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番外編 遠藤明彦の恋
しおりを挟む俺は、僕は遠藤明彦。
市場ユウと同じクラスの冴えない奴だ。
誰かと話すときは意識して「俺」とは言うけど、本当は「僕」だ。
中学校の時に初めて付き合った彼女にダサい、と言われてからは、しゃべるときはずっと「俺」と言っている。
初めての彼女に最後言われたことは「ずっと別れたいしか思ってなかった」という言葉だった。
それ以来、女子は苦手だった。怖い。また言われるのではないかと思うと、話すのですら怖い。
土曜日の朝のことだった。
いつものようにパソコンを起動し、途中だったゲームの続きをする。
「明彦、相変わらずすごい部屋ね。せっかく見た目だけはかっこいいんだから何とかしたら?」
僕の部屋は典型的なオタク部屋だ。
タペストリーやポスターで壁は埋まり、本棚はカラフルだった。
ベッドの上には三人の嫁が寝そべっている。勿論、それは抱き枕だ。
大学一年生の姉。僕は頭が上がらない。
小さい頃からマウントをとられ続けているので、今更それを覆せない。
長い茶髪をはためかせて、露出の多い恰好で部屋に入ってくる。
「姉さん。勝手に入るなっていつも言ってるだろ!?」
「なーに? なんか見られたらまずいものでもあるの? エロゲいっぱい持ってるのだって知ってんだからね」
シニカルな表情だ。
口元を片方だけゆがめ、馬鹿にするように言う。
それでも姉はどもらずに話せる数少ない人間の一人ではある。
「趣味なんだからいいだろ! 出てけよ!」
「どうしてこうなったんだか……あんたその見た目でモテないって、相当だよ?」
「いいんだよ。見た目で好きになられたって困る」
僕はモテる。というよりモテていた。
客観的に見れば自分がイケメンであることはわかる。
ただそれで良い思いをしたことはなかった。むしろ、嫌な思いばかりだ。
見た目とそのイメージだけで好きだと言われ、そのギャップにこっぴどくフラれてしまう。
好きだと言ってくれた相手が、自分の悪口を言いふらす。人間不信になるには十分すぎた。
いつしか人と話すことが苦手になり、内にこもるようになってしまっていた。
人間は怖い。特に女子は。
好きだ好きだと近寄ってきて、僕を傷つけて消えていく。
ゲームの中のキャラクターは僕の容姿を気にしない。
美少女ゲームというものにハマるには十分な理由だった。
ディスプレイの中の彼女たちは僕を好きでいてくれて、決して裏切った行動をしたりはしない。傷つけたりはしない。
「我が弟ながら難儀な奴。そういうもんなんだって、人間なんて」
姉はそう言ってあきれる。
家系の問題なのか、姉は美人なのだと思う。実際、中学生から彼氏が途絶えた期間はほとんどないと自慢していた。よくモデルのスカウトもされる。母も父も美形に分類されるタイプだ。
もっとも、姉の彼氏にはあったことがない。あくまで話だけである。
自慢だけされて非常にうっとうしいと思っている。家族のそんな話は聞きたくないのだ。
「というか、あんたまだ童貞なわけ? 一定のマニアはいるだろうけどさ。イケメン童貞なんて、都市伝説みたいなもんだからね」
「──別にいいだろ! 本当に好きになってくれた人と一緒にしたいんだよ!」
「出たよ、童貞脳。言っておくけど、経験のない男を好きになる女なんて、それこそ都市伝説みたいなもんよ。可愛い子ほどリードして欲しがるの」
「そんなこと言われたって相手がいるわけじゃないし、どうしようもないだろ。経験を積むことすらできないんだよ」
「んー? それはお姉ちゃんに筆おろしして欲しいってことかなー?」
馬鹿にするように笑いながら言う。
昔からそうだった。いつも僕を下に見て言うのだ。まぁ姉弟である以上ある程度は仕方ないけど。
「ち、ちげーよ!」
姉の胸元を見てしまう。母さんに似てなのか、無駄に大きい胸を。
ゲームのキャラクターのようなサイズで、現実ではあまり見ないサイズではある。それでも肉親のそれに欲情するほどは飢えていない。
「見てたね? 今お姉ちゃんのおっぱい見てたよね? きゃー弟に犯されるー」
しらじらしい言い方で、笑いながら僕の肩をバシバシ叩く。
最近のストレスもあって、少しカチンとくる。
市場が四条さんと付き合っていると聞いてしまったからだ。
それだけではなく、黒田サユリさんまでが、市場のほうを見ていることが増えたからというのもある。
市場はいいやつだ。僕を差別したりしないし、いつも明るく話しかけてくれる。
四条さんのことが好きなのだって誰が見ても明らかだし、他に興味がないようにも見える。
四条さんだってそうだ。二人の仲に割り込もうなんて思わない。
はたから見たってお似合いだ。あの二人はそうあるべくしてお互いを好きあっているようにしか思えない。
それでも、それでも羨ましい。誰かに本当に好かれているという感覚が、感情が妬ましい。
きっと幸せで、自分の存在を認められたような、そんな気持ちなのだろうと思う。
僕は背中をたたく姉の手を掴み、立ち上がって姉に言う。
「あんまりからかわないでよ。犯すぞ」
百八十センチある僕の伸長と比べると、姉はだいぶ小さい。
昔は僕よりも大きかったのに、百五十センチくらいで成長は止まってしまったようだった。
その後は胸ばかり大きくなっている。
「え……本気……?」
姉は顔を赤くし、しおらしく小さな声で聞く。
何を言っているんだ。僕はそう思う。本気のはずがない。そういうのはゲームの中だけだ。
「そんなわけないでしょ……」
「そ、そうだよね、お姉ちゃんびっくりしちゃったよ……」
手を離し、少しおとなしくなった姉に言う。
どうやら効果的だったようだ。
「まぁとにかく、用がないなら出てってよ。これからゲームしなきゃいけないから」
「あ、用ならある! 買い物に付き合ってよ! 服買いたいの」
「そういうのこそ彼氏とでも行けよ。俺にセンスなんてないの知ってるだろ?」
何を着ても笑われるのではないかと思い、自分で服を買ったことはない。
いつも姉に選んでもらっていた。姉のセンスは概ね好評のようで、声をかけられることもあるが、話し方ですべて帳消しだ。
「いや、か、彼氏は別れちゃったし!? どうせ暇でしょ!?」
動揺したような、少し甲高い声。
姉にもいろいろあるのだろう。きっと容姿だけで近寄ってくる男は多いだろうから。
本来僕と同じ気持ちくらいわかるはずなのだ。
「暇じゃない。大事な彼女たちとのデートがある」
「ゲームはいつでもいいでしょ!?」
「服こそいつでもいいじゃないか。どうせ冬服だろ? 別に去年のでいいだろ?」
「女の子はそうはいかないの! あんただってダサいのはだめ! ますます彼女できなくなるよ!?」
それは少し嫌だ。
黒田サユリ。今絶賛片思い中だった。ただ、話しかけたりはやっぱりできない。
この前市場たちと学食に行ったとき、市場のおかげで四条さんたちと食べることができた。
その時の会話がすごく楽しくて、僕はすっかりほれ込んでしまっていた。
市場には一番好きなゲームのヒロインと似ていると言い訳をしてしまったが、本当はそんなのはいない。
『へぇー、遠藤って辛いの好きなんだ。私は全然得意じゃないからちょっと憧れちゃう。食べられるとおいしいの?』
とタンタンメンを注文した僕に黒田サユリはそう言って笑いかけてくれた。
今や学校で話しかけてくれる女子なんていない僕は、たったそれだけで惚れてしまった。
肩にかかるかどうかというくらいの長さの髪。
姉と同じくらいの小さい体。それでもスポーツ万能の運動神経。
天真爛漫といった美少女だ。
笑うと少し幼く見える化粧っ気のない顔。無邪気で曇りのない顔。僕に偏見の目を向けない人。
四条さんもそういうタイプだけど、黒田さんとは意味合いが違う。
四条さんは単純に市場以外興味がないように見えるからだ。
顔はいいのに中身は残念。それが僕の評価だ。
だから今では話しかけてくれる人も少ない。
黒田さんが気になるのは彼女の見た目ももちろんあると思う。それでも。
畑山にでも言えば茶化される理由だろう。それでも僕には十分すぎた。
あの僕を馬鹿にしていない笑顔、眩しい笑顔だった。
それ以来ずっと、心に引っ掛かりがある。
「……わかったよ。ただ僕は小遣い残ってないよ」
「そこはほら、お姉ちゃんがおごってあげるよ。というかさっきお母さんに貰ったんだよね。二人分」
「じゃあ最初から選択肢ないじゃないか」
姉と二人で街を歩くと注目されるのが嫌だった。
はたから見ると美男美女、姉の友達はそんなことを言っていた。
僕たちはあまり似ていない。僕は母親似で、姉は父親似なのだ。
なのでカップルだと勘違いされることも多い。
「明彦、あれ良くない?」
「良くない、ってかわからない」
「せっかくのデートなんだよ、楽しめよー!」
「何が悲しくて姉とデートしなきゃならんのだ」
「予行演習だと思って楽しませてみなよ。こんなんじゃフラれるよ?」
「大丈夫。そんな相手いないし」
黒田さんはきっと市場が好きだ。いつも見てるし、その視線は切なげなものだ。
市場の奴は最近余裕というか、少しかっこよくなってきているのがわかる。
多分本当にモテるのはああいうやつで、僕のようなタイプは見た目だけで終わってしまう。
人よりもスタートラインがちょっと手前にあるだけだ。そして、本当に欲しい恋愛はきっと手に入らない。ただ純粋に愛されてみたい。容姿なんかが関係ない、そんな恋愛がしたい。
みんなはきっと僕に少女漫画のキャラクターのようなものを求めているのかもしれないが、ああいうのは経験値が必要だ。僕にそんなものはない。
「明彦、髪でも染めてみたら? 金髪とかさ。似合うと思うよ」
姉は背伸びをしながら僕の髪をわしゃわしゃといじる。
僕の髪は普通の学校なら完全にアウトな長さだろう。耳は完全に隠れてしまっている。
髪を切りに行くのが苦手なのだ。あの時間何を話せばいいのかわからない。
「いいよ、そんなの。似合わないって」
僕は黒髪だ。最低限セットはしていても、金髪など想像もつかない。
校則が緩くたって目立つことは避けたい。
これ以上悪目立ちしたくないのだ。上級生に絡まれたり、そういった面倒は御免だった。
お前が俺の女を盗った、だの言われて絡まれるのは本当に怖い。そんな気はないというか、知りすらしないというのに。
「絶対似合うと思うよ。お姉ちゃんが保証してあげる。せっかくさらさらなんだから。別に金髪じゃなくても色入れるだけで相当変わると思うよ。気になるあの子にもモテるかもよ?」
別に黒田さんのことを話したことはないので、きっと適当だろう。
「いいって。色気づいてると思われたらまた絡まれるようになるから、嫌なんだよ」
その後も姉の買い物に付き合わされ、本当にデートのように色々な店に付き合わされた。
きっと彼女なら嬉しいのだと思う。どんなに退屈な時間でも幸せかもしれない。
だが姉だと苦痛でしかない。
家に戻り、再びパソコンの電源をつける。
今日は散々だったな、癒されよう。そう思った矢先──
「明彦、どう、どうこれ似合う?」
部屋のドアを勢いよく開け、姉が突然現れる。
「似合う似合う。超かわいい」
ろくに見はしない。どうせこう言わない限りは満足しない。それよりも早くゲームの世界に入りたかった。
「適当な反応ー。ちゃんと見てよ」
姉の服装はセーターだった。さっき買ったばかりのものだ。
別段特筆することはない、普通の白いセーターである。
しいて言うなら胸元がはち切れそうなだけで、きっと姉でなければ魅力的なものだ。
「いやいや、超かわいいよー」
「はー、腹立つ! あんたのそういうところがモテないところなんだって」
「モテはするよ、今でもそれなりに。ただ違うんだよ、みんな顔だけで」
嘘だった。女友達すらいない。
「あんた刺されるよ。具体的には同級生に」
「姉ちゃんだってわかるだろ。見た目だけで好きになられたっていいことないってくらい」
「まぁ、わかるけど。でもそんなの仕方ないじゃん。見た目だけでも好かれるだけマシだって。世の中にはそれもない人もたくさんいるんだよ? 贅沢言いすぎなんだって」
「そうかもしれないけどさ。あんなフラれ方、もうしたくないんだよ……」
「ああー、最初の彼女だっけ、『別れたいしか思ってなかった』ってやつ」
「それホントやめて……」
「あんた、もしかしてトラウマになってる? まぁ無理もないよね。初デートから帰ってきてウキウキだったのにそんなメールされたら誰だってへこむわ」
「なってるよ……今でもあれの正解がわからないよ。何もしてないのに。頑張っていろいろ考えたのに」
「向こうだって後悔してるって。こんなかっこいいのをそんなふり方してるんだもん。どうせしょうもない不細工相手に恋愛ごっこしてるって。自信持ちなよ。あんたなら選び放題なんだから」
最初の彼女。
中学二年生の時に告白されて付き合った。
そして付き合い始めて、と言っても毎日メールしたりするくらいだったけど、一か月目、初めてのデートの後フラれたのだった。
道中の電車の中も、その後の買い物や食事なども、彼女にそんな様子はみじんもなかった。
普段の笑顔のまま、明日の話までしたくらいだった。
だが、家に帰って携帯を確認するとメールが届いていた。
さっきのデートの感想かな、なんて笑顔で開いたのを覚えている。あの一日は忘れたくても忘れられないだけだけど。
『別れよう。今日もずっと、別れたいしか思ってなかった』
見たときは何が何だか理解できず、返信はしなかった。
そして翌日、その意味を理解して泣いた。
その出来事が僕の女性不信、人間不信を決定づけた。
笑顔の下で何を考えているかわからないこと。それを知ってしまった。
「選びたい放題なんて、そんなことないよ。僕の好きな人は大体僕が好きじゃないんだからさ」
「なんでそんなに自信ないのかねぇ! 結局経験重ねて薄めてくしかないんだから、積極的に動いてみなって! 童貞で自信ないならお姉ちゃんが何とかしてあげるから!」
「それはいいよ。何が悲しくて姉ちゃんとしなきゃならないんだよ」
「えぇー……なんかそう言われるとショックなんだけど。結構モテるんだよ? 私」
「イヤイヤ、むしろ弟の倫理観を誉めなよ、こういう時は」
「私は、別にいいよ。明彦なら」
少しだけ真剣な表情でこちらを見る。
まるで本気のようで、ドキドキする。こういう状況は初めてだから。
「じょ、冗談はよせよ!」
「まぁね。本当に困ったらいいに来なよ」
そう言って、姉は部屋を出ていく。
自分の心臓が高鳴っていることに今更気づく。
姉相手なのに。でも多分、これはただの状況反射だ。きっと。
「頑張って、みようかな。黒田さん……」
顔を思い出す。
あの無邪気な笑顔をもう一度向けられてみたいと思う。
初めて自分から動いてみよう。
勇気をもって、自分から。
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