群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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「早く食べよ。いただきまーす」

「……いただきます」

星渚さんが始めに夜食の具だくさん焼きおにぎりに手をつける。

ちなみに生ゴミは極力出したくないから、人参の皮も刻んで入れてある。

「お前………飯は、うまいんだよ俺好みの味過ぎて悔しい」

「悔しがる必要ありませんが」

眉根を寄せ、何故舌打ちをされるんだ私。

「皐月、胃袋掴まれちゃったねえ」

「女の顔よりも料理に惚れた方が厄介だって、言うよな」

星渚さんと碧音君に茶化されると皐月は首をぶんぶん横に振った。

「惚れる?あり得ねぇ。地球に隕石が衝突するくらいあり得ねえ」

そう言って、また箸を動かし黙々と食べる。

その様子に星渚さんはくすりと含みのある笑みを溢し、私にも意味あり気な視線を送ってきた。

何を期待してるんだか。星渚さんは人をからかうのが好きだよね、なんて思いつつご飯を頬張った。

「あの。1つ、聞きたいことがあるんですけど」

「何?」

「皆さんは、藍さんと弟の関係について知ってる……んですよね?」

「知ってっけど。逆に何でお前が知ってんだよ?」

「スタジオで練習してた時、私藍さんを呼びに行ったじゃないですか。それで、言い合いになってるの見てしまって。藍さんに色々と、教えてもらいました」

「よくやるよなぁー、藍も」

何処か関心するような声色の皐月。

「俺らも弟君には会ったっていうより、明日歌ちゃんと同じで見た方が多いかなぁ。藍の家とスタジオって近いじゃん?それで偶然出会したりしてさ。藍は2人で他愛ない話しようとするんだけど、弟は藍の顔を一瞥して終わり」

苦笑いして肩を竦める星渚さん。

「そのくせ、藍がいないと俺達の前では人畜無害そうな顔して軽く頭下げてくんだよ、あいつ」

ええ、本当に藍さんの弟ですかとやはり聞きたくなってしまう話だ。

「藍さんは昔から仲が悪いって言ってました。でも、昔に比べたら皐月達から見てもマシになってきているんですか?」

何年も藍さんが努力しているのに、弟は全く変化がないなんてこと……。

『あの女のとこ行けば?』と言っていた際、“あの女”に憎悪が込められていたのも気になるけど、それは取り敢えず頭の片隅に置いておく。

「どうだかね。俺が見た限り、あれでも藍に対する雰囲気は柔らかくなった気する」

「そうかー?俺分っかんね。碧音は?」

「さあ」

ですよねー。先程から食べることに集中していた碧音君は、話の内容すらあやふやだろう。

「いけ好かないガキだ、あれは」

「皐月も大概人のこと言えないでしょー」

「中学の頃とか生意気そうですよね」

「ケンカ売ってんのかてめえら」

だって、友達とサッカーしてたらボールを窓ガラスに当てて割っちゃったとか、くだらない悪戯を先生相手に仕掛けて楽しんでたとかいうベタなことやってそうだもん。

「星渚さんは中学や高校の頃、どんな感じだったんですか?」

菜流からも、意外とその頃の話はされてないんだよね。

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