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あれ?あれれれれ?

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食べ終わるとイケメンは自分の席に戻り、肘を机に付けスプーンで私を指した。

「んで、、今日お前を呼んだのは確認し合うためだ。両親が決めたことで本人達が決めたことじゃねぇからな。お前はどう思う?」
 
なるほど。きっとこの料理は親同士が材料やら調理法を決めたのか。 特にこれと言って感想は無いが「普通に美味しいザマス」って言ったらアドバイスを求めてるイケメンに申し訳ない。

「そうザマスねぇ~。コクを出すためにじっくりと弱火で待つべきザマス。」

イケメンはホッと安心した様な顔をしたが、すぐキリッと爽やか系クールフェイスになった。

「親父には俺から言っとくから安心しな。」

安心、、?よく分からないが顔付きがいっそうイケメンになったのをみて私は満面の笑みで一言。

「ザマス!!」

「お、おう!ちとスマン、トイレ行ってくる。」

イケメンは爽やかフェロモンを撒き散らしながら部屋を出た。

数分後、、、部屋に来たのは違う男だった。

「アリリちゅわ~~ん!!元気してたでツか?寂しかったでちゅぅぅう!」

部屋に来て早々この男は私に抱きついてきたのだ。

「ちょ、やめるザマス!!」

助けを求めようとメイドたちを見るも苦笑いされただけだった。

男は嫌がる私を見て不思議そうに見つめてきて私は初めてその時その男の顔を見た。

「どうしたのでツか?」

なんとまぁ醜い顔だこと。目は一重で、鼻高は1ミリあるかないか、顎は2つに割れて肌はニキビだらけ、そしてなんとあろうことか髪型がパッツンなのだ。 

「いや、まずキモいから離れて。んでもってキモいから近づかないで。」

私は虫ケラを見るような目でブサイク男を突き放した。勢いで転んだブサイクを助けるかのように周りのメイドたちがブサイクを取り囲んだ。

「大丈夫ですか?!王子!!」

お、王子?!!このブサイクが???
あれ、あのイケメンが王子じゃないの?

「大丈夫、大丈夫。俺氏アリリちゅわんのこのドSっぷりに萌えるんだよね。」

興奮したのかブサイクの鼻息が部屋の外まで聞こえるくらいに大きくなった。

どうやったら、こんなブサイクが生まれるのだろう。きっと前世でとんでもないことをやらかしのだろう。
私の心のスカウターではブス力の数値が天文学的数値でもはや測定不可能だ。
私は哀れむ様な目で悟りを開きシスターになりきった。

「神は全てを許します。前世の罪も。あなたの顔も。来世に期待しなさい。」

ブサイクは喚き散らし、両手を狐の形にしながら部屋を後にした。
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