群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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「あんまり結人とは、上手くいってなくてさ」

私の心を読み取ったのか、2人の関係について教えてくれる。

「結人は今高2だから、明日歌ちゃんの1つ上だよ」

「高2ですか?もっと年上に見えました」

もしかしたら大学生?とまで勘違いしてしまっていた。

「昔から、仲良くなくて」

「年が離れてるせいとか?」

「いいや、別の問題。まあ、自業自得なんだけどね」

藍さんは自嘲気味に笑い、溜め息を吐く。

「だから今、修復中」

現在進行形。弟さんは藍さんのことを兄ちゃんとか兄貴ではなく、“あんた”と呼んでいた。他人と見なしている態度で。

星渚さんや菜流の度を越えた仲良しっぷりをいつも見ているせいか、兄弟は大抵仲が良いものだと思っていたけど、違うらしい。

藍さんは歩み寄ろうとしてるけど、弟さんが見る限り完全拒否してる。

「ごめんね、あんなの見ていい気しないか」

「いえ、私が悪いので」

藍さんは自業自得だと言っていたのが気になる。しかし家族の問題となると余計複雑で大変に違いない。

これ以上深入りしないのが妥当だ。

……違うな。私が何て言葉をかけていいのか分からないんだ。

『大丈夫ですよ』だと、何を根拠に言ってるんだってなるし、『大変ですね』は何も知らないくせに同情か、となるだろう。

下手に励ましの言葉を言うよりも、話を逸らした方が良いよね。

「私、昼ご飯頑張って作りますね。藍さんのリクエストあります?」

「俺はー……そうだな、カルボナーラ食いたい」

「作れますよ!今日の昼ご飯はカルボナーラで決まりです」

「うん、期待してるよ」

話の逸らし方、私下手だ。でも藍さんが笑ってくれたからよしとする。

2人で皆の待つリハーサルスタジオへ戻ったのだった。




―――――――――――


――…………



「こ、ここが碧音君の家!」

スタイリッシュでモダンな家に足を踏み入れる。

午前にリハーサルスタジオで練習した後、今度は午後の練習をするために碧音君の家へ来た。

リハーサルスタジオを利用するにはお金がかかり、碧音君達以外のバンドも利用するため、1日中使うことは出来ない。

よって、リハーサルスタジオ程設備が整っているわけではないけど、練習するには十分な場所がある碧音君の家に来たのだ。

「碧音、今年は叔母さん達どこ行ってんだよ?」

「グアム」

「グアム?去年も行ったじゃん」

「叔母さんも叔父さんも、グアムが気に入ったんだってさ~」

玄関で繰り広げられる皆の会話についていけない。グアムがどうしたって?

「あの、何の話ですか?」

「ああ、刹那の両親は毎年夏休みに旅行すんの。で、ちょうど2人が居ない間に俺らが自由にここを使わせてもらえる」

「叔母さん達にとっちゃ、家を留守にすると色々心配だろ?でも俺達が居るからその必要はねえっつーこと」

なるほど、お互いの利益が一致してるんだね。

もしかしたら、碧音君を1人にさせるのも心配してるのかな、なんて思うと微笑ましくなった。

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