群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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湿度が高くジメッとした空気が肌にまとわりつく。

――すると。

「菜流!お待たせー」

「星渚ぁ!お疲れ」

むぎゅっ、暗闇の中から現れたお兄さんに勢い良く抱きつく菜流。

「今日も最高だったよ、格好よかった」

「まじ?頑張ったからなぁ」

街灯がお兄さんのデレた顔を照らし出す。ステージ上ではキリッとしてたのに、菜流の前だとこんなにデレるのか。

やはりシスコンという見立ては間違ってなかった。

「星渚、俺達置いてくんじゃねえよ」

「急がなくても菜流ちゃんは逃げてかないだろ」

「……あっつ」

数十秒遅れて、3人の男も現れる。バンドのメンバー全員集合。

「はじめまして。君が明日歌ちゃん?」

「はい!橘明日歌です。菜流に誘ってもらって今日観に来ました」

星渚さんには菜流が私も一緒にいるとあらかじめ連絡したので、私の名前を知っている。

「菜流から話は聞いてる。音楽に詳しいんだって?」

「はい!どんなジャンルでも好きです」

インディーズ、Jポップ、洋楽。何でも気になれば聞く。

「へぇー。菜流の友達なのか!」

今一状況が掴めず、私達の話を黙って聞いていたひとりが私を一瞥。

「そう。俺も会うのは初めて。だから皆自己紹介でもしとこうか。俺のことは菜流から聞かされてると思うけど一応ね。紀藤星渚、ボーカル担当だよー、よろしく」

「こちらこそ、よろしくお願いします!」

星渚さんは片手をあげて微笑む。それだけで別世界から抜け出してきた王子様みたいに見えるんだからさすがだ。

ミルクティー色の髪も星渚さんだからこそ似合うんだろう。ぱっちり二重に筋の通った鼻が菜流と似ている辺り、やはり兄妹だ。

「俺は高瀬皐月、ベース担当な。よろしく!」

「こちらこそ初めまして、よろしくお願いします」

このお兄さんはアッシュ系のお洒落な髪型に切れ長の目で、体格が体育会系の感じ。

あとライブ中に1番ファンサービスをしていたのが高瀬さんだ。盛り上げ方も上手だなって印象だった。

右回りで自己紹介していってくれてるから、順番的に次は、あのドラマーの男の子。

声が間近で聞ける!待ち構えていると、ゆっくり口を開き、一言。

「刹那碧音」

「……え」

「それだけかよ!もっと愛想良い挨拶してみろって。『刹那、碧音です。紺碧の碧に音であおい。よろしくね?』くらい言ってやれって」



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