転生王女は隣国の冷酷皇太子から逃れて美形騎士と結ばれたい!

Erie

文字の大きさ
12 / 78

ルーレシアの皇子2

しおりを挟む
*お気に入りが200になりました!すっごい嬉しいです。皆様が楽しめるセシリアの物語を書いていきたいと思います。長編になりますがよろしくお願いします。



 数日が過ぎて、気持ちを落ち着けてみると、離れの塔の部屋の暮らしは思ったよりも快適だった。

 日差しは充分に入ってきたし、部屋も清潔だ。セシリアのことがバレないようにハインリッヒ皇子自らが食事と身の回りの世話をしてくれるので「奴隷」といってもセシリアが考えていたより、ずっとマシな状況だった。

「口を開けて、しっかり噛むんだ」

 膝に乗せられて、千切ったパンを口にいれられながら、セシリアは目の前の男を見つめた。噂よりもハインリッヒは優しかった。かすかな記憶しかないが乙女ゲームでは鬼畜のドSだった筈だが、裸を見せることになった日以来、セシリアに淫らな行為を求めてもこない。閨のことについての知識はあまりないセシリアだったが、エリアスとの愛の営みの経験を少し体験し、深淵の森の魔術師に体を弄ばれて、「ハインリッヒもひどいことをするのかもしれない。だって鬼畜キャラだし」と思っていたが、ひたすらセシリアの世話を焼くばかり、どっちが奴隷ですか?って気分になってしまう。

 パンを噛み終えたセシリアに暖かい山羊の乳で煮込んだ野菜たっぷりのスープを飲ませる。

「美味しい」

 昼食はスープとパンでお腹がいっぱいになるセシリアだが、ルーレシア特産の非常に甘いトールという赤い果実が毎日出される。ニホンでいうぶどうの赤いバージョンなのだが、実が柔らかくて、摘むとすぐに果汁があふれてしまう。一粒の実を食べるごとに

「舐めろ。貴重な果実なのだから、一滴も残すな」

 といわれるので、果汁でベトベトになった皇子の指を舐めることになる。

「そう、上手だ…セシリア」

時々、皇子が、やはり餌付けは、視覚的にくるものがあるなと呟いたりするが、意味がわからないセシリアは、甘い果実を小鳥のように啄ばみ続ける。

 それが終わると、皇子が出かけてしまうので、夜の食事の時間まで、特に何もすることがない。夜になると、大抵肉料理が出て、深夜になると必ず王子専用の湯浴み場で、湯浴みをさせられるのだが、絹の布ごしに体を洗われる以外は特にセシリアの体に触れることはない。セシリアの世話をするということは奴隷の健康管理のうちらしいが、お膝抱っこでご飯を食べさせてもらう以外は侍女からされて慣れていたので、特に嫌悪を感じることもない。

 そうして、何週間か過ぎた後、湯浴みをしている中で皇子がセシリアに尋ねた。

「月光花を飲めばお前の変幻が治るのか?」

「月光花の蜜です。でも深淵の魔術師によれば特別な状況で服用したものでないといけないそうで、ただ月光花を飲んだだけでは元には戻らないといわれました」

「ああ、なるほど。でもお前にはまだ早いな」

「早い、ですか?」

「私が何のために月光花だけを自ら育てていると思う?」

「ルーレシアでは魔術はあまり盛んでないと聞いていますが?」

「わが国では魔術よりも武力を優先するからな。大陸きっての魔術師も戦いには興味を持たないし、宮廷魔術師を抱えてそれを先頭に使うような国も、すでに潰した。必要がないだろう?」

「では、何故?」

 一緒に湯船の中に入っているが、スキンシップにも慣れてしまい、すっかり無防備になったセシリアを抱きかかえると、大理石に柔らか布が敷いてあるところまで抱きかかえて行き、床に寝かせた。

「説明がてら、香油を塗ってやろう」

 と彼女の白い肌に花の香りのオイルをつけた指を走らせていく。

「この香油は私が作らせたものだ」

 細い首筋から肩、腕をマッサージされて、腹部に移ったころ、湯から上がって、冷たいはずの体が火照ってきているのを感じた。

 知らず知らずのうちに息を乱し始めたセシリアの胸を香油をたっぷりと塗りつけながら薔薇の蕾の突起を刺激し始める。

「はぁ…っ」

「この香油は月光花でできている」

 胸を摘まれて声を漏らすセシリアを満足気に見つめながら、

「やはり、この鳥はいい声で啼く。もっと啼かせてやろう」

 と淫らな指の動きをセシリアのさらに敏感な場所に移していく。

「これを塗ると、天国を見ることができる」

 そして月光花の香油をセシリアの下腹部にある花の蕾の突起に塗りつけながら、敏感な部分を刺激していく。

「あああんっ」

「これ、をつけるとな、肌の感覚が増すのだ。月光花には催淫効果がある」

「はあっ」

「一度肌に塗りこまれると、渇きがどんどん増していく、そういう効果がある草だ」

 涙を滲ませて喘ぐセシリアを冷静に見つめながら、巧みな指遣いでセシリアの体を巧みに刺激していく。

「どうして欲しい?」

「……っ」

「まだまだ狭いな。よく蕩けさせないと入るまい」

「熱いの、お水を、ください」

「その熱さは喉の乾きからくるものではない」

「はああああんっ」

「そう、ここの渇きからくるものだ」

 大切な場所に指を差し入れられて、セシリアの体の熱が増していく。

「も、やだ、やめて…お願い」

「お前は、何だ?」

ハインリッヒが尋ねる。

 んっ…わ、はぁんっっ私は、王子の……

「奴隷、だろう?」

「っは…くっ…」

「我慢するな。素直になれば良い」

 熱を帯びていく体と朦朧とする意識の中でハインリッヒのバリトンの声が耳元で囁きかける。

 柔らかな舌を耳に差し込まれて、ハインリッヒのされるがままに声をあげることしか出来ない。

「ここに呼ばれもしないのに近づけば、切り捨てられるという噂が流れているからな、思い切り啼いて私を楽しませろ、セシリア」

「きゃああああんっ」

 散々体を隅々まで触りまくられて、快感はMAXに達していた。

 そして、その熱が爆発する一歩手前で指を止められる。

「どうした?不満そうだな?」

 触れるか触れないかの愛撫が繰り返される。

 先ほどよりもさらに熱を帯びた体。高まりが来る手前で止められる。

「あっあ…熱いの…あああっ!」


「その熱を取り去るにはお前が私のものになるしかないが、どうする?」

 閨の授業で、妻は初夜の晩に夫のものになるのだ、と教えられた。具体的にどういう風にそうなるのかは教えてもらえなかったが、セシリアは、それ、はエリアスとすることになるのだと思っていたし、そう望んできた。

「わっ、私には、心に決めた人がっ‥…」

「それは残念だ。お前は私の奴隷で、主人は私だ。だから、答えは一つしかない。このままにしておけば熱は冷めることはなく、狂い死ぬぞ?」

「いやあ」

「なら、お願いするんだ。セシリアをハインリッヒ様のものにしてください、と。どうせお前は私のものになる筈だったのだから、これは運命だ」

 ドロドロの思考に飲まれながら、セシリアはエリアスのことを思った。共にある未来を夢見た騎士の顔が浮かぶ。

 エリアス、ごめんなさい。ここで、死ぬわけにはいかないの。

「セシリア、さあ、いうんだ」

この世のものともいえないほど優しい声色で悪魔が囁く。

「セシリアをハインリッヒ様のものにしてください」

ハインリッヒが氷のような微笑を浮かべる。

「お前は私のなんだ?」

「私はハインリッヒ様の‥…んっ、はっ…ん」

「奴隷、だ。さあ、いうんだ。いわなければ、ずっとこのままだぞ?」

 涙ぐみながら震える声でセシリアがいう。

「ど…奴隷です」

「そうだな。お前は私のもの、だ。ご褒美に思い切り私の精を打ち込んでやろう」

 エリアスはセシリアの細かやな腰を掴むと、自らの分身をセシリアの体の中心部に挿し入れていく。

「っ…」

「初めての時は痛いが、香油の効果ですぐに快感に変わる」

 体が侵入に馴染み馴染めると、自分でも思っていないほど、甘い声をあげていたことに気づいてさらに顔を赤らめたセシリアを満足気に見つめると、さらに動きを増していく。

焦らされて限界に達していた熱が、ハインリッヒの動きと共に解き放たれていく。

「そう。セシリア、いい子だ、素直になるんだ。快感に身を任せろ」

「あああああああああああああああああああ!」

次の瞬間セシリアの意識は白い空間にのみこまれていった。

しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

いなくなった伯爵令嬢の代わりとして育てられました。本物が見つかって今度は彼女の婚約者だった辺境伯様に嫁ぎます。

りつ
恋愛
~身代わり令嬢は強面辺境伯に溺愛される~ 行方不明になった伯爵家の娘によく似ていると孤児院から引き取られたマリア。孤独を抱えながら必死に伯爵夫妻の望む子どもを演じる。数年後、ようやく伯爵家での暮らしにも慣れてきた矢先、夫妻の本当の娘であるヒルデが見つかる。自分とは違う天真爛漫な性格をしたヒルデはあっという間に伯爵家に馴染み、マリアの婚約者もヒルデに惹かれてしまう……。

勘違い妻は騎士隊長に愛される。

更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。 ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ―― あれ?何か怒ってる? 私が一体何をした…っ!?なお話。 有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。 ※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

処理中です...