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転生王女の死
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「ヘルガ!あったわ!」
城の敷地内のいヘルガの家まで行くと、銀の髪の老婆の魔女はまだ起きていた。鍋の中で魔法薬を煮込んでいるところだった。
「それでは、実をこの中にそのまま入れてくださいませ」
輝く実が、緑色の煮えたぎる汁の中に落とされる。
「ヘルガ、それで薬はいつできるの?」
「これを煮て、一晩寝かせれば、薬はできます。これを直接普段の薬と共に届けますので、食後に服用してくださいませ」
「わかったわ」
「くれぐれも他の薬と混ぜて服用しませんように」
ヘルガの言葉にセシリアは深く頷く。
「服用すると、姫はすぐに仮死状態になるのですか?」
「寝ている間に昏睡状態になり、翌朝には死んでいる状態と同じになっておる。じゃが、効果は数日しかない。
その前に埋葬を済ませ、姫が目を覚ます前にお主が姫の体を掘り出して、国外に出すしかない。できるか?」
「その点は心配ありません。変死や突然死を迎えたものは魔がつくと信じられていますから。埋葬は即行われます」
「古の言い伝えを信じ、慣習を守るお父様だからこそ、通じる手よね」
セシリアが死んだことにして、新しい人生を生きることにすれば婚約を破棄することないので、王国にも迷惑はかからない。脱走した姫を探すための追っ手が来ることもない。
エリアスと生きることを選択後に考えた最善の策が「セシリアを殺す」ことだった。
ガートランドの末の姫はまだ5歳のため、第一王子の妻として差し出すには若すぎるし、戦いに秀でた弟のルドルフ皇子という後継もいる。せっかく自身を犠牲にしても、子供まで殺されてしまうのであれば彼女が死んでからガートランドの安全が保証はない。
この世界では誰かのために自分を犠牲にするのが美徳という考えがある。この国の王女として生まれたセシリアはこの国の王女として「民のために、国のために」生きて行くしかない。そう思っていた。ガートランド王家の一員として当たり前の行動をして、父や母にいわれるままに淑女教育に勤しみ、ルーランドの皇子に嫁ぐ心構えもしてきた。しかし、ヘルガの幻視で、自分の死を見せつけられて、自分のハートではなく、周りの意見に沿って生きて行く人生の矛盾を見せつけられて、全く違う生き方をしたくなった。頭ではなくハートの声を優先した。
「これから新しい人生が始まるのだわ」
一人でそっと自室に帰ったセシリアは王女としての人生があと1日で終わるというのにワクワクしていた。
「この姿でいられるのも今日が最後だから、大好きなお気に入りのドレスを着なくっちゃね」
数時間眠り、侍女が顔を洗うための水差しを持って現れる前にすっかり目が覚めた王女はベッドの中で考えて決めた1番のお気に入りのドレスを着ることにして、その旨をお付きの次女たちに伝えると、最後の1日を思い残すことなく過ごすための案を実行に移した。
「おはよう、セシリア」
「おはようございます。お父様、お母様」
朝食だけはいつも家族が揃って食事をとる時間。
妹や弟も同席している。
「式までもうすぐだな」
「はい、お父様。なので、それまでできるだけ家族でお食事をしたいと思います」
セシリアのその言葉で3食とも家族で食事をすることになった。もうすぐお嫁に行って会えなくなるからできるだけ一緒に過ごしたいというセシリアの願いを皆聞いてくれた。
「あとは、お友達とも交流ね」
数日前に書簡で親しくしている貴族の娘たちに手紙を書いて、最後のお茶会を開いた。セシリアの年齢とさほど違わない娘たちだったが、ほとんどは社交界にデビューしたばかり。特定の相手はいない。お茶を片手に甘いお菓子をつまみながら一番人気の殿方の話や噂に聞いた恋愛話などに花が咲いた。
「それで、シャルロット様はどの方がいいと思いますの?」
「私は、他国の方ですけれど、ランスロット伯爵家のジェームス様が素敵だと思いました。ダンスがとても上手な方で、緑の瞳が神秘的な方ですの」
鳶色の髪の伯爵令嬢が頬を染めて異国の貴族を褒める。
「ササニ公国はうちとも良好の関係だから、異国の方でも大丈夫じゃないかしら?」
「そうですわ。でもやはり一番は氷の貴公子と呼ばれるヴァンシュタイン公爵家のクラウス様ですわ」
「そうよねえ。銀の髪と青い瞳の底で何を思ってらっしゃるのか知りたいわ」
「社交界に出席はされて、どの令嬢とも1曲はダンスは踊られるけれど、お話されることはないものね」
「あの美しい公爵様に見つめられながらダンスできるだけで胸がいっぱいですわ」
「そうねえ。ルーレシア王国の第一王子も負けないぐらい美形だと聞きましたわ」
「まあ!セシリア様、本当ですの?」
「それが、私、まだお会いしたことがなくて、お式で会うことになるのだけれど、そんなに美しい方なの?」
「はい。私のいとこがルーレシアの貴族に嫁いだので、王子の主催する舞踏会に私も何度か
出たことがあるんですけど、ジェームス様と同じぐらい見目麗しい王子でしたわ」
「そうなの?」
「ええ。玉座に座ったままでしたけれど。もちろんセシリア様となら踊られたかと思いますわ」
それはもう実現することはないだろう。
セシリアは今夜限りでいなくなるのだから。
「で、やはり噂通りの方なのかしら?」
「次期国王ですし、ルーレシア王国にとっては頼もしい方だと思いますが…」
赤毛の公爵令嬢が目を伏せる。彼女の様子からやはり噂は本当なのだと悟った。
「ジェームス様も素敵ですけれど、フランツ様もまだ決まった方がいらっしゃらないんですって」
「それは、希望がありますわね」
「私にもチャンスが回ってくるかしら?」
「あら、リディア、チャンスは自分で作るものよ」
シャルロットが悪戯っぽく笑う。
「勝手に決められてしまう前に納得できる相手を選ぶのが最善の道ですものねえ」
「いくら選択肢が限られていても、少しでも気に入った方を選びたいものですものね」
たわいない恋愛話が続いて、お茶会はお開きになり、セシリアは年の離れた妹と遊んで、夕食まで過ごした。
無邪気に笑う妹と会うのもこれが最後かと思ったら涙が出そうになったが彼女を思いっきり抱きしめて、柔らかい頰にキスをすることで涙を引っ込めた。
「お父様、お母様今までありがとうございました」
「うむ、ルーレシアでも達者で暮らせ」
「体に気をつけてね」
「ありがとうございます」
公務で城を出がちな父親の王や社交に忙しい母親の王妃とはそれほど親しくはなかったが、仲が悪いというわけでもなかった。だから最後の晩餐を囲むことはセシリアにとって重要なことであった。セシリアのことを一番理解していた乳母は去年亡くなったので、離れがたい気持ちにはならなかったが、最後の晩餐を感謝の気持ちで終えることができたので、満足して自室に戻る。
「これで全て済んだ。もう思い残すことはないわ」
食事の後、湯浴みを終えて、侍女に就寝の身支度をするために夜着を着せてもらう。翌朝、見られることも考慮した上で、厚手の白い夜着を選んだ。
「姫様、香油はおつけになられますか?」
「ええ、お願いね」
「今朝、ヘルガ様から届いた新しいものがありますが」
「それをお願いできるかしら?それから少し調子が悪いからお薬を頼んでおいたのだけど、それも届いてる?」
「ええ、こちらに」
リーラの実を煮込んだヘルガの魔法薬は他の瓶とは違う色をしていた。他のとは違う小さな瓶だった。
「それを寝る前に飲むから、ベッドサイドに置いて頂戴」
「お茶と混ぜてお飲みになられますか?ヘルガ様のお薬はお口に優しいとはいえませんので」
「ありがとう。そうするわ」
飲んでも命の危険はないとはいえ、仮死状態になる魔法薬をそのまま瓶ごと飲み干す勇気はなったので、侍女の助言に従うことにして、神や肌に花の香りがする香油を塗ってもらい、お茶に混ぜて、小さな瓶に入った魔法薬を全て飲み干してベッドに入った。
次の日冷たくなったセシリアは彼女を起こしに来た侍女によって発見された。
城の敷地内のいヘルガの家まで行くと、銀の髪の老婆の魔女はまだ起きていた。鍋の中で魔法薬を煮込んでいるところだった。
「それでは、実をこの中にそのまま入れてくださいませ」
輝く実が、緑色の煮えたぎる汁の中に落とされる。
「ヘルガ、それで薬はいつできるの?」
「これを煮て、一晩寝かせれば、薬はできます。これを直接普段の薬と共に届けますので、食後に服用してくださいませ」
「わかったわ」
「くれぐれも他の薬と混ぜて服用しませんように」
ヘルガの言葉にセシリアは深く頷く。
「服用すると、姫はすぐに仮死状態になるのですか?」
「寝ている間に昏睡状態になり、翌朝には死んでいる状態と同じになっておる。じゃが、効果は数日しかない。
その前に埋葬を済ませ、姫が目を覚ます前にお主が姫の体を掘り出して、国外に出すしかない。できるか?」
「その点は心配ありません。変死や突然死を迎えたものは魔がつくと信じられていますから。埋葬は即行われます」
「古の言い伝えを信じ、慣習を守るお父様だからこそ、通じる手よね」
セシリアが死んだことにして、新しい人生を生きることにすれば婚約を破棄することないので、王国にも迷惑はかからない。脱走した姫を探すための追っ手が来ることもない。
エリアスと生きることを選択後に考えた最善の策が「セシリアを殺す」ことだった。
ガートランドの末の姫はまだ5歳のため、第一王子の妻として差し出すには若すぎるし、戦いに秀でた弟のルドルフ皇子という後継もいる。せっかく自身を犠牲にしても、子供まで殺されてしまうのであれば彼女が死んでからガートランドの安全が保証はない。
この世界では誰かのために自分を犠牲にするのが美徳という考えがある。この国の王女として生まれたセシリアはこの国の王女として「民のために、国のために」生きて行くしかない。そう思っていた。ガートランド王家の一員として当たり前の行動をして、父や母にいわれるままに淑女教育に勤しみ、ルーランドの皇子に嫁ぐ心構えもしてきた。しかし、ヘルガの幻視で、自分の死を見せつけられて、自分のハートではなく、周りの意見に沿って生きて行く人生の矛盾を見せつけられて、全く違う生き方をしたくなった。頭ではなくハートの声を優先した。
「これから新しい人生が始まるのだわ」
一人でそっと自室に帰ったセシリアは王女としての人生があと1日で終わるというのにワクワクしていた。
「この姿でいられるのも今日が最後だから、大好きなお気に入りのドレスを着なくっちゃね」
数時間眠り、侍女が顔を洗うための水差しを持って現れる前にすっかり目が覚めた王女はベッドの中で考えて決めた1番のお気に入りのドレスを着ることにして、その旨をお付きの次女たちに伝えると、最後の1日を思い残すことなく過ごすための案を実行に移した。
「おはよう、セシリア」
「おはようございます。お父様、お母様」
朝食だけはいつも家族が揃って食事をとる時間。
妹や弟も同席している。
「式までもうすぐだな」
「はい、お父様。なので、それまでできるだけ家族でお食事をしたいと思います」
セシリアのその言葉で3食とも家族で食事をすることになった。もうすぐお嫁に行って会えなくなるからできるだけ一緒に過ごしたいというセシリアの願いを皆聞いてくれた。
「あとは、お友達とも交流ね」
数日前に書簡で親しくしている貴族の娘たちに手紙を書いて、最後のお茶会を開いた。セシリアの年齢とさほど違わない娘たちだったが、ほとんどは社交界にデビューしたばかり。特定の相手はいない。お茶を片手に甘いお菓子をつまみながら一番人気の殿方の話や噂に聞いた恋愛話などに花が咲いた。
「それで、シャルロット様はどの方がいいと思いますの?」
「私は、他国の方ですけれど、ランスロット伯爵家のジェームス様が素敵だと思いました。ダンスがとても上手な方で、緑の瞳が神秘的な方ですの」
鳶色の髪の伯爵令嬢が頬を染めて異国の貴族を褒める。
「ササニ公国はうちとも良好の関係だから、異国の方でも大丈夫じゃないかしら?」
「そうですわ。でもやはり一番は氷の貴公子と呼ばれるヴァンシュタイン公爵家のクラウス様ですわ」
「そうよねえ。銀の髪と青い瞳の底で何を思ってらっしゃるのか知りたいわ」
「社交界に出席はされて、どの令嬢とも1曲はダンスは踊られるけれど、お話されることはないものね」
「あの美しい公爵様に見つめられながらダンスできるだけで胸がいっぱいですわ」
「そうねえ。ルーレシア王国の第一王子も負けないぐらい美形だと聞きましたわ」
「まあ!セシリア様、本当ですの?」
「それが、私、まだお会いしたことがなくて、お式で会うことになるのだけれど、そんなに美しい方なの?」
「はい。私のいとこがルーレシアの貴族に嫁いだので、王子の主催する舞踏会に私も何度か
出たことがあるんですけど、ジェームス様と同じぐらい見目麗しい王子でしたわ」
「そうなの?」
「ええ。玉座に座ったままでしたけれど。もちろんセシリア様となら踊られたかと思いますわ」
それはもう実現することはないだろう。
セシリアは今夜限りでいなくなるのだから。
「で、やはり噂通りの方なのかしら?」
「次期国王ですし、ルーレシア王国にとっては頼もしい方だと思いますが…」
赤毛の公爵令嬢が目を伏せる。彼女の様子からやはり噂は本当なのだと悟った。
「ジェームス様も素敵ですけれど、フランツ様もまだ決まった方がいらっしゃらないんですって」
「それは、希望がありますわね」
「私にもチャンスが回ってくるかしら?」
「あら、リディア、チャンスは自分で作るものよ」
シャルロットが悪戯っぽく笑う。
「勝手に決められてしまう前に納得できる相手を選ぶのが最善の道ですものねえ」
「いくら選択肢が限られていても、少しでも気に入った方を選びたいものですものね」
たわいない恋愛話が続いて、お茶会はお開きになり、セシリアは年の離れた妹と遊んで、夕食まで過ごした。
無邪気に笑う妹と会うのもこれが最後かと思ったら涙が出そうになったが彼女を思いっきり抱きしめて、柔らかい頰にキスをすることで涙を引っ込めた。
「お父様、お母様今までありがとうございました」
「うむ、ルーレシアでも達者で暮らせ」
「体に気をつけてね」
「ありがとうございます」
公務で城を出がちな父親の王や社交に忙しい母親の王妃とはそれほど親しくはなかったが、仲が悪いというわけでもなかった。だから最後の晩餐を囲むことはセシリアにとって重要なことであった。セシリアのことを一番理解していた乳母は去年亡くなったので、離れがたい気持ちにはならなかったが、最後の晩餐を感謝の気持ちで終えることができたので、満足して自室に戻る。
「これで全て済んだ。もう思い残すことはないわ」
食事の後、湯浴みを終えて、侍女に就寝の身支度をするために夜着を着せてもらう。翌朝、見られることも考慮した上で、厚手の白い夜着を選んだ。
「姫様、香油はおつけになられますか?」
「ええ、お願いね」
「今朝、ヘルガ様から届いた新しいものがありますが」
「それをお願いできるかしら?それから少し調子が悪いからお薬を頼んでおいたのだけど、それも届いてる?」
「ええ、こちらに」
リーラの実を煮込んだヘルガの魔法薬は他の瓶とは違う色をしていた。他のとは違う小さな瓶だった。
「それを寝る前に飲むから、ベッドサイドに置いて頂戴」
「お茶と混ぜてお飲みになられますか?ヘルガ様のお薬はお口に優しいとはいえませんので」
「ありがとう。そうするわ」
飲んでも命の危険はないとはいえ、仮死状態になる魔法薬をそのまま瓶ごと飲み干す勇気はなったので、侍女の助言に従うことにして、神や肌に花の香りがする香油を塗ってもらい、お茶に混ぜて、小さな瓶に入った魔法薬を全て飲み干してベッドに入った。
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