群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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123.

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———————


——……



「え!春さんって藍の彼女なんですか?!」


「ふふ、そうなの」


「藍って彼女いたんだ。知らなかった」


「藍、こんな優しくて女子力を体現したような人が彼女なんて羨ましいです」


「菜流ちゃん、お世辞言っても何も出てこないよ」


「お世辞じゃないですよー」


「出会ったのはいつですか?」


「高校の時にね。付き合ったのは高校2」


会場の外で会話に花を咲かせる3人のもとへ俺達も顔を出す。


「春、そんなに何でも話すなよ」


「いいじゃん藍、春さんからたっくさん話聞かせてもらうからね」


復活した菜流が波江さんと腕を組む。そこに皐月と星渚も加わって話を広げてる。


——―昨日のことは、忘れたくても忘れられない。


身体に、脳内に染みついてしまったから。こびりついて、剥がれない。どうしたって。


今も気を抜けばその記憶にズルズル引きずり込まれそうになる。


でも、ステージに立てなくなるのは嫌だ。負けるわけにはいかない。そうやって自分を奮い立たせていると。


「碧音君!」


目の前にいつの間にか明日歌の顔が。


「碧君、あのね」


「メッセージ返さなかった話?ごめんさっき気づいて」


「そうじゃなくて……」


明日歌の表情をみる限り、もしかしたら昨日何かがあったんじゃないかって薄々気づいてるのかもしれない。


「私、碧音君なら大丈夫だって信じてる」


それでも遠慮なしに踏み込んでこないところが、明日歌のいいところだって思う。


「大丈夫だよ。いつも通り、歌えるよ」


「お前に言われなくても」


「碧音君」


「っ……」


明日歌に、両手を包まれていた。急になんだと言葉に詰まる。


「自分を信じて。私も碧音君のこと応援してるから」


曇りのない、満面の笑みを携えて。


「大丈夫だよ!」


何を根拠に、って言いたいとこだけど。


前にも思った、明日歌のまっすぐな言葉には相手を突き動かす力があるんじゃないかって。


さっきまで焦っていた心が凪いでいく。


「俺たちのLIVE。聞いてて」


ステージの上が、俺の存在証明で。


居場所だ。


どんなことがあろうと。


深呼吸して、明日歌の手を握り返した。


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