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その現象が起こってから1年後。
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『SWAP』が起こって、ちょうど季節が一回りした頃。再び、街に夏がやって来た。ジリジリと身体を焼く日差しなど無関係とばかりに、街中には無数のカップルが人目を憚らずにイチャイチャとしている。あるいは──カップルの総数自体が多すぎて、全く目立つモノでもないというのが実情か。
海やプールに行けば、年齢差も様々なカップルが過激な水着で泳いでいて。街中では2人セットでのLLサイズドリンクに、二股のストローが着いたものが飛ぶように売れて。映画館はというと、席を大幅に改造して2人掛けの席が大半を占めるようになったり。しかも、以前は見向きもされなかったようなロマンティックでプラトニックな映画に、満員程の人が押し寄せるようになっていた。
──夕刻。街の駅すぐ近く、高層マンションの中階ほど。一人の女性がカードキーでロックを外し、帰宅する。
「ふぅ……ただいま~」
「おー、おかえり……んぅゔっ♡♡」
返答が、マンションのリビングルームから返って来る。朗らかな少女の声だったが……僅かに嬌声が混じっていた。理由は明白で、リビングのソファーに寝転がった彼女は、どこかの学校の制服とスカートを着たまま、自分の女性器にディルドを挿入れていたから。
「もう。ソファーでシないでって言ったでしょ、匂いが残っちゃうし」
「わ~かったわかった、アルコールでちゃんと拭いておくから……ちょっ゛……♡♡♡ と待って……っ♡♡」
「いや、無理にぶっといのを急いで抜こうともしなくていいから」
「だってだって! 栄治のアレ、どんどんデカくなってるだろぉ! オレももっと気持ちよくなってもらうための練習しないと、すぐに菜々に取られちゃうだろぉ!」
……かつて『彼女』が。ヤリたい女を探してチャラい言動を繰り返していた青年であったと、誰が理解できるだろうか。今の彼女の目的は、自分の身体を意中の相手に悦んで貰うために、いかにして手を打つべきかしか頭に無い。さながら、盲目な恋に落ちたばかりの愚かな少女そのもので。
「そう心配しなくても。ほら、菜々たちとセックスしてる回数、殆ど同じじゃん。意図的に栄治クンがそうしてるのかもだけど……2人のどちらかをわざと選ばないようにしてるんじゃない?」
「ぐぬぬぬ、二股なんてスケコマシしやがって……相手が菜々ちゃんじゃなきゃ許してないぞ……!」
「この拗れた関係を迫ったのもボクたちだからね? はぁ……もう服がキツイよ、胸とかどんどんおっきくなってるし……」
現在。『SWAP』によって元の社会的地位は一時的には保たれたが、その後の動向は様々で。栄治は元々の身体から変わらず、工学系の学部のため。今は研究室で夜遅くまで実験をする羽目になっていた。一応彼の談では、「3人分の生活を送れる資金を稼ぐ」と言っていたが。
「……私がモデル業をやってる内に、稼げないものかなぁ。実際マンションを買えるぐらいには人気になっちゃったし」
「あ、最近アタシのデザインもようやく通った。これで収入アップだよ!」
かつて、スレンダーなモデル女優として少しだけ名前が知られていた『桜井菜々』。彼女の美貌に目を付けた、『SWAP』に巻き込まれていない地区から越してきたプロデューサーが居た。『SWAP』の発生した地域では、著しくグラビア系の売り上げが落ちる。……現象に巻き込まれた人間は、すぐに誰かとくっつくためだ。逆に、ファッションや化粧品類は性別問わず売り上げが上がる。……より、『番』になった異性に魅力的に見られたいという本能が働くためだ。
「また、ブラのサイズが合わなくなってきたよぉ……きっつい……」
「お前……いい加減プロデューサーイジメるの止めろよ? いくら美味しいのが食べたいから代わりに運動する、って受け入れても限度あるからな? 次第に前みたく太るぞ?」
「え…………やだ、嫌だ、そんな……」
「……いや、嘘、嘘だって。そんなこの世の終わりみたいな顔するな。全部胸に行ってる。ほとんど。ちょっとお腹の肉ついてるけどセーフのラインだから安心しろって」
桜井菜々のプロデューサーは、彼女を『石村はるほ』として──様々な事業へと挑戦させた。スレンダーなモデルが溢れる中、可愛さ溢れるマシュマロ系女子として、モデルの他に歌や踊り、果てはアナウンス業など様々な業務を与えるようにしている。
おかげで、彼女の旺盛な食欲と殆ど同じぐらいのカロリーは消費している計算。……僅かに上回っているので、プロデューサーも少し頭を悩ませているようだが。事実。彼女の評判はかつてのモノとは異なり、むっちりした色っぽいモノとして評判になっている。『SWAP』圏外では男性人気もあるようだが、『SWAP』の起きた街では、『石村はるほ』の着たファッションが流行るなど、かなりニッチだが確実な儲けのある商売になっていた。
「……そういえば、今日は面会の日だったよね。どうだった?」
「あ~……『元の俺』か。なんか、すっごい爽やか系男子になってた。黒髪にウエーブ掛かってたし、なんか元同級生の女の子とくっついたみたいで、面会中もずっとそっちの方ばっかり気にしてた。今回で面談は終わりだって」
「なら……お互い安泰だね」
『SWAP』に巻き込まれた人間同士は、互いの身体の認識のズレの矯正、相互の家族との連絡の取り合いなどのために、一定期間は『元の身体』同士と面会を必要とする法令が定められている。当初は『大輔』の身体になった少女は酷く激高し、感情も定まらなかったため、面会が憂鬱だったが……『番』を得た事で精神的に安定したのだろう、と『麻子』は推測する。
「ほらこれ、新しい服のデザイン。どうよ、売れるっしょ」
「…………胸のラインが露骨では?」
「そりゃ、好きでもない人に対してはこんな格好しないけど。これ、『家用』なんで」
「あ~……納得。ヤる用ね。今度買うよ」
経済学部に通っていた麻子はというと。『SWAP』によって進路を変更するためのコースにいち早く登録し、服飾関連の芸術についてデザイン科が設けられたのを期に、一気に『売れる』デザインを生み出していった。何でも、『男心を掴むのにちょうどいいデザイン』として好評である。
「ただ、いま……うへぇ……」
「ほら……俺らの『旦那様』のお帰りだぞ♡♡」
「栄治クン♡♡♡ 3日ぶりだぁ♡♡♡♡♡ ちゃ~んとダンスレッスン後の汗だくのトレーニングウェア持って帰って来たよぉ♡♡♡♡♡」
帰るなり、そのたわわになった肢体で『旦那』を抱きしめる菜々。だが──
「ごめ……マジ、むり……寝てない……」
生物系の研究室は、かくも残酷であった。人間が生物を管理するのではなく、生物に人間が管理される生活リズム。ほとんど失神寸前で、菜々の胸に倒れこんでしまった。
「えぇ~お預け?」
「もう……ボクたちの旦那様ったら、しょうがないなぁ……♡♡♡ ほら、あーちゃんはそっち持って」
2人がかりで、ぐったりした彼の身体を──大きくて柔らかい、キングサイズのベッドに寝かせる。十秒と経たず、寝息が聞こえた。
「でも……これじゃ満足できないぞ……」
「大丈夫、今日帰ってきたって事は……明日の朝までは、『私たちの時間』ってことでしょ?」
美女は、妖しく微笑んだ。
────────────────────────────────────────────
身体が重い。全身、誰かにのしかかられているかのような。ああ、安易に研究室を選ぶんじゃなかった。学生にあるまじき発言かもしれないが、研究という名目で24時間以上拘束時間が発生するのは何らかの法規に引っかかったりしないのだろうか。オレは修士の学位を人質に取られているので従うしかないのだが。
「…………?」
いや待て。身体がダルくて内側から重いのではなくて。何かにのしかかられている。俺が眠っているのは、家にあるふわふわなベッド。菜々が稼いでくれたお金にあやかって、分不相応な生活を送らせてもらっている。もっとも、そこに帰る事が出来ずに研究室のベンチで寝る日すらあるのだが。
「ん、ぉ……」
「あ、ようやく起きてくれたな、旦那様♡♡♡ ちゅっ……♡♡♡ れ、ろぉっ♡♡」
「もう……ず~っと待ってて、おちんちんを弄ってたのに全然爆睡してたんだから……♡♡ おかげでもう、ワタシたちも限界なんだよぉ……♡♡♡」
目を開けても暗い……いや。よく見てみれば、むっちりとした菜々のヒップが、グレーの下着だけの状態で俺の顔面を圧迫していた。ちろちろと、舌先でペニスの先端が刺激される感覚。こっちは麻子か。
「今日のためにちゃんとレッスンで運動して……汗だくの下着に着替えてきたんだよぉ……♡♡♡ は、恥ずかしいけど、どう、かな……♡♡♡♡」
菜々の汗の、湿っぽくって芳醇な匂い。そこに混ざる、雌の興奮した愛液の香り。それが鼻を通じて脳天に届いた瞬間──ギン、と俺の肉棒が怒張する。
「ふぅ゛っ♡♡ もごっ……♡♡♡ 栄治っ、口のナカで急に大きくするなよぉ……♡♡♡♡ オス臭くて、またマンコ疼いちゃうじゃん……♡♡♡」
「あはぁっ……♡♡♡ そんなに、菜々の匂いでこーふんしてくれたんだっ……♡♡♡♡ 嬉しくてまたマン汁溢れちゃうぅっ……♡♡♡♡」
……先に仕掛けたのは向こうだ。今さら、添え膳云々など言うつもりはない。思いっきり菜々のマンコを舐め返してやる。むしゃぶりつくような乱暴な攻め。それなのに。
「きゃぅうんっ♡♡♡♡ あ、りゃめっ♡♡♡ 身体ふにゃぁって♡♡♡♡」
ほぼ同時に。ぷぅ、と菜々の尻から音が響く。俺の鼻にアンモニア臭が満ちて。
「や、やだっ……栄治クンの前、なのにっ……こんなの恥ずかしすぎてっ……! あ゛っゔぅうん♡♡♡♡」
「アハハっ! おいおい旦那様ぁ♡♡♡ 菜々のオナラにすら興奮するようになっちゃったんだ、本当にヘンタイじゃん♡♡♡♡ あ~、バッキバキのチンコ美味そう……♡♡♡♡ ちゅぅぅう♡♡♡♡」
ぷぅ、と再び音が響く。だが、菜々が羞恥を感じるよりも早く、栄治は彼女の秘部を舐め、感じさせる。……『SWAP』に巻き込まれなかったものの。互いの身体に興奮するという性質は、ひょっとしたら俺にも影響しているのかもしれない。そんな事を想いつつ。
「ひゃぁん♡♡♡♡ ら、りゃめっ♡♡♡ オナラ止まらないのに゛っ♡♡♡♡ 栄治クンにペロペロされただけでイ゛っちゃぅうゔ♡♡♡♡」
「……そんな風に恥ずかしがってる姿もカワイイ」
「────あ、ぁああ゛っ♡♡♡♡ んにゅぅううゔ♡♡♡♡♡♡♡♡」
菜々のショーツが湿り、ショーツが吸いきれなかった愛液が、俺の顔面と鼻腔を犯す。……とても、心地が良い。菜々はベッドにくたりと倒れこみ、幸福そうな二へら顔のまま余韻を味わっていた。……モデル業とはいえ、『SWAP』被害者という立場上。彼女は彼氏がいる事を公言している。それが精神を安定させる方法だと、誰もが知っているから。
「ふふっ……菜々ちゃんったら、モデル業が忙しいのにいっつも栄治が帰れる日は絶対予定開けるし、すぐにぐっちょぐっちょに犯されるんだから……♡♡♡♡ ほんと、栄治も罪作りなオトコだよ、オレも──♡♡♡」
制服のスカートをたくし上げる麻子。そこには下着もなく、マンスジからトロトロと期待している潤滑液が漏れ出していて。綺麗だったピンク色のワレメも今やビラビラで色もついてしまうほど。何度も、何度も何度もヤった。股間の毛は、性交するのに支障がないギリギリまで生えている。
「栄治がイイって言ったから、アンダーヘアも脇の下も剃ってないし、毎日栄治を想ってチクニーしてたからこんなにデカくなっちゃったんだぞぉ♡♡♡♡」
それは。自分の身体が悪いものになったというよりも、麻子の身体を栄治好みにできた事に対して誇っているかのようにすら聞こえた。
「こんな身体になっちゃったんだもん、責任取ってよぉ~♡♡♡」
「っ……当たり前、だろ……はじめっからそのつもり、だ……」
「…………♡♡♡♡♡♡ もう、もうもうっ♡♡♡♡♡ ほ~んとそういうとこだぞぉ♡♡♡♡♡」
茶化している癖に、麻子は分かりやすい。証拠に、黒髪美少女の顔はひどく火照っていて。恥じらう姿がまた愛おしかった。……もう、かつての男友達だった頃の関係には戻れないだろう。それでも。
「ぇへ♡♡♡ それじゃ、今日もお願いね、『旦那様』♡♡♡ 毎日おっきくなってるソレ、また麻子の膣内で測らせてほしいな♡♡♡♡」
この3人の関係を、ずっと楽しんでいこう。そう思いながら、麻子のワレメに肉棒を入れた。
海やプールに行けば、年齢差も様々なカップルが過激な水着で泳いでいて。街中では2人セットでのLLサイズドリンクに、二股のストローが着いたものが飛ぶように売れて。映画館はというと、席を大幅に改造して2人掛けの席が大半を占めるようになったり。しかも、以前は見向きもされなかったようなロマンティックでプラトニックな映画に、満員程の人が押し寄せるようになっていた。
──夕刻。街の駅すぐ近く、高層マンションの中階ほど。一人の女性がカードキーでロックを外し、帰宅する。
「ふぅ……ただいま~」
「おー、おかえり……んぅゔっ♡♡」
返答が、マンションのリビングルームから返って来る。朗らかな少女の声だったが……僅かに嬌声が混じっていた。理由は明白で、リビングのソファーに寝転がった彼女は、どこかの学校の制服とスカートを着たまま、自分の女性器にディルドを挿入れていたから。
「もう。ソファーでシないでって言ったでしょ、匂いが残っちゃうし」
「わ~かったわかった、アルコールでちゃんと拭いておくから……ちょっ゛……♡♡♡ と待って……っ♡♡」
「いや、無理にぶっといのを急いで抜こうともしなくていいから」
「だってだって! 栄治のアレ、どんどんデカくなってるだろぉ! オレももっと気持ちよくなってもらうための練習しないと、すぐに菜々に取られちゃうだろぉ!」
……かつて『彼女』が。ヤリたい女を探してチャラい言動を繰り返していた青年であったと、誰が理解できるだろうか。今の彼女の目的は、自分の身体を意中の相手に悦んで貰うために、いかにして手を打つべきかしか頭に無い。さながら、盲目な恋に落ちたばかりの愚かな少女そのもので。
「そう心配しなくても。ほら、菜々たちとセックスしてる回数、殆ど同じじゃん。意図的に栄治クンがそうしてるのかもだけど……2人のどちらかをわざと選ばないようにしてるんじゃない?」
「ぐぬぬぬ、二股なんてスケコマシしやがって……相手が菜々ちゃんじゃなきゃ許してないぞ……!」
「この拗れた関係を迫ったのもボクたちだからね? はぁ……もう服がキツイよ、胸とかどんどんおっきくなってるし……」
現在。『SWAP』によって元の社会的地位は一時的には保たれたが、その後の動向は様々で。栄治は元々の身体から変わらず、工学系の学部のため。今は研究室で夜遅くまで実験をする羽目になっていた。一応彼の談では、「3人分の生活を送れる資金を稼ぐ」と言っていたが。
「……私がモデル業をやってる内に、稼げないものかなぁ。実際マンションを買えるぐらいには人気になっちゃったし」
「あ、最近アタシのデザインもようやく通った。これで収入アップだよ!」
かつて、スレンダーなモデル女優として少しだけ名前が知られていた『桜井菜々』。彼女の美貌に目を付けた、『SWAP』に巻き込まれていない地区から越してきたプロデューサーが居た。『SWAP』の発生した地域では、著しくグラビア系の売り上げが落ちる。……現象に巻き込まれた人間は、すぐに誰かとくっつくためだ。逆に、ファッションや化粧品類は性別問わず売り上げが上がる。……より、『番』になった異性に魅力的に見られたいという本能が働くためだ。
「また、ブラのサイズが合わなくなってきたよぉ……きっつい……」
「お前……いい加減プロデューサーイジメるの止めろよ? いくら美味しいのが食べたいから代わりに運動する、って受け入れても限度あるからな? 次第に前みたく太るぞ?」
「え…………やだ、嫌だ、そんな……」
「……いや、嘘、嘘だって。そんなこの世の終わりみたいな顔するな。全部胸に行ってる。ほとんど。ちょっとお腹の肉ついてるけどセーフのラインだから安心しろって」
桜井菜々のプロデューサーは、彼女を『石村はるほ』として──様々な事業へと挑戦させた。スレンダーなモデルが溢れる中、可愛さ溢れるマシュマロ系女子として、モデルの他に歌や踊り、果てはアナウンス業など様々な業務を与えるようにしている。
おかげで、彼女の旺盛な食欲と殆ど同じぐらいのカロリーは消費している計算。……僅かに上回っているので、プロデューサーも少し頭を悩ませているようだが。事実。彼女の評判はかつてのモノとは異なり、むっちりした色っぽいモノとして評判になっている。『SWAP』圏外では男性人気もあるようだが、『SWAP』の起きた街では、『石村はるほ』の着たファッションが流行るなど、かなりニッチだが確実な儲けのある商売になっていた。
「……そういえば、今日は面会の日だったよね。どうだった?」
「あ~……『元の俺』か。なんか、すっごい爽やか系男子になってた。黒髪にウエーブ掛かってたし、なんか元同級生の女の子とくっついたみたいで、面会中もずっとそっちの方ばっかり気にしてた。今回で面談は終わりだって」
「なら……お互い安泰だね」
『SWAP』に巻き込まれた人間同士は、互いの身体の認識のズレの矯正、相互の家族との連絡の取り合いなどのために、一定期間は『元の身体』同士と面会を必要とする法令が定められている。当初は『大輔』の身体になった少女は酷く激高し、感情も定まらなかったため、面会が憂鬱だったが……『番』を得た事で精神的に安定したのだろう、と『麻子』は推測する。
「ほらこれ、新しい服のデザイン。どうよ、売れるっしょ」
「…………胸のラインが露骨では?」
「そりゃ、好きでもない人に対してはこんな格好しないけど。これ、『家用』なんで」
「あ~……納得。ヤる用ね。今度買うよ」
経済学部に通っていた麻子はというと。『SWAP』によって進路を変更するためのコースにいち早く登録し、服飾関連の芸術についてデザイン科が設けられたのを期に、一気に『売れる』デザインを生み出していった。何でも、『男心を掴むのにちょうどいいデザイン』として好評である。
「ただ、いま……うへぇ……」
「ほら……俺らの『旦那様』のお帰りだぞ♡♡」
「栄治クン♡♡♡ 3日ぶりだぁ♡♡♡♡♡ ちゃ~んとダンスレッスン後の汗だくのトレーニングウェア持って帰って来たよぉ♡♡♡♡♡」
帰るなり、そのたわわになった肢体で『旦那』を抱きしめる菜々。だが──
「ごめ……マジ、むり……寝てない……」
生物系の研究室は、かくも残酷であった。人間が生物を管理するのではなく、生物に人間が管理される生活リズム。ほとんど失神寸前で、菜々の胸に倒れこんでしまった。
「えぇ~お預け?」
「もう……ボクたちの旦那様ったら、しょうがないなぁ……♡♡♡ ほら、あーちゃんはそっち持って」
2人がかりで、ぐったりした彼の身体を──大きくて柔らかい、キングサイズのベッドに寝かせる。十秒と経たず、寝息が聞こえた。
「でも……これじゃ満足できないぞ……」
「大丈夫、今日帰ってきたって事は……明日の朝までは、『私たちの時間』ってことでしょ?」
美女は、妖しく微笑んだ。
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身体が重い。全身、誰かにのしかかられているかのような。ああ、安易に研究室を選ぶんじゃなかった。学生にあるまじき発言かもしれないが、研究という名目で24時間以上拘束時間が発生するのは何らかの法規に引っかかったりしないのだろうか。オレは修士の学位を人質に取られているので従うしかないのだが。
「…………?」
いや待て。身体がダルくて内側から重いのではなくて。何かにのしかかられている。俺が眠っているのは、家にあるふわふわなベッド。菜々が稼いでくれたお金にあやかって、分不相応な生活を送らせてもらっている。もっとも、そこに帰る事が出来ずに研究室のベンチで寝る日すらあるのだが。
「ん、ぉ……」
「あ、ようやく起きてくれたな、旦那様♡♡♡ ちゅっ……♡♡♡ れ、ろぉっ♡♡」
「もう……ず~っと待ってて、おちんちんを弄ってたのに全然爆睡してたんだから……♡♡ おかげでもう、ワタシたちも限界なんだよぉ……♡♡♡」
目を開けても暗い……いや。よく見てみれば、むっちりとした菜々のヒップが、グレーの下着だけの状態で俺の顔面を圧迫していた。ちろちろと、舌先でペニスの先端が刺激される感覚。こっちは麻子か。
「今日のためにちゃんとレッスンで運動して……汗だくの下着に着替えてきたんだよぉ……♡♡♡ は、恥ずかしいけど、どう、かな……♡♡♡♡」
菜々の汗の、湿っぽくって芳醇な匂い。そこに混ざる、雌の興奮した愛液の香り。それが鼻を通じて脳天に届いた瞬間──ギン、と俺の肉棒が怒張する。
「ふぅ゛っ♡♡ もごっ……♡♡♡ 栄治っ、口のナカで急に大きくするなよぉ……♡♡♡♡ オス臭くて、またマンコ疼いちゃうじゃん……♡♡♡」
「あはぁっ……♡♡♡ そんなに、菜々の匂いでこーふんしてくれたんだっ……♡♡♡♡ 嬉しくてまたマン汁溢れちゃうぅっ……♡♡♡♡」
……先に仕掛けたのは向こうだ。今さら、添え膳云々など言うつもりはない。思いっきり菜々のマンコを舐め返してやる。むしゃぶりつくような乱暴な攻め。それなのに。
「きゃぅうんっ♡♡♡♡ あ、りゃめっ♡♡♡ 身体ふにゃぁって♡♡♡♡」
ほぼ同時に。ぷぅ、と菜々の尻から音が響く。俺の鼻にアンモニア臭が満ちて。
「や、やだっ……栄治クンの前、なのにっ……こんなの恥ずかしすぎてっ……! あ゛っゔぅうん♡♡♡♡」
「アハハっ! おいおい旦那様ぁ♡♡♡ 菜々のオナラにすら興奮するようになっちゃったんだ、本当にヘンタイじゃん♡♡♡♡ あ~、バッキバキのチンコ美味そう……♡♡♡♡ ちゅぅぅう♡♡♡♡」
ぷぅ、と再び音が響く。だが、菜々が羞恥を感じるよりも早く、栄治は彼女の秘部を舐め、感じさせる。……『SWAP』に巻き込まれなかったものの。互いの身体に興奮するという性質は、ひょっとしたら俺にも影響しているのかもしれない。そんな事を想いつつ。
「ひゃぁん♡♡♡♡ ら、りゃめっ♡♡♡ オナラ止まらないのに゛っ♡♡♡♡ 栄治クンにペロペロされただけでイ゛っちゃぅうゔ♡♡♡♡」
「……そんな風に恥ずかしがってる姿もカワイイ」
「────あ、ぁああ゛っ♡♡♡♡ んにゅぅううゔ♡♡♡♡♡♡♡♡」
菜々のショーツが湿り、ショーツが吸いきれなかった愛液が、俺の顔面と鼻腔を犯す。……とても、心地が良い。菜々はベッドにくたりと倒れこみ、幸福そうな二へら顔のまま余韻を味わっていた。……モデル業とはいえ、『SWAP』被害者という立場上。彼女は彼氏がいる事を公言している。それが精神を安定させる方法だと、誰もが知っているから。
「ふふっ……菜々ちゃんったら、モデル業が忙しいのにいっつも栄治が帰れる日は絶対予定開けるし、すぐにぐっちょぐっちょに犯されるんだから……♡♡♡♡ ほんと、栄治も罪作りなオトコだよ、オレも──♡♡♡」
制服のスカートをたくし上げる麻子。そこには下着もなく、マンスジからトロトロと期待している潤滑液が漏れ出していて。綺麗だったピンク色のワレメも今やビラビラで色もついてしまうほど。何度も、何度も何度もヤった。股間の毛は、性交するのに支障がないギリギリまで生えている。
「栄治がイイって言ったから、アンダーヘアも脇の下も剃ってないし、毎日栄治を想ってチクニーしてたからこんなにデカくなっちゃったんだぞぉ♡♡♡♡」
それは。自分の身体が悪いものになったというよりも、麻子の身体を栄治好みにできた事に対して誇っているかのようにすら聞こえた。
「こんな身体になっちゃったんだもん、責任取ってよぉ~♡♡♡」
「っ……当たり前、だろ……はじめっからそのつもり、だ……」
「…………♡♡♡♡♡♡ もう、もうもうっ♡♡♡♡♡ ほ~んとそういうとこだぞぉ♡♡♡♡♡」
茶化している癖に、麻子は分かりやすい。証拠に、黒髪美少女の顔はひどく火照っていて。恥じらう姿がまた愛おしかった。……もう、かつての男友達だった頃の関係には戻れないだろう。それでも。
「ぇへ♡♡♡ それじゃ、今日もお願いね、『旦那様』♡♡♡ 毎日おっきくなってるソレ、また麻子の膣内で測らせてほしいな♡♡♡♡」
この3人の関係を、ずっと楽しんでいこう。そう思いながら、麻子のワレメに肉棒を入れた。
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