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第十一章 ケンイチ 神々篇 《第三部》
第160.5話 part2「駆ける」
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私は彼、キャルロットと宮殿にて充実した日々を送っていた。
あのマキとかいう子が居なくなってから何不自由無い生活。
勿論日本に居た時と比べたら不便ではある。
でも、都会に住んでいた私にとってこの世界の空気はとても美味しい。
よく都会から田舎に行くと空気がうまいと言うけれど、今はその気持ちが分かる気がする。
「……マキって子、今頃何しているのかなぁ」
同じ同郷人だ。気になってしまう。
「探していたスドウくんとか言う人、ちゃんと見つかったのかな……」
「バステト様、紅茶です」
「ええ、ありがとうキャルロット」
相変わらず私と彼は上手くやっている。以前より距離も近くなった。
体の相性も……
「いやいや! 何考えてるんだ私!!」
「どうされました?」
「いえ、なにも。……それよりキャルロット、あなたその剣術はどこで学んだの?」
「僕のは独学です。獣人はヒューマンより動きが俊敏なんです。ですから剣術が上手いというより、上手く見せているだけです」
「ふーん。よくわからないけどすごいわね」
「僕からすればあなたのほうが――」
と言いかけた所でキャルロットが急に話を止めた。
「どうしたの?」
「……気づきませんか?」
「何を?」
「外を御覧ください」
「外?」
私は宮殿を出ると、キャルロットの言う通り空を見た。
「……何……これ……」
「分かりません。ですが、良くない事であることは間違いありません」
良くないこと……?
空の一部が白くなっていた。雲ではない。絵の具で真っ白に塗りつぶしたような白だ。
「何が起こるというの……」
「バステト様、ここを離れましょう」
「え、でもせっかく居心地の良い居住が見つかったのに捨てるなんて……」
「……僕の予想では…………」
キャルロットは黙ってしまった。
「……何よ。言いなさい。キャルロット。これは命令よ」
私は恋人としてではなく、王としてキャルロットに命じた。
「……分かりました。…………恐らくですが、僕らはもう助かりません」
「……え?」
「見てください、先程より白が広がっています。恐らくこのままいけばこの世界全体を覆い尽くすことになるでしょう」
「そんな……一体何が……」
「……アレが何なのか分かりませんが、この世界でこんな事が出来るのは一人しかいないかと」
一人……あ。
「……オーディン」
「ええ、恐らくは」
そういえば私達を救ってくれた男が言っていた。
『もしオーディンが『コア』を使い世界を創造したとしても、再構築を起こさない限りはこの世界の生き物が死ぬことはない。あくまで新しい世界が誕生するだけだ』
と。もしその『コア』というのがオーディンの手に渡ってこんな事になっているのなら止めないと!
……でもどうやって? あれは勝てる勝てないの存在じゃなかった。死を司る神だ。私にどうこう出来る存在じゃない。でも……
「……いやだ」
「バステト様……」
「せっかくこの世界であなたに会えたのに……こんなところで終わりにしたくない!」
「それは僕も同じです。ですからバステト様、もしあなたにその覚悟があるのなら僕はあの最凶の神に会う手段を提案出来ます」
「会う……?」
「はい。しかし、あの神に会うという事は死を意味します。……それに成功確率はかなり低い。一%にも満たないでしょう」
一%にも……。
「……このまま何もしないままここに居るくらいならその確率に挑むわ」
「…………分かりました。では会って話をするのです。会って説得に試みるのですバステト様」
「話が通じる相手なの?」
「一%にも満たない理由はそこです……」
ああ、なるほど確かに。……あの緑髪の少女の事を思いだすと、今にも足が震えそうになる。
「あなたも来るよね?」
「僕はいけません」
「え、何で!?」
「……僕には才能がありませんから……」
だからその才能って何なのよ……!
「時間がありませんので詳しい説明は省きます。行くのか、行かないのか。決めるのはあなたですバステト様。どちらを選んでも誰もあなたを攻めはしない」
このままここにいれば世界はあの白いやつに覆われてしまう。でもキャルロットと一緒に最期まで居られる。
……でも行かなければ、無いようで確かにある小さな希望を自ら潰すことになる。成功すれば私はまたキャルロットと一緒に居られる。
「私、行く」
「……それでこそバステト様です。実はそう言うと思い移動手段を用意しました」
「移動手段?」
そんなのあったっけ? この世界に来てから馬すら見たこと無いけど。
「従者の一人であり、僕の友人であるゾルスが探索している道中で偶然見つけのです」
え、なにを?
「ゾルス、そいつをバステト様に」
キャルロットがそういうとエルフの青年が入ってきた。
私こんな人従者にしたっけ?
「コイツはゾルス、あなたが知らないのも無理もありません。この者は志願者では無く、僕が直々に招き入れた者ですから」
「ゾルスです。お初にお目にかかります」
「少し固い奴ですが、仕事は出来る有能な者ですのでご安心ください」
「お任せください、バステト様」
え、それって私というよりキャルロットに惚れてない……? まぁいいけどさ。
「ゾルス」
「はい、キャルロット様」
様って呼んでるし……。絶対そうじゃん。
そのゾルスと名乗る者は、一匹の大きな獣を引き連れてきた。
「な、なにそのデカいの……」
虎? でも私の知ってる虎にしては少し大きいような……。
「コイツは『虎車』。乗るには少しコツが要りますが、速さはピカイチです」
「え、私がそれに乗れって?」
「はい」
いやいやいや! 無理でしょ! 落ちる自信しか無いんだけど!
「躾はしております。それにあなたには才能がある」
「でもそれは偽物で……」
魅了なんて私には無いって……。それにあったとしても動物に効くのかな。
「コイツに乗れば間に合うはずです」
「でもあの神がどこに居るかなんて分からないよ?」
「恐らくあの白が発生源、あそこに居るはずです」
さっきより白が増してる……。
「急いでください! バステト様!」
「う、うん!」
私はゾルスという今日始めてあったエルフの男に簡単に乗り方を案内され、無事大きな虎の上に乗ることが出来た。
「……暴れないんだね」
「ワシが躾をしておりますゆえ」
……ワシ? まだ若いのにおじいさんみたいな口調だなぁ。
「……じゃ、じゃあ行ってくるね」
「はい、ご無事で。バステト様」
私は大きな虎に乗り、白の発生地点へと向かった。私が宮殿を出る頃にはもう既に世界の半分が白に覆い尽くされていた。
「はっや!!!」
その虎は想像以上に早かった。
これなら確かに間に合いそうだ。
あのマキとかいう子が居なくなってから何不自由無い生活。
勿論日本に居た時と比べたら不便ではある。
でも、都会に住んでいた私にとってこの世界の空気はとても美味しい。
よく都会から田舎に行くと空気がうまいと言うけれど、今はその気持ちが分かる気がする。
「……マキって子、今頃何しているのかなぁ」
同じ同郷人だ。気になってしまう。
「探していたスドウくんとか言う人、ちゃんと見つかったのかな……」
「バステト様、紅茶です」
「ええ、ありがとうキャルロット」
相変わらず私と彼は上手くやっている。以前より距離も近くなった。
体の相性も……
「いやいや! 何考えてるんだ私!!」
「どうされました?」
「いえ、なにも。……それよりキャルロット、あなたその剣術はどこで学んだの?」
「僕のは独学です。獣人はヒューマンより動きが俊敏なんです。ですから剣術が上手いというより、上手く見せているだけです」
「ふーん。よくわからないけどすごいわね」
「僕からすればあなたのほうが――」
と言いかけた所でキャルロットが急に話を止めた。
「どうしたの?」
「……気づきませんか?」
「何を?」
「外を御覧ください」
「外?」
私は宮殿を出ると、キャルロットの言う通り空を見た。
「……何……これ……」
「分かりません。ですが、良くない事であることは間違いありません」
良くないこと……?
空の一部が白くなっていた。雲ではない。絵の具で真っ白に塗りつぶしたような白だ。
「何が起こるというの……」
「バステト様、ここを離れましょう」
「え、でもせっかく居心地の良い居住が見つかったのに捨てるなんて……」
「……僕の予想では…………」
キャルロットは黙ってしまった。
「……何よ。言いなさい。キャルロット。これは命令よ」
私は恋人としてではなく、王としてキャルロットに命じた。
「……分かりました。…………恐らくですが、僕らはもう助かりません」
「……え?」
「見てください、先程より白が広がっています。恐らくこのままいけばこの世界全体を覆い尽くすことになるでしょう」
「そんな……一体何が……」
「……アレが何なのか分かりませんが、この世界でこんな事が出来るのは一人しかいないかと」
一人……あ。
「……オーディン」
「ええ、恐らくは」
そういえば私達を救ってくれた男が言っていた。
『もしオーディンが『コア』を使い世界を創造したとしても、再構築を起こさない限りはこの世界の生き物が死ぬことはない。あくまで新しい世界が誕生するだけだ』
と。もしその『コア』というのがオーディンの手に渡ってこんな事になっているのなら止めないと!
……でもどうやって? あれは勝てる勝てないの存在じゃなかった。死を司る神だ。私にどうこう出来る存在じゃない。でも……
「……いやだ」
「バステト様……」
「せっかくこの世界であなたに会えたのに……こんなところで終わりにしたくない!」
「それは僕も同じです。ですからバステト様、もしあなたにその覚悟があるのなら僕はあの最凶の神に会う手段を提案出来ます」
「会う……?」
「はい。しかし、あの神に会うという事は死を意味します。……それに成功確率はかなり低い。一%にも満たないでしょう」
一%にも……。
「……このまま何もしないままここに居るくらいならその確率に挑むわ」
「…………分かりました。では会って話をするのです。会って説得に試みるのですバステト様」
「話が通じる相手なの?」
「一%にも満たない理由はそこです……」
ああ、なるほど確かに。……あの緑髪の少女の事を思いだすと、今にも足が震えそうになる。
「あなたも来るよね?」
「僕はいけません」
「え、何で!?」
「……僕には才能がありませんから……」
だからその才能って何なのよ……!
「時間がありませんので詳しい説明は省きます。行くのか、行かないのか。決めるのはあなたですバステト様。どちらを選んでも誰もあなたを攻めはしない」
このままここにいれば世界はあの白いやつに覆われてしまう。でもキャルロットと一緒に最期まで居られる。
……でも行かなければ、無いようで確かにある小さな希望を自ら潰すことになる。成功すれば私はまたキャルロットと一緒に居られる。
「私、行く」
「……それでこそバステト様です。実はそう言うと思い移動手段を用意しました」
「移動手段?」
そんなのあったっけ? この世界に来てから馬すら見たこと無いけど。
「従者の一人であり、僕の友人であるゾルスが探索している道中で偶然見つけのです」
え、なにを?
「ゾルス、そいつをバステト様に」
キャルロットがそういうとエルフの青年が入ってきた。
私こんな人従者にしたっけ?
「コイツはゾルス、あなたが知らないのも無理もありません。この者は志願者では無く、僕が直々に招き入れた者ですから」
「ゾルスです。お初にお目にかかります」
「少し固い奴ですが、仕事は出来る有能な者ですのでご安心ください」
「お任せください、バステト様」
え、それって私というよりキャルロットに惚れてない……? まぁいいけどさ。
「ゾルス」
「はい、キャルロット様」
様って呼んでるし……。絶対そうじゃん。
そのゾルスと名乗る者は、一匹の大きな獣を引き連れてきた。
「な、なにそのデカいの……」
虎? でも私の知ってる虎にしては少し大きいような……。
「コイツは『虎車』。乗るには少しコツが要りますが、速さはピカイチです」
「え、私がそれに乗れって?」
「はい」
いやいやいや! 無理でしょ! 落ちる自信しか無いんだけど!
「躾はしております。それにあなたには才能がある」
「でもそれは偽物で……」
魅了なんて私には無いって……。それにあったとしても動物に効くのかな。
「コイツに乗れば間に合うはずです」
「でもあの神がどこに居るかなんて分からないよ?」
「恐らくあの白が発生源、あそこに居るはずです」
さっきより白が増してる……。
「急いでください! バステト様!」
「う、うん!」
私はゾルスという今日始めてあったエルフの男に簡単に乗り方を案内され、無事大きな虎の上に乗ることが出来た。
「……暴れないんだね」
「ワシが躾をしておりますゆえ」
……ワシ? まだ若いのにおじいさんみたいな口調だなぁ。
「……じゃ、じゃあ行ってくるね」
「はい、ご無事で。バステト様」
私は大きな虎に乗り、白の発生地点へと向かった。私が宮殿を出る頃にはもう既に世界の半分が白に覆い尽くされていた。
「はっや!!!」
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これなら確かに間に合いそうだ。
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