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メールが届いた。
採用メールだった。
すぐにスマホの画面をとじた。
昼休みに芽生が先生と進路面談をしているときだ。
残された茜と私はおしゃべりをしていたのだが、スマホの通知を知らせる振動とロック画面に表示されるメールの差出人をみて、自然とメールを開いていた。
「あ。」
私は思わず声をだしていて、茜が「どうしたの?」ときく。
「合格だ。」
合格は言わない暗黙の了解を無視した。
安心を感じるともに、夢が本当に終わる音がした。
「おめでとう!!」
茜は周りに聞こえないように声をひそめ、自分のことのように喜ぶ。
なんて、心のきれいな子なんだ。
「ありがと。」
茜と正反対の私は言った。
今日はシフトが入っていない。
家にまっすぐ帰った。
ぼろぼろのアパートが一層寂しく見えた。
お母さんに、就職が決まったという報告をメッセージアプリで報告した。
「おめでとう!!」
めずらしくびっくりマーク、それも二つもついていた。
今の自分の感情に合わない陽気なキャラクターのスタンプを返して、スマホの画面を暗くする。
私は、制服のまましばらく寝転がっていた。
そこで、スマホがいきなり振動し始めた。
少しびっくりして、振動し続けるスマホを見る。
茜からの電話だった。
寝ころんだまま、電話に出る。スマホをスピーカーに設定して、床におく。
「ね、ね、きいて、なんだと思う?」
電話越しでも茜の興奮が伝わる。
それとは対照に私は落ち着いていた。
「どうしたの?」
「合格発表がさ、第一志望の大学の。来週じゃなかったの!今日だったの!」
「うん。」
茜らしい。
そう思いながら私は茜が話すのをまった。
「合格してた・・・!」
信じられない、落ちたと思ったのに、みたいなことを茜はまくしたてるみたいに言ってたと思う。
何も耳に入らない。
茜が第一志望に合格した。
茜は、今日、私の合格をあんなに喜んでくれたのに。
なぜ、私は、喜べないんだろう。
おめでとう、さすが茜、大学楽しみだね、みたいなことを言ったきがする。
声までうれしそうにできたのかは、覚えてない。
茜は、芽衣はまだ受験中だから秘密ね、と言うと、電話をきった。
私は、ぼうっと天井をみた。
涙がつうっと出ていた。
つらい涙だ。
茜は夢を追いかける第一歩を踏み出した。
私は、夢をあきらめる第一歩になった。
私が納得して、あきらめた夢で、自分で決めたことなのに。
最低な自分。
私は誰かに聞いてほしかった。
助けてほしかった。
なぜ今日、バイトのシフトが入ってないんだろう。
毎月組まれるシフト表を確認した。
次のバイトも、次の次も、そのまた次も。
シフトが高塚さんと被っていなかった。
そして、今月でバイトを辞めると高塚さんが言っていったことを思い出した。
もう高塚さんに話はきいてもらえない。
唐突に、チョコレートのことを思い出した。
あのチョコレートは今までありがとう、さようなら、の意味だったのか。
なんで、高塚さんはあの時最後だと言ってくれなったの。
そう高塚さんに文句をいいそうになって思い出す。
私が、高塚さんに悩みばっか言ってたせいで、高塚さんが言えないようにしていたのかもしれないと。
それとも、私がそんな重要な人物でないから、高塚さんは気が付かなかったのかもしれない。
あの「頑張れ。」がさよならだったのか。
私は今まで業務連絡しか使わなかった高塚さんのメッセージアプリの連絡先をタップした。
電話をかけていた。
こんな非常識なことができるのは、もう高塚さんと会わないからかもしれない。
長く感じた。高塚さんは出なかった。
虚しさに襲われた。
誰にもこの苦しさを打ち明けられない。
この世界でたった一人になっていまったような気持ちだ。
その時、スマホが振動しはじめた。
私はすぐにスマホの画面を見る。
高塚優斗。
大半の人が、苗字だったり、下の名前だけで登録しているのに対し、丁寧にフルネームで登録している高塚さんの名前が表示された。
採用メールだった。
すぐにスマホの画面をとじた。
昼休みに芽生が先生と進路面談をしているときだ。
残された茜と私はおしゃべりをしていたのだが、スマホの通知を知らせる振動とロック画面に表示されるメールの差出人をみて、自然とメールを開いていた。
「あ。」
私は思わず声をだしていて、茜が「どうしたの?」ときく。
「合格だ。」
合格は言わない暗黙の了解を無視した。
安心を感じるともに、夢が本当に終わる音がした。
「おめでとう!!」
茜は周りに聞こえないように声をひそめ、自分のことのように喜ぶ。
なんて、心のきれいな子なんだ。
「ありがと。」
茜と正反対の私は言った。
今日はシフトが入っていない。
家にまっすぐ帰った。
ぼろぼろのアパートが一層寂しく見えた。
お母さんに、就職が決まったという報告をメッセージアプリで報告した。
「おめでとう!!」
めずらしくびっくりマーク、それも二つもついていた。
今の自分の感情に合わない陽気なキャラクターのスタンプを返して、スマホの画面を暗くする。
私は、制服のまましばらく寝転がっていた。
そこで、スマホがいきなり振動し始めた。
少しびっくりして、振動し続けるスマホを見る。
茜からの電話だった。
寝ころんだまま、電話に出る。スマホをスピーカーに設定して、床におく。
「ね、ね、きいて、なんだと思う?」
電話越しでも茜の興奮が伝わる。
それとは対照に私は落ち着いていた。
「どうしたの?」
「合格発表がさ、第一志望の大学の。来週じゃなかったの!今日だったの!」
「うん。」
茜らしい。
そう思いながら私は茜が話すのをまった。
「合格してた・・・!」
信じられない、落ちたと思ったのに、みたいなことを茜はまくしたてるみたいに言ってたと思う。
何も耳に入らない。
茜が第一志望に合格した。
茜は、今日、私の合格をあんなに喜んでくれたのに。
なぜ、私は、喜べないんだろう。
おめでとう、さすが茜、大学楽しみだね、みたいなことを言ったきがする。
声までうれしそうにできたのかは、覚えてない。
茜は、芽衣はまだ受験中だから秘密ね、と言うと、電話をきった。
私は、ぼうっと天井をみた。
涙がつうっと出ていた。
つらい涙だ。
茜は夢を追いかける第一歩を踏み出した。
私は、夢をあきらめる第一歩になった。
私が納得して、あきらめた夢で、自分で決めたことなのに。
最低な自分。
私は誰かに聞いてほしかった。
助けてほしかった。
なぜ今日、バイトのシフトが入ってないんだろう。
毎月組まれるシフト表を確認した。
次のバイトも、次の次も、そのまた次も。
シフトが高塚さんと被っていなかった。
そして、今月でバイトを辞めると高塚さんが言っていったことを思い出した。
もう高塚さんに話はきいてもらえない。
唐突に、チョコレートのことを思い出した。
あのチョコレートは今までありがとう、さようなら、の意味だったのか。
なんで、高塚さんはあの時最後だと言ってくれなったの。
そう高塚さんに文句をいいそうになって思い出す。
私が、高塚さんに悩みばっか言ってたせいで、高塚さんが言えないようにしていたのかもしれないと。
それとも、私がそんな重要な人物でないから、高塚さんは気が付かなかったのかもしれない。
あの「頑張れ。」がさよならだったのか。
私は今まで業務連絡しか使わなかった高塚さんのメッセージアプリの連絡先をタップした。
電話をかけていた。
こんな非常識なことができるのは、もう高塚さんと会わないからかもしれない。
長く感じた。高塚さんは出なかった。
虚しさに襲われた。
誰にもこの苦しさを打ち明けられない。
この世界でたった一人になっていまったような気持ちだ。
その時、スマホが振動しはじめた。
私はすぐにスマホの画面を見る。
高塚優斗。
大半の人が、苗字だったり、下の名前だけで登録しているのに対し、丁寧にフルネームで登録している高塚さんの名前が表示された。
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