら──あ~ん……♡♡♡ あむっ♡♡♡」
「むぅぅっ♡♡ は、はぁっ……♡♡♡ ぁ、ぁああ゛っ……♡♡♡♡」

 再び李緒ちゃんの柔らかい肌が、くちもとが。柔らかい舌が。愛鳴の口を犯し、舐めまわす。
 普通のキスなんかじゃない。愛鳴の理性をどろどろに溶かしてしまう。砂糖が表面に浮いたはちみつのように、今は李緒ちゃんのキスが甘く感じられて。
 もっと──もっともっと、ほしい。李緒ちゃんにキスしてほしい。李緒ちゃんにキスしたい。
 
「だめ……らめっ……だよぉ……♡♡♡」
「──アタシの卵、美味しかった? もっともっと、お姉ちゃんにあげる……♡♡♡」

 ……たまご? わからない。でも、でも。李緒ちゃんの事が魅力的に見えて仕方がなくって。可愛いその顔をいっぱい犯したくて。
 もしも李緒ちゃんが嫌がるなら、愛鳴は断腸の思いで堪える事が出来ただろうけど。
 ──その李緒ちゃんが、微笑みながら。愛鳴じぶんに抱き着いて、キスを求めてくるのだから。
 
「ぢゅぅぅっ💢💢♡♡♡♡ むぅうゔっ💢💢♡♡♡♡ むぢゅううっ♡♡♡♡」
「れろ、れろっ……♡♡♡ むぎゅっ……♡♡♡ っ、はふっ……♡♡♡♡」

 キスを通じて、愛鳴の喉を通った李緒の唾液。今や、身体の構造が『寄生虫』によって変わってしまった李緒。
 彼女がジュースに紛れ込ませた唾液には、痺れと眠気を誘う毒が。そして──初めに飲んだ『親』に対して強烈な愛着が湧いてしまう淫毒が。
 それら全てが、愛鳴を内側から犯してゆく。愛鳴が李緒にキスをしているのも……『李緒になった寄生虫』が、そう仕向けたもので。
 
「むぅうゔっ💢💢♡♡♡♡ りお、ちゃん゛っ♡♡♡♡♡」
「えへへへっ♡♡♡ あぁ、早く『孵る』のが、楽しみ──♡♡♡♡」

 本来の李緒の知識にはない、虫が『孵る』感覚。それが、もうすぐだと彼女自身も『虫の知らせ』で分かる。
 もうすぐ、生まれ変わった『お姉ちゃん』に会える。もうすぐ、『アタシのこども』にあえる。
 
「ぁ、ぁああ゛っ♡♡♡♡ あたま、ばくはつ、すりゅっ♡♡♡♡ きすでいっぱい゛♡♡♡♡♡」
「いっしょに、気持ちよくなって──『ごしゅじんさま』に変えてもらおっ♡♡♡♡ おねえ、ちゃっ♡♡♡♡♡」

 互いの身体が、共鳴して。
 
『──ぁっ♡♡♡ はっ♡♡♡♡♡ あぁあああああ゛~~っ♡♡♡♡♡♡♡』

 2人の少女の、艶めかしい声が部屋中に響き。
 彼女たちが居るソファーに、じっとりとした液が広がっていった。
 


 パチリ、と。愛鳴の瞳が開く。彼女の胴の上には、スヤスヤと眠っている妹のような李緒が居て。
 李緒のパンツからは、何か湿って生温い液が伝っていて。愛鳴の制服の腹部に染み込んで、少し感覚が伝わる。
 そんな李緒に対して、愛鳴は。
 
「…………ふ、ふふっ♡♡♡♡ 本当にカワイイなぁ、『ママ』♡♡♡♡」

 李緒の頭を撫でながら。明らかに年下の彼女に対して、そう言った。
 
「ママが私を産んでくれたんだね……♡♡♡ ありがとう♡♡♡♡」

 眠っている李緒のくちびるを奪う。赤子が、母親の乳を求めるかのように。『寄生虫』にとっては本能的な動きだが、『人間の知識』を得た愛鳴は別の感情と共にそれを行っていて。
 幼い少女への倒錯した興奮。あどけない彼女の顔を自分が好きなように求める事ができる興奮。同性の、幼い少女に興奮する。そんな『本能』を得てしまって。
 
「りおちゃん……っ♡♡♡ わたしも、だいすきだよっ……♡♡♡ れろぉっ……♡♡♡♡♡」

 だが。『生まれ変わった』愛鳴は、寄生虫としての本能を果たさなければならない。そういう風に、遺伝子ミームに刻み込まれているから。
 より、自分の身体に蔓延る『ご主人様』を別の『苗床』に増やさなければならない。その使命を果たすために──もっと効率の良い方法を、愛鳴の『人間としての知識』は知っていた。
 彼女の耳から落ちた、ナメクジのような寄生虫。それを愛鳴は指で優しく摘まむようにして。
 
「ふふ……もっともっと、『ココ』で増えてね、ご主人様♡♡♡♡」

 愛鳴は──自分のワレメを指で開く。彼女の膣内に、ナメクジは入り込んでいって────
 
 
────────────────────────────────────────


「うぅぅ……血豆になっちゃいました……」
「うわ、大丈夫? 今回の曲、コントラバスは指演奏ピッツが多いもんね……」

 北三条女子高校。宮下愛鳴みやしたあいなの通う学校であり、彼女の所属する吹奏楽部の練習室で。2年生である愛鳴と、1年生の新倉一葉にいくらかずはは部活終わりに話し込む。
 楽器の後片付けは基本的に全員が行うが、練習室の清掃当番などは全員でやるほどでは無い。夕日の差し込む練習室で、箒で部屋を掃いた後の事だった。
 
「だって、エレキベースぐらい太い金属の弦を指で思いっきり弾くんでしょ? それを何度もやったら痛いよね……」
「あはは……だ、大丈夫ですよ! 先輩たちも『段々慣れて指が固くなる』って言ってましたし!」

 愛鳴は吹奏楽部らしくトランペット。後輩である一葉は、吹奏楽部には珍しいコントラバスという巨大なバイオリンのような楽器。
 彼女の身長よりも大きな楽器を、小さな体躯で斜めにしながら弾いている。
 
「普段から重くないかなって心配になっちゃうよ~」
「だ、だいじょうぶですから……! も、もう先輩ったらぁ」

 部活内でも小柄な彼女が、大きな楽器を弾く様は目立つ部分もある。その愛くるしい姿に魅了される年上の生徒や先生も居るという噂もある。
 いや、噂というより。彼女たちの部活でもそんな感じの雰囲気ではあるのだが。
 
「でも、本当に心配だよ? ほら、絆創膏持ってるから。治りの早いやつだよ~」
「それってちょっと高級なものじゃないですか!?」
「いいのいいの、一葉ちゃんの傷を治せるのならこの絆創膏くんも本望というもの……」

 湿潤した絆創膏。彼女の小物鞄に入っていたそれを、あっという間に一葉の指に当てて。愛鳴の勢いに乗せられて、一葉はあわあわと慌てたまま。
 赤黒く膨らんでしまった人差し指の先に、絆創膏が巻かれてしまう。
 
「……よし! これで明日には完璧に治る!」
「も、もう……えへへ、ありがとうございます、センパイ……♪」

 恥ずかしそうに頬を赤らめる一葉。そんな行為が『あざとい』とすら映らない程に、彼女は可愛らしい。
 
「それじゃ、宮下センパイ! 部屋の鍵ロックして帰りましょう?」
「うんうん、ちゃんと鍵を掛けないとね────」

 言葉にした単語は同じ。しかし……愛鳴は、部屋の『内鍵』をロックする。その動きに、一葉は頭を傾げる。
 なぜ、そんな事をしたのだろう。純粋な疑問。ふと隣の宮下先輩を見上げると。
 
「…………♡♡♡♡♡」

 怪しげながら、満面の笑みで手を広げる、宮下先輩が居て。そのまま、強い力で抱きしめられる。
 ちょうど宮下先輩の胸元の部分に自分の顔が当たって。流石の一葉も、慌ててしまった。
 
「ちょ、ちょっとセンパイ!? あ、あたってっ……!?」
「ふふ、ふふふっ……♡♡♡♡ かずはちゃんに、たくさん私のおっぱいを飲んでほしくてっ……♡♡♡♡♡」

 あまりにも強い力で。抱きつかれたまま、一葉の顔が愛鳴の胸に飛び込み。そして──柔らかい感覚に包まれると同時に。
 生暖かい液体が、彼女の顔と喉に張り付く。粘っこく、甘ったるい匂い。思わず呑み込んでしまって。舌に広がる味も、コンデンスミルクの様に甘い。
 
「ぇ……ぁ、ぇっ…………?」
「あぁ~っ♡♡♡ こうして授乳してるとっ♡♡♡ 本当にかずはちゃん、ちっちゃくてかわいい~♡♡♡♡♡」

 一葉だって、分かっている。引き剥がすべきだ。逃げて、急に変な行動をした先輩を落ち着かせなきゃ。
 そう、考えているのに。
 
(せんぱい……せんぱいの、おっぱい……おいしい……♡♡♡)
「あはっ♡♡ もっと吸っていいよぉ♡♡♡」

 初めの宿主である李緒よりも、愛鳴の肉体は元々発達しており。それは、『寄生虫』にとっても改造にリソースが割けるという事だった。
 JKにもなり成長した胸。乳腺を刺激し、淫毒を混ぜた母乳を生成する。──そして、その中には大量の『卵』も混じっていて。
 
「せんぱ、い……♡♡ あたしのあたまのなか……ぷつ、ぷつっていってる……」
「私のこどもたちがかずはちゃんの中で『孵ってる』の♡♡ よかった、これでかずはちゃんも生まれ変われるね♡♡♡」

 それは──彼女の脳を内側から食い破る、おぞましい音だったが。『彼女たち』2人にとっては、それは福音にすら聞こえていた。
 
「李緒ちゃんがママだからぁ……♡♡♡ わたしも、李緒ちゃんみたいなカワイイ子供が欲しかったの♡♡♡♡♡」
「せんぱ──ぁ゛っ」

 内側から汚染され、食い破られ。一葉は、ビクンと身体を一瞬震わせて。
 次の瞬間には。一葉の瞳に、暗い光が宿り。もはや、戸惑いの表情などは存在せず。
 
「ぁは……あははっ♡♡♡♡ なれたっ♡♡♡ あらひのなかっ♡♡♡♡ 『わたしたち』でいっぱいっ♡♡♡♡♡♡ しあわせっ♡♡♡♡ もっとおっぱいほしいっ♡♡♡」
「もう、甘えん坊なんだから……はいっ♡♡♡♡ おっぱいミルク、たくさんあるから……ゆっくり味わって、ね♡♡♡♡」

 今の一葉は。ぞくぞくする興奮と、『母親』である愛鳴に抱きしめられ、授乳されるという行為で。身体を弄られてもいないのに、愛液が溢れ出て止まらない。
 スカートの下に来ているピンク色のショーツ。それが一気に湿って、ぐちょぐちょになって。
 お互いにしゃがみ込み、床にへたりと座りながらも。
 
「ちゅっ♡♡ ぢゅぅぅっ♡♡♡♡ ぜんぶっ♡♡♡ ぜんぶぜんぶっ♡♡♡♡ 『お母さん』のおっぱい、ぜんぶ『わたしたち』がほしぃのっ♡♡♡♡♡ やだっ、『アタシ』はもっとこども作りたいっ♡♡♡♡ 『ボク』は」
「あ~……一葉ちゃん、たくさん『子供』が産まれちゃったかも?」

 JKの肉体で育ち、蠢いた『卵』。それらを一人の人間の身体に植え付けてしまった結果。一葉の身体の中に、複数の『虫の子供』の人格が形成される。それぞれが本能のまま動けば、彼女は多重人格に等しい状態になるだろう。
 ならば、と。愛鳴の思考を奪った『寄生虫』は考える。コップに溢れそうな水があれば、どうすればいい?
 じっくり考える必要すらない。『別の容器コップ』を用意すれば良いだけの事。
 
「貴方たち、掃除はそろそろ終わったでしょ、鍵が帰ってこないんだけど……」

 愛鳴達にとって幸運な事に。ちょうど、吹奏楽部の顧問教師である女性教師がやってくる。大川茜、私立学校にして音楽の教鞭を執り、彼女自身もかつては音大を卒業したという経歴もあり、良い所のお嬢様でもある。
 美貌については──言う所無しであった。指導に苛烈な声が飛ぶ事もあるが、それ以外は生徒にも、もちろん愛鳴や一葉にも愛される教師であった。
 
 そんな彼女に。愛鳴は一言。
 
「いいよ、やっちゃお」

 その言葉を受けた瞬間。さっきまで蕩けた瞳で『母親』のおっぱいをせがんでいた一葉の瞳が、表情が。不気味な笑みへと変わり。
 
「──おかす、犯す侵す冒すっ♡♡♡♡♡ 先生にアタシたちを産みつけるぅぅぅっ♡♡♡♡♡」
「キャっ!? な、なにしてッ──むぐぐゔ!?」

 母乳に卵を混ぜるような搦め手はもう必要ない。2体の『虫』達に対し、ただの人間は為すすべもなく。
 覆いかぶさる少女達から、大量の粘液と、生温く甘くてむせそうな匂いがして。
 そして──茜の意識は、その淫毒に溶かされていった。

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 牧野李緒の通う小学校。その社会科見学の一環として『将来の自分を体験してみよう』との事で、高校生の生活を体験見学するという催しが開かれた。
 高校側も受け入れのため、様々なイベントを用意していた。その高校は、愛鳴の通っている北三条女子高校。女子高という事もあり、男子生徒は別の高校への社会科見学と相成った。
 
「それでは、北三条女子高校の生徒会長から、ご挨拶を致します」

 迎え入れられた小学生たちの視線が、壇上に集まる。鴉の濡れ羽色の艶やかな黒髪、ふわりと凪ぐロングヘア。そして、凛とした佇まい。
 小学生たちから見れば、立派な『お姉さん』だろう。彼女は全く緊張の色を見せておらず。
 
「皆さん。今日は北三条女子高校にお集まりいただきありがとうございます。生徒会長の池本沙穂いけもとさほと申します。本校代表として、皆様をお迎えできたことを嬉しく思います」

 つらつらと、彼女の喉からは高校の歴史、部活動、そしてこれからの交流会の内容が発せられる。……小学生にしては珍しい事に。少女たちは、一切の身じろぎや、小声でのおしゃべりなどをしていなかった。
 それは。この場に対する、緊張感によるものではなく。
 
「それでは、最後に……」

 一通りの言葉を言い終え、一呼吸置いて。生徒会長である沙穂は、講壇より手前に歩き出し。そして──
 
「私たちの学校と、皆さんの学校の……全員が『苗床』になれた事を祝して、たくさん『繁殖』するためのお勉強会を開始します♡♡♡ みなさんも、いろんな方法を使って『わたしたち』を増やしましょう♡♡♡」

 彼女のクールな瞳はどろどろに蕩けていて。スカートの下に何も穿いていない彼女からは、愛液が零れだし。壇上に広がっていた。
 その様子を見て──迎え入れられた小学生も。様子を見守る高校生や、教師陣も。自分たちの陰部を弄り、甘い嬌声を講堂に響かせ始めた。



「はーいみんな、ついてきて! アタシは副会長の島津真緒って言います、気軽にマオちゃんって呼んでね!」

 小学生たちは20人ずつのグループとなり、各部活をそれぞれ回るスケジュールになっていた。生徒会のメンバーや各委員長が中心となり、各グループを率いる役目をしている。
 まずは、と言う形で科学室の訪問になる。ガラリ、と扉を開くと──
 
「ぢゅっ♡♡♡ れろ、れろぉ……♡♡♡♡ はぁ、モモのおまんこっ♡♡♡ ウチら姉妹だからかなぁ、すっごい美味しいっ♡♡♡♡」
「ひゃゔっ♡♡ あ、ひゅっ♡♡♡ あ゛ぎゅ♡♡♡ た、卵出ちゃうっ♡♡♡♡ ヒナちゃんの子供できちゃゔっ♡♡♡♡♡」

 片方は白衣の少女のスカートに潜り込み、もう片方は彼女からの舌での愛撫に喘ぎ声を隠さない。
 
「あんたら……事前準備しとけって言ったでしょ! 何を先に始めてるの!?」
「ぇ、へへへっ……♡♡ だって、今日までずっとずっと『卵』を溜めて我慢してきたんだよぉ♡♡♡ もう身体から溢れそうで止まらないよぉ♡♡♡」
「ばっか……ちゃんと皆に教えるのが今日のイベントの役目でしょ! ほら、立って!」
 
 口惜しそうに、相方を犯していた少女は立ち上がり。
 
「仕方ないなぁ……はい、ボクは夕樹ひなた。科学部の部長だよ。君たちと同じぐらいの背丈なのは……まあ気にしないで欲しい」
「っ……♡♡ わ、わたしは小川桃香と言います。これから、皆さんには『科学体験』として、2つの授業を受けてもらいます……♡」

 黒板ではなく、モニターが常設された実験室。いくつかの場所には、換気のためのドラフト。その中には培養のためのガラスシャーレも用意されていた。
 
「みんな、2人組に……なってるね。普通人間の身体は女性と男性、異なる性別で『繁殖』を行う。だが……今のボクたちはいわゆる『雌雄同体』という状態……つまり、『苗床』になれたボクたち同士で新しく赤ちゃんを作れるんだ」
「皆さんの身体の中で増やすのも良いですが、卵と卵の情報を掛け合わせることで、わたしたちは『進化』した個体を新しく産む事が出来ます。皆さんの学校で『子供』に当たる苗床ちゃんに、特別な娘がいたりしませんか?」

 すると、小学生の一人が手を挙げる。科学部部長であるひなたは、発言を促すように頷く。
 
「は~い! アタシは学校でも最後の方に『なえどこ』にしてもらったんですけど……アタシが意識すると、なんだか周りのニンゲンがえっちな気分になる呼吸が出来るようになりました!」
「はいはい! わたしはこの『ママ』に『なえどこ』にしてもらいました! そうしたら、わたしの目を見ると『わたしのおっぱいが飲みたい』って意識させることができまーす!」
「ふむ……ボクたちの始祖にあたる御方は唾液や母乳など、直接体液を与える事で繁殖していた。だが……多くの細菌やウイルスが『空気感染』で広がるように、ボクたちも広い範囲に繁殖できるように能力を会得したのかもしれないね」

 『進化と繁殖』という単語を黒板代わりのウィンドウに表示するひなた。そして彼女は、実験室の教壇机に座り。制服のスカートをたくし上げ、自分の股を開いて見せる。
 
「始祖からの進化という点で、ボクたちは他の生物とは大きく異なる。『苗床』であるボクたちごとに、『寄生体ご主人様』の姿が大きく異なるんだ。例えば──」

 教卓で股を広げていた部長、ひなたの身体が。ビクンと大きく跳ねる。ゾクゾクと彼女の身体が震え始める。だがそれは、恐怖や気分の悪さを伴うものではなく。
 
「きゅあ゛っ♡♡ ぉ、ぉおおお゛っ♡♡♡ さ、さぁ、寄生体ご主人様♡♡♡ 同族への教えをご教示くださっ♡♡♡♡ ぃぐっ♡♡♡♡♡」

 ──ずちゅっ♡ ぐちゅっ♡♡ ぎち、ぎち……ぐぽっ♡♡ ぐぽぐぽっ♡♡♡♡

「っぁあ゛~~っ♡♡♡ み、見てくれっ♡♡♡ ボクの膣内ナカに居てくださるご主人様っ♡♡♡ こんなにテラテラ輝いて、ぶっといんだぞっ♡♡♡♡ おごっ♡♡♡ あ゛っ♡♡♡ ほら、雌の悦ばせ方もすぐに教え゛っ♡♡♡ てくださるっ♡♡♡♡ お、おぉお゛っ♡♡♡」
「……部長がご主人様といちゃらぶを始めちゃったので、副部長の桃香わたしが説明を引き継ぎますね。ご覧の通り、ひなた部長の体内に居る寄生体ご主人様は、大きくて巨大なムカデの様に黒くて硬い性質になっています。
 太さと長さは、丁度ひなた部長の膣内に納まるサイズです。寄生体ご主人様が『繁殖したい』と思ったら、こんな風にひなた部長のおまんこをごりごり責めるんです♡♡」

 桃香の語る通り。教壇で濁った喘ぎ声を上げながら白目をむく部長のワレメからは、彼女の腕と遜色ないほどの太さをした、甲虫を思わせる質感を帯びた触手生物が現れた。まともな人間がこれを目にすれば、恐慌状態に陥るだろう。
 しかし。この部屋にいる女子生徒たちは。全員、その虫に対してうっとりするような視線を注ぐ。中には、疼いた自分の淫部を弄りながら『何者か』に語り掛けるようなうわ言を口にする生徒すらいた。
 
「ふふ、そちらの生徒なえどこさんにも似たような進化を遂げた方がいらっしゃるようですね。ちなみにわたしはこうやって──ぇへへ♡♡ 細いけど、耳や口から長く何本もの『寄生体ご主人様』が出るように進化したんです♡♡♡ 
 繫殖したいときは、わたしを模擬《まね》した脳みそを直接ぐちゅぐちゅ♡♡ って犯してくれるんです♡♡♡ そしたら、近くの水場に行って、いっぱいご主人様の卵を産みます♡♡♡♡ ですが……」
 
 部長が用意したスライド資料の内容を予め知っている副部長は、そのままページを続ける。
 『異なる寄生体との接触によって産まれる卵が違います。体液同士を混ぜる事(キス・セックス)で出来ます。試してみよう!』
 
「お゛っ♡♡♡ こひゅっ♡♡ かひゅっ♡♡♡♡ うむっ♡♡♡ ごしゅじんしゃまのたまごっ♡♡♡♡ なえどこでふえてるたまごっ♡♡♡♡」
「そう……さっき部長がわたしのおまんこを舐めてたのも、『交配した卵』を産むための方法の一例なんです♡ 今もこうやってまともそうに皆さんとわたしはお話ししていますが、それはご主人様の命令だからです♡ 今もニセモノの脳みそがぐっちょぐちょに犯されてます♡ 
 つまり、ちょうど部長とわたしのご主人様は『繁殖したい』って思ってます♡ まぁ、いつでもそう思っている『寄生体ご主人様』が大半だとは思いますけどね♡」
 
 ひなた部長から生えるように伸びる、悍ましい姿をした寄生体。桃香は『ソレ』に──愛しいものであるかのようにくちびるを触れさせ。そして。
 
「ぢゅぅぅっ♡♡♡♡ ぐぽっ♡♡ んっぐぅぅっ♡♡♡♡」
「は、ぁああ゛っ♡♡♡♡ ボクのごしゅじんがよろこんでりゅっ♡♡♡♡ 脳イキすりゅっ♡♡♡♡ お、ぉおおお゛っ♡♡♡」

 部長にフェラするかのように、桃香は黒い硬質の虫を口に咥え。唾液を絡めるように、舌で舐め取る様に愛撫する。フェラしている側の桃香の方も、快楽で脳がいっぱいになっているのか。彼女の股間からも愛液がボタボタと零れ落ちる。
 
「──っ、ふぅ……♡♡ こんな風に、直接の寄生体との接触でなくても。皆さんが日常生活でキスをしたり、おまんこ同士で貝合わせしたり。今の学校ではそんな事も出来ると思います。寄生体は個人なえどこによって異なる形状をしているので、色々な交配の仕方を試してみてください。それでは──」

 副部長が宣言するまでもない。科学部の部室に居た人間《苗床》たちは、今の説明を聞いて『繁殖欲求』に溢れていて。説明が終わる前からキスをしたり、ワレメをなめ合う生徒すらいたのだから。
 教室が嬌声にまみれるのは、あっという間であった。
 
────────────────────────────────

 その後も、招かれた小学生たちは様々なイベントに参加する。家庭科室では料理の作り方、並びに産んだ卵を味の違和感なく料理に紛れ込ませる方法を。
 保健室では、卵の出産が困難な子に対しての周囲のアシスト方法など。具体的には、他に寄生体を持つ人間苗床がその卵を外側から引っ張って来る『出産方法』。
 「長い寄生体、短い寄生体の複数を持つ子は、こんな風に周囲を助けてあげて下さいね♡」
 『はーい!』

 運動部は一般的な活動を見せた後、更衣室でまだ苗床になっていない人間を堕とす方法。
 
 「考える頭をどろっどろに溶かしてあげた後に……こうやって、身体にたくさんいるご主人様のいくらかを入れてあげるの♡♡♡」
 
 制汗剤に偽装した寄生虫の淫毒は、各生徒へのプレゼントとして贈呈された。皆、喜んでいる。

「それじゃ最後に、絶対案内しないといけないのは吹奏楽部室! 演奏を聴いて欲しいのと……ここにはアタシたちの『お母さん』がいるからね」

 副会長の島津真緒が、音楽室の扉を開く。生徒たちを歓迎したのは、部活の演奏ではなく──

「ぃひっ♡♡♡ ロリまんこが沢山いるっ♡♡♡♡ ぁ、でももうみんな寄生体ご主人様が入ってるんだよね……ぁ、でも交配したいかも♡♡♡」
「もう、仮にも『先生』なんだからもうちょっと理性的に振舞って下さいよ、茜先生」

 この女子高での『汚染源』であり、『始祖に最も近い存在』である宮下愛鳴と、彼女の下僕である大川茜が居て。

「あひゅっ♡♡♡♡ あ、ぁああ゛っ♡♡♡♡ かずはちゃんのご主人様が入ってくりゅっ♡♡♡ あ、ぁああ゛っ♡♡♡♡ 子宮のおくまでもっとたがやされてりゅ♡♡♡」
「あーー♡♡ かずはちゃんからちょくせつ、のうみそくちゅくちゅしてもらうのきもちいー♡♡ はひっ♡ たまごうむだけのなえどこでしゅ、もっとふやしましゅ♡♡」
「一葉ぁ……♡♡ 最近、もっとおっぱいがおっきくなったよね……♡♡ ちゅぅぅう♡♡♡ ほら、おっぱいミルクがすっごく甘くなってるし……♡♡」
「こーら♡♡ みんなして『わたしたち』の卵ばっかり欲しがっちゃダメでしょ♡♡」

 音楽室と銘打っているものの。部屋の中はむせ返るような雌の匂いと淫毒で溢れていて。入った瞬間、ビクンと身体を震わせて絶頂する生徒すら居た。その中で──無数の生徒たちが乱交をしている。
 教室内には大量のプレイマットが敷かれていて、どこもかしこも『交配』する生徒たちでいっぱいで。
 
 そして──教室の奥。嬌声を音楽とし、指揮者であるかのように。その風景を眺めながら笑う少女が一人。
 宮下愛鳴は、彼女に近づく。
 
「ママ♡♡ ちゃんと真緒の班もスケジュール通り学習したみたいですよ♡」
「もう、愛鳴お姉ちゃんに『ママ』って言われるとくすぐったいよ♡♡」

 牧野李緒と、宮下愛鳴。じゃれつくように姉妹が笑う。だが──彼女たちこそが。
 2つの学校の全ての生徒を『苗床』に変えた汚染源にして。それらの『始祖』たるものだった。
 真緒は、先程までの快活さは何処へやら。尊いものを見るかのように、

「お──お会いできて光栄です、牧野李緒さま」
「えへへ、そんなに硬くならなくていいよ♡ 皆に繁殖方法を教えてくれたんだよね。いっぱい絶頂していいよ♡♡♡♡」
「は──ぁ、ぁああ゛っ~~~♡♡♡♡♡♡♡♡ あ、あたまがっ♡♡♡♡♡ しあわせっ♡♡♡♡ あひっ♡♡♡♡♡ ぇひひひっ♡♡♡♡♡」

 少女のたった一言で。副会長として生徒を引率していた真緒はひっくり返るようにして何度も、何度も絶頂する。

「みんな、今日は学校行事に来てくれてありがとう! 愛鳴お姉ちゃんと相談して、いろんな方法で『なえどこ』を増やすほうほうを考えたんだ♡♡♡」
「李緒ちゃんの学校のみんなも、もう『ふえたい』って気持ちでいっぱいみたいだね♡♡♡ おまんこからだらだらと漏れ出してるの、お姉ちゃん分かっちゃった♡♡♡♡」
「それじゃ……ね、『ごしゅじんさま』♡♡ みんな、気持ちよくしてあげていいよね? ──いいって♡♡」

 一瞬、李緒は自問自答するかのように発言する。──それは、彼女の中に眠る『存在』への問いかけだった。
 
「それじゃ、学校に集まってるみんな~♡♡♡ これからもいっぱい、い~っぱい♡♡ なえどこをふやそうね♡♡♡ それじゃ……『イけ』」

 少女の放った一声。それは、教室だけではなく、学校中に響き。そして。
 全生徒、全教師が。一斉に絶頂する。嬌声をあげる。イく。たまごをうむ。ふえる。
 
 『繁殖』は──止まらない。
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