引きこもりってダメですか?~転生して強いけど私は引きこもりたいのです~

砂糖漬け

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番外編

シルとの出会い-メリスside-   累計10000pt突破記念

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「はあ……」

(退屈……なにかおきないかなぁ…)

「はあ……」

お父様とお母様は私にかまってくれない。
妹ができて嬉しい反面、私にかまってくれることがほとんどなくなったから、羨ましい…?って言うのかな?
そんな感じで心の中にある。

「失礼します。メリス」

「え?…賢者様…!どうしたの?」

コンコンと音がしたあと、その音がなっている扉から賢者様が顔を出した。

「ここに…誰か来なかった?」

「…?ううん、だれも…」

「そうか…じゃああの気配は…?」

「賢者様…?」

気配…?
気配ってなあに?
本とか読んで頑張ってるのに…まだわかんないことがあるんだ…

「メリス。君はここでじっとしててね。今から僕以外の声が聞こえたらこの扉も窓も開けちゃダメだよ。…いいね?」

「うん!わかった!」

「よし、いい子!…王様には言っておいたけど…とにかく、今はこれしか出来ないだろうな…」


ーーーーーーーーーーーーーーー

賢者様が行っちゃった後からしばらくしたけど…静かだなぁ。
いつもだけど…今日はなんか変な感じがする…
私、感はよく当たるって言われてるからなぁ。
よくないな、今日。

「メリス…メリス…」

「その声…お母様!」

「そうよ。私よ。この扉を開けて…メリス。ほら、雨が降っているから中で。私と一緒に遊びましょう?」

「お母様!」

扉へ駆け寄り、ドアノブに手を伸ばそうとした。
だけど…

(あれ…賢者様、開けちゃダメって…でもお母様だし…遊びたいし…ダメ…かな?)

そう悩んでいると、突然頭の中で声がした。

『メ……ダメ…そい…は……あ…もう……もたな……ダメっ…!……』

…?
なんだろう。
でも…お母様が私にかまってくれるんだ。
こんなこと、もうないかもって思っていたんだ。
賢者様…ごめんね…

「ありがとう…メリス…さあ…一緒に行きましょうか…?」

「え…?お母様…じゃな……うっ…」

「少し、眠っててね…かわいい私のメリス…なんて、な…」

ーーーーーーーーーーーーーーー

ここは…どこだろう。
雨の音がしてるけど…
ガタン…ゴトンってもしてる。
ここのこと、知ってる。
馬車だ。
目の前は真っ暗で何も見えないけど…
私は…どうなったんだっけ…?

……そうだ、そうだ…!
あれはお母様じゃなかった…!
男の人だった。
声がお母様の声で…意識がなくなる寸前、男の人の声で喋ってた…
じゃ…ここって…

「ははっ簡単だった。中に入れないように結界が張ってあったみたいだが、こいつが御大層開けて出てきてくれたからな」

「そうか。だが、全ては我々の力によってなされた結果だと思うが?」

「っ…!すみません…!あなた様のお力をお借りしなければ潜入することさえも不可能でした…!」

「私のことは百歩譲っていいとしよう。ただ…あの方を侮辱するのであれば…貴様ごときすぐにでも…」


(なんだろう…この人たち…怖い…怖いよぉ…神様…もしいるのなら助けて…賢者様の言うこと守らなかったこと、謝りますから…だから…応えてっ…!)


「……っ!?なんだ!?」

「これは…おい、御者!何をしている!」

何が起こってるんだろう?
状況がうまくわからない…

「僕…ですか?僕は…この国で賢者をやらせてもらってます」

聞いたことがある声だ。
なにかあった時、いつもルリアと一緒に慰めたりしてくれた…
とても強くて、それでいて、どこか温かい人…

「賢者…様…!」

「…お前とはまた会うことになる気がしていたよ」


賢者様が誰かに言った。


「あの…どうするんで…」

五月蝿いうるさい。賢者…いや、ロイエよ。土産だ。存分に後悔するといい」

そう誰かが言った途端、私は空中に放り出されていた。
そのおかげか目隠しとして使われていたらしい布がとれた。
ここは…崖だ。
森の中、道から外れ馬車が落ちかけている。
今までいた二人はいない。
賢者様はこちらに手を伸ばしている。
手を伸ばそうとするも両手をくっつけて縄が結んであった。
それでも必死に手を伸ばした。


──だけど、届かなかった



『だから言ったでしょ?ロイエ。あいつらには警戒してって』

「…!」

気づいた時にはそこにいた。
可愛い女の子だ。
ただ、私とは違って空を飛んでるし、透けている。
いや、今気づいたけど…私も飛んでいる。
というか止まっている。

「シルナア様…彼らを欺くことには…成功、したのですが…その…」

『まあ、この場所まで連れて来てくれたから、この状態でも接触できた。ありがと』

「……」

「あの…あなたはだれ?」

『そうだねぇ…うーん…この世界の女神、シルナアだよ。この世界の人には創造神、創造主とも呼ばれてるっぽいけど』

女神様…可愛いな。

『む…ねえロイエ、私この子の考えてることわざわざわかるんだけど…』

「まあまあ…視るのはあまり使ってはいけませんし…」

『そういうことでいってんじゃ…って…なに笑ってんの…?』

「ふふっ…いえ…ぷっ…」

『笑うんじゃ…』

二人はケンカをしているの?
ケンカは良くないんじゃないの?

「ねえ…ケンカはしちゃダメだから、私が二人の友達になって仲良くしてあげる!」

「………」

『…ふっ…面白いね。いいよ友達になろう!私のことはシルって呼んで。…ロイエ、これからお忍びでもないけど度々下界する。そこらへんのことは…よろしく~』

「やったあ!また会える!」

「シルナア様…」

「ねえねえ、シル。お願いあるんだけど…いい?」

『………うん、いいよ』

「このことはさ、私がおてんばで森に迷い込んじゃって崖から落ちそうになったって…話す時はそう言ってくれない?全員に」

『…どうして?』

「なんかね…ダメな感じしたから」

『そっかあ…じゃ、わかったよ』


ーーーーーーーーーーーーーーー

『はあ……』

私の部屋に来て早々、窓に腰かけて溜め息をついたシル。

「どうしたの?」

『…それが…転生者がいなくて…』

「あ…なんだ。前にも話したことかあ…」

『む…初めて会って数ヶ月しか経ってないのにこの変わりよう…やだなあ…』

「あの時のこと、ありがとうって思ってるよ?…そうだ!もし転生者って人が来たら私がなんかで助けてあげるよ!」

シルにはありがとうって気持ち、返せないし…
それじゃ、同じ人間の転生者さんなら…!
よし、その人が来るまで私が何をできるか考えよう!

『本当!?なら私もこの世界へ来させるように頑張る…!約束ね』

「うん!約束…転生者さんを連れて来てね…!」


ーーーーーーーーーーーーーーー

「え!?…そうか…とうとう約束が…ありがとう。客室の方に行く。そこへ連れて来て。ルリア」


やっと、叶うね。約束が────
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