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1章
3話 日常と転校生
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周りは他の生徒の人が10人前後でいる感じだ。
自分の下駄箱に靴を履き替えに行く。
開けてみると、手紙があった。
綺麗な、丁寧な字で
立花依舞さんへ
私は本日この学校に転校してきました、湊 千都世と申します。
立花さんがあの立花グループの社長さんの娘さんですよね。
2人だけであって話がしたいんです。
休み時間、2階の空き教室へ来てください。
(…転校生…かぁ……わぁ、こんなあからさまな~…父のことも私のことも分かっていることをわざわざ書いたのは……あれか、脅し…だよな…どうしよ…)
その場で固まっていた私に痺れを切らしたのか刹那がやってきて、
「またラブレター?
…いい加減答えてあげないとまた開けた瞬間落ちるほどにまで増えちゃうよ?」
私はそれを鞄の中に入れて
「うるさい、余計なお世話。それに、私の気持ちを知って後悔することだってある。」
と、平静を装う。内心結構やばい。心臓がうるさい。
これを見た瞬間嫌な感じがした。本能かなにかが察したのだろう。上手く仮面をかぶれているだろうか
「っははっ!そうかもな。俺も人のことは言えねぇや。」
「まずは鏡を見て見ろ、そいつが全ての元凶だ」
冗談っぽく笑いながら言ってみる。
「それはひでえ~…ん?…要は俺ってことじゃ…」
「さて、行きますかー!」
刹那side
「…………」
(あの手紙…ラブレターなんかじゃないな…何を隠してる?誰からだ?
……くそっ!俺があの方を護らなきゃいけないのに…じゃなきゃ…
あの方が自分で封じた記憶を…思い出してしまう……
これじゃ、封印した意味が……!)
………………
ーーーーーーーーーーーーーー
私達は白髪で、青よりの紫目の少女の元へ行く。
彼女は冬樹 零那、私の友人だ。
「おはよう、零那」
「あ、おはよ~依舞。刹那も」
「…はよ…じゃ、俺は先に行くよ。あ…零那…後で…」
零那に目配せしながら、そう言って刹那は自分の席へ向かって行った。
「……?刹那…?何か…あったのか?」
「???」
なんか、会話に外れた時の虚しさが…うっ…悲しっ…
零那も真剣な顔になって何が何だか分からんし…
「……あ、そろそろ先生来る…また後でね」
「う、うん…」
聞けなかった………仲間外れ…これが?くそぅ…思ったより悲しい。
準備して先生が来るのを待つ。すると前から声を掛けられる。金髪の…あぁ、紹介するのも面倒臭い…私の嫌いなタイプだ。
「おはよう、依舞ちゃん。今日も君は可愛いね!そのサラサラな髪も、君の凛とした雰囲気も素敵だよ!」
(あー、またこいつか…うざいなぁ…他に声掛けた方がいい人だっているだろうに…)
と、態度に出ないように愛想笑いをする。
「ありがとう…」
「いやー、やっぱり君のような存在は僕には必要不可欠だよ」
(いや何が?…ここまでくるとキモっ…ん゛ん゛っ)←咳払い))
「……………」
「いや、もう天使と呼ぶべきだ…」
あー先生早く来てー、助けてー。このままだとこいつをひっぱたきそう…。
「はーい、席についてー」
(っしゃぁ!)
…と、心の中で喜ぶ。
「…くそっ(ボソッ)」
(おーおー、悔しがれ悔しがれ、私の家の事情は知らないのが普通だが、それを引いても私は良い物件らしいからな、自分が一番有利だと思ってんのかね。位置的には刹那だろうに…)
・
・
・
「では、これで授業を終わります」
「起立、礼」「「「ありがとうございました」」」
すぐに立ち上がって言われた通り空き教室へ向かう。
「さて、依舞さん、一緒にご飯でも…あれ…?依舞さん?」
…去り際に刹那と零那が一緒にいるのが見えた。
(あの2人が…?まぁそんな時もあるか…)
違うクラスの転校生の元へと行く。
刹那&零那sideーーーーーーーーーーー
「どう思う?」
「依舞が私達に隠し事…ね…」
「ああ、そういう場合は決まって俺らに迷惑をかけたくないから、とか言っていたが…」
「今回は状況が違う…か…」
「あれは十中八九今日来た転校生とやらからの手紙だろ」
「それは思った。ってゆうかそれしかない…でも内容を知らないんじゃ私達も動きようがないけど…」
「…ただ俺らはあるじさ…お嬢の役目を引き受け、お嬢のこの日常を護るだけだ」
「確かに…お嬢様を護るためなら…私達は…」
2人とも…依舞の行った方へ目を向け、走り出した。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「いる…かな?」
私はそっと呼ばれた空き教室へ顔を覗かせる。
そこは掃除以外では滅多に入ることのない、生徒や先生のいない教室だ。
ただ、捨てるのを忘れたのか、そのまま置けと言われたのか、小道具がちらほら見えた。もう使われなくなった物が。そのまま。
私はまだ転校生…千都世さんのいないことが分かり、教室へ入る。
暇になると思い、小道具の方へ行く。
掃除はされているが、少し埃の残ってしまっている小道具を箱から出さずに見てみる。これを使っていたのはいつまでだっただろうか…。
手作りなのが多く、たまには不格好なものもあって可愛さや懐かしささえ感じる。
こういうのを見ているのも楽しい。可愛いものはそこまでは好まないが、もふもふや、アクセサリーなどは好きだ。もふもふは正義…!これ絶対!
そうこう考えていると、窓側の、黒板の横くらいの所から音がした。
私は物音のした方を瞬発的に見て、近づこうと足を1歩踏み出す。
そこで、止まった。
私にも怖さは感じることもある。
何があるのか、そこへ行くことで何か起きやしないかと不安になった。
だが、行ってみないことには何も始まらない。
こっそりと、まるで誰かに見つからないよう気をつけるかのように、歩いた。
…何も、なかった。何も起きなかった。
ほっと胸を撫で下ろすと、後ろから男性にしては妙に少し高い声が聞こえてきた。
「あ、もう来ていたんですね。お待たせしてしまい申し訳ありません」
どこか気の抜けたような、だけど確かに何かを感じるような声に私は肩を震わせる。
突然驚かせないで欲しい。切実に。
彼は正統派イケメンみたいななりをしている。だが可愛さも目立つ。
白い髪が綺麗だ。瞳はそれを際立たせるかのような黄色だった。
可愛い…けど大人びている。かっこよ。
「あなたが…湊 千都世さん…?」
「はい、僕はあなたに聞きたいことがあり、呼んだのですが…」
そういうと彼は小さく笑って
「…どうやらあなたは僕に聞きたいことがあるようだ。お先にどうぞ?」
といった。
(小悪魔的なあれだな。この人。絶対そうだ)
なんてくだらないことを考えながら、手紙を見て疑問に思ったことを口にしてみる。
「どうして父さんのことを知っているの?私のことも。」
「それはですね…何から説明すればいいのか…」
彼…千都世さん…もういいや、千都世君にしよ。
千都世君は困った様に顎に手を当てて何か考えている。とてもかわ…魅力を感じる。
「…そうですね、僕は特別な事情であなたのことは少し知っているんです。そのこともそれで知りました。……ですが、頭のいいあなたならもうおわかりでしょう」
さっきと印象がだいぶ違う。千都世君はジリジリと私の方へ迫ってくる。
怖い一一その感情が私を支配するまで時間はかからなかった。
私は千都世君が1歩踏み出せば1歩下がり、様子を伺った。
何故か、この人は信じちゃいけない。気を許してはいけない。そう思った。
「あの手紙にあなたの事を書いたのは脅しです。逃げ場を用意しない為に」
距離が近くなる。これまで楽観的とは言わずとも、軽くみていた自分に嫌気がさす。
するとすぐ後ろに壁があることがわかった。知りたくもなかった。
「僕はね、あなたに聞きたいだけなんです。だから、そんなに怖がらないで下さいよ…」
と言い、私の背が壁についたと同時に手で逃げ場をなくす。ついでに手を上にあげられて手で固定された。
まさに壁ドン状態(?)だ。
心臓が早鐘を打つ。嫌な方で。
「…っ!」
「さぁて?僕の質問に答えてくれますね…?」
私は力なく頷く。もはや抵抗する術はないだろう。
護身術は心得ているがこの人に通用するかどうかは怪しいところだ。
性別という問題もあるし、脅しまでする様な、私のことを知っている人間がこのことを知らない、考えなかったとも思えない。
それにこの人は武術的なのを習っていそうだった。
上手く言葉に言い表せられないが。
声をあげようとも思ったが、ここは普段人は通らない。教室とも遠い。
無駄にでかいんだ…この学校…と、改めて認識した。
いらなかった。そんな事実。
「1つ目の質問です。あなたは僕のことを本当にわからないんですか?」
「……?どういう…こと…?」
「いえ、わからないならいいんです……そうか…」
「…?」
千都世君は何か考えた様な素振りをして私に向き直った。
「では、次の質問です。あなたを何かと真剣に…過保護に護ろうとする人は、家族以外でいますか?」
「………」
頭を一瞬よぎったのは刹那だった。
昔からいつも私になにかあった時や、起ころうとしていることは刹那が護ってくれた。いつもは弱気…でもないが、からかったりし合っているが、強い心を持っているのはわかる。長年一緒にいたからか。
…だからこそ…か…。
「いない」
嘘を…ついた。答えてはいけないような気がしたから。
「……へぇ…」
千都世君は悪戯っぽく笑う。
ただ、誰かいるのは確かだろう…と、結論づけたような気がした。
「では、最後の質問。…これに見覚えは?」
…と、彼が出してきたのはペンダントだった。
薄く透けている澄んだ青色だった。
綺麗だ。ただただそれだけを思った。それ程までに目を惹き付けられた。
それと同時に懐かしさが蘇った。
「そ…れは…知らない…けど、返して。それは…」
「知らない…?……あぁ、そういうことか…僕達に気づかれないように、手をうったのか…だから見つけるまで時間が…」
意味が分からない。ただ、そのペンダントは、私の大切な物だと確信できた。
「返し…て…!返して…!」
「おおっと…返して?今は僕が持っているので、返したりなどしないですよ」
掴もうとすると私から引き離し、自分のポケットに入れた。
そして私から離れて教室から出ていこうとする。
「…!待って!」
「じゃ、また後で…お嬢様?」
からかうようなその声に、私は動けなかった。安心感がどっと押し寄せてきたのだ。
ヘタリとその場で座り込みボーッとしていると足音が聞こえてきた。
「…っ!依舞っ!」
「依舞!大丈夫!?」
(…あぁ、なんで、こんなに…刹那達が…愛おしく感じるんだろ…)
私の頬に何かが零れた。
自分の下駄箱に靴を履き替えに行く。
開けてみると、手紙があった。
綺麗な、丁寧な字で
立花依舞さんへ
私は本日この学校に転校してきました、湊 千都世と申します。
立花さんがあの立花グループの社長さんの娘さんですよね。
2人だけであって話がしたいんです。
休み時間、2階の空き教室へ来てください。
(…転校生…かぁ……わぁ、こんなあからさまな~…父のことも私のことも分かっていることをわざわざ書いたのは……あれか、脅し…だよな…どうしよ…)
その場で固まっていた私に痺れを切らしたのか刹那がやってきて、
「またラブレター?
…いい加減答えてあげないとまた開けた瞬間落ちるほどにまで増えちゃうよ?」
私はそれを鞄の中に入れて
「うるさい、余計なお世話。それに、私の気持ちを知って後悔することだってある。」
と、平静を装う。内心結構やばい。心臓がうるさい。
これを見た瞬間嫌な感じがした。本能かなにかが察したのだろう。上手く仮面をかぶれているだろうか
「っははっ!そうかもな。俺も人のことは言えねぇや。」
「まずは鏡を見て見ろ、そいつが全ての元凶だ」
冗談っぽく笑いながら言ってみる。
「それはひでえ~…ん?…要は俺ってことじゃ…」
「さて、行きますかー!」
刹那side
「…………」
(あの手紙…ラブレターなんかじゃないな…何を隠してる?誰からだ?
……くそっ!俺があの方を護らなきゃいけないのに…じゃなきゃ…
あの方が自分で封じた記憶を…思い出してしまう……
これじゃ、封印した意味が……!)
………………
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私達は白髪で、青よりの紫目の少女の元へ行く。
彼女は冬樹 零那、私の友人だ。
「おはよう、零那」
「あ、おはよ~依舞。刹那も」
「…はよ…じゃ、俺は先に行くよ。あ…零那…後で…」
零那に目配せしながら、そう言って刹那は自分の席へ向かって行った。
「……?刹那…?何か…あったのか?」
「???」
なんか、会話に外れた時の虚しさが…うっ…悲しっ…
零那も真剣な顔になって何が何だか分からんし…
「……あ、そろそろ先生来る…また後でね」
「う、うん…」
聞けなかった………仲間外れ…これが?くそぅ…思ったより悲しい。
準備して先生が来るのを待つ。すると前から声を掛けられる。金髪の…あぁ、紹介するのも面倒臭い…私の嫌いなタイプだ。
「おはよう、依舞ちゃん。今日も君は可愛いね!そのサラサラな髪も、君の凛とした雰囲気も素敵だよ!」
(あー、またこいつか…うざいなぁ…他に声掛けた方がいい人だっているだろうに…)
と、態度に出ないように愛想笑いをする。
「ありがとう…」
「いやー、やっぱり君のような存在は僕には必要不可欠だよ」
(いや何が?…ここまでくるとキモっ…ん゛ん゛っ)←咳払い))
「……………」
「いや、もう天使と呼ぶべきだ…」
あー先生早く来てー、助けてー。このままだとこいつをひっぱたきそう…。
「はーい、席についてー」
(っしゃぁ!)
…と、心の中で喜ぶ。
「…くそっ(ボソッ)」
(おーおー、悔しがれ悔しがれ、私の家の事情は知らないのが普通だが、それを引いても私は良い物件らしいからな、自分が一番有利だと思ってんのかね。位置的には刹那だろうに…)
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「では、これで授業を終わります」
「起立、礼」「「「ありがとうございました」」」
すぐに立ち上がって言われた通り空き教室へ向かう。
「さて、依舞さん、一緒にご飯でも…あれ…?依舞さん?」
…去り際に刹那と零那が一緒にいるのが見えた。
(あの2人が…?まぁそんな時もあるか…)
違うクラスの転校生の元へと行く。
刹那&零那sideーーーーーーーーーーー
「どう思う?」
「依舞が私達に隠し事…ね…」
「ああ、そういう場合は決まって俺らに迷惑をかけたくないから、とか言っていたが…」
「今回は状況が違う…か…」
「あれは十中八九今日来た転校生とやらからの手紙だろ」
「それは思った。ってゆうかそれしかない…でも内容を知らないんじゃ私達も動きようがないけど…」
「…ただ俺らはあるじさ…お嬢の役目を引き受け、お嬢のこの日常を護るだけだ」
「確かに…お嬢様を護るためなら…私達は…」
2人とも…依舞の行った方へ目を向け、走り出した。
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「いる…かな?」
私はそっと呼ばれた空き教室へ顔を覗かせる。
そこは掃除以外では滅多に入ることのない、生徒や先生のいない教室だ。
ただ、捨てるのを忘れたのか、そのまま置けと言われたのか、小道具がちらほら見えた。もう使われなくなった物が。そのまま。
私はまだ転校生…千都世さんのいないことが分かり、教室へ入る。
暇になると思い、小道具の方へ行く。
掃除はされているが、少し埃の残ってしまっている小道具を箱から出さずに見てみる。これを使っていたのはいつまでだっただろうか…。
手作りなのが多く、たまには不格好なものもあって可愛さや懐かしささえ感じる。
こういうのを見ているのも楽しい。可愛いものはそこまでは好まないが、もふもふや、アクセサリーなどは好きだ。もふもふは正義…!これ絶対!
そうこう考えていると、窓側の、黒板の横くらいの所から音がした。
私は物音のした方を瞬発的に見て、近づこうと足を1歩踏み出す。
そこで、止まった。
私にも怖さは感じることもある。
何があるのか、そこへ行くことで何か起きやしないかと不安になった。
だが、行ってみないことには何も始まらない。
こっそりと、まるで誰かに見つからないよう気をつけるかのように、歩いた。
…何も、なかった。何も起きなかった。
ほっと胸を撫で下ろすと、後ろから男性にしては妙に少し高い声が聞こえてきた。
「あ、もう来ていたんですね。お待たせしてしまい申し訳ありません」
どこか気の抜けたような、だけど確かに何かを感じるような声に私は肩を震わせる。
突然驚かせないで欲しい。切実に。
彼は正統派イケメンみたいななりをしている。だが可愛さも目立つ。
白い髪が綺麗だ。瞳はそれを際立たせるかのような黄色だった。
可愛い…けど大人びている。かっこよ。
「あなたが…湊 千都世さん…?」
「はい、僕はあなたに聞きたいことがあり、呼んだのですが…」
そういうと彼は小さく笑って
「…どうやらあなたは僕に聞きたいことがあるようだ。お先にどうぞ?」
といった。
(小悪魔的なあれだな。この人。絶対そうだ)
なんてくだらないことを考えながら、手紙を見て疑問に思ったことを口にしてみる。
「どうして父さんのことを知っているの?私のことも。」
「それはですね…何から説明すればいいのか…」
彼…千都世さん…もういいや、千都世君にしよ。
千都世君は困った様に顎に手を当てて何か考えている。とてもかわ…魅力を感じる。
「…そうですね、僕は特別な事情であなたのことは少し知っているんです。そのこともそれで知りました。……ですが、頭のいいあなたならもうおわかりでしょう」
さっきと印象がだいぶ違う。千都世君はジリジリと私の方へ迫ってくる。
怖い一一その感情が私を支配するまで時間はかからなかった。
私は千都世君が1歩踏み出せば1歩下がり、様子を伺った。
何故か、この人は信じちゃいけない。気を許してはいけない。そう思った。
「あの手紙にあなたの事を書いたのは脅しです。逃げ場を用意しない為に」
距離が近くなる。これまで楽観的とは言わずとも、軽くみていた自分に嫌気がさす。
するとすぐ後ろに壁があることがわかった。知りたくもなかった。
「僕はね、あなたに聞きたいだけなんです。だから、そんなに怖がらないで下さいよ…」
と言い、私の背が壁についたと同時に手で逃げ場をなくす。ついでに手を上にあげられて手で固定された。
まさに壁ドン状態(?)だ。
心臓が早鐘を打つ。嫌な方で。
「…っ!」
「さぁて?僕の質問に答えてくれますね…?」
私は力なく頷く。もはや抵抗する術はないだろう。
護身術は心得ているがこの人に通用するかどうかは怪しいところだ。
性別という問題もあるし、脅しまでする様な、私のことを知っている人間がこのことを知らない、考えなかったとも思えない。
それにこの人は武術的なのを習っていそうだった。
上手く言葉に言い表せられないが。
声をあげようとも思ったが、ここは普段人は通らない。教室とも遠い。
無駄にでかいんだ…この学校…と、改めて認識した。
いらなかった。そんな事実。
「1つ目の質問です。あなたは僕のことを本当にわからないんですか?」
「……?どういう…こと…?」
「いえ、わからないならいいんです……そうか…」
「…?」
千都世君は何か考えた様な素振りをして私に向き直った。
「では、次の質問です。あなたを何かと真剣に…過保護に護ろうとする人は、家族以外でいますか?」
「………」
頭を一瞬よぎったのは刹那だった。
昔からいつも私になにかあった時や、起ころうとしていることは刹那が護ってくれた。いつもは弱気…でもないが、からかったりし合っているが、強い心を持っているのはわかる。長年一緒にいたからか。
…だからこそ…か…。
「いない」
嘘を…ついた。答えてはいけないような気がしたから。
「……へぇ…」
千都世君は悪戯っぽく笑う。
ただ、誰かいるのは確かだろう…と、結論づけたような気がした。
「では、最後の質問。…これに見覚えは?」
…と、彼が出してきたのはペンダントだった。
薄く透けている澄んだ青色だった。
綺麗だ。ただただそれだけを思った。それ程までに目を惹き付けられた。
それと同時に懐かしさが蘇った。
「そ…れは…知らない…けど、返して。それは…」
「知らない…?……あぁ、そういうことか…僕達に気づかれないように、手をうったのか…だから見つけるまで時間が…」
意味が分からない。ただ、そのペンダントは、私の大切な物だと確信できた。
「返し…て…!返して…!」
「おおっと…返して?今は僕が持っているので、返したりなどしないですよ」
掴もうとすると私から引き離し、自分のポケットに入れた。
そして私から離れて教室から出ていこうとする。
「…!待って!」
「じゃ、また後で…お嬢様?」
からかうようなその声に、私は動けなかった。安心感がどっと押し寄せてきたのだ。
ヘタリとその場で座り込みボーッとしていると足音が聞こえてきた。
「…っ!依舞っ!」
「依舞!大丈夫!?」
(…あぁ、なんで、こんなに…刹那達が…愛おしく感じるんだろ…)
私の頬に何かが零れた。
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