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冬の雀
棘(おどろ)
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童士と真理子は立ちつくし、女の子達が好き勝手な方へ歩いていくのを見ていた。
後ろから見ていると、皆同じ姿なので最初の女の子がどれだか見当がつかない。ただ、分かったのは、奴は突如現れた女の子を恐れているという事だ。きっと出口を示してくれる存在なんだろう。
しかし、童士はしばらく女の子達を見ていると違和感を感じ始めた。何だろうと思っていると横から「あっ」という声が聞こえた。
「そう言うことか」
真理子は、じっと女の子達を見て言った。
そして、一人の女の子が橋を渡り始めると、「あの橋だ」と言って童士の手を握った。
「舞鼓君行こう」
今度は、真理子が童士の手を掴んで走り出した。
「邪魔されない内に一気にいくわよ」
二人は女の子達の中を駆け抜けると一つの橋にたどり着いた。
「この橋よ」
真理子が橋の上に乗ろうとすると「待って下さい」と童士が止めた。
「僕が先に行きます。安全を確認したら後から来て下さい」
童士は真理子の目を見て言った。
「分かった」と真理子が返すと童士は橋の上にあがった。
橋は消えなかった。大丈夫だと思い真理子の方を振り向くとギョッとした。
真理子の背後の女の子の中から
凄い勢いでやって来る女の子がいた。
髪を振り乱し赤い着物ははだけ、目がつり上がっている。
「後藤さん早くこっちに来て」
童士は叫んだ。
真理子は、童士の様子がただ事ではないのを察知して、弾かれたように飛び出した。
「おのれ何故分かった。逃しはせぬぞ」
叫びながらやって来るその者は、もはや女の子では無く、つり上がった目は血走り口は耳まで裂け、ざんばらに乱れた髪の中に二本の角が見えた。そして体は大人程に膨れ上がり着物は腰を覆うだけになっていた。それは、鬼だった。
真理子は、背後から恐ろしいものが来るのを感じながら、後ろを振り返らずに走った。
橋の長さは、5メートル程もある。真理子が中程にかかる頃には、その者はもう彼女に手が届く程すぐ後ろに来ていた。
童士は、真理子を待ちながら走っていた。そして橋を渡り切ろうかというところで真理子を振り返ると、その後ろにいる巨大な鬼を見上げた。
体は半分、橋を出ていたが真理子を助けるために戻ろうと体を反転させようとしたら、誰かに腕をがっと掴まれ橋の外に引き出された。
その横を真理子は何とか橋から走り出ようとしていた。
しかし、体が全部出ようとしてた時、わずかに残った左腕を鬼に掴まれた。
真理子はグイと腕を引っ張られつり上げられると思った刹那、鬼の腕が飛んだ。真理子を掴んでいる腕だった。そして、次の瞬間真理子は橋を渡りきった。
真理子はその場にへたり込んだ。何があったのだろうと横の童士の方を見上げると、そこには刀を振り上げてる見知らぬ少年がいた。
後ろから見ていると、皆同じ姿なので最初の女の子がどれだか見当がつかない。ただ、分かったのは、奴は突如現れた女の子を恐れているという事だ。きっと出口を示してくれる存在なんだろう。
しかし、童士はしばらく女の子達を見ていると違和感を感じ始めた。何だろうと思っていると横から「あっ」という声が聞こえた。
「そう言うことか」
真理子は、じっと女の子達を見て言った。
そして、一人の女の子が橋を渡り始めると、「あの橋だ」と言って童士の手を握った。
「舞鼓君行こう」
今度は、真理子が童士の手を掴んで走り出した。
「邪魔されない内に一気にいくわよ」
二人は女の子達の中を駆け抜けると一つの橋にたどり着いた。
「この橋よ」
真理子が橋の上に乗ろうとすると「待って下さい」と童士が止めた。
「僕が先に行きます。安全を確認したら後から来て下さい」
童士は真理子の目を見て言った。
「分かった」と真理子が返すと童士は橋の上にあがった。
橋は消えなかった。大丈夫だと思い真理子の方を振り向くとギョッとした。
真理子の背後の女の子の中から
凄い勢いでやって来る女の子がいた。
髪を振り乱し赤い着物ははだけ、目がつり上がっている。
「後藤さん早くこっちに来て」
童士は叫んだ。
真理子は、童士の様子がただ事ではないのを察知して、弾かれたように飛び出した。
「おのれ何故分かった。逃しはせぬぞ」
叫びながらやって来るその者は、もはや女の子では無く、つり上がった目は血走り口は耳まで裂け、ざんばらに乱れた髪の中に二本の角が見えた。そして体は大人程に膨れ上がり着物は腰を覆うだけになっていた。それは、鬼だった。
真理子は、背後から恐ろしいものが来るのを感じながら、後ろを振り返らずに走った。
橋の長さは、5メートル程もある。真理子が中程にかかる頃には、その者はもう彼女に手が届く程すぐ後ろに来ていた。
童士は、真理子を待ちながら走っていた。そして橋を渡り切ろうかというところで真理子を振り返ると、その後ろにいる巨大な鬼を見上げた。
体は半分、橋を出ていたが真理子を助けるために戻ろうと体を反転させようとしたら、誰かに腕をがっと掴まれ橋の外に引き出された。
その横を真理子は何とか橋から走り出ようとしていた。
しかし、体が全部出ようとしてた時、わずかに残った左腕を鬼に掴まれた。
真理子はグイと腕を引っ張られつり上げられると思った刹那、鬼の腕が飛んだ。真理子を掴んでいる腕だった。そして、次の瞬間真理子は橋を渡りきった。
真理子はその場にへたり込んだ。何があったのだろうと横の童士の方を見上げると、そこには刀を振り上げてる見知らぬ少年がいた。
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